映画「リオの若大将」

「リオの若大将」星由里子
リオの若大将リオの若大将
加山雄三                          星由里子

今回は岩内克己監督1968年製作「リオの若大将」をピックアップする。
若大将シリーズ第12弾の本作は、若大将がフェンシング競技に参戦する。1961年に「大学の若大将」でスタートした本シリーズの大学生編最終作になり、次作「フレッシュマン若大将」より社会人編になる。本作のリオデジャネイロ・ロケは、スケジュールの関係で、加山雄三さん・中尾ミエさん・田中邦衛さん・ランチャーズは渡航しているが、星由里子さんのリオでの登場シーンは、すべて日本国内で撮影されたそうだ。封切り時の併映は「年ごろ(監督:出目昌伸 出演:内藤洋子、黒沢年男)」であった。

リオの若大将リオの若大将
中尾ミエ                         田中邦衛

【ストリー】
京南大学の若大将田沼雄一(加山雄三)は、恩師平山博士(宮口精二)の助手としてリオ・デ・ジャネイロの造船所に招待され、ご機嫌な毎日を送っていた。その上リオ滞在最後の晩、技師長、谷村(北沢彪)に案内された日本料理店で押田澄子(星由里子)に出会った。澄子は東京極東観光の営業部員で、在留邦人に日本旅行のPRに来ていた。そして接待中の客が急病で倒れた時、それを救ってくれた雄一に好意をもつようになった。東京に帰った雄一は、谷村の娘江美子(中尾ミエ)に谷村から預った手紙を届けた。江美子は清明女子大に在学中で、大学バンド合戦を前に闘志を燃やしていた。二人は負けた方が食事をおごる約束をした。だが、雄一のバンドは青大将の演奏ミスで江美子のバンドに敗退。声援にかけつけた澄子を前に、江美子と約束のデートに出かけなければならなかった。夏休み、雄一は平山教授の代理で再びリオに行くことになった。ところが機内で、父親のもとに帰る江美子とバッタリ。雄一に気のある江美子は、豪華な観光旅行に招待した。コパカバーナの浜辺にやって来た二人は、そこでランチャーズの面々に出会ってビックリ仰天。青大将(田中邦衛)が演奏旅行と称し、連中を連れてきていたからだった。無一文のランチャーズ。雄一はリオのクラブでアルバイトをはじめた。そこで澄子と再会したか、ハレンチな青大将の横やりが入って、二人のデートもむちゃくちゃ。心と心は結ばれながら、雄一には江美子、澄子には現地の有力者宇野の孫一郎(久保明)と別のカップルが出来上ってしまった。ある日、雄一に造船会社から就職試験の合格通知が届いた。「田能久」の跡とりが店をつがないと父親の久太郎(有島一郎)は烈火のごとく怒ったが、おばあちゃん(飯田蝶子)が雄一の肩をもちその場はおさまった。雄一の学生生活最後の試合のフェンシング大会が近づいてきた。雄一は邪念をはらうため豪海和尚(今東光)の寺にこもり修業、見事優勝の栄誉に輝いた。やがて卒業式がやってきた。そこには、田能久の婿養子を決意した江口(江原達怡)、それに澄子から愛をうちあけられた雄一の晴れやかな顔があった。

リオの若大将リオの若大将
加山雄三、江原達怡                 有島一郎、飯田蝶子、中真千子

題名:リオの若大将
監督:岩内克己
製作:藤本真澄、大森幹彦
脚本:田波靖男
撮影:斎藤孝雄
照明:石井長四郎
録音:伴利也
整音:下永尚
美術:村木忍
小道具:杉本茂
結髪:藤本美穂子
記録:梶山弘子
編集:小川信夫
音楽:服部克久 主題歌:加山雄三「ある日渚に」「シェリー」中尾ミエ「恋のさだめ」「シェリー」
現像:東京現像所 合成:松田博
製作担当:根津博
製作進行:森知貴秀
演技事務:吉竹悠一
助監督:高橋薫明
監督助手:大森健次郎、河崎義祐
撮影助手:市原康至、松尾民夫
照明助手:羽田昭三
録音助手:小川恵正
美術助手:櫻木晶
小道具助手:秋元和男、武富光弘
宣伝:白井泰二
協力:パンアメリカン航空、石川島播磨重工業
スチール:秦大三
出演:加山雄三、星由里子、中尾ミエ、田中邦衛、有島一郎、飯田蝶子、江原達怡、中真千子、久保明、藤木悠、宮口精二、浦島千歌子、松原光子、小林夕岐子、北沢彪、中村伸郎、左卜全、内田裕也、今東光
1968年日本・東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー104分35mmフィルム
リオの若大将 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

リオの若大将リオの若大将
久保明、星由里子              飯田蝶子、左卜全、加山雄三
リオの若大将リオの若大将
北沢彪                           内田裕也
リオの若大将リオの若大将
今東光                         加山雄三、星由里子
リオの若大将リオの若大将
加山雄三                      加山雄三、星由里子

リオの若大将

映画「悪い奴ほどよく眠る」


三船敏郎                         香川京子

今回は黒澤明監督1960年製作「悪い奴ほどよく眠る」をピックアップする。
本作は黒澤監督が東宝を退社し、黒澤プロダクションを設立してからの第1弾作品で、直接制作費8,200万円で興行収益は東宝と折半したそうだ。冒頭の結婚式のシーンで、マスコミ記者に登場人物を語らせて状況を整理するという手法は、当時画期的だったに違いないと思う。内容は、西幸一(三船敏郎)が、政治汚職を背景に父親を死に追いやった元凶である政治家達に様々な方法で復讐して行くが、悪の根源はもっと深いところにあるというものだ。やや冗長な構成ではあるが、優れた作品である。

2018年、軍国的な教育を行う学校法人に賛同した安倍内閣総理夫妻に忖度して、10億円する国有地を1億円で払い下げた森友学園問題は、売却を担当した財務省職員が不正に耐えられず自殺した。
虚偽答弁、事実隠蔽、公文書改竄を平然と続ける安倍晋三とその一味……。悪の根源は、現在も何ら変わっていない。
むしろ罷り通っている。50年以上前に作られた本作は、現在も続くテーマを内包している事に、私は黒澤監督の偉大を思う。


志村喬、森雅之、三橋達也              三船敏郎、西村晃

【ストリー】
日本未利用土地開発公団の副総裁岩淵(森雅之)の娘佳子(香川京子)と、秘書の西幸一(三船敏郎)の結婚式は、異様な舞囲気に満ちていた。政界、財界の名士を集めた披露宴が始まろうとする時、公団の課長補佐和田(藤原釜足)が、のりこんだ捜査二課の刑事に連れ去られた。押しかけた新聞記者たちは、5年前、一課長補佐が自殺しただけでうやむやのうちに終った庁舎新築にからまる不正入札事件に、やはり現公団の副総裁岩淵と管理部長の守山(志村喬)、契約課長の白井(西村晃)が関係していたことを思いだした。ウェディング・ケーキが運ばれてきた。それは、5年前の汚職の舞台となった新築庁舎の型をしていた。しかも、自殺者が飛び降りた7階の窓には、真赤なバラが一輪突きささっていた。その頃、検察当局には差出人不明の的確な密告状が連日のように舞いこんでいた。そのため、開発公団と大竜建設の30億円にのばる贈収賄事件も摘発寸前にあった。だが、肝心の証拠が逮捕した和田や大竜建設の経理担当三浦(清水元)の口からも割りだすことができず拘留満期がきて二人は釈放された。三浦は拘置所の門前で、トラックに身を投げ出して自殺、和田も行方不明となった。和田は公団の開発予定地である火口から身を投げようとした。その前に立ちふさがったのは西だった。翌日の新聞は、和田の自殺を報じた。奇怪な事件がまた起った。岩淵と守山の命で貸金庫の鍵を開けた白井が、金が消えさっている代りに、例の新築庁舎の絵葉書が一枚残されているのを発見したのだ。その貸金庫のカラクリを知っているのは、白井と死んだ和田しか知らないはずだ。白井はその夜、自宅の街燈の下に和田の姿を見て、ショックのため気が狂った。そんな白井が不正事件を発覚させないかと案じた大竜建設の波多野社長(松本染升)と金子専務(山茶花究)は、岩淵と守山に処分を命じた。彼らは殺し屋(田中邦衛)を使って白井を消そうとした。白井を救ったのは、またしても西だった。西は5年前自殺した古谷の息子だったのである。すべては父の復讐をするためだったのだが、守山に感づかれた。西は守山を造兵廠跡の廃墟に閉じこめた。和田が佳子を電話で呼び出し、廃虚に連れてきた。何もかも聞き幸せですという佳子を、西は初めて抱きしめた。帰った佳子を岩淵はだまし、西の居所を言わせた。西は薬用アルコールを静脈に注射され、自動車に失心状態のまま押しこまれて、貨物列車にぶつけられた。岩淵は記者に「申し分のない秘書を、しかも、娘の婿を失って呆然自失--」とつぶやいた。


志村喬、西村晃、森雅之              田中邦衛、西村晃

題名:悪い奴ほどよく眠る
監督:黒澤明
製作:田中友幸、黒澤明
脚本:小國英雄、久板榮二郎、黒澤明、菊島隆三、橋本忍
撮影:逢澤譲
特機:大隅銀造
照明:猪原一郎
録音:矢野口文雄、下永尚
音効:三縄一郎 (パースペクタ立体音響)
美術:村木興四郎
小道具:浜村幸一
技髪:山田順二郎
結髪:浅見知子
衣裳:栗原正次
記録:斎藤照代
編集:黒澤明
音楽:佐藤勝
特殊技術:東宝技術部
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:根津博
製作進行:江口英彦
助監督:森谷司郎
監督助手:坂野義光、西村潔、松江陽一、川喜多和子
撮影助手:斎藤孝雄、木村大作
美術助手:佐久間純
編集助手:兼子玲子
演技事務:吉竹悠一
音楽事務:原田英雄
製作宣伝:林醇一
スチール:副田正男
出演:三船敏郎、森雅之、香川京子、三橋達也、志村喬、西村晃、加藤武、藤原釜足、笠智衆、宮口精二、南原宏治、土屋嘉男、山茶花究、田中邦衛、菅井きん、松本染升、清水元
1960年日本・黒澤プロダクション+東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・モノクロ150分35mmフィルム
悪い奴ほどよく眠る -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


加藤武、香川京子、三橋達也               森雅之

映画「蜘蛛巣城」


三船敏郎                         山田五十鈴

今回は黒澤明監督1956年製作「蜘蛛巣城」をピックアップする。
シェイクスピアの戯曲『マクベス』を日本の戦国時代に置き換えた内容の本作は、製作日数・製作費共に破格のスケールで作られ、1957年1月15日に劇場公開された。富士山の2合目・太郎坊の火山灰地に、蜘蛛巣城の巨大なセットを建設し、城の内側は東宝撮影所近くの農場にオープンセットを組み、室内は所内でスタジオ撮影をしたそうだ。


三船敏郎、千秋実                     志村喬

【ストリー】
戦国時代、難攻不落を誇る蜘蛛巣城の城内では城主都築国春(佐々木孝丸)を中に軍師小田倉則保(志村喬)ら諸将が北の館藤巻の謀叛に遭い籠城の覚悟を決めていた。その時、使者が駆込み、一の砦の鷲津武時(三船敏郎)と二の砦の三木義明(千秋実)が敵を破ったと報じた。主家の危急を救った武時と義明は主君に召され蜘蛛巣城に帰るべく城の前にある蜘蛛手の森に入った。ところが道に迷い雷鳴の中を森を抜け出そうと進むうち二人は一軒の小屋を見つけた。小屋の中から老婆(浪花千栄子)が現れた。驚く二人に老婆は「武時は北の館の主に、やがて蜘蛛巣城の城主になり、義明は一の砦の大将に、また義明の子はやがて蜘蛛巣城の城主になる」と不思議な予言をした。その夜、武時は北の館の主に、義明は一の砦の大将に任ぜられた。武時の妻浅茅(山田五十鈴)は冷い女。義明が森の予言を国春に洩らしたら一大事と、夫に国春を殺し城主になれと唆かす。悪魔のような囁きに武時は動揺するが、遂に国春を刺し蜘蛛巣城の城主となる。子のない武時は、予言に従いやがて義明の子義照を世継ぎにしようと考えた。ところが栄華の欲望にとりつかれた浅茅に反対され更に彼女が懐妊を告げて再び唆かすと武時は義明を討った。主君と親友を殺した武時は良心の呵責に半狂乱となり城中にも不安が漲った。大嵐の夜、浅茅は死産し重態に陥った。と、その時、一の砦から使者が来て、武時の手を逃れた国春の一子国丸(太刀川洋一)を奉じて小田倉則保と義明の子義照(久保明)が大将となって城に押寄せたと告げた。凶報相次ぐ蜘蛛巣城内の部将たちは戦意も喪失したが武時は、ふと森の老婆を思い出し武運を占わせようと蜘蛛手の森に駈け入った。老婆が現われ、「蜘蛛手の森が動き城へ押寄せぬ限り武時は敗れぬ」と再び予言した。狂喜した武時は城に帰った。が将兵は依然不安に戦き浅茅は遂に発狂した。時も時、城内に叫びが起った。蜘蛛手の森が城に押寄せたというのだ。軍兵たちは武時に裏切者の声を浴びせ、恐怖のうち矢を射られ城から転落した。蜘蛛巣城に朝日が輝いた。動く森と見えたのは全軍木の枝で擬装した則保の軍勢であった。


浪花千栄子                        三船敏郎

題名:蜘蛛巣城
監督:黒澤明
製作:黒澤明、本木荘二郎
原作:ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」
脚本:小国英雄、橋本忍、菊島隆三、黒澤明
撮影:中井朝一
照明:岸田九一郎
録音:矢野口文雄
音効:三縄一郎
特殊技術:円谷英二、東宝特殊技術部
美術:村木与四郎 美術考証:江崎孝坪
小道具:浜村幸一
衣裳:森太樹
結髪:松本好子
美髪:山田順二郎
記録:野上照代
編集:黒澤明
音楽:佐藤勝
現像:東宝現像所
製作担当:根津博
チーフ助監督:野長瀬三摩地
監督助手:清水勝弥、田実泰良、金子敏治、佐野健、坂野義光
撮影助手:斎藤孝雄、梁井潤
照明助手:羽田昭三
録音助手:上原正直
美術助手:本多好文
経理担当:橋本活道
スチール:副田正男
流鏑馬指導:金子家教(大日本弓馬会藩士)
出演:三船敏郎、山田五十鈴、志村喬、千秋実、久保明、太刀川洋一、浪花千栄子、佐々木孝丸、上田吉二郎、藤木悠、土屋嘉男、稲葉義男、井上昭文、小池朝雄、木村功、宮口精二、中村伸郎
1956年日本・東宝/スタンダートサイズ・モノクロ110分35mmフィルム
蜘蛛巣城 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


三船敏郎                         蜘蛛巣城

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