映画「くノ一化粧」


西村晃                          露口茂

今回は中島貞夫監督1964年製作「くノ一化粧」をピックアップする。
本作は、肉体を武器にした女忍者の活躍を軽妙なタッチで描いた「くノ一忍法」に続き“くノ一”シリーズの第二弾になる。前作同様、東映京都撮影所内での贅沢なセット撮影が多用されている。


春川ますみ、小沢昭一                 露口茂、芦屋雁之助

春川ますみ                       緑魔子 

【ストリー】
慶安4年、由井正雪(原健策)、丸橋忠弥を中心にした幕府転覆計画は失敗に終った。老中松平伊豆守(原田甲子郎)は由井正雪の動きを早くから察知し、その資金源を、老忍者服部半助(多々良純)に探らせていた。その結果、豊臣家が遺した巨億の財宝がかくされていることを知った。そして、その在りかを解く鍵は、豊臣家の恩恵を浴した大友忍者6人のくノ一が胎内に秘めた6個の鈴であった。鈴を強奪せよという伊豆守の命を受けた、天草扇千代(露口茂)を首領とする、道忍(西村晃)、狂念(小沢昭一)、兵部(脇中昭夫)、鞭馬(芦屋雁之助)、水阿弥(加藤武)ら6人の鍔隠れの忍者は、くノ一の住む長崎に向った。しかし彼等の動きは、早くもくノ一の首領天姫(弓恵子)の許にも伝わった。天姫を中心に、もみじ(西岡慶子)、お志乃(緑魔子)、お珠(松井康子)、夕心尼(岬瑛子)、お貞(三島ゆり子)の6人は鈴の死守を誓った。お志乃は夢幻琴の音、密霞の術を使い篝火兵部を倒しながら、扇千代のために術を破られ、忍法山彦によって自らも命を絶った。しかし扇千代も天姫の髪縫いの術によって盲目になった。一方鍔隠れ忍者の逗留する丸山遊廓を襲ったお貞は、逆に鞭馬のおとこ化粧の術で殺され鈴を奪われた。さらに鞭馬は、お貞に扮し、くノ一の本拠持仏堂に乗りこんだが、正体を見破られ、お珠の先祖返りの術にかかり、赤ん坊になってしまった。だが、お珠も、一寸した油断を、かけつけた水阿弥につかれ殺された。しかし、その水阿弥にも天姫の術がかかり、扇千代の姿が幻覚で裸身のくノ一に見えるのだった。抜討ちに切りかかる水阿弥を扇千代の刃が切って捨てた。部下を斬り良心の苛責に悩む扇千代は、惚れた遊女伽羅(春川ますみ)との情事に我を忘れた。そんなうちにも、両者の争いは苛烈で、天姫と扇千代を残して、次々と倒れていった。残った天姫は奪われた鈴を取り返そうと、伽羅の肉体を借りて扇千代に近づいた。が、女の本能は抱かれた扇千代の胸の中で、初めての喜びにふるえた。くノ一の宿命と、女の真の喜びが激しく交錯した。が、突然、扇千代が求めているのは自分ではなく伽羅であることに気づき、取返した鈴をも投げ捨て、扇千代の叫ぶ声を後に悄然と去っていくのだった。


多々良純                             弓恵子

題名:くノ一化粧
監督:中島貞夫
企画:小倉浩一郎、折茂武雅
原作:山田風太郎
脚本:倉本聰、中島貞夫、金子武郎
撮影:赤塚滋
照明:和多田弘
録音:藤本尚武
美術:吉村晟
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
美粧:佐々木義一
結髪:白鳥里子
衣装:三上剛
擬斗:上野隆三
記録:墨はつ子
編集:神田忠男
音楽:山本直純
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:田村守
助監督:富田義治
スチール:深野たかし
出演:西村晃、露口茂、小沢昭一、芦屋雁之助、脇中昭夫、加藤武、春川ますみ、緑魔子、三島ゆり子、多々良純、弓恵子、岬瑛子、原健策、原田甲子郎、西岡慶子、松井康子
1964年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
くノ一化粧 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


くノ一化粧                                                        弓恵子、春川ますみ

映画「日本侠客伝 絶縁状」


高倉健                     松尾嘉代、高倉健

今回はマキノ雅弘監督1968年製作「日本侠客伝 絶縁状」をピックアップする。
本作は、日本侠客シリーズ第8作、ヤクザが暴力団と呼ばれ世間の風は冷たなった1960年代の東京で、本シリーズ初の組長役の健さんが、親分の早期釈放を条件に組の解散を持ちかけられ、時代の変わり目の葛藤をするといった内容だ。しかし現代を通して描く任侠は、違和感が残った。その後、実録路線の「仁義なき戦い」は1973年に製作される。


桑原幸子                    藤山寛美、待田京介

【ストリー】
東京で大きな努力をもつ天盟会会長橋爪(伊井友三郎)は、警視庁の暴力団取締り頂上作戦で逮捕された。天盟会傘下の浜田組、平井組、伊坂組は、それ以来、橋爪の灯りをおとなしく待っていた。それから3年、いまは上野組だけが橋爪の留守に悪どく縄張りを広げていた。上野(渡辺文雄)は天盟会会長の座を狙っていたのだ。一方、浜田(高倉健)は次期会長として他の組の親分に声望が高かったから、上野はなにかと浜田組の縄張り内でいざこさを起した。ある日、浜田組の唯一の資金源である賭場を上野は警察に密告、そのため浜田は苦境に立った。新年の事始め式で、浜田は天盟会の乱れを全員に諌めたが、同意したのは平井(菅原謙二)だけで、上野はそんな浜田をせせら笑っていた。また、妹を浜田に嫁がせている平井は、追いつめられた浜田の子分が、イカサマ賭博をしていると、浜田に忠告した。ある日、刑務所に橋爪を訪ねた浜田は、乱れた会の現状を述べ、会を解散してほしいと訴えた。だが、橋爪は反対した。浜田は、橋爪の健康が刑務所に無理なのを知り、警察から会を解散すれば会長を釈放する、との内示があったのを機会に浜田組の単独解散を強行した。上野はそれをみてほくそ笑んでいた。浜田は組員をそれぞれ正業につかせ、自らも浜田建設を設立した。しかし、上野は次々と旧浜田組組員に迫害を加え始めた。それから間もなく、橋爪は釈放されてきたが、上野の悪どいやり方に愛想をつかし、平井に浜田を呼びにやらせた。上野はその平井を襲い、深手を負わせたのだ。瀕死の平井は、浜田にすべてを話し、息を引き取った。義兄の死に怒った浜田は、白鞘の長脇差を手に、上野組に殴り込んだ。浜田が、任侠道をふみにじった上野一派を倒したことは、いうまでもなかった。


遠藤辰雄、渡辺文雄                  高倉健

題名:日本侠客伝 絶縁状
監督:マキノ雅弘
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
脚本:棚田吾郎
撮影:わし尾元也
照明:北口光三郎
録音:東城絹児郎
美術:井川徳道
装置:米沢勝
装飾:清水悦夫
美粧:佐々木義一
結髪:西野艶子
技斗:谷明憲
記録:国定叔子
編集:宮本信太郎
音楽:木下忠司
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:並河匡夫
助監督:原田隆司
スチール:中山健司
出演:高倉健、待田京介、松尾嘉代、小島慶四郎、曽根晴美、遠藤辰雄、桑原幸子、原健策、宇佐美淳也、伊井友三郎、渡辺文雄、菅原謙二、藤山寛美
1968年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
日本侠客伝 絶縁状 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


高倉健                    松尾嘉代、高倉健

映画「怪竜大決戦」


怪竜大決戦

松方弘樹                      小川知子

今回は山内鉄也監督1966年製作「怪竜大決戦」をピックアップする。
当時、東宝のゴジラや大映のガメラ、日活がガッパ、松竹がギララという怪獣を登場させていた。本作は東映が唯一製作した“怪獣が登場する映画”であり、撮影は東映京都撮影所で行われ時代劇の重鎮が顔を揃えている。


大友柳太朗                     天津敏

【ストリー】
家老結城大乗の謀によって殺された近江の城主、尾形左馬亮の若君雷丸(松方弘樹)は、飛騨の国に逃げた。そこで雷丸は仙人、がま道人(金子信雄)から忍術を仕込まれ青年になったが、がま道人は昔の悪弟子、大蛇丸(大友柳太朗)に殺害された。その大蛇丸が父をも殺したことを知り、雷丸は自雷也と名乗り仇討ちのため近江に旅発った。途中、幼い時に別れた父を探し近江に向う綱手(小川知子)という少女に出会った。少女綱手も、父を探して自雷也の後を追った。大蛇丸から自雷也のことを聞いた結城大乗(天津敏)は、忍者を配し警戒網を張った。自雷也は百姓、善兵衛(原健策)の娘お咲(鈴村由美)の婿に化け市中潜入に成功したが、大蛇丸は善兵衛を殺した上にお咲までさらって逃げた。一方綱手も一度は、大蛇丸の配下の忍者に襲われるが、やはり忍者の一人の百々兵衛(千葉敏男)に救われ、無事に近江に入った。時あたかも、尾形家再興に現われた自雷也の噂でもちきりで、この混乱に乗じ大蛇丸は大乗を失脚させ、さらに自雷丸を倒し城主におさまろうという腹だった。百々兵衛のおかげで自雷也に再会できた綱手も、その百々兵衛から大蛇丸こそ探していた父だと聞かされ、連れていかれた。綱手は父大蛇丸より自雷也毒殺を命じられた。綱手から薬を飲まされた自雷也は大蛇丸の思うツボ、昏々と眠り続けた。すでに自雷也が死んだものと早合点した大乗が、酒宴を催している只中に躍り出た自雷也は、一気に大乗を倒し、さらにその裏切りを怒った大蛇丸は百々兵衛を殺し、それから自雷也の“がまの妖術”と大蛇丸の“昇竜の術”の決戦となったが、この大格闘に城は破壊された。自雷也があわや!と思われた時、綱手が蜘蛛婆(原泉)からもらったかんざしを大蛇丸に投げつけると、大蜘蛛が現われ、すさまじい落雷とともに、すべての妖術が解け、自雷也は大蛇丸を一刀のもとに斬り倒してしまった。無事仇討ちを果たした自雷也と綱手は大鷲に乗り、お咲姉弟と別れて元気に飛騨の国へと飛立った。


小川知子

大友柳太朗                                                   松方弘樹、大友柳太朗

題名:怪竜大決戦
監督:山内鉄也
企画:岡田茂、新海竹介
脚本:伊上勝
撮影:わし尾元也
特撮:赤塚滋
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
装置:米沢勝
装飾:山田久司
造型:エキスプロダクション
美粧:堤野正直
結髪:橋本明子
衣装:三上剛
技斗:上野隆三
記録:矢部はつ子
編集:神田忠男
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学 合成:松木春吉
音楽:津島利章
製作主任:並河正夫
助監督:牧口雄二
スチール:中山健司
出演:松方弘樹、小川知子、大友柳太朗、鈴村由美、金子信雄、原健策、千葉敏男、林真一郎、天津敏、原泉、岡田千代、福本清三
1966年日本・東映/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
怪竜大決戦 -DVD-
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鈴村由美、岩村隆男、小川知子、松方弘樹