映画「野獣死すべし」


野獣死すべし

松田優作                    松田優作、鹿賀丈史

今回は村川透監督1980年製作「野獣死すべし」をピックアップする。
本作は大藪春彦氏の同名ハードボイルド小説を映画化したものだが、1959年に東宝で須川栄三監督が仲代達矢さん主演で撮っている。本作の方は、原作をペースにしているものの、全く異質の作品に仕上げている。作品の良し悪しは別として、1979年に製作されたフランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」に相当影響を受け、名優松田優作さんの個性が炸裂している事は確かだ。劇場で観たのが懐かしい。

※1959年須川栄三監督「野獣死すべし


「野獣死すべし」松田優作

小林麻美                       室田日出男

【ストリー】
ある夜、警視庁捜査一課の岡田警部補(青木義朗)が殺害され、拳銃が奪われた。数日後、秘密賭博場が襲われ、暴力団3人が射殺され、テラ銭3,000万円が奪われた。使われた拳銃は奪われたものだった。伊達邦彦(松田優作)は、通信社のカメラマンとして、アンゴラ、レバノン、ウガンダなど血と硝煙の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。戦場でめざめた野獣の血、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主だ。岡田警部補の部下だった柏木(室田日出男)は、執念深く事件を追い、長身、ガッチリとし体の男という容疑者像を割り出した。そして、伊達の尾行を始める。柏木の尾行をよそに、伊達はコンサート会場で華田令子(小林麻美)に接近したり、優雅な日々を送っている。暫くして、伊達は次の行動に移った。高級宝石店の店員を支払いをするからと銀行に呼び出した。店員が預金カウンターに近づくと、伊達は係の男に、前にいる男に金を渡せと電話をした。係員の防犯の合言葉で、何も知らない宝石店の男は、組み伏せられ、1分30秒後にパトカーが到着した。これは銀行の防犯体勢を調べる伊達の実験だ。大学の同窓会に出席した伊達は、そこで、自分と同じ野獣の血を感じた真田(鹿賀丈史)と出会い、彼を仲間に入れる。伊豆山中での拳銃の練習。真田はアッという間に腕を上げた。同行した恋人、雪絵(根岸季衣)が邪魔になった真田は、伊達に促され動く標的として、彼女に銃口を向けた。銀行襲撃は決行された。巧妙に逃走する伊達と真田。追う柏木。銀行に居合わせた令子も射殺して、伊達は野獣のみちを突き進んでいく……。


野獣死すべし

「野獣死すべし」松田優作、鹿賀丈史

題名:野獣死すべし
監督:村川透
製作総指揮:角川春樹
製作:黒澤満、紫垣達郎
原作:大藪春彦
脚本:丸山昇一
撮影:仙元誠三
照明:渡辺三雄
録音:福島信雅
音効:坂井三郎
美術:今村力
擬斗:松尾悟
衣装:第一衣装
美粧:入江美粧
記録:今井治子
編集:田中修
音楽:たかしまあきひこ
現像:東映化学
色彩計測:川口徹也
助監督:小池要之助
製作担当:青木勝彦、山本勉
スチール:関谷嘉明
出演:松田優作、小林麻美、鹿賀丈史、室田日出男、根岸季衣、風間杜夫、岩城滉一、泉谷しげる、佐藤慶、青木義朗、安岡力也、トビー門口、岡本麗
1980年日本・角川春樹事務所+東映/ビスタサイズ・カラー119分35mmフィルム
野獣死すべし -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「野獣死すべし」室田日出男               松田優作

「野獣死すべし」松田優作          日比谷公園市政會舘(ラストカット)

映画「野獣死すべし」

野獣死すべし野獣死すべし
仲代達矢

今回は須川栄三監督1959年製作「野獣死すべし」高評価作品sをピックアップした。
本作は大藪春彦氏の同名原作を映画化したものだが、1974年に須川栄三監督が藤岡弘主演で「野獣死すべし(復讐のメカニック)」、1980年に村川透監督が松田優作主演でリメイク版(角川映画)を製作している。本作は1959年製作とあって劇場では観てないが、原作は愛読した。本作の仲代達矢氏の演技は鬼気迫るものがあり、黒澤明監督「用心棒(1961年)」「天国と地獄(1963年)」9年後にイタリアに渡りマカロニウエスタン「野獣暁に死す」に出演する訳だが、シャープな演技に揺るぎはない。

野獣死すべし野獣死すべし
小泉博、仲代達矢               小泉博、東野英治郎

【ストリー】
「岡田さん……」深夜の住宅街を歩く岡田刑事は車の中から呼びかける声に近づいた。と小さく鋭い銃声、岡田は歩道に倒れた。車から降りたった青年、伊達邦 彦であった。岡田のレボルバー拳銃と警察手帳をポケットにつっ込み、死体を車の後部に押しこむと、シボレーはすごいスピードで走り出した。引金を引いてか ら一分とたっていない。--伊達邦彦は大学院の学生だった。ハードボイルド文学の杉村教授のアルバイトをする傍ら、論文をアメリカのある財団の主催するコ ンクールに出して留学の機会をねらっていた。秀才、勤勉、誠実というのがもっぱらの評判だ。サッカーで鍛えた強靭な体、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳。そ の彼に完全犯罪の夢がくすぶり始めていた。動機はない。殺す瞬間のスリルと殺人の英雄らしさを味わいたい、それだけだった。女にしてもそうだ。彼は決して 一人の女を三度以上愛さない。妙子も例外ではなかった。--乗り捨てられたシボレーから岡田の死体が発見された。捜査網がはられた。新米刑事真杉もその一 人だ。伊達は岡田のレボルバーと警察手帳を巧みに使い、国際賭博団の根城「マンドリン」を襲っては留学資金をためていた。
数日後、伊達は血眼になって彼を捜している賭博団の用心棒、三田と安に出会った。行きずりのゲイボーイの手をつかむと、伊達は路上のキャデラックで逃げ た。場末の川端で三田に追いつめられた。一瞬ゲイの手が離された。悲鳴をあげて駈け出したゲイを追う三田は伊達の射つレボルバーに倒れた。捜査は進まな かった。当局は見当違いのやくざ関係を洗っていた。一人真杉にはこれが意外な者の犯行と思えた。新聞でみた杉村教授の現代犯罪論が真杉の気をひいた。教授 を訪れた真杉は伊達を見てあっと叫んだ。この男だ。この男こそ教授の云う「時代が創造した新しい犯罪者」に他ならない。犯人は伊達だ、真杉は信じた。留学 資金をかせぐ伊達の最後の仕事は大学の入学金を奪うことだった。伊達は手塚という男と知り合った。二人は大学を襲った。筋書通りに運んだ。
逃走する伊達には超短波でパトカーの指令が手にとるように分った。帰途、もはや不要になった手塚は車もろとも海底深くぶち込まれた。金は二千万円あった。 下宿に帰るとアメリカに出した論文がパスして、ただで留学出来る旨の通知が来ていた。警察は真杉の先導で伊達の下宿を襲ったが無駄だった。翌日、伊達は空 路アメリカに向った。茫然と見送る妙子を真杉達は追った。「完全犯罪なんて成立せんよ。電話一つであいつは死刑台さ……」真杉の先輩がつぶやいた。

野獣死すべし野獣死すべし
仲代達矢                      佐藤允

題名:野獣死すべし
監督:須川栄三
製作:藤本真澄、金子正且
原作:大藪春彦
脚本:白坂依志夫
撮影:小泉福造
照明:隠田紀一
録音:伴利也
美術:浜上兵衛
音楽:黛敏郎
出演:仲代達矢、小泉博、団令子、白川由美、東野英治郎、佐藤允、三好栄子、横山道代、白坂依志夫、中村伸郎、滝田裕介
1959年日本・東宝/シネスコサイズ・モノクロ95分35mmフィルム
野獣死すべし [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

野獣死すべし野獣死すべし
小泉博、白川由美                   団令子

映画「暗黒街の対決」

暗黒街の対決暗黒街の対決
三船敏郎                        鶴田浩二
暗黒街の対決暗黒街の対決
三船敏郎                 鶴田浩二、三船敏郎

今回は鬼才岡本喜八監督1960年製作「暗黒街の対決」をピックアップした。
本作は大藪春彦氏の同名小説を映画化したものだが、とてもテンポの良い編集が際立った作品である。三船敏郎と鶴田浩二という巨頭俳優の演技が安心するが、ハードボイルドとしては製作年度や銃器の扱いを差し引いてもおもしろかった。

暗黒街の対決暗黒街の対決
司葉子                  三船敏郎、北あけみ

【ストリー】
荒神市は暴力都市だ。暴力団大岡組と「荒神川砂利採取権」を持つ小塚組が争っていた。東京から刑事藤丘が市警察に汚職警官として左遷されてきた。着任早々、大岡組のキャバレーで乱闘騒ぎを起した。No.1の女給サリーを争ってだ。正義派の望月次席と警官三宅を憤慨させた。藤丘はかつて小塚組の幹部だった村山鉄雄を訪ねた。鉄雄の妻は大岡組の仁木にひき殺された。鉄雄が大岡と争って得た女だ。彼は復讐の機会を狙っていた。藤丘は仁木を探しにサリーのアパートへ行った。
大岡が待っていて、協力を求めた。藤丘は応じ、暴力行為で留置中の大岡の乾分を釈放した。大岡は市会を動かし、小塚組から砂利採取権を奪い、親分小塚をも殺し屋に射殺させた。鉄雄の弟分弥太を中心に、小塚組は砂利場に集結した。そこを大岡組がなぐりこんだ。弥太は駆けつけた鉄雄をかばって死んだ。全滅だった。乗りこんできた藤丘に鉄雄だけが救われた。翌朝、弁護士天堂につきそわれて自首してきたのは浮浪者ばかりだ。望月次席は怒りを藤丘にたたきつけた。藤丘は笑うばかりだった。暴力団狩りに派遣された野口警部と誰が知ろう。鉄雄は大岡の命を狙ったが、殺し屋に襲われ、仁木の死を知ったサリーの裏切りで逃げられた。藤丘は大岡に疑われ、鉄雄の隠れ家を教えた。
殺し屋がそこを襲った時待ち構えた鉄雄が皆殺しにした。彼はすぐ天堂らの手から藤丘を救った。望月次席は警視庁の命で藤丘救出に行き、そこで鉄雄を捕えようとした。大岡は監禁していたサリーを殺すため車を走らせ、追った三宅を射殺し、サリーを捨てた。大岡邸を警官隊が包囲した。鉄雄は車で飛びこみ、藤丘が止めたが、大岡を射殺した。藤丘は彼と向いあった。制止もきかず、鉄雄の拳銃が火を吹いた時、藤丘も撃っていた。鉄雄が倒れた。が、藤丘の的は鉄雄の背後で狙っていた天堂だった。鉄雄は天堂の弾で死んだ。

暗黒街の対決暗黒街の対決

題名:暗黒街の対決
監督:岡本喜八
製作:田中友幸
原作:大藪春彦
脚本:関沢新一
撮影:山田一夫
照明:西川鶴三
録音:渡会伸
美術:阿久根巖
編集:黒岩義民
音楽:佐藤勝
現像:東京現像所
出演:三船敏郎、鶴田浩二、司葉子、河津清三郎、堺左千夫、田崎潤、佐藤允、平田昭彦、北あけみ、天本英世、ミッキー・カーチス
1960年日本・東宝/シネスコサイズ・カラー95分35mmフィルム
暗黒街の対決 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

暗黒街の対決暗黒街の対決
佐藤允                    ミッキー・カーチス