映画「野良猫ロック 暴走集団’71」


「野良猫ロック 暴走集団’71」梶芽衣子

梶芽衣子                                                                   范文雀

今回は藤田敏八監督1970年製作「野良猫ロック 暴走集団’71」をピックアップする。
シリーズ最終作である本作は、これまでの野良猫ロックとは違う内容である。主演の梶芽衣子さん(振り子)が叛逆に絡まず受動的に描かれているのが残念だった。それにしても1970年の新宿西口の空地が多い事に、懐かしさを通り越して驚きだった。

【野良猫ロックシリーズ】
1970年「女番長 野良猫ロック」監督:長谷部安春/出演:和田アキ子、梶芽衣子
1970年「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」監督:藤田敏八/出演:梶芽衣子、范文雀
1970年「野良猫ロック セックス・ハンター」監督:長谷部安春/出演:梶芽衣子、安岡力也
1970年「野良猫ロック マシンアニマル」監督:長谷部安春/出演:梶芽衣子、范文雀、黒沢のり子
1970年「野良猫ロック 暴走集団’71」監督:藤田敏八/出演:梶芽衣子、原田芳雄、藤竜也(※公開は1971年)


「野良猫ロック 暴走集団’71」梶芽衣子

藤竜也、原田芳雄                                                       地井武男

【ストリー】
新宿のある公園の芝生に、寝袋で眠るユーモラスな集団があった。この集団はピラニア(原田芳雄)をリーダー格に、レモン(司美智子)、シンコ(青木伸子)、振り子(梶芽衣子)、隆明(地井武男)、マッポ(藤竜也)などがメンバーの、新宿をさすらう陽気で奇抜なフーテンたちだった。振り子と隆明が、早起きしてじゃれあっているところへ、真っ黒なミリタリールックに身をかためた黒い親衛隊ブラックSSの5人組が突然現われた。このブラックSSは、地方の町のボスで隆明の父親でもある荒木義太郎(稲葉義男)が、家出をした隆明を連れ戻すために差し向けたものだった。抵抗した隆明は、はずみでSSの一人(安岡力也)を刺し殺したが強引に連れていかれてしまった。振り子は隆明を庇うため殺人の罪を被り、鑑別所に入れられてしまったが、隆明会いたさに仲間と脱走し、隆明のいる町へと向った。一方、ピラニアたちも振り子を守るため、町へと出発した。町へたどり着いた振り子は、SSに捕えられ、荒木邸の地下室に閉じこめられてしまった。これを嗅ぎつけたピラニアたちは、振り子を救い出すために、町外れの無人別荘にアジトを構えた。しかし、荒木を始めとする町の住人たちが、異様なフーテン集団を見逃すはずがなく、一体となってピラニアたちを攻撃し始めた。隆明も一旦は父親の荒療治に変心したものの、振り子への愛が再び甦り、振り子と共に荒木邸を脱出し、ピラニアたちが立て籠もる荒れ果てた鉱山へと向った。やがて、町ぐるみの荒木対ピラニアたちの壮烈な銃撃戦が始まる。降服しようとした隆明は総統(郷鍈治 )に射殺され、駆け寄った振り子もまた、銃弾に倒れた。ダイナマイトを手にしたピラニアが総統に抱きつき、自爆、荒木もそれに巻き込まれて死んだ。生き残ったフーテンたちはダイナマイトを投げつけ町の住人を追い払う。やがて、鉱山は静寂さを取り戻した。


「野良猫ロック 暴走集団’71」モップス

藤木孝、郷鍈治                   戸浦六宏、 稲葉義男

題名:野良猫ロック 暴走集団’71
監督:藤田敏八
企画:佐々木志郎
製作:笹井英男、岩澤道夫、真下武雄
脚本:永原秀一、浅井達也
撮影:萩原憲治
照明:大西美津男
録音:杉崎喬
美術:千葉和彦
擬斗:渡井喜久雄
編集:丹治睦夫
音楽:玉木宏樹
現像:東洋現像所
製作担当:坂田則正
助監督:岡田裕
色彩計測:前田米造
スチール:浅石靖
出演:梶芽衣子、原田芳雄、藤竜也、范文雀、地井武男、司美智子、久万里由香、郷鍈治、藤木孝、戸浦六宏、稲葉義男、安岡力也、常田富士男、青木伸子、夏夕介、堺正章、モップス
1970年日本・ホリ企画制作+日活/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
野良猫ロック 暴走集団’71-DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


野良猫ロック 暴走集団’71                梶芽衣子、原田芳雄

野良猫ロック 暴走集団’71

映画「無常」

映画をDVDで観る機会が増えた。そこで「About The Film」というカテゴリを作った。
その第一作は1970年に製作された映画「無常」高評価作品sにした。

作品リスト

監督の実相寺昭雄氏は、2006年11月に惜しくも亡くなられてしまったが、生前に私の事務所が監督の会社(コダイ)に間借りして大変お世話になっ た。実際に監督の撮影現場で仕事をする事はなかったが、同じスペースで一年近く働いたので、お話する機会は多々あった事を思い出す。

さてこの映画が製作された頃、私は未だ15か16歳だった。新宿伊勢丹前にあったATG(アートシアターギルド)が封切館であったが、何年か後に二番館の蠍座で観た記憶がある。
R指定の作品だから年齢を偽って入った。スケベな少年の動機は男女の絡みが見たかったのだ。
しかし当時、8mm少年でもあった私は、その映像美、とりわけフレームワークやライティングに衝撃で硬直した事(下半身でない)を忘れない。

プロとはこんなに凄いものなのか!
特に厳格な広角レンズの選択と位置、トラッキング(カメラ移動)は、今見ても一級の技術に裏付けられた映像である事を再確認する。

sinjuku-bunka

やがて私が20歳になる頃、8mmや16mmの自主製作映画の経験を経て撮影助手になり、チーフになった20代後半で監督関連のコダイグループに出 会いカメラマンに至るまでの間を組員として師事した。主宰は本作に携わった中堀正夫氏である。驚いたのは私が師事した猪瀬雅久氏が、池谷仙克氏の元で美術部としてタイトルされている事だった。美術部出身はご本人から聞いていたが、本作がルーツだったとはDVDで知る事となった。(写真右は蠍座)

話が本作から逸れたが、実相寺昭雄監督の劇場用長編第1作である事、映像美が繊細な構成で凝縮されている事、そしてこれから撮影を目指す若者や現役で活躍している撮影者に観て貰いたい作品だと思う。
——————————————————————-
題名:無常
監督:実相寺昭雄
製作:淡豊昭
脚本:石堂淑朗
撮影:稲垣涌三、中堀正夫、大根田和美
照明:佐野武治
美術:池谷仙克
録音:泉田正雄
編集:柳川義博
音楽:冬木透
スチール:立木三朗
出演:田村亮、司美智子、岡田英次、佐々木功、寺田農、小林昭二、花ノ本寿、菅井きん、山村弘三、河東けい
1970年日本・ATG・実相寺プロ/スタンダードサイズ・モノクロ145分35mmフィルム
無常 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。