映画「復讐するは我にあり」

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
緒形拳

今回は今村昌平監督1979年製作「復讐するは我にあり」をピックアップする。
「にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活」から9年ぶりの本作は、1970年に直木賞を受賞した佐木隆三氏の同名の原作を映画化したもので緒形拳の鋭い演技が冴え渡る作品だ。共演の三國連太郎、倍賞美津子、小川真由美が作品に厚みを持たせている。また映画化権を巡り、黒木和雄、深作欣二、藤田敏八と映画化権利取得を争った経緯があった。本作は3/2がロケーション撮影され残りが浜松でロケセット撮影、弁護士殺害シーンは実際の殺害事件の現場であるアパートで撮影されたそうだ。

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
三國連太郎                   倍賞美津子

【ストリー】
日豊本線築橋駅近くで専売公社のタバコ集金に回っていた柴田種次郎、馬場大八の惨殺死体が発見され、現金41万円余が奪われていた。かつてタバコ配給に従 事した運転手榎津厳が容疑者として浮かんだ。榎津は駅裏のバー「麻里」のママ千代子を強姦、アパートに連れこんで関係を強要し続けるなど、捜査員の聞き込 んだ評判も悪い。二ヵ月前までは、ヌードダンサー上りで「金比羅食堂」をやっていた吉里幸子と同棲、母子家庭をガタガタにもした。数日後、宇高連絡船甲板 に幸子と両親宛ての榎津の遺書と、一足のクツが見つかり、投身自殺の形跡があった。偽装と疑った警官が別府市・鉄論で旅館を営む榎津の実家を訪れると、老 父鎮雄、病身の母かよ、妻加津子は泣きながら捜査の協力を誓う。一家は熱心なカトリック信者だが、戦争中、厳は網元をしていた父が軍人に殴られ、無理矢理 舟を軍に供出させられた屈辱の現場を目撃して、神と父への信仰を失い、預けられた神学校で盗みを働き、少年刑務所へ送られた。その後も犯罪と服役を繰り返 し、その間に加津子と結婚した。結婚後、加津子も入信したが、榎津に愛想をつかし離婚、その後、尊敬する義父の懇望に従い再入籍。榎津は出所する度に父と 加津子との仲を疑い、父に斧を振り上げるなど、一家の地獄は続いた。浜松に現われた榎津は貸席「あさの」に腰をすえ、大学教授と称して静岡大などに出没、 警察をあざ笑うような行為を重ねる。千葉に飛んだ榎津は裁判所、弁護士会館を舞台に老婆から息子の保釈金をだまし取り、知り合った河島老弁護士を殺して金 品を奪った。この頃になると警察史上、最大といわれる捜査網が張り張り巡らされていた。浜松に戻った榎津の素姓に「あさの」の女主人ハルやその母、ひさ乃 も気づき始めた。しかし、榎津に抱かれるハルは「あんたの子を生みたい!」とその関係に溺れ、元殺人犯で競艇狂いのひさ乃も榎津を逃そうとする。だが、そ んな母娘を榎津は絞め殺し、「あさの」の家財を売り飛ばし、電話まで入質して逃亡資金を貯え、七十八日後、九州で捕まるまで詐欺と女関係を繰り返した。絞 首台に上がる直前、最後の面会に来た父に榎津は「おやじ……加津子を抱いてやれ……。
人殺しをするならあんたを殺すべきだった」と毒づく。残された一家に も重い葛藤があった。死の床にある母は「私も女じゃけえ、お父さんを加津子に渡しとうなか」と言い続けた。父も地獄のような家を守ってきた嫁が心底かわい く、信仰とのはざまに悩みぬく。そんな義父を加津子は無性に好きだった。榎津の処刑後、別府湾を望む丘に、骨壷から、榎津の骨片を空に向って投げる、鎮雄 と加津子の姿があった。

復讐するは我にあり復讐するは我にあり
倍賞美津子、三國連太郎               白川和子

題名:復讐するは我にあり
監督:今村昌平
製作:井上和男
原作:佐木隆三
脚本:馬場当
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
美術:佐谷晃能
録音:吉田庄太郎
記録:八巻慶子
編集:浦岡敬一
現像:東洋現像所
音楽:池辺晋一郎
助監督:新城卓
監督助手:北西洋一、森安建雄、中田信一郎
撮影助手:門倉祐一、丸池納、原一男、鈴木悟
スチール:石黒健治
出演:緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川真由美、清川虹子、殿山泰司、絵沢萠子、白川和子
1979年日本・松竹+今村プロダクション/ビスタサイズ・カラー140分35mmフィルム
復讐するは我にあり デジタルリマスター版 [DVD]
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復讐するは我にあり

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