映画「狙撃」

狙撃
加山雄三
狙撃狙撃

今回は東宝スタイリッシュ・ハードボイルド・アクション第1弾、堀川弘通監督1968年製作「狙撃」をピックアップした。主演は次回作「弾痕」の加山雄三。若大将シリーズより魅力ある演技を見せてくれる。共演は浅丘ルリ子、森雅之、岸田森がそれぞれこの時代の中で良い味を出している。1989年に同題名でVシネマ「狙撃 THE SHOOTIST(監督:一倉治雄、出演:仲村トオル、名取裕子)」が東映で作られたが、本作の方が楽しめる。

狙撃狙撃
CANON AUTO ZOOM 1218[8mmフィルムカメラ]        岸田森、加山雄三

劇中、松下(加山雄三)と深沢(岸田森)が、片倉(森雅之)のモーゼル銃で抜射ちする手さばきを、8mmフィルムに記録するというシーンがある。この8mmカメラは、1968年~1974年に販売されたCANON AUTO ZOOM 1218だ。当時開発した高倍率12倍ズームをCANON518の筐体に入れたもので高価なカメラだったのを覚えている。
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・CANON AUTO ZOOM 1218
・Canon Zoom C-8 1.18/7.5~90mm F1.8/12倍ズーム(13郡19枚構成)
・撮影速度:1・18・24・45コマ/秒
・フィルム:コダック・スーパー8カートリッジ
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望遠側が90mm(35mm換算約400mm)なので、劇中の様な画は撮れないのは、ご愛嬌だ。

【ストリー】
街がまだ眠っている東京の休日。一人の男が、ビルの屋上から眼下にさしかかった特急ひかり号の一等車乗客を狙い撃った。狙撃者、松下徹30歳。彼の経歴は大学の射撃部に在籍していたことしか解らない。そして今も射撃の訓練に明け暮れ、銃が身体の一部になっているような男だった。ある日、松下は、射撃場でファッションモデルの小高章子と知合った。彼女の趣味は蝶の蒐集。連日仕事とパーティの間を駈け廻っている章子は、トリパネ蝶の生息するニューギニアの自然に、憧れていた。松下にとっては、南国の太陽や蝶を追い求める章子が、章子にとっては、松下の冷徹なまでの個性が、おのおのの心に焼きついた。その夜二人は、章子のマンションで抱き合ったが、肉体的には結ばれなかった。松下に次の仕事が舞込んだ。依頼主は、商事会社の社長花田だった。彼は伊豆に密輸されるという金塊の横取りをする計画を持っていた。松下はその仕事を引受け、米軍基地の近ぐで銃砲店を営む学生時代の親友深沢を訪れた。深沢は警察の鑑識をあざむくために、米軍のベトナム帰休兵が横流ししたソ連製を松下に提供した。松下たちの襲撃は成功した。その夜、章子の許へ走った松下は歓喜と陶酔を味わった。だが、楽しい日々は長つづきしなかった。二人の間に倦怠がしのび寄り、章子はショウの仕事で富士高原へ出掛けて行った。一方、花田は莫大な金塊の売却を出来ずあせっていた。金ブローカーが密輸団の組織に動かされてか、軒なみに花田の金を敬遠したのだ。その上、花田と松下は、殺し屋片倉に狙われる身となった。その頃、松下は章子を訪れ、高原のスピードウェイで愛車トヨタ2000GTを走らせていた。松下が飛来したヘリコプターから狙撃されたのは、そんな折だった。スタンドからこの有様を見ていた章子は、はじめて松下が殺し屋であることを知ったのだった。松下は片倉との対決を決意し、ゴルフ場で猛犬に襲いかからせ抜射ちで殺す片倉の手さばきを、フィルムにおさめて研究した。だが、その間に片倉は、花田と彼の手下を皆殺しにした上章子を人質にしていた。片倉の呼びだしに応じた松下は、目の前で章子を射たれた。二人は昇る太陽の中で対決した。松下は最高の人間標的を狙い撃ち倒し、生きる歓びを感ずるのだった。

狙撃狙撃
加山雄三                       浅丘ルリ子

題名:狙撃
監督:堀川弘通
製作:貝山知弘
脚本:永原秀一
撮影:長谷川清
照明:平野清久
録音:増尾鼎
整音:下永尚
美術:村木忍
結髪:中尾さかゑ
振付:竹邑類
擬斗:岩本弘司
編集:黒岩義民
現像:東京現像所 合成:三瓶一信
音楽:真鍋理一郎
製作進行:江口英彦
助監督:吉松安弘
スチール:石月美徳
出演:加山雄三、浅丘ルリ子、森雅之、岸田森、小沢昭一、藤木孝
1968年日本・東宝/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム
狙撃 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

狙撃狙撃
岸田森

映画「弾痕」

弾痕弾痕
加山雄三

今回は森谷司郎監督1969年製作「弾痕」をピックアップする。
狙撃」に続く、加山雄三主演の東宝スタイリッシュ・ハードボイルド・アクション第2弾という本作は、当時社会を揺るがした学生運動の様子やフォークシンガーの高石友也氏が登場する新宿西口広場フォーク集会などが時代背景として記録されているのは貴重だ。「狙撃」と同じ時期に劇場で観て印象に残っている作品だった。

※挿入歌「死んだ男の残したものは」高石友也

弾痕弾痕
岸田森、岡田英次                                                     佐藤慶

【ストリー】
夏の日の箱根。首相と会談を終えた米特使一行の帰路を、テロリストの一団が狙っていた。一行の車が近づき、手榴弾が投げられようとした一瞬、空から一台のヘリコプターが急降下し、一人の男がテロリストたちを狙撃した。滝村憲--米諜報機関工 作員、銃の名手である。ある日、来日中の中共貿易促進使節員楊が、米大使館に逃げこんだ。楊の逃亡をたすけた憲は、その夜、中共側の工作員三宅に狙撃され た。憲は反射的に弾丸を避けたものの、それは通行人を負傷させていた。有村沙織がその人だった。憲は女工作員薫に手当の依頼をすると、次の任地で北朝鮮からの密入国者を射殺した。所持品から中共側のスパイであることが判明、 逃亡した楊との関連に、疑惑が持たれた。拷問の末、楊は自分の目的が、東京で武器商人ローズと武器買入れ交渉をすることにあった、と自白した。彫刻家沙織 と再会した憲は、傷の代償としてモデルをさせられた。彼女は、憲の中に“心の傷跡”を感じ、それを彫像に表現しようとした。死の商人ローズがやって来た。 憲は彼の動向に注意したが、楊の自白もローズの来日もみな囮だった。その時取引きはすでに完了していた。憲は三宅を倒すと、本もののローズを射殺した。が、憲もまた同僚工作員によって、殺されてしまった。沙織は、最後まで祖国を持ち得ず孤独のうちに生涯をとじた憲の死顔を、酷薄なまでの眼差しで見つめた。

弾痕弾痕

題名:弾痕
監督:森谷司郎
製作:貝山知弘
脚本:永原秀一
撮影:斎藤孝雄(三船プロ)
照明:小島正七
録音:矢野口文雄
整音:宮崎正信
美術:村木与四郎
編集:黒岩義民
音楽:武満徹
現像:東洋現像所 合成:松田博
助監督:吉松安弘
スチール:中尾孝
出演:加山雄三、太地喜和子、佐藤慶、岡田英次、立花マリ、納谷悟朗、小沢忠臣、岸田森、ロルフ・ジェサップ、アンディ・シームズ
1969年日本・東宝/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
弾痕 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

弾痕弾痕
太地喜和子

映画「どぶ鼠作戦」

どぶ鼠作戦どぶ鼠作戦

今回は岡本喜八監督1962年製作「どぶ鼠作戦」をピックアップする。
本作は”独立愚連隊”シリーズの最終作になるそうだが、「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」「どぶ鼠作戦」に関連性はない。御殿場ロケで中国大陸とする無理と中国人役を日本人俳優が演ずる無理が重なって見えた。黒澤明監督「「隠し砦の三悪人」のオマージュとして一部で評価されている様だが、私には分からない。史実を無視したアクションコメディとして楽しめる方もいるかもしれない。

どぶ鼠作戦どぶ鼠作戦
加山雄三

【ストリー】
北支最前線の三元守備隊は完全に孤立の状態だった。師団司令部から派遣された新任の参謀関大尉は、三元より約二五粁西の元頭で作戦を指導中、八路の大軍に襲われて行方不明となった。師団長は大尉救出隊の編成を急いだ。その隊長に、特務隊長の白虎が選ばれた。そして白虎が選んだのは、脱走常習犯の林一等兵、食事を盗んだ兵を撲殺した空手三段の三好炊事軍曹、その軍曹を仇と狙って炊事場へ手榴弾を投げこんだ穴山上等兵、忍術研究中の佐々木二等兵の四人だった。救出隊五騎は、関隊が全滅した老頭に行った。そこには敵の密偵隊長の無双が白虎を待ちうけていた。白虎と無双は時々情報を交換してお互に利用しあっていたのである。無双は関大尉が師団長の息子で、百万元の身代金がかかっていることを知り、白虎は関大尉が捕えられて四風の野戦病院に、いることを知った。白虎隊は、八路軍が散在している五十里向うの四風に、ある時は無双隊を名乗り、ある時は敵兵に変装してたどりついた。折しも、四風は陣中結婚式ににぎわっていた。一同はその中にまぎれこんだ。日本機の爆撃があり、三好軍曹は重傷をおった。そのすきに無双は関大尉をうばって逃げたが白虎に追われ、対決の末に射殺された。白虎隊は関大尉をつれて逃げる途中八路軍の追撃をうけどぶ鼠のように逃げた。重傷の三好軍曹は仲間を助けるために敵軍と単身戦って死んだ。一方、日本軍は作戦を変更し三元を撤退することになった。正規軍とみとめられない白虎の手兵は死守部隊として三元に残された。やがて怒濤のようにおしよせて来た八路軍との間に激しい戦闘が始まった。一度捕虜になった身を今さら部隊に戻ることも出来ない関大尉を先頭とする六名はそれを知ると馬をとばして戦闘の中に飛びこんでいった。撤退中の元三元守備隊長正宗中尉も日本軍の非情に腹を立て、軍人廃業を宣言すると六名の後を追った。部隊の指揮を託された大森見習士官は落ち着きはらって部隊を戦闘隊形に直すと、軍の方針もあらばこそ、これもまた三元めがけて攻撃に向うのであった。

どぶ鼠作戦どぶ鼠作戦
水野久美

題名:どぶ鼠作戦
監督:岡本喜八
製作:田中友幸、角田健一郎
脚本:岡本喜八
撮影:逢沢譲
照明:猪原一郎
美術:育野重一
録音:伴利也
整音:下永尚
編集:黒岩義民
音楽:佐藤勝
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:鈴木政雄
助監督:山本迪夫
スチール:荒木五一
出演:加山雄三、佐藤允、夏木陽介、中谷一郎、 中丸忠雄、田中邦衛、砂塚秀夫、江原達怡、藤田進、水野久美、田村奈己、ミッキー・カーチス
1962年日本・東宝/シネスコサイズ・モノクロ102分35mmフィルム
どぶ鼠作戦 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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