映画「若い港」

若い港
「若い港」和泉雅子
若い港若い港
山内賢                           和泉雅子

今回は柳瀬観監督1964年製作「若い港」をピックアップする。
本作は松浦健郎氏の原作を映画化したものだが、清く美しい倫理観のベタな青春ドラマではあるが、若い頃の作曲家平尾昌晃氏は貴重な記録である。

若い港若い港
三田明                        長谷百合、平尾昌晃

【ストリー】
南海高校の花形は音楽部のブラスバンドであった。トランペットを受け持つ山口健(山内賢)、水戸明(三田明)の二人は、商船大学への受験をひかえて、高校生活を有終の美で飾ろうとしていた。そんなある日、近くのロザリオ女子学園バトン部の三人娘、谷道子(和泉雅子)、江藤アイ子(伊藤アイ子)、毛利圭子(西尾三枝子)から、合同練習を申し込まれた。ブラスバンド部は、この申し込みに雀躍りした。健は以前から道子が好きだったが、この日道子を自宅に送る途中、健は感情を押えきれず道子にキスした。この一件以来健も道子も元気を失って練習にも身が入らなくなった。明はそんな二人を励ましていたが、いつか、道子も健も、結婚の約束をする程愛しあっていた。一方バンド部は、先輩貝塚(平尾昌晃)をコーチに招いて練習に励んでいた。貝塚はトランペットの名手で音楽大学を出ると、某フィルハーモニーに所属したが、麻薬に手を出して愚連隊と関係していた。このくされ緑を断ち切るため、貝塚は帰省したのだ。飯能市の10周年記念行事に招かれた音楽部は、貝塚のタクトで見事な演奏をみせた。帰った翌日「健は大人になっても君を好きだったら結婚しよう」と道子に告げると、朗かな健に戻っていった。やがて待望の文化祭の日、ロザリオ女子学園のバトン・ガールが女教師マヤ(長谷百合)に連れられて入場してきた。男子の素晴しい演奏で、明が歌を歌い始めると、会場にいた愚連隊二人が、指揮をする貝塚めがけて罵声を浴びせ会場は大混乱に陥ったが、正義感にあふれる生徒と、女教師マヤの応援で、貝塚を守った。商船大学に見事合格した健と明は、華やかなブラスバンドに送られて、横浜港から船に乗った。

若い港若い港
高品格                          若い港

題名:若い港
監督:柳瀬観
企画:笹井英男
原作:松浦健郎
脚本:酒井尽三、上野研一、銀座三十五
撮影:藤岡粂信
照明:三尾三郎
録音:宮永晋
美術:坂口武玄
編集:鈴木晄
音楽:河辺公一、池田正義 主題歌:三田明「若い港」
製作主任:牛山正夫
助監督:内田一作
スチール:石川久宣
出演:山内賢、和泉雅子、三田明、平尾昌章、長谷百合、伊藤アイ子、トリオ・こいさんず、杉山俊夫、西尾三枝子、高品格、郷英治、初井言栄、相馬幸子、下元勉
1964年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ94分35mmフィルム

若い港若い港
郷英治                       山内賢、三田明

映画「その人は遠く」

その人は遠く
「その人は遠く」芦川いづみ
その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ                     和泉雅子、山内賢

今回は堀池清監督1963年製作「その人は遠く」をピックアップする。
私は芦川いづみさんを「硝子のジョニー野獣のように見えて(1962年蔵原惟繕監督)」で “この純粋無垢な美しさとはかなさ”は「 (1954年フェデリコ・フェリーニ監督)」のジュリエッタ・マシーナと肩を並べるのではないだろうか?
“現代のアイドル顔負けの芦川いづみさんに魅了された” と、以前、映画女優・芦川いづみさんを評したが、本作の出演シーンに何度もときめいた。これがファン心理の典型なのは分かっているが、現役若手女優でこの様な人が存在しないのが寂しい。

その人は遠くその人は遠く
山内賢、芦川いづみ                 信欣三、小夜福子

【ストリー】
高校3年生の岡田量介(山内賢)は大学入試を来年に控え、試験勉強に明け暮れている。母一人子一人の静かな生活を破ったのは、遠い親戚で国文科を卒業した才女の奈津子(芦川いづみ)だった。彼女の父親が急死したため、量介の家に来ることになったのだ。奈津子は量介が想像していた以上に美しく、岡田家は花が咲いたように明るくなった。同時に、奈津子のことが気になる量介は勉強に身が入らなくなった。まめまめしく働く奈津子を見て「花嫁修業中だからね」と微笑む母・久子(小夜福子)の言葉を聞き、量介は淋しさを感じた。ある日、奈津子が自分で彫ったという鎌倉彫のベン皿をくれた。翌日、量介はお礼に奈津子を東京見物に連れていき、二人は楽しい時間を過ごした。やがて試験シーズンとなり、合格発表の朝、奈津子のもとへ親せきから縁談話が届いた。量介は悲しくなり、大学合格も嬉しくなかった。しかし奈津子の縁談はまとまり、大沢(井上昭文)という大学教授と秋に結婚した。翌年の夏、量介は奈津子が幸福か自分の目でたしかめるため、大阪にある大沢と奈津子の新居を訪ねた。大沢に甘える奈津子の姿をみて、いたたまれぬ気持で帰京した量介を新たな悲しみが襲った。デパートへ買い物にいった久子が心臓麻痺で倒れたところを、車が撥ねたのだ…。

その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ、山内賢                  井上昭文

題名:その人は遠く
監督:堀池清
企画:大塚和
原作:藤原審爾「遠い人」
脚本:金子担、青山民雄
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:古山恒夫
美術:中村公彦
編集:丹治睦夫
音楽:西山登
製作主任:山野井政則
助監督:橋本裕
スチール:坂東正男
出演:芦川いづみ、和泉雅子、山内賢、下元勉、井上昭文、小夜福子、小園蓉子、信欣三、佐々木すみ江、堺美紀子、原恵子、市村博、紀原土耕、玉村駿太郎
1963年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ83分35mmフィルム

その人は遠くその人は遠く
芦川いづみ                      その人は遠く

映画「男の紋章」


高橋英樹、轟夕起子                  和泉雅子

今回は松尾昭典監督1963年製作「男の紋章」をピックアップする。
本作は1963年~1966年まで作られた全10編シリーズの第一作であり、任侠大河ドラマの序章編だ。東映任侠映画「日本侠客伝シリーズ」「昭和残侠伝シリーズ」「緋牡丹博徒シリーズ」とは違う日活任侠映画の描き方に社風の違いを見るが、当時はシノギを削って競争していた事が分かる。


大坂志郎、石山健二郎              轟夕起子、名古屋章

【ストリー】
昭和5年、この港町一帯に羽振をきかす大島組の主、庄三郎(石山健二郎)の豪胆な顔に近頃淋しげな影がよぎるのは、一人息子の竜次(高橋英樹)に望みどおり医者への道を歩ませたものの、永年守りとおした組の将来を案じてであった。渡世人を嫌いながら、父親の苦悩を知る竜次は、自ら志望して山奥のダム工事現場の診療所へ赴任した。そこで作業員たちに苛酷な労動を強いる西野組に憤った竜次は、彼等の本拠に乗り込んだ。西野はドスをつきつけたが、一人の男が竜次の父親を明かすと色を失った。自分の力への疑問に竜次が思い悩んでいるとき、庄三郎が反目する斎賀(名古屋章)の手によって殺されたことを知った。庄三郎の懐刀といわれた勘三(大坂志郎)が、斎賀の背後にいる村田きよ(轟夕起子)という女親分は竜次の実母だと全ての事情を打ち明けた。庄三郎はきよの父親と出入りになった時、渡世人の義理からきよを実家に帰し、以来竜次一人を頼りに生きてきたのだ。その夜竜次は自分の肌に父親と同じ刺青を彫らせ、組を引き継ぐ決心をした。折から満州事変が勃発、竜次は大島組を率いて軍の工事を請負ったが、斎賀は卑劣な手段を弄して妨害した。はやり立つ勘三らをおさえていた竜次も、勘三が死体となって運び込まれたとき意を決した。ひとり斎賀の許へ乗り込んだ竜次が忽ち配下に囲まれた時、きよが現れ白刃を遮った。豪雨が双肌脱いだ竜次の刺青を洗う中母と子はじっと見つめあった。


和泉雅子、大坂志郎                  井上昭文

題名:男の紋章
監督:松尾昭典
企画:笹井英男
脚本:甲斐久尊
撮影:岩佐一泉
照明:吉田協佐
美術:横尾嘉良
録音:米津次男
記録:宍倉徳子
編集:井上親弥
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:園山蕃里
助監督:千野皓司
色彩計測:小栗準之助
スチール:浅石靖
出演:高橋英樹、和泉雅子、石山健二郎、大坂志郎、名古屋章、轟夕起子、井上昭文、富田仲次郎、近藤宏、小池朝雄、武藤章生、河上信夫、藤岡重慶
1963年日本・日活/シネスコサイズ・カラー96分35mmフィルム
2017年8月現在、DVD販売・レンタルはありません。


「男の紋章」

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