映画「コント55号 世紀の大弱点」


坂上二郎、萩本欽一(コント55号)              水垣洋子

今回は和田嘉訓監督1968年製作「コント55号 世紀の大弱点」をピックアップする。
本作は、当時人気上昇中のコント55号(坂上二郎、萩本欽一)の東宝初主演作で、クレイジー・キャッツ”日本一シリーズ“第6作「日本一の裏切り男(須川栄三監督/1968年)」の併映作品でもある。


真理アンヌ                         三浦恭子

天本英世                          内田裕也

【ストリー】
週刊誌「ウィーク・ポイント」の記者矢島周作(萩本欽一)と、カメラマンの北川洋太(坂上二郎)は、年中遅刻をしたり、原稿を取りにいってはそれを忘れるなどの破廉恥コンビだった。今日の仕事は、竹村(由利徹)に原稿をもらうこと。ふたりは勢いよく竹村を訪れたものの、ここ20年も女性の手を握ったことがない純情作家竹村の筆は、さっぱり走らなかった。たまりかねた矢島・北川コンビは、竹村を引っばりだし特訓を開始した。ソープランド、アルサロそしてストリップやブルーフィルムの見学と特訓を続けた。ところが、最後の打ち止めに入ったバーで、竹村はホステスの君子と交渉を成立させ雲がくれしてしまった。原稿とりに失敗したふたりは、その帰途タクシーの中で、作者名のない小説原稿を捨った。ごれが凄い傑作、ふたりは窮余の一策として竹村の替りに山吹咲代という架空女流作家を仕たてて売りだした。しかし、これが読者の熱狂的な支持を得て、売上げは倍増、次の作品を依頼される始末だった。ふたりは、写真だけでも何とかしようとバーのホステス須永糸美(水垣洋子)を山吹咲代に仕立てた。一方で姿なき作者を探求するふたりはドヤ街に赤石銅幹(上田吉二郎)をつきとめた。次の作品の執筆を懇願するふたりを前に、銅幹は名前を架空にするという条件で、書くことに同意した。女房(曽我町子)から逃れている銅幹は、住所の知れることを心配していたのだ。これには二人は大喜び、仕事は順調にはかどった。山吹咲代なる作家は、次々に作品を発表し山吹咲代こと須永糸美は遂に新人文学賞を受賞して脚光を浴びた。だが、前々から糸美に不信を抱いていた週刊ロマンの記者小森麻子(真理アンヌ)は、彼女とテレビタレントとのスキャンダルをスクープ。その上、麻子の計略にのってホテルにカンヅメにされた糸美は、短篇を書かされるはめになってしまった。矢島と北川は、糸美を助けにホテルに直行したが、すでに遅かった。度重なる失敗にふたりはクビになりかけた。ところが、糸美の書いた短篇が評論家や文学者に高く評価され彼女は女流文学賞を受けて一段と名をあげた。これで、クビをつないだ矢島と北川は、今日もまた編集長に怒鳴られながら原稿とりに街の中へ消えていくのだった。


曽我町子                   上田吉二郎、萩本欽一、坂上二郎

森光子                            前田武彦

題名:コント55号 世紀の大弱点
監督:和田嘉訓
企画:浅井良二
製作:安達英三郎
脚本:松木ひろし
撮影:中井朝一
照明:山口虎男
録音:吉沢昭一
整音:小沢渡
美術:加藤雅俊
小道具:西川達男、深沢重雄
美粧:本田文子
衣裳:小林正光
振付:土居甫
記録:岡本キミ子
編集:岩下広一
音楽:山本直純 主題歌:坂上二郎「そいつに一番弱いんだ」
現像:東洋現像所 合成:三瓶一信
製作担当:坂井靖史
製作進行:川口倫二、三古谷俊一
演技事務:渋谷英男
助監督:合月勇
スーチル:田中一清
出演:萩本欽一・坂上二郎(コント55号)、真理アンヌ、水垣洋子、三浦恭子、天本英世、上田吉二郎、曽我町子、由利徹、内田裕也、大竹省二、森光子、前田武彦
1968年日本・浅井企画+東宝/ 東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー87分35mmフィルム
コント55号 世紀の大弱点 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「コント55号 世紀の大弱点」※新宿駅西口

映画「殺人狂時代」


仲代達矢                            団令子

今回は岡本喜八監督1966年製作「殺人狂時代」をピックアップする。
本作は日活で企画されていたものだが、中断し撮影には至らなかった。その後、権利を東宝が買い取って、岡本監督が脚本に手直しを加えた上で、1966年にクランクインし完成した。しかし、東宝上層部の判断で公開直前でお蔵入りとなり、翌年に「インディレース・爆走(監督:勅使河原宏)」と併映で公開された。


天本英世                            砂塚秀夫

【ストリー】
犯罪心理学の大学講師桔梗信治(仲代達矢)はある日、驚くべき人物の訪問を受けた。男は「大日本人口調節審議会」の間淵で、信治の命を貰うと言う。しかし、間淵は信治の亡き母のブロンズ像を頭に受けてあっけなく死んだのだが、信治は単身「審議会」に対することになった。この団体は、実は人口調節のために無駄な人間を殺すのが目的で、会長はヒットラーに心酔する精神病院の溝呂木院長(天本英世)、それに元ナテスのブルッケンマイヤー(ブルーノ・ルスケ)が加わっていた。信治は、ブルッケンマイヤーが仕事の手始めとして電話帳から無差別に選んだ一人だったのである。一方、信治には特ダネを狙う記者啓子(団令子)と、コソ泥のビル(砂塚秀夫)が味方についた、啓子の肉体的サービスをおまけに。ところで、信治殺しに失敗した「審議会」は、その後次々と殺し屋をさし向けてきたが、その度に三人の返り討ちにあっていた。溝呂木はブルッケンマイヤーが執拗に信治を狙うのに疑問をもち問い質したところ、信治の背中の傷には戦争中ヒットラーの手から盗まれたダイヤモンド“クレオパトラの涙”が隠されているという。彼は、面子にかけてもと、義眼に毒針を仕込んだ女や、松葉杖からメスを発射する男を繰り出した。一方、信治は平和的武器を頼りに彼らの手を逃れていたが、啓子が捕われたことから危機に陥った。しかし、ビルの助けを得た信治は啓子を救い出し、ついに「審議会」を潰滅したのである。こうして、精神病患者を殺人狂に仕立て上げ、日本の人口を減らそうとした溝呂木たちのファナティックな野望は打ち砕かれたのであった。


仲代達矢、団令子、砂塚秀夫               団令子

題名:殺人狂時代
監督:岡本喜八
製作:田中友幸、角田健一郎
原作:都筑道夫「飢えた遺産」
脚本:小川英、山崎忠昭、岡本喜八
撮影:西垣六郎
照明:西川鶴三
録音:渡会伸
整音:下永尚
美術:阿久根巖
技斗:久世竜
編集:黒岩義民
音楽:佐藤勝
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:島田武治
監督助手:渡辺邦彦
スチール:副田正男
出演:仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世、江原達怡、小川安三、富永美沙子、二瓶正也、川口敦子、ブルーノ・ルスケ
1966年日本・東宝/シネスコサイズ・モノクロ99分35mmフィルム
殺人狂時代 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


天本英世、仲代達矢                      殺人狂時代

殺人狂時代

映画「イースト・ミーツ・ウエスト」


真田広之                         竹中直人

今回は岡本喜八監督1995製作「イースト・ミーツ・ウエスト」をピックアップする。
本作は、岡本監督が1985年に第1稿のシナリオを書き上げた念願の作品であり、ニューメキシコ州サンタフェでアメリカ人スタッフと俳優を使って撮影した力作である。アメリカで撮影するという事は、強力に権利を守られたユニオンのスタッフや俳優と共に仕事をする訳であって、私の経験からしても、制作側の苦労は想像を超えるものになる。

私は無類のウエスタン好きで、本作の企画は大変興味深かったが、ウエスタンの基本である悪役のキャラクターの描き方がとても薄いのだ。マカロニ・ウエスタンでは、ジャン・マリア・ヴォロンテ、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックなどの俳優を生かした脚本とキャラクター、演出があって成功した。その意味で本作は残念である。

私の知る限り、1968年に東映で佐藤純弥監督「荒野の渡世人」が全編オーストラリアロケで、2007年に三池崇史監督が「SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ」が日本人が作った西部劇として記憶するが、いずれも成功しているとは言い難い。

しかしチーム奥山がバブル終焉期に打ち上げた花火は、日本映画史の中で意義があったのではないかと思う。

参考作品THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY
「荒野の渡世人」はセルジオ・コルブッチ監督1964年製作「ミネソタ無頼」で小さく紹介してます。


仲代達也、岸部一徳                                イースト・ミーツ・ウエスト(EAST MEETS WEST)

【ストリー】
万延元年(1860年)、日米修好使節団の護衛艦としてサンフランシスコに到着した咸臨丸には、重大な使命と野心を抱いた二人の男が乗り込んでいた。通弁見習いの上條健吉(真田広之)は、実は攘夷派の急先鋒・水戸の脱藩浪士で、開国派の井伊大老が派遣した使節団のメンバーを暗殺し条約を阻止するのが目的だった。勝麟太郎艦長の下僕として乗船した為次郎(竹中直人)は、実は軍艦奉行・木村摂津守(高橋悦史)が雇ったお庭番、つまり“忍術使い”であった。咸臨丸がサンフランシスコに到着し、その記念式典で賑わう最中に、咸臨丸から運び出された三千両の小判を狙って、強盗のガス・テイラー(チップ・メイヤー)一味が銀行に押し入った。たまたま砂金の換金に来ていた山師親子の父親は巻き込まれて射殺され、小判を運んでいた為次郎らは殴り倒された。銃口を突き付けられた上條は隙を見て反撃したが、結局三千両は強奪されてしまう。父親の敵討ちを誓うサム(スコット・バッチッチャ)とともに上條は強盗一味の後を追った。三千両を持ち去られ、刺客と勘づいていた上條をも見失った為次郎は、甲賀忍者のメンツにかけ、一カ月の期限付きで追跡の旅に出ることになった。誤って捕らえられた牢獄で、為次郎はクロウ族の娘ナンタイ(アンジェリック・ローム)と意気投合し、さらにはサンフランシスコ保安官助手のバッジを与えられ、改めて彼女を連れて出発する。上條は、サムに暴力教師ハーディ(ジェイ・カー)を助太刀に紹介され、彼の生徒たちも交えて、ガスのいるニューメキシコの鉱山町・ユニコーンへ向かった。途中、上條は為次郎と合流し、この場は協力するという話がまとまって、ユニコーンでやっとのことで強盗たちを見つけだす。酒場でハーディが撃たれたのをきっかけに、激しい銃撃戦の火蓋は切って落とされた。ハーディに致命傷を負わせたキトーを上條が殺し、逃げていくガスを見つけたサムは、上條に習った剣術で父の仇を討った。三千両を取り返した為次郎とナンタイはさっそく返還に向かう。街では、ハーディの葬式が英雄を称えるように行われていた。上條は任務を果たすためワシントンを目指すが、ふと後方を振り返ると、そこには暗殺の助太刀にと追ってきたサムがいた。時は流れ、インディアンの大酋長となった為次郎は、ナンタイと彼が育んだ大家族たちに見届けられ、134歳まで生きたのだった。


アンジェリック・ローム                                        スコット・バッチッチャ

題名:イースト・ミーツ・ウエスト
英題:EAST MEETS WEST
監督:岡本喜八
製作総指揮:奥山和由
製作:岡本みね子、中川好久、サイモン・ツェー、西岡善信
脚本:岡本喜八
撮影:加藤雄大
照明:佐藤幸次郎
録音:神保小四郎
調音:デビッド・ブロウンロウ
音効:渡部健一
美術:西岡善信、トビー・コルベット
衣装:新丸亦二、キャシー・A・スミス
美粧:西村佳苗子
殺陣:伊那貫太
記録:山内薫
編集:川島章正 ネガ編集:奥田浩史
音楽:佐藤勝
撮影機材:OTTO NEMENZ   Dollies:CHAPMAN
照明機材:PASKAL LIGHTING
フィルム:イーストマンコダック
現像:デラックスカラー    プリント:東京現像所
助監督:谷口正行、中西健二
共同プロデューサー:西岡善信、阪上詔子
出演:真田広之、竹中直人、岸部一徳、スコット・パッチッチャ、アンジェリック・ローム、ジェイ・カー、リチャード・ネイソン、ジャネット・サンダーランド、チップ・メイヤー、リチャード・ダニエルソン、クリフ・ストークス、仲代達矢、天本英世、遠藤明、岡本博幸、風間トオル、木之内弘幸、高橋悦史、友居達彦、橋爪淳、本城丸裕、本田博太郎、森一
1995年日本・喜八プロダクション+Feature Film Enterprise III/ビスタサイズ・カラー124分35mmフィルム
イースト・ミーツ・ウエスト -DVD-
2018年12月現在、DVDレンタルはありません。


ジェイ・カー                                             スコット・バッチッチャ、真田広之

イースト・ミーツ・ウエスト(EAST MEETS WEST)

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