映画「地獄の天使 紅い爆音」

地獄の天使 紅い爆音地獄の天使 紅い爆音
入鹿裕子                        内藤やす子

今回は内藤誠監督1977年製作「地獄の天使 紅い爆音」をピックアップする。
本作は、東映でバイオレンスクイーンとして売り出された新人の入鹿裕子さん、歌謡ロック歌手の内藤やす子さん、森下愛子さんのデビュー作である。 “カミソリのヨーコ”を演じる入鹿裕子さんは、本デビュー作を撮り終えると引退してしまったそうだ。主な舞台は横須賀。“カミソリのヨーコ”こと耀子が、彼女の過ちで姿を消した愛した男を探し求めるVシネマの様な物語であった。

地獄の天使 紅い爆音地獄の天使 紅い爆音
舘ひろし                        森下愛子

【ストリー】
耀子(入鹿裕子)は栃木刑務所を出所した。服役中の3年間、耀子は貢(小野進也)のことだけを考えていた。3年前、福生のライブハウスでロック・ギターを弾く貢と、カミソリヨーコという異名でとおっていた耀子は愛し合っていた。その貢が耀子の喧嘩にまきこまれ、ゴールド・フィンガーとまでいわれた左手小指を切りおとされたため、耀子は逆上し、相手を殺してしまった。「人殺し!」と貢は耀子にむかって叫んだ。福生へ戻った耀子は、ライブ・ハウスへ行くが、貢の姿はなかった。友人の朝子(内藤やす子)は横須賀に貢がいるという噂を聞いたと、耀子に告げる。耀子は横須賀に向った。耀子は、旧友の早苗(津和のり子)のバーを尋ね、ホステスとして働き始める。ある日、耀子は小指のない男を見つけ、貢だと思い後を追うが、それは彼ではなく寒河江(舘ひろし)という男だった。寒河江は暴力団の組長を殺し、指名手配されていることを耀子に話す。人を殺した苦しさから逃れようと、寒河江は麻薬常習者となっていた。耀子は寒河江のために薬を求め早苗のバーを尋ねる。しかし、そこにいあわせた黒須(成瀬正)という男に薬を飲まされ、犯されてしまう。数日後、復讐を誓い黒須のマンションに耀子は乗り込むが逆に殺されそうになる。そこえ寒河江が飛び込んで来ると猟銃で黒須を撃ち殺してしまった。二人は翌日、川崎のフェリーで会う約束をして別々にその場を去る。逃げる途中、耀子は偶然貢と再会し、その夜ホテルで二人は求め合った。耀子は寒河江の存在を貢に話す。翌朝、耀子が目覚めると貢の姿はすでになかった。川崎フェリー乗船場へ急ぐ耀子は、そこで、貢が寒河江を刺殺するのを目撃してしまう。貢は、暴力団に雇われ、寒河江を殺す命令をうけていたのだった。皮肉にも耀子は寒河江の猟銃で貢の命を奪わなければならない。その後姿には女の悲しみが漂っていた。

地獄の天使 紅い爆音地獄の天使 紅い爆音
入鹿裕子、小野進也                   津和のり子
地獄の天使 紅い爆音地獄の天使 紅い爆音
フラワーキッズ                      入鹿裕子

題名:地獄の天使 紅い爆音
監督:内藤誠
企画:安斉昭夫、坂上順、橋本新一
脚本:田中陽造、荒井晴彦、内藤誠
撮影:中島芳男
照明:萩原猶義
録音:林鉱一
美術:藤田博
装置:井保国雄
装飾:米沢一弘
美容:宮島孝子
衣裳:内山三七子
擬斗:西本良治郎
記録:山内康代
編集:戸田健夫
音楽:忠治 主題歌:津和のり子「ほれてあられてブルース」挿入歌:内藤やす子「サタディクイーン」「ターゲット」
現像:東映化学
進行主任:松本可則
助監督:馬場昭格
演技事務:石川通生
制作協力:バーニングプロ、チェックメイト
スチール:遠藤努
出演:入鹿裕子、内藤やす子、舘ひろし、成瀬正、森下愛子、津和のり子、小野進也、中田博久、福田勝洋、橋本晴美 忠治、町田政則 、亀山達也、ケイ梅津、城春樹、きくち英一、フラワーキッズ
1977年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー77分35mmフィルム
地獄の天使 紅い爆音 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

地獄の天使 紅い爆音地獄の天使 紅い爆音
入鹿裕子、舘ひろし                   入鹿裕子

映画「極道の妻たち」


「極道の妻たち」岩下志麻

かたせ梨乃                     世良公則

今回は五社英雄監督1986年製作「極道の妻たち」をピックアップする。
本作は家田荘子氏の原作ルポルタージュをベースにした新しいタイプの任侠映画として、極妻(極道の妻)に焦点を当てたヒットシリーズ第1作になる。

1986年「極道の妻たち(監督:五社英雄 主演:岩下志麻)」
1987年「極道の妻たちII(監督:土橋亨 主演:十朱幸代)」
1989年「極道の妻たち 三代目姐(監督:降旗康男 主演:三田佳子)」
1990年「極道の妻たち 最後の戦い(監督:山下耕作 主演:岩下志麻)」
※以降の主演は岩下志麻さん。
1991年「新極道の妻たち(監督:中島貞夫)」
1993年「新極道の妻たち 覚悟しいや(監督:山下耕作)」
1994年「新極道の妻たち 惚れたら地獄(監督:降旗康男)」
1995年「極道の妻たち 赫い絆(監督:関本郁夫)」
1996年「極道の妻たち 危険な賭け(監督:中島貞夫)」
1998年「極道の妻たち 決着[けじめ](監督:中島貞夫)」
※以降Vシネマとして、東映ビデオ制作で6作品が製作された。


世良公則、かたせ梨乃              岩下志麻、成田三樹夫

成田三樹夫、佳那晃子              世良公則、岩下志麻

【ストリー】
粟津環(岩下志麻)は堂本組若頭補佐で粟津組組長の妻である。気丈な彼女は、服役中の夫・等(佐藤慶)に変わり組を守っていた。ある日、環は貧しい工場を経営する父・保造(大坂志郎)と暮らす妹・真琴(かたせ梨乃)に縁談を持ちかけた。そんな時、堂本組総長が急死した。関西を拠点に全国的に勢力を持つ堂本組は、傘下組員二万人の暴力団で、粟津組はその直系である。堂本組の跡目相続人は、故人の遺言によって若頭の柿沼(岩尾正隆)に決定した。これを不満とする舎弟頭の蔵川(疋田泰盛)は、同補佐の小磯(成田三樹夫)らを引き連れて朋竜会を結成した。環はあくまで堂本に忠誠を尽し、小磯の誘いを拒否する。小磯は傘下系列の名古屋の杉田組組長の杉田(世良公則)に柿沼暗殺の指揮を命じた。
一方、アルバイト先のスナックで杉田にしつこく言い寄られていた真琴は、バカンスを楽しむグァム島で偶然、彼と再会。コテージで力ずくで抱かれた。杉田は兄弟分の川瀬組組長・川瀬(小松政夫)と共に柿沼暗殺のための拳銃の試射に来ていたのだ。帰国した真琴は、環に縁談を断りやくざと関係したことを告げた。ある日、柿沼が射殺された。すぐに、愛知県常滑市の暴力団員・川瀬が自首して出た。かひでそれを知った真琴は常滑へ向かう。杉田と真琴は、子分に囲まれながら結婚式を挙げる。だが、杉田は突然踏み込んで来た刑事たちに逮捕された。真琴のもとに、杉田が柿沼を射止めた拳銃が残された。ある夜、粟津組系組長の妻たちが集まる“懲役やもめの会”で、環が小磯系組員の襲撃を受けた。このまま抗争を続ければ、双方の組織が壊滅しかねないと案じた堂本の妻、絹江は関東から手打ちの仲介を頼むと環に告げる。環は小磯の妻、泰子(佳那晃子)の手を借りて小磯と会い、戦争終結を話し合った。一方、保釈となった杉田は、朋竜会解散の真偽を確めに大阪へ。家族と海水浴を楽しむ小磯の前で、自分の腹をドスで突き刺した。服役中の粟津が堂本の三代目に決定。大阪に戻った真琴は父親の死を知る。
真琴は環のもとで暮らし始めたが、ある朝、見張りの清野伴司(清水宏次朗)と出かけた際、杉田の子分、花田太市(竹内力)と再会した。杉田のもとへ行くという真琴を環は止める。激しい喧嘩の後、「今日限り、わてらは姉妹でない」と環は妹を送りだした。杉田と真琴の久方ぶりの逢瀬の際中、伴司が飛び込んで来て杉田を刺殺した。そして粟津の保釈の日、環や組員が見守るなか、粟津は太市によって殺された。


岩下志麻                     かたせ梨乃、岩下志麻

題名:極道の妻たち
監督:五社英雄
企画:日下部五朗、奈村協
原作:家田荘子
脚本:高田宏治
撮影:森田富士郎
照明:安藤清人
録音:荒川輝彦
美術:西岡善信、今井高瑞
装置:梶谷信男
装飾:窪田治
背景:西村三郎
美粧:田中利男
結髪:山田真佐子
衣装:黒木宗幸
技斗:土井淳之祐
配役:葛原隆康
記録:田中美佐江
編集:市田勇
音楽:佐藤勝
監督補佐:清水彰
助監督:比嘉一郎
スチール:北脇克巳
出演:岩下志麻、かたせ梨乃、佳那晃子、世良公則、成田三樹夫、清水宏次朗、藤間紫、松尾和子、竹内力、小松政夫、大坂志郎、円浄順子、春やすこ、内藤やす子、絵沢萌子、八神康子、汀夏子、鹿内孝、佐藤慶、岩尾正隆、疋田泰盛
1986年日本・東映京都撮影所/ビスタサイズ・カラー120分35mmフィルム
極道の妻たち -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


かたせ梨乃

極道の妻たち

映画「さらば愛しのやくざ」

さらば愛しのやくざさらば愛しのやくざ
陣内孝則                       柳葉敏郎

今回は和泉聖治監督1990年製作「さらば愛しのやくざ」をピックアップする。
「映画は脚本だ」と言う人が多いが、本作の脚本は、同年代作品郡の中で特に素晴らしいと思う。往来のヤクザ映画と全く違う視点で物語を簡潔にスマートに描いている。優秀な脚本があって俳優の演技、演出、撮影、照明、美術などの画が始めて生きる。それが映画であるという事を思い起こさせてくれる作品である。

さらば愛しのやくざさらば愛しのやくざ
相楽晴子                      内藤剛志

【ストリー】
1980年、新宿。ジョン・レノンが暗殺されたその夜、裏町のバー・モビーディックに足を踏み入れた達也(柳葉敏郎)は、そこで悟郎(陣内孝則)というやくざに金を巻き上げられてしまう。数日後、再び店に足を向けた達也は今度は逆に必要以上の金を置いて店を後にした。それがこの二人の最初の出会いだった。翌年の夏、悟郎と再会した達也は、自由な生き方をしている悟郎に次第に惹かれていく。悟郎は廃屋となりかけている古い唐沢病院の病室をアパート替わりに、異母兄妹の季美子(相楽晴子)と部屋を並べて住んでいた。季美子には実家に五才になる隆という子供がいた。そしてその父親は悟郎の属する村上組と対立する栄組の工藤(内藤剛志)だった。村上組のルートを使って麻薬を密売しようと企む栄組は、悟郎を罠にかけようとするが、偶然そのことを知った達也は悟郎の舎弟から場所を聞き出し、銃を携えて乗り込む。そしてそこで悟郎は工藤を射殺してしまうのだった。10年後、海外で仕事をしていた達也は悟郎の出所が近いことを季実子からの便りで知り日本に戻る。久しぶりに再会した三人は夏の終わりの海辺で子供のようにはしゃぎまわった。だが村上組では悟郎の留守の間、上部組織から派遣された坂田(大竹まこと)に実権が掌握され、麻薬を多量に扱っていた。そして高校生に成長した隆(稲垣吾郎)までもその中毒になっていた。悟郎の存在を邪魔に思う坂田はそんな隆を使って悟郎の命を奪おうとしていた。禁断症状となった隆によって銃弾をあびた悟郎は、雨の中達也に抱かれて死んでいった。そして達也は一発だけ弾の残った拳銃を手に単身で村上組へと殴り込んで行くのだった。

さらば愛しのやくざさらば愛しのやくざ
大竹まこと、陣内孝則              室田日出男、陣内孝則

題名:さらば愛しのやくざ
監督:和泉聖治
企画:翁長孝雄、磯田啓二
製作:佐藤和之、菊地淳夫
原作:安楽隆雄
脚本:野沢尚
撮影:東原三郎
照明:山口利雄
録音:渡辺典夫
美術:小澤秀高
記録:山下千鶴
編集:福田憲二
音楽:大谷幸
現像:東映化学
助監督:原田昌樹
スチール:加藤光男
出演者:陣内孝則、柳葉敏郎、相楽晴子(ハル子)、 内藤剛志、室田日出男、大竹まこと、田中邦衛、内藤やす子、稲垣吾郎、片桐竜次、エド山口、豊原功補、木俣堯喬
1990年日本・東映東京撮影所/ビスタサイズ・カラー105分35mmフィルム
さらば愛しのやくざ [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

さらば愛しのやくざさらば愛しのやくざ
柳葉敏郎、稲垣吾郎、相楽晴子           陣内孝則、柳葉敏郎