映画「新・悪名」



勝新太郎                                                                田宮二郎

今回は森一生監督1962年製作「新・悪名」をピックアップする。
全15作が製作された勝新太郎さんと 田宮二郎さんのコンビが冴える”悪名シリーズ”の第3作になる。東映とは違うティストの任侠映画は、生まれ故郷の河内を追われた着流しヤクザ八尾の朝吉(勝新太郎)と、その弟分でハンチング帽にスカジャン、話の節々に英語を挟みインテリぶるチンピラの清次(田宮二郎)とが、彼らの放浪先、出所先で暗躍するヤクザ、偽善者、権力者を成敗する。

悪名シリーズ


万里昌代                                                      勝新太郎、浜田ゆう子

中村玉緒

【ストリー】
復員してきた朝吉(勝新太郎)は一変した日本の姿に呆然となった。河内では彼は戦死したことになっていて、女房のお絹(中村玉緒)は再婚していた。がっかりの朝吉は、死んだモートルの貞の女房お照(藤原礼子)を訪ねた。お照は大阪の闇市で大福餅を売っていた。自分の身代りとなった貞を思って朝吉は四国に貞の生家を訪れ、うらぶれはてた老母ふく(武智豊子)を伴って家へ帰って来た。貞に代って孝行しようというのである。或る夜、村で朝吉の歓迎宴が開かれた。それに参加した月枝(浜田ゆう子)は進駐軍に暴行され姿を消した。月枝は朝吉の幼友達弥吉の妹で、弥吉は戦死していた。朝吉は月枝を探しに大阪へおふくを伴って出かけた。月枝は釜ケ崎でパンパンになっていた。その元締は、清次(田宮二郎)という男で、情婦お雪(万里昌代)が采配を振っていた。この清次は死んだ貞の弟であったが、そのガメツさかげんに朝吉も手を焼いた。朝吉はしかたなく、昔のヤクザ気質をまるだしに月枝を清次の手から取り返した。月枝は忽ち朝吉に惚れてしまった。清次は外国人のボス金子(沢村宗之助)から、闇市の土地の権利を買いとろうと金を貯めていた。だが、金子は大淀組の勝(須賀不二男)と組んで闇市を乗っ取ろうとしていて、清次のことなど眼中になかった。勝と金子はヤクザを使って闇市の強制立退きを図りはじめた。だまされたと知った清次は、二連銃をもって殴り込むが逆に監禁されてしまった。これを知った朝吉は大淀組へ単身のりこんだ。手榴弾をとり出す朝吉をみて、勝と金子はあおくなった。話はついた。闇市は保障され清次は朝吉によって救い出された。清次は朝吉の乾分となったが、それは貞そっくりの姿だった。


勝新太郎、藤原礼子                                     武智豊子、勝新太郎、藤原礼子

新・悪名                                                      浜田ゆう子、勝新太郎

題名:新・悪名
監督:森一生
企画:財前定生
原作:今東光
脚本:依田義賢
撮影:今井ひろし
照明:岡本健一
録音:林土太郎
音効:倉島暢
美術:西岡善信
装置:林米松
擬斗:宮内昌平
編集:谷口孝司
音楽:斎藤一郎
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:井上昭
スチール:三浦康寛
出演:勝新太郎、田宮二郎、中村玉緒、万里昌代、浜田ゆう子、藤原礼子、須賀不二男、沢村宗之助、武智豊子、小松みどり
1962年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー99分35mmフィルム
新・悪名 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「新・悪名」スタジオ撮影現場(列車)

「新・悪名」オープンセット撮影現場

「新・悪名」ロケ撮影現場

森一生監督

映画「続・悪名」

続・悪名
「続・悪名」田宮二郎、勝新太郎
続・悪名続・悪名
勝新太郎                        中村玉緒

今回は田中徳三監督1961年製作「続・悪名」をピックアップする。
全15作が製作された勝新太郎さんと 田宮二郎さんのコンビが冴える”悪名シリーズ”の第2作は、前作「悪名」からの続編であるが、弟分モートルの貞(田宮二郎)は死んでしまい朝吉(勝新太郎)は招集され戦地に行って終わる内容は、シリーズ化を想定しないようである。尚、夫婦役を演じた勝新太郎さんと中村玉緒さんは、翌年の春に結婚の運びになった。

悪名シリーズ

続・悪名続・悪名
田宮二郎、勝新太郎                 水谷良重、勝新太郎

【ストリー】
満州事変の頃、やくざの世界から何くわぬ顔で故郷の河内に帰った朝吉(勝新太郎)は、女房お絹(中村玉緒)と百姓仕事を始めたが、ある日、弟分モートルの貞(田宮二郎)の時ならぬ訪問で忽ち化けの皮がはげ、これ幸いと大阪へ逆戻り。今は見るかげもない吉岡親分(山茶花究)を見舞った朝吉と貞は、そこの居候で貞の弟分河太郎(南都雄二)を預かった。河太郎と女房チェリー(長谷川季子)が難波新地の親分沖縄の源八(上田吉二郎)に欺されたいきさつを聞くと、朝吉は単身源八の家へ乗り込み、スゴ味をきかして勘定をとり立てた。彼はまた、吉岡を窮地に陥しいれた松島の長五郎(山路義人)の非道に憤激、貞となぐり込みをかけて長五郎を半殺しの目にあわせた。これを機会に足を洗うつもりの朝吉だが、彼の度胸に惚れ込んだ松島一家の元締(中村鴈治郎)から、長五郎の縄張りと子分衆を押しつけられようとは!その夜酔って帰った貞は自分の子を宿したお照と間違えて、チェリーを抱いたため大騒動。一方、朝吉はやくざの親分になったことや昔の女琴糸(水谷良重)の写真のことやらで、お絹にとっちめられた。売り出しの朝吉に喧嘩状を突きつけたのが、沖縄の源八だ。その結果は意外にも、源八の縄張りと子分まで、朝吉が引き受ける羽目になった。そんな朝吉の許へお絹が琴糸をつれて現れた。琴糸は東京で男に捨てられ、因島のイト(浪花千栄子)親分の家へ帰りたがっている。朝吉と貞は琴糸を因島へ送ってやった。大阪へ帰った朝吉は、チェリーの足ぬきのことから新興やくざ新世界のカポネ一家と対立したが、松島の元締は、利用価値のうすれた朝吉に見切りをつけ、助ッ人を断った。朝吉が自分の一家だけで闘おうと、悲壮な決意を固めた折も折、召集令状が届いた。出発の前夜、朝吉は貞にやくざの世界の醜さを説き、子分たちにも正業につかせるよう訓した。やがて父になる貞を犬死させたくないからだが、数日後、貞はチンピラに刺されて死んだ。戦争とは国と国の縄張り争いみたいなものである。朝吉は「こうゴツイ出入りではムシケラ同然や」と自嘲しながら、果てしない暗黒のぬかるみ道を行軍するのだった。

続・悪名続・悪名
藤原礼子、田宮二郎                    勝新太郎、田宮二郎、藤原礼子、中村玉緒、長谷川季子

題名:続・悪名
監督:田中徳三
企画:鈴木晰成
原作:今東光
脚本:依田義賢
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:大谷巖
音効:倉島暢
美術:内藤昭
装置:梶谷和男
擬斗:宮内昌平
編集:菅沼完二
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:田辺満
助監督:土井茂
衣裳考証:上野芳生
色彩技術:田中省三 (色彩計測)
スチール:西地正満
出演:勝新太郎、田宮二郎、中村玉緒、水谷良重、中村鴈治郎、長谷川季子、藤原礼子、浪花千栄子、浦路洋子、山茶花究、南都雄二、須賀不二男、上田吉二郎、山路義人、小松みどり
1961年日本・大映/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
続・悪名 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

続・悪名続・悪名
浪花千栄子、勝新太郎                  中村鴈治郎
続・悪名続・悪名
上田吉二郎                   長谷川季子、南都雄二、田宮二郎
続・悪名
「続・悪名」撮影風景
続・悪名続・悪名
撮影:宮川一夫氏 監督:田中徳三氏       「続・悪名」撮影風景