映画「やくざと抗争」


安藤昇                        菅原文太

今回は佐藤純彌監督1971年製作「やくざと抗争」をピックアップする。
本作は、新宿の盛り場を舞台に雑草の様に生き、”爆弾マッチ”と呼ばれ、最盛期には500人以上の構成員が在籍した安藤組の組長である安藤昇氏の自伝を基に本人が主演した作品である。1964年に安藤氏の意思で組は解散し、1965年に自らの自叙伝を映画化した「血と掟(松竹制作/湯浅浪男監督)」に主演し映画俳優へ転向した。本作は1967年に東映に移籍した後の作品である。


藤浩子                        渡瀬恒彦

【ストリー】
昭和初期、帝国陸軍が満州平野へ侵入した頃、新宿で通称爆弾マッチ(安藤昇)、舎弟分のオートンの勝(渡瀬恒彦)、フーテンの政(藤竜也)、小光(堀田真三)らの愚連隊が羽振りをきかせていた。ある日、過激左派党員の三人が銀行を襲い逮捕された。実はこの三人、政界の黒幕高橋(渡辺文雄)にそそのかされたのだが、過激左派党を壊滅せんと特別高等警察と高橋が仕組んだとは知らなかったのである。また、この事件で使用された拳銃が以前、マッチの所有していたものだと判明マッチは捕えられ、リンチを受ける。しかし証拠は得られず釈放となった。マッチには娼婦のお栄(藤浩子)という恋人がおり、足抜きをさせるのには300円がどうしても必要だった。ところが大木戸一家の賭場であり金取られてしまい、一計を案じたマッチ、オートン・フーテンたちは自分達で賭場を開くことにする。しかし、黙っている大木戸(天津敏)ではなかった。早速、代貸梅津(菅原文太)らを賭場へ指し向け、つぶしてしまった。怒り狂ったマッチは梅津目がけてドスで斬りかかるが、逆に片腕を斬られてしまう。梅津はその足で警察へ自首。数ヵ月後、梅津が出所、その放免祝いの席上に殴り込んだマッチだったが、傷が痛みだし、その場に倒れてしまう……。その後、マッチは命の恩人の梅津と義兄弟の契りをかわし大木戸のやっかいになった。第二回普通選挙。ある立会演説会場で、大木戸組の押す柏原(山岡徹也)と、無産者同盟の白木(近藤宏)が火花を散らす演説が行われていた。白木は以前、傷ついたマッチを看病したことがあり、お栄とも親しい間柄だった。突然、その白木の事務所に大木戸狙が殴り込み、丁度居合せたお栄を死なせてしまった。やがて白木が当選。マッチは白木の家で初めてお栄の死を聞かされる……。そこへ梅津が突び込み、白木を刺し殺し、自らもドスを腹に突き刺し死んでしまう。数日後、ある寺の本堂。祭壇に飾られている梅津の写真。大木戸組の面々が並び、高橋が厳かに弔辞を読み上げている。その高橋目がけて、マッチがドスを持って突進、崩折れる高橋。マッチは若い衆たちに押し包まれドスで突き刺されるが、最後の力をふりしぼって大木戸に飛びかかり、ドスを突き刺す。二人は重なりあって倒れた……。


近藤宏                       渡辺文雄

藤竜也                       天津敏

題名:やくざと抗争
監督:佐藤純彌
企画:俊藤浩滋、吉田達
原作:安藤昇「極道一代 やくざと抗争」
脚本:石松愛弘、佐藤純彌
撮影:稲田喜一
照明:大野忠三郎
録音:小松忠之
美術:北川弘
装置:根上徳一
装飾:米沢一弘
美粧:入江壮二
美容:宮島孝子
衣装:福崎精吾
擬斗:日尾孝司
記録:勝原繁子
編集:田中修
音楽:日暮雅信
現像:東映化学
進行主任:東一盛
助監督:橋本新一
演技事務:和田徹
スチール:加藤光男
出演:安藤昇、菅原文太、渡瀬恒彦、藤浩子、藤竜也、天津敏、渡辺文雄、山岡徹也、藤山浩二、武智豊子、室田日出男、近藤宏、堀田真三、小林稔侍、沢彰謙、森しげみ、土山登志幸、相馬剛三
1971年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
やくざと抗争 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


室田日出男、菅原文太                  安藤昇

映画「前科おんな 殺し節」


「前科おんな 殺し節」池玲子

池玲子                           杉本美樹

今回は三堀篤監督1973年製作「前科おんな 殺し節」をピックアップする。
本作は「温泉みみず芸者」で同時デビューを果たした池玲子さんと杉本美樹さんが、復讐を誓うマキと、その相手の情婦に扮して東映ポルノ女王の座を競い合う共演10作目になる。小松方正さん、地井武男さんら個性派キャストが脇を固めている。


葉山良二                       地井武男

「前科おんな 殺し節」池玲子

【ストリー】
羽鳥マキ(池玲子)は、覚せい剤の売人をしていた父が、新興やくざ大場興業の手にかかり殺されたため、大場喜一(葉山良二)を仇として襲うが、失敗し、逮捕され、女子刑務所へ送られた。マキはバイク気違いの木村夏子(風間千代子)とともに雑居房へ入れられた。その中には芦田かおる(片山由美子)、中川雪江(宗田政美)、そして女博徒の谷政代(杉本美樹)らがいた。ある日、ふてぶてしいマキの態度に怒った政代は決闘を挑んだ。しかし、長時間の死闘の結果、二人の間に互いに友情が生まれた。マキの根性を見直した女囚たちは、マキの復讐の話に聞きいった。だが、政代の顔色が変った。政代は大場の情婦だったのである。数年後、出所したマキは、夏子、かおる、雪江の三人の助けをかりて、大場への復讐を始めた。ユキは、大場興業と敵対している浜安組の実子の鉄(地井武男)に近ずき、大場との喧嘩をけしかけた。一方、政代は大場の情婦におさまっており、ユキたちが大場を狙っていると知ると、マキを尋ね、復讐を断念するように頼む。しかし、マキは聞き入れようとはしなかった。そんなマキが大場興業に捕われた時、政代は友情に免じて、一度だけ脱走の手助けをした。逃げのびたマキは、大場の覚せい剤の取り引きの情報を鉄に知らせた。そして鉄は見事、横取りに成功。その頃、マキは最初の筋書き通り、鉄の居所を3,000万円で大場に教えた。やがて大場たちは、鉄の隠れ場を襲い、鉄を殺すが、その後から武装したマキたち4人が襲いかかり大場を殺した。マキは念願の復讐を終えた。しかし、マキの前に政代が現われ、再度の死闘が行われた……。


片山由美子、杉本美樹                  前科おんな 殺し節

題名:前科おんな 殺し節
監督:三堀篤
企画:吉峰甲子夫、高村賢治
脚本:松田寛夫、神波史男
撮影:飯村雅彦
照明:桑名史郎
録音:内田陽造
美術:北川弘
装置:小早川一
装飾:上原光男
美粧:住吉久良蔵
美容:石川靖江
衣装:内山三七子
擬斗:日尾孝司
記録:勝原繁子
編集:祖田富美夫
音楽:八木正生 主題歌:池玲子「ふうてんぐらし」
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:入葉一男
助監督:橋本新一
演技事務:石川通生
スチール:加藤光男
出演:池玲子、杉本美樹、片山由美子、風間千代子、宗田政美、葉山良二、地井武男、小松方正、由利徹、日尾孝司、堀田真三
1973年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
前科おんな 殺し節 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


池玲子                             前科おんな 殺し節

前科おんな 殺し節

映画「不良番長 一網打尽」


梅宮辰夫                         藤竜也

今回は野田幸男監督1972年製作「不良番長 一網打尽」をピックアップする。
本作は、梅宮辰夫さん主演の不良番長シリーズ第15弾になる。
脱ぎっぷりの良さを見せてくれた私の好きな女優 “ひし美ゆり子”さんは、1972年に東宝との専属契約が切れ、引退するつもりだったが、本作の吉田達プロデューサーからオファーを受けた。
同時期にATGで、新藤兼人監督が撮る谷崎潤一郎原作「讃歌」の主役オファーもあったそうだが、東映製作陣に脅されてこちらに出演したそうだ。


【追記・訃報】
映画「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる俳優の梅宮辰夫さんが2019年12月12日午前7時40分、神奈川県内の病院で亡くなった。享年81。死因は慢性腎不全だった。

梅宮辰夫さんが言い残したこと

芸能界というのは「大衆から常に憧れる世界でならなければならない」というのが持論だった梅宮さんにとって〝平成〟という時代の芸能界は歯がゆさだけが残った。「もう〝令和〟の芸能界なんかには期待していない。俺のいた芸能界からは、もっともっと距離が離れていくだろうな」 さらに「今さら懐かしむわけじゃないけどね」としながらも「今とは比べられないほど個性的で、しかも格好のいい素敵な映画スターが多かった。そんな時代のことを語ると古いって言われるかもしれないけど、これは、やっぱり映画からテレビの時代になっちゃったのかもしれないね。ほとんどの俳優というか芸能人が、それこそテレビCMのために存在しているようになっちゃったってことだよ。みんな商品の宣伝のために出ている…それこそ薬品とか化粧品とかね、もちろん、それが悪いって言っているわけじゃないけど、宣伝ばかりやっているような、そんな連中がゴロゴロしてきちゃってね、本当、つまらない世界になっちゃったってことなんだよ、そうとは思わないか?」


「不良番長 一網打尽」ひし美ゆり子

「不良番長 一網打尽」山城新伍

ひし美ゆり子                      真理アンヌ
【ストリー】
一匹狼の神坂弘(梅宮辰夫)にとって生まれ育った新宿を我もの顔縄張りを張る暴力団、大東共友会の存在を認めることはできなかった。そこで神坂は、アパッチ(安岡力也)、シック(久保浩)、ジャブ(鈴木ヤスシ)等グレン隊とカポネ団を結成、自らリーダーとなって共友会と対抗することにした。グループの初仕事として故買品を隠してある倉庫へ警察官に扮して襲い、なんなく盗品を押収してしまった。数日後、神坂たちが豪遊していたキャバレーが突然火事となり、大騒動。そしてそのキャバレーのマネージャー、五郎(山城新伍)と知り合う。この五郎という男、ガメツさにかけては神坂をも舌をまくほどで、焼け残ったツケ伝票を利用して次々と金を賭いでいった。そんな時、神坂と刑務所仲間だった力石(藤竜也)がカポネ団の前に現われた。共友会の幹部である力石は、出所後には共友会々長の大滝にけむたがられていた。神坂は力石の態度から殺しの命を受けていることを察知したが、力石は自分を裏切った共友会に抵抗するかのように神坂を屁い、自ら組員の銃弾を浴びて倒れた、そして、神坂に共友会の麻薬の取り引き場所を口走って息を引き取った。散々痛めつけられた共友会への仕返しにカポネ団は沸き立った。翌日、神坂以下、八人のカポネ団は、オートバイに乗り、揃いのライダールックに身を固めてライフル、マシンガン、ダイナマイトを携えて立ち向って行った。


室田日出男、八名信夫                 安岡力也

梅宮辰夫                       福富太郎

題名:不良番長 一網打尽
監督:野田幸男
企画:吉田達
脚本:松本功、山本英明
撮影:山沢義一
照明:川崎保之丞
録音:小松忠之
美術:北川弘
装置:小早川一
装飾:佐藤善昭
美粧:住吉良倉
美容:宮島孝子
衣裳:宮下貞子 衣装デザイン:安斉慶子
擬斗:日尾孝司
記録:勝原繁子
編集:田中修
音楽:八木正生 挿入歌:梅宮辰夫「ウッシッシッ節」
現像:東映化学
進行主任:松本可則
演技事務:石原啓二
助監督:小平裕
スチール:藤井善男
出演:梅宮辰夫、藤竜也、ひし美ゆり子、真理アンヌ、山城新伍、安岡力也、久保浩、鈴木やすし、室田日出男、堀田真三、八名信夫、内田朝雄、京唄子、鳳啓助、大泉滉、由利徹、福富太郎、渡瀬恒彦
1972年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
不良番長 一網打尽 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ひし美ゆり子                    不良番長 一網打尽