映画「殺人狂時代」


仲代達矢                            団令子

今回は岡本喜八監督1966年製作「殺人狂時代」をピックアップする。
本作は日活で企画されていたものだが、中断し撮影には至らなかった。その後、権利を東宝が買い取って、岡本監督が脚本に手直しを加えた上で、1966年にクランクインし完成した。しかし、東宝上層部の判断で公開直前でお蔵入りとなり、翌年に「インディレース・爆走(監督:勅使河原宏)」と併映で公開された。


天本英世                            砂塚秀夫

【ストリー】
犯罪心理学の大学講師桔梗信治(仲代達矢)はある日、驚くべき人物の訪問を受けた。男は「大日本人口調節審議会」の間淵で、信治の命を貰うと言う。しかし、間淵は信治の亡き母のブロンズ像を頭に受けてあっけなく死んだのだが、信治は単身「審議会」に対することになった。この団体は、実は人口調節のために無駄な人間を殺すのが目的で、会長はヒットラーに心酔する精神病院の溝呂木院長(天本英世)、それに元ナテスのブルッケンマイヤー(ブルーノ・ルスケ)が加わっていた。信治は、ブルッケンマイヤーが仕事の手始めとして電話帳から無差別に選んだ一人だったのである。一方、信治には特ダネを狙う記者啓子(団令子)と、コソ泥のビル(砂塚秀夫)が味方についた、啓子の肉体的サービスをおまけに。ところで、信治殺しに失敗した「審議会」は、その後次々と殺し屋をさし向けてきたが、その度に三人の返り討ちにあっていた。溝呂木はブルッケンマイヤーが執拗に信治を狙うのに疑問をもち問い質したところ、信治の背中の傷には戦争中ヒットラーの手から盗まれたダイヤモンド“クレオパトラの涙”が隠されているという。彼は、面子にかけてもと、義眼に毒針を仕込んだ女や、松葉杖からメスを発射する男を繰り出した。一方、信治は平和的武器を頼りに彼らの手を逃れていたが、啓子が捕われたことから危機に陥った。しかし、ビルの助けを得た信治は啓子を救い出し、ついに「審議会」を潰滅したのである。こうして、精神病患者を殺人狂に仕立て上げ、日本の人口を減らそうとした溝呂木たちのファナティックな野望は打ち砕かれたのであった。


仲代達矢、団令子、砂塚秀夫               団令子

題名:殺人狂時代
監督:岡本喜八
製作:田中友幸、角田健一郎
原作:都筑道夫「飢えた遺産」
脚本:小川英、山崎忠昭、岡本喜八
撮影:西垣六郎
照明:西川鶴三
録音:渡会伸
整音:下永尚
美術:阿久根巖
技斗:久世竜
編集:黒岩義民
音楽:佐藤勝
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:島田武治
監督助手:渡辺邦彦
スチール:副田正男
出演:仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世、江原達怡、小川安三、富永美沙子、二瓶正也、川口敦子、ブルーノ・ルスケ
1966年日本・東宝/シネスコサイズ・モノクロ99分35mmフィルム
殺人狂時代 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


天本英世、仲代達矢                      殺人狂時代

殺人狂時代

映画「赤ひげ」


三船敏郎                        加山雄三

今回は黒澤明監督1965年製作「赤ひげ」をピックアップする。
本作の撮影は、世田谷区砧にある東宝撮影所に近い30,000平方メートルの敷地に、表門、役人詰所、病棟、賄所に至る30数棟、延べ3,000平方メートルを越す広さで「小石川養生所」のセットが建てられた。その現場に、当時アメリカからピーター・オトゥール、シドニー・ポワチエ、カーク・ダグラスなどハリウッド映画人がセットを視察に来たそうだ。黒澤明監督が「日本映画の危機が叫ばれているが、それを救うものは映画を創る人々の情熱と誠実以外にはない。私は、この『赤ひげ』という作品の中にスタッフ全員の力をギリギリまで絞り出してもらう。そして映画の可能性をギリギリまで追ってみる」という熱意を込めて、シナリオ執筆に2年、撮影に1年半もの期間をかけたのだった。

当時、若大将シリーズで人気沸騰の加山雄三さんは、「ハワイの若大将」撮影後、黒澤組に1年間拘束された。このブランクで若大将シシリーズの中止は避けられないと考えられていたが、1965年に「海の若大将」が宝塚映画で制作され、前作を上回る興業成績を収めた。


加山雄三、田中絹代                加山雄三、土屋嘉男

【ストリー】
医員見習として小石川養生所へ住み込んだ保本登(加山雄三)は、出世を夢みて、長崎に遊学したその志が、古びて、貧乏の匂いがたちこめるこの養生所で、ついえていくのを、不満やるかたない思いで、過していた。赤っぽいひげが荒々しく生えた所長新出去定(三船敏郎)が精悍で厳しい面持で、「お前は今日からここに詰める」といった一言で、登の運命が決まった。人の心を見抜くような赤ひげの目に反撥する登はこの養生所の禁をすべて破って、養生所を出されることを頼みとしていた。薬草園の中にある座敷牢にいる美しい狂女は、赤ひげのみたてで先天性狂的躰質ということであった。登は、赤ひげのみたてが誤診であることを指摘したが、禁を侵して足しげく通った結果、登は、赤ひげのみたてが正しかったことを知った。毎日、貧乏人と接し、黙々と医術をほどこす赤ひげは、和蘭陀医学を学ばなければ解る筈のない大機里爾という言葉を使って、登に目をみはらせた。赤ひげは「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」といつも口にしていた。こんな中で登は、貧しく死んでゆく人々の平凡な顔の中に、人生の不幸を耐えた美しさを見るようになった。登が赤ひげに共鳴して初めてお仕着せを着た日赤ひげは登を連れて岡場所に来た。そして幼い身体で客商売を強いられるおとよ(二木てるみ)を助けた。人を信じることを知らない薄幸なおとよが登の最初の患者であった。長崎帰りをひけらかし、遊学中に裏切ったちぐさ(藤山陽子)を責めた自分に嫌悪を感じた登は、おとよの看病に必死となった。やがておとよは、登に対しても他人に対してもあふれる愛情を示し始めた。そしてふとした盗みでおとよに救け出された長次(頭師佳孝)とおとよの間に、幼い恋が芽生えた頃、登はちぐさの妹まさえ(内藤洋子)と結婚の約束を取り交した。そして、名誉にも金にも縁遠くなっても、一生この養生所で、医術にいそしむことを誓った。


二木てるみ                         香川京子

頭師佳孝

題名:赤ひげ
監督:黒澤明
製作:田中友幸、菊島隆三
原作:山本周五郎「赤ひげ診療譚」
脚本:井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤明
撮影:中井朝一、斎藤孝雄
照明:森弘充
特機:関根義雄
録音:渡会伸
音効:三縄一郎
整音:下永尚
美術:村木与四郎
小道具:野島秋雄
結髪:松本好子
技髪:山田順二郎
衣裳:鮫島喜子
記録:野上照代
編集:黒澤明
音楽:佐藤勝
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:根津博
製作進行:木島繁
助監督:森谷司郎
監督助手:出目昌伸、松江陽一、大森健次郎
撮影助手:原一民
照明助手:原文良
録音助手:指田漸
美術助手:福迫望
編集助手:兼子玲子
製作宣伝:斉藤忠夫
スチール:副田正男
出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、江原達怡、土屋嘉男、二木てるみ、頭師佳孝、根岸明美、東野英治郎、志村喬、笠智衆、杉村春子、田中絹代、藤山陽子、内藤洋子、野村昭子、藤原釜足、西村晃、常田富士男、菅井きん、風見章子、富田恵子、左卜全、渡辺篤
1965年第26回ヴェネチア国際映画祭男優賞(三船敏郎)、サン・ジョルジョ賞、ヴェネチア市賞、モスクワ国際映画祭映画労働組合賞受賞
1965年日本・黒澤プロダクション+東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・モノクロ185分35mmフィルム
赤ひげ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


加山雄三、三船敏郎                                                内藤洋子、加山雄三

映画「銀座の若大将」


加山雄三                          星由里子

今回は杉江敏男監督1962年製作「銀座の若大将」をピックアップする。
本作は、若大将シリーズの第2弾である。当初、「大学の若大将」「銀座の若大将」「日本一の若大将」の3作で完結する予定だったが、初の海外ロケの第4作「ハワイの若大将」を制作した。後の1964年、加山雄三さんは、黒澤明監督「赤ひげ」撮影の為に1年間拘束されたそうだ。
このブランクで若大将シシリーズの打ち止めは避けられないと考えられていたが、1965年に「海の若大将」が宝塚映画で制作され、前作を上回る興業成績を収めた。この作品で加山雄三さんが歌った「恋は紅いバラ」「君が好きだから」のシングル・レコードが大ヒットし、再び東宝制作で若大将シリーズは続行された。こうして若大将シリーズは、東宝で1961年から1971年まで制作した全17作から構成され、社長シリーズ、駅前シリーズ、クレージー映画と共に、1960年代の東宝の屋台骨を支えた。
(ウィキペディア参照)


田中邦衛                       団令子、加山雄三

【ストリー】
京南大学の音楽部員田沼雄一(加山雄三)は、スキヤキ屋田能久の若大将。大学の人気者でけんかも大好き。ふとしたことから、雄一はファッションバンドの出演をたのまれた。いよいよ当日、きらびやかな舞台では雄一がバンドをひきいて歌っている。そんな雄一の若々しい姿に目をとめたのは中里澄子(星由里子)である。彼女はラベル洋装店のお針子、雄一が新聞部の団野京子(団令子)と広告とりでラベルに行ったときから心をひかれていたのだ。だが、今日もまた雄一が京子と一緒にいるのをみてがっかりする。一方、雄一の留守中、家には祖母(飯田蝶子)の幼な友達京南大学の石脇教授(左卜全)が、雄一を拳闘部へ入れるよう説得に来ていた。意気投合したりきは、父久太郎(有島一郎)に内証で雄一をくどいた。翌日から雄一の激しいロードワークが始まった。雄一が無断で拳闘部に入ったのを知った久太郎はかんかん。身のためと、雄一をついにあるレストランの見習コックに出した。ある日、ラベルで仕事中の澄子の耳に聞きおぼえのある調べが--。ライバルがあってはと、雄一のことをすっかりあきらめていた澄子ではあったが、みると路地向うの窓辺でコック姿の雄一がギターをかかえていた。窓をへだてて心を通わせる二人--。やがて新学期。京南大学では、待望の拳闘部の対抗試合が始まった。リングの上では、雄一が下馬評の高い熊田と苦闘を演じている。リングサイドでは必死の声援を送る澄子。そしてついに雄一の手が高々と挙げられた。喜びに我を忘れた澄子は、恥らいも忘れて雄一の胸にとびこむのだった。


藤山陽子、加山雄三                    左卜全

題名:銀座の若大将
監督:杉江敏男
製作:藤本真澄
脚本:笠原良三、田波靖男
撮影:完倉泰一
照明:森弘充
録音:斎藤昭
整音:下永尚
美術:小川一男
編集:小畑長蔵
音楽:広瀬健次郎 挿入歌:加山雄三「夢をえがいて 」「星空 」
現像:東洋現像所
製作担当:喜多村俊男
助監督:野長瀬三摩地
スチール:土屋次郎
出演:加山雄三、星由里子、団令子、田中邦衛、藤山陽子、有島一郎、江原達怡、上原謙、久慈あさみ、中真千子、左卜全、飯田蝶子、北あけみ、堺左千夫、
1962年日本・東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー94分35mmフィルム
銀座の若大将 [東宝DVDシネマファンクラブ] -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


有島一郎、上原謙                     加山雄三

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