映画「くノ一忍法」


野川由美子                          三島ゆり子、芳村真理

今回は中島貞夫監督1964年製作「くノ一忍法」をピックアップする。
本作は助監督経験5年目の中島貞夫監督のデビュー作で、脚本は倉本聰氏である。またシリーズ化され「くノ一化粧」「忍法忠臣蔵」の三作が作られた。


中原早苗、芳村真理                       大木実

【ストリー】
大阪落城の前夜、真田幸村(北村英三)は豊臣の血が断絶するのを恐れ、信濃の女忍者、お喬(金子勝美)、お眉(芳村真理)、お瑶(三島ゆり子)、お由比(中原早苗)、お奈美(葵三津子)の五人に命じて、秀頼の子供をみもごらせた。一方、千姫(野川由美子)はこの五人の女忍者を連れて、大阪城を脱出したが、探知した家康(曽我廼家明蝶)は、豊家の血を断絶せんと伊賀忍者、鼓隼人(大木実)、七斗捨兵衛(待田京介)、般若寺風伯(吉田義夫)、雨巻一天斎(山城新伍)、薄墨友康(小沢昭一)の5人に、女忍者殺害の命を与えた。千姫御殿にとじこもった千姫に坂崎出羽守(露口茂)は強引に結婚を迫ったが、家康はこれを受けつけなかった。業を煮やした出羽守は三人の家臣を千姫御殿に差し向けたが、信濃忍法筒涸らしの術により殺害された。家康派遣の伊賀忍者の薄墨は、くノ一化粧の術でお奈美を仕止め、お奈美になりすましたが、お奈美が死に際にかけた月の輪術にかかり命を断った。薄墨の後を引きついだ一天斎は、伊賀忍法花開きの術で、お喬に男の匂いをふりかけた。お喬は男の身体を狂い求め、最後に、信濃忍法天女貝の術により一天斎の身体をはさんだ。そして一天斎はお眉の手裏剣で倒れた。狼狽した家康は二の丸改築の人柱を差し出すよう千姫に命じた。お眉は自ら人柱をかって出ると、竹千代の乳母阿福を裸体にして、阿福にからみつき阿福の体内に胎児をうつしかえた。お眉は忍法やどかりの術で虎口を脱したが、忍法日影月影の術にたけた風伯は、阿福の変化を知り堕胎の手術を行うことになったが、お瑶は胎児をお眉に移すと、筒涸らしの術で風伯を倒し、阿福の体から胎児を奪い返した。その頃、隼人は、千姫の美しい裸体をかいま見、強く魅せられていた。千姫は、お眉、お瑶、お由比の嘆願で、出産が終るまで人里離れた山中に逃れることにしたが、動きを探知した隼人、捨兵衛は後を追った。伊賀忍者の気配を嗅ぎつけたお瑶は、捨兵衛と対決したか、伊賀忍法鞘おとこの術でお瑶は倒れた。その捨兵衛をお眉は倒したが、自分もまた崩おれた。生き残った千姫とお由比は、洞窟の中に潜んだが、半蔵のひきいる黒鍬衆の鉄砲で、陣痛の始った由比を射たれた。由比は重傷の中で男子を出産した。千姫は、赤子を抱きしめて、秀頼の子とともに江戸域に入った。千姫を守っているのは、今は千姫を愛している隼人であった。


待田京介                             小沢昭一

題名:くノ一忍法
監督:中島貞夫
企画:小倉浩一郎
原作:山田風太郎「くノ一忍法帖」
脚本:倉本聰、中島貞夫
撮影:赤塚滋
照明:中村清
録音:加藤正行
美術:桂長四郎
装飾:柴田澄臣
装置:米沢勝
美粧:佐々木義一
結髪:西野艶子
衣装:豊中健
擬斗:上野隆三
記録:墨はつ子
編集:河合勝巳
音楽:鏑木創
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:田村守
助監督:富田義治
スチール:中山健司
出演:野川由美子、中原早苗、三島ゆり子、芳村真理、大木実、待田京介、山城新伍、小沢昭一、木暮実千代、品川隆二、北村英三、葵三津子、露口茂、吉田義夫、曽我廼家明蝶、金子勝美
1964年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
くノ一忍法 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


くノ一忍法

木暮実千代                             野川由美子

映画「大怪獣ガメラ」


大怪獣ガメラ

今回は大怪獣ガメラ・シリーズ第1作、湯浅憲明監督1965年製作「大怪獣ガメラ」をピックアップする。
特技監督に円谷英二氏を擁する東宝の「ゴジラ(1954年~)」 に続けと、日活は「大巨獣ガッパ(1967年/野口晴康監督)」松竹は「宇宙怪獣ギララ(1967年二本松嘉瑞監督)」東映は「怪竜大決戦(1966年/山内鉄也監督)」が追従した。そして大映が、原爆で目覚めるという “ゴジラ” そのままの設定で本作を製作した。その”ガメラ”の名付け親は、当時の大映社長・永田雅一氏だったそうだ。

製作の経緯は「宇宙人東京に現わる」「鯨神(1962年/田中徳三監督)」「秦・始皇帝(1962年/田中重雄監督)」などを大映が特撮作品を既に作っていた事から “怪獣映画” を目指し、巨大化したネズミが群れをなして東京を襲うというプロットで「大群獣ネズラ」を1963年に企画した。しかし、この作品は撮影の為に大量に集められたネズミからノミやダニなどが発生する等して深刻な衛生上の問題を引き起こした為に撮影は中断され、そのまま制作中止に至った。そして永田雅一氏の一声で、次なる怪獣映画企画としてシリーズ唯一のモノクロ作品「大怪獣ガメラ」が製作される事になり、ガメラの登場する映画は、1971年に大映が倒産するまでに7本が制作された。


山下洵一郎                                                  霧立はるみ、船越英二

【ストリー】
北極海上空で、国籍不明機が米国戦闘機によって撃墜された。落ちた飛行機は原爆を搭載していたため、恐しいキノコ雲が上空をおおった。そして、このショックで、地下で冬眠を続けていたといわれるイヌイット伝説の怪獣ガメラが眼をさまし、地上に甦えってしまった。やがて、この海ガメに似た怪獣ガメラは日本に上陸し、まず北海道の北端にある岬に姿を現し、灯台をふみ倒した。しかし、ガメラは逃げ遅れた灯台守の子俊夫(内田喜郎)をふみ殺そうとはせずそっと救けて、親のもとに帰した。それ以来動物好きの俊夫はすっかりガメラのファンになってしまった。一方地熱や石油などの炎を好むガメラは同じ北海道にある地熱発電所に向った。ガメラの侵入を防ごうとする自衛隊は、数万ボルトの高圧電流を仕かけたが、ガメラには一向に通じず、地底から吹きあげる炎をうまそうに吸いこんだガメラは、ますます勢いをまして暴れまわった。動物学者日高(船越英二)が提案した冷凍作戦も無為に終り、遂にガメラは東京にやってきて、猛威をふるった。これを知った全世界の科学者が続々と東京に集りガメラ防衛対策本部が設置された。連日会議は続き、その結果最終的結論として、Zプラン採用が決定した。Zプランは着々と実行に移され、まずガメラをZプラン遂行の唯一の場大島に導きいれるため、東京湾から大島まで長い石油の帯がしかれ点火された。炎が好物なガメラは炎をつたって大島に近づいた。が、大島に着く寸前火は強烈な風雨のため、石油がちり消えてしまった。だが無念がる日高ら世界の科学者たちの前で三原山が爆発したのだ。ガメラはまたこの火におびきよせられ遂に大島に上陸した。Zプランはただちに遂行された。炎をおとりに、ガメラを地下にすえつけたロケットの最前部におびきよせ、そのままガメラをロケット内にとじこめ、火星にむけてロケットを発射したのだ。ガメラ撃退に成功し喜び騒ぐ世界の科学者たちをよそに、俊夫はガメラを乗せたまま夜空にすいこまれていくロケットをいつまでもいつまでも見送っていた。

題名:大怪獣ガメラ
監督:湯浅憲明
企画:斎藤米二郎
ガメラデザイン:井上章、八木正夫
脚本:高橋二三
撮影:宗川信夫
特撮:築地米三郎
照明:伊藤幸夫
特撮照明:石坂守
録音:渡辺利一
美術:井上章
特撮美術:井上章
操演:関谷治雄
造形:八木正夫、八木宏
光学作画:飯塚定雄
合成:藤井和文
音楽:山内正
編集:中静達治
製作主任:上嶋博明
監督助手:阿部志馬
特撮製作主任:川村清
特撮助監督:石田潔
造形助手:村瀬継蔵、開米栄三
スチール:沓掛恒一
出演:船越英二、姿美千子、霧立はるみ、山下洵一郎 、北原義郎、内田喜郎、内田喜郎、浜村純、吉田義夫、左卜全、北城寿太郎
1965年日本・大映/シネスコサイズ・モノクロ79分35mmフィルム
大怪獣ガメラ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


船越英二、山下洵一郎、霧立はるみ

映画「男はつらいよ・噂の寅次郎」


大原麗子(マドンナ役)

渥美清                渥美清、三崎千恵子、倍賞千恵子、笠智衆、下條正巳

今回は山田洋次監督1978年製作「男はつらいよ・噂の寅次郎」をピックアップする。
シリーズ10年目を迎えた第22作となる本作のロケ地は、長野県木曽福島、静岡県大井川、旧墨田区役所(現:第一ホテル両国)などで行われ、封切り時の観客動員は191万5,000人、配給収入は11億6000万円だったそうだ。当時のロードショー入場料金は1,300円、併映は「俺は上野のプレスリー(監督:大嶺俊順 出演:吉幾三、水島涼太、早乙女愛、沢田雅美、ハナ肇、カルーセル麻紀)」であった。

本作から撮影機材(キャメラ)をパナビジョン社のPanaflex GoldとPana Lensを使用している。この当時、パナビジョン社のキャメラは、極東総代理店である三和映材社と東宝撮影所にあったが、パナビジョン社はキャメラを販売はしないので、前者がレンタル目的、後者が長期リースという形態であったと思われる。
※PANAFLEX GOLD GⅡについては「地獄でなぜ悪い」でコメントしています。


撮影の高羽哲夫氏、山田洋次監督、Panaflex Gold Camera


三崎千恵子、志村喬                  室田日出男

【ストリー】
旅先で偶然、博の父、[風票]一郎(志村喬)と出会った寅(渥美清)は、そこで、[風票]一郎に人生のばかなさについて諭され、「今昔物語」の本を借りて、柴叉に帰った。その頃、“とらや”では、職業安定所の紹介で、荒川早苗(大原麗子)が店を手伝っていた。寅は帰るや否や、家族を集めて、[風票]一郎の受売りを一席ブツのだった。翌朝、修業の旅に出ると家を出ようとするところに、早苗が出勤して来た。彼女の美しさにギョッとする寅だが、旅に出ると言った手前、やむなく、店を出た。通りを歩いていると、さくら(倍賞千恵子)に出会った寅は急に腹痛を訴えるのだった。救急車で病院に担ぎ込まれた寅だが、たいしたこともなく、家に帰った。早苗が現在、夫と別居中であることを聞いて、寅はウキウキしながらも、彼女を励まし、力づけた。彼女も寅の優しい心づかいに、思わず涙ぐみ、“寅さん、好きよ”とまで言うので、“とらや”一家やタコ社長(太宰久雄)の心配はつのる一方であった。ある日、早苗は義兄の添田(室田日出男)に夫の離婚届を渡された。高校で教師をしている添田は密かに彼女を慕っていた。暫くして、早苗の引っ越しの日、手伝いに出かけた寅は、そこで生徒を連れてキビキビと働く添田を紹介された。気やすく早苗に話しかける寅に、撫然とする添田だった。やがて、そんな添田が、“とらや”に早苗を訪ねてきた。添田は外出している早苗を暫く待っていたが、意を決するように立ち上がると、手紙と預金通帳を、早苗に渡すように、寅に託して立ち去るのだった。添田が出て行くと、入れちがいに早苗が戻って来た。その手紙は、「僕は学校を辞めて、故郷の小樽に帰るが、早苗は、頑張って生きて欲しい」という内容で、預金通帳には、百万円の数字が一行目に記入されていた。添田の気持を悟った寅は、「早く後を追え、今ならまだ駅にいる」と躊躇する早苗を説得するのだった。寅の顔を凝視していた早苗は、振り返ると、駅に向かって駈けだした。翌朝、例によって、家族の止める声を背に受けて、旅に出る寅の姿があった……。


泉ピン子                     下條正巳、前田吟、倍賞千恵子、渥美清、三崎千恵子

題名:男はつらいよ・噂の寅次郎
監督:山田洋次
企画:高島幸夫、小林俊一
製作:島津清
原作:山田洋次
脚本:山田洋次、朝間義隆
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
録音:中村寛
調音:松本隆司
美術:出川三男
編集:石井巌
音楽:山本直純 主題歌・唄:渥美清
撮影機材:パナビジョン
フィルム:富士フィルム
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
製作進行:玉生久宗
助監督:五十嵐敬司
スチール:長谷川宗平
出演:渥美清、倍賞千恵子、大原麗子、前田吟、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、佐藤蛾次郎、下條正巳、桜井センリ、志村喬、大滝秀治、室田日出男、泉ピン子、吉田義夫、中村はやと
1978年日本・松竹/シネスコサイズ・カラー104分35mmフィルム
公式サイト
男はつらいよ・噂の寅次郎 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。



大原麗子(マドンナ役)

1 2 3 4 5