映画「仁義の墓場」


「仁義の墓場」多岐川祐美

渡哲也                      渡哲也、多岐川祐美

今回は深作欣二監督1975年製作「仁義の墓場」をピックアップする。
本作は、日活アクションスターとして活躍した渡哲也さんの東映初主演作品になる。
内容は、戦後の混乱期、暴力と抗争に明け暮れる新宿周辺を舞台に強烈に生き、そして散った石川力夫(実在の人物)を描いたもので、他の任侠作品とは明らかに違う。クランクインが1975年1月からの寒い時期で、病み上がりの渡哲也さんは、体調が悪化し後半は点滴を打ちながら約3週間で撮影を終えたそうだ。


芹明香、渡哲也                    仁義の墓場

ハナ肇                        成田三樹夫

【ストリー】
昭和21年。新宿には、テキ屋系の四つの組織が縄張りを分けあっていた。石川力夫(渡哲也)の所属する河田組は、経営の才にたけた河田修造(ハナ肇)を組長に、組員300名を数え、野津組に次ぐ勢力を誇っていた。兄弟分の今井幸三郎(梅宮辰夫)、杉浦(郷英治)、田村(山城新伍)らを伴った石川は、中野の愚連隊“山東会”の賭場を襲い金を奪った。山東会の追手から逃がれ、忍び込んだ家で、石川は留守番をしていた娘、地恵子(多岐川裕美)を衝動的に犯した。この事件をきっかけに、山東会と石川たちの抗争が起こり、石川らが山東会を壊滅させ、同時期に今井組が誕生した。粗野で兇暴な石川に手を焼く河田は、最近、縄張りを荒らす、池袋親和会の血桜の政こと、青木政次(今井健二)を消すように示唆した。石川は、政の情婦夏子(衣麻遼子)を強姦し、駈けつけた政の顔をビール瓶でめった突きにした。政の報復のために、続々と親和会の兵隊が新宿に進出して来た。だがこの抗争は、野津組々長の仲介で大事には致らなかった。それから間もなく、杉浦が野津組の幹部・岡部の妹と結婚した事で野津の盃を受けた。一方、相変らず無鉄砲な石川は、野津に借金を断わられたために、その腹いせに野津の自家用車に火をつけた。岡部は杉浦に石川殺しを命じるが、杉浦は失敗。その夜以来、杉浦とその女房は東京から消えた。この一件で河田は石川に猛烈な制裁を加えたが、逆上した石川は河田を刺してしまった。一時は今井の許に身を隠した石川だが、今では石川の女房になっている地恵子が彼の身を案じ警察に報せたために、石川は逮捕され、1年8:ケ月の刑を受けた……。出所した石川は、河田組から10年間の関東所払いになっているため大阪へ流れた。そして1年後。ペイ患者となり一段と凄みの増した石川が、今井組の賭場に現われた。だが、石川は、一番信頼していた兄弟分の今井からも説教され、狂ったように今井を撃ち殺した。一匹狼となった石川は、自殺を企るが死に切れず、警察病院で治療を受けた後、殺人及び殺人未遂で10年の刑に服した。昭和26年1月29日、地恵子が自殺した。それは胸部疾患の悪化した石川が病気治療のため仮出獄する3日前の事だった。地恵子の骨壷をぶら下げ、骨をかじりながら歩く石川の姿は、まるで死神のようだった。そして神野(前川哲男)、松岡(室田日出男)、河田の邸にまで出向き金をせびり取った石川は、その金で自分の墓を建てた。昭和29年1月29日、石川力夫は府中刑務所において、29歳の短い一生を自らの手で終えた。その日は奇しくも、亡き妻・地恵子の三回忌でもあった。


梅宮辰夫                        田中邦衛

題名:仁義の墓場
監督:深作欣二
企画:吉田達
原作:藤田五郎「関東やくざ者」
脚本:鴨井達比古、松田寛夫、神場史男
撮影:仲沢半次郎
照明:大野忠三郎
録音:小松忠之
美術:桑名忠之
装置:小早川一
装飾:米沢一弘
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣装:長谷稔
擬斗:日尾孝司
記録:山内康代
編集:田中修
音楽:津島利章
現像:東映化学
進行主任:東一盛
演技事務:石川通生
助監督:小平透
スチール:加藤光男
出演:渡哲也、多岐川祐美、芹明香、池玲子、梅宮辰夫、郷鍈治、山城新伍、ハナ肇、室田日出男、田中邦衛、成田三樹夫、曽根晴美、安藤昇、今井健二、衣麻遼子、前川哲男
スタント:春田純一
1975年日本・東映/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
仁義の墓場 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


室田日出男、曽根晴美                  安藤昇

渡哲也                   スタント:春田純一 (15メートルのダイビング)

映画「やくざと抗争 実録安藤組」


安藤昇                        藤浩子

今回は佐藤純彌監督1973年製作「やくざと抗争 実録安藤組」をピックアップする。
前作「やくざと抗争」が予期せぬヒットを記録し、岡田茂東映社長が続編の製作を命じ「やくざと抗争 実録安藤組」というタイトルを付けた。安藤昇氏の原作・主演の第二弾であるが、「安藤組」が結成されるまでの自伝映画は、本作が初めてで、いわゆる“実録安藤組”シリーズの第一作であった。以降、東映は”実録”作品を量産することになる。


安藤昇、佐藤蛾次郎、安岡力也           室田日出男、内田朝雄

【ストリー】
昭和24年、渋谷。制帽をあみだにかぶり、学生服をラフにひっかけた大学生・矢頭(安藤昇)をリーダーとするチンピラたちと、愚連隊・ドス健(山本麟一)、橋場組は顔を合わせると喧嘩の毎日だった。そしてある日、矢頭はドス健に顔面深く斬り裂かれる。傷の痛みをこらえて歩き廻っていた矢頭は、幼な馴染みの早苗(藤浩子)と会い、看護を受ける。傷の癒えた矢頭は、橋場の兄弟分でもある児島(丹波哲郎)の仲裁を無視して、ドス健を襲い、仲間の三吉(佐藤蛾次郎)がドス健を殺してしまった。児島の助力も得て勢いづいた矢頭は次第に仲間を増し、橋場組の縄張りを侵略していき、ついに、橋場(諸角啓二郎)を殺し、縄張りを手中に収めた。そんな矢頭に関東桜会の榊原(内田朝雄)と大幹部・蓮見(渡辺文雄)が接近してきた。榊原は渋谷に進出するために、実子の勇吉(郷鍈治)を矢頭の兄弟分にしようと企だてたのである。それと知った矢頭は、地元の十文字一家と関東桜会を鉢合せさせようと画策する。まず、勇吉を痛めつけ、その身柄を十文字一家へ持ち込んだ。そして一方では関東桜会へ通報したのである。やがて矢頭にたぶらかされた大文字一家は関東桜会へ殴り込みをかけ、全滅してしまった。やがて、児島が現われ、矢頭に桜会との手打ちの話を持ってきた。その条件とは渋谷の縄張りを矢頭たちが仕切るというのである。ここに渋谷矢頭「安藤組」が結成されたのであった。


丹波哲郎                    安岡力也、江守徹、小林稔侍

題名:やくざと抗争 実録安藤組
監督:佐藤純彌
企画:俊藤浩滋、吉田達
原作:安藤昇
脚本:石松愛弘
撮影:仲沢半次郎
照明:川崎保之丞
録音:内田陽造
美術:中村修一郎
装置:石井正男
装飾:住吉久食蔵
美容:花沢久子
衣裳:内山三七子
擬斗:日尾孝司
記録:高津省子
編集:長沢嘉樹
音楽:日暮雅信 主題歌:安藤昇「血と命」「明日はない」
現像:東映化学
進行主任:入葉一男
助監督:深町秀煕
演技事務:石川通生
スチール:加藤光男
出演:安藤昇、藤浩子、丹波哲郎、佐藤蛾次郎、郷鍈治、安岡力也、深江章喜、内田朝雄、江守徹、山本麟一、諸角啓二郎、渡辺文雄、松井康子、今井健二、室田日出男、小林稔侍、八名信夫、小林千枝、相馬剛三
1973年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
やくざと抗争 実録安藤組 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


やくざと抗争 実録安藤組

映画「まむしの兄弟 お礼参り」


菅原文太                     川地民夫、菅原文太

今回は本田達男監督1971年製作「まむしの兄弟 お礼参り」をピックアップする。
“まむしの兄弟シリース”は、東映京都撮影所で1971年から1975年にかけて9作品が、菅原文太さんと川地民夫さん主演で制作された。本作はシリーズ第2作になる。

【まむしの兄弟シリース】
1971年「懲役太郎 まむしの兄弟」監督:中島貞夫
1971年「まむしの兄弟 お礼参り」監督:本田達男
1972年「まむしの兄弟 懲役十三回」監督:中島貞夫
1972年「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」監督:中島貞夫
1973年「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」監督:山下耕作
1973年「まむしの兄弟 恐喝三億円」監督:鈴木則文
1974年「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」監督:工藤栄一
1974年「極道VSまむし」監督:中島貞夫 主演:若山富三郎 ※コラボ作品
1975年「まむしと青大将」監督:中島貞夫
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


安藤昇                         工藤明子

【ストリー】
州本で一家をかまえる父竹之助が、自分の縄張りにレジャーランドを建設しようとする兵頭組の申しでを断わったために暗殺されたことを知った京一(久保明)は、政(菅原文太)と勝(川地民夫)の助けを借て脱走を計るが失敗し殺されてしまう。刑期を終えた政と勝はこれが縁で藤島組にワラジをぬぐことになった。早速二人は兵頭が経営するソープランドに殴り込みをかけ意気揚々と引きあげるが、京一の姉あき(工藤明子)は、素人衆にまで迷惑をかけたと怒り、二人は仕方なく一家を後にする。しかし、あきに未練のある政は、あきの危機を知ると駆けつけて大暴れするが、そこへ、京一の死に水をとった大阪大同会幹部二階堂(安藤昇)が現われ、さしもの兵頭(遠藤辰雄)も引きさがるしかなかった。腹のおさまらないのは政で、二階堂に喰ってかかるが、かなう筈もなかった。焦った兵頭は最後の手段としてあきを人質にした上、二階堂を闇討ちにしてしまった。二階堂の死によって大同会の助っ人が州本に向う。助っ人がくるまで兵頭を叩くことが男を売るチャンスとばかりマシンガンで武装した二人が兵頭組に殴り込みをかけた。二人の活躍はめざましく、ついに兵頭を追いつめ、とどめを刺した。夜明けの太陽が海岸を照らし始めた頃、二人は意気揚々と14回目の懲役に向うのだった。


谷村昌彦                        菅井きん

題名:まむしの兄弟 お礼参り
監督:本田達男
企画:俊藤浩滋、橋本慶一、佐藤雅夫
原案:斯波道男
脚本:高田宏治、鳥居元宏
撮影:赤塚滋
照明:北口光三郎
録音:東城絹児郎
美術:石原昭
装置:稲田源兵衛
装飾:柴田澄臣
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:豊中健
擬斗:土井淳之祐
記録:石田照
編集:堀池幸三
音楽:菊池俊輔
進行主任:長岡功
助監督:清水彰
スチール:杉本昭三
出演:菅原文太、川地民夫、安藤昇、工藤明子、久保浩、女屋実和子、三島ゆり子、遠藤辰雄、名和広、谷村昌彦、芦屋小雁、潮健児、広瀬義宣、有川正治、菅井きん、北村英三
1971年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
まむしの兄弟 お礼参り -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


工藤明子、名和宏、遠藤辰雄             菅原文太、川地民夫

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