映画「暴力街」


安藤昇                          小林旭

今回は五社英雄監督1974年製作「暴力街」をピックアップする。
本作は、500人以上の構成員が在籍した安藤組の元組長であった安藤昇さんが主演である。
安藤昇さんは、1964年に安藤組解散後、1965年に自らの自叙伝を松竹で映画化した「血と掟」に主演し、映画俳優へ転向した。1967年には東映に移籍して「懲役十八年」で東映初出演をする。また五社英雄監督は、東映京都撮影所がホームグラウンドであった為、本作は東映東京撮影所で撮った唯一の作品になった。製作当時、岡田茂東映社長は、東映ポルノ路線から撤退し”今後は実録ものとギャングもの、それに歌謡路線を強化して行く”という新方針を打ち出した背景があった。


室田日出男、安藤昇、夏八木勲              赤座美代子

【ストリー】
もと関東東菊会幹部江川組々長・江川紘一(安藤昇)は、今では足を洗い銀座のクラブ・マドリッドを経営し、情婦の晃子(川村真樹)と平穏な生活を送っていた。関西西日本連合会が全国制覇の最後の拠点、東京・銀座に乗り出して来た。銀座の中心マドリッドに目をつけた西日本連合会だが、東菊会の剛原(高田繁司)も同幹部・矢崎竜二(小林旭)を指し向けて、マドリッド買収に乗り出した。しかし、江川はあくまでマドリッドを守る態度を示した。一方、東菊会たちの仕業に腹をすえかねた江川の配下の望月(室田日出男)たちは、江川に内密で江川組再建を企てた。望月はチンピラ数人で、東菊会経営の新興企画の新人歌手・天野マリ(中津川みなみ)を誘拐し、それを西日本連合会の仕業にみせかけ1億円の恐喝を行なった。そして、数日後、天野マリが死体で発見され、マスコミはこの事件の背後に関東・関西の暴力団の抗争がからんでいると騒ぎたてた。望月は1億円を手に入れ、元江川組々員・浜勇喜(夏八木勲)に金を預けた。そして望月、浜は江川に組再建を打診するが、江川は拒否する。一方、天野マリ誘拐が望月たちの仕業だと知った東菊会は、殺し屋を雇い望月たち江川の配下を殺した。今まで沈黙を保っていた江川は、配下の無残な死に様を見て、遂に剛原に喧嘩状をたたきつけた。それを知った浜は、かつての江川組々員に連絡し、解体屋をしているギザゴロの辰(菅原文太)を江川に紹介した。辰は解体屋をしながら、手製の銃を百挺余り作っていた。戦いの用意は整った。江川たちは、西日本連合会に対する作戦を練っている東菊会の幹部たち--諸木(小池朝雄)、二橋(葉山良二)、山岡(佐藤京一)、東松(八名信夫)、西田(土山登志幸)、そして矢崎の中に殴り込みをかけた。銃撃戦が繰り広げられ、江川と辰は山岡、東松、西田を殺し逃走するが、途中で辰は殺されてしまった。江川は、剛原の妻で、もと恋人の悠子に助けられ逃げのびる。一方、必死で江川を探す矢崎は、江川の情婦・晃子のアパートへ行き、江川をおびき出そうとした。江川は、罠にはまってしまったが一目散に逃げ、ある養鶏場に身を隠す。矢崎は、江川の逃げ場所を察知するが、単身で江川に対決を挑んだ。一方、剛原は江川の銃弾で倒れてしまったために、幹部の諸木が東菊会の会長に納まり、西日本連合会々長・島村と手を組んだ。そして、島村たちにとって邪魔な江川、矢崎の二人を殺す相談を秘かに進めていた……。


中津川みなみ                     川村真樹

安岡力也                       マダム・ジョイ

小池朝雄、葉山良二                  暴力街

題名:暴力街
監督:五社英雄
企画:吉田達
原案:五社英雄
脚本:掛札昌裕、中島信昭
撮影:山沢義一
照明:梅谷茂
録音:広上益弘
美術:中村修一郎
装置:小早川一
装飾:田島俊英
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣裳:宮下貞子
擬斗:日尾孝司
記録:高津省子
編集:祖田富美夫
音楽:佐藤勝 挿入歌:中津川みなみ「恋はノンノン」
現像:東映化学
進行主任:東一盛
助監督:福湯通夫
演技事務:山田光男
スチール:遠藤努
出演:安藤昇、小林旭、夏八木勲、川村真樹、赤座美代子、小池朝雄、葉山良二、室田日出男、菅原文太、丹波哲郎、マダム・ジョイ、高田繁司、松井康子、中津川みなみ 、佐藤京一、八名信夫、安岡力也、土山登志幸、潮健児
1974年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー96分35mmフィルム
暴力街 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


安藤昇、菅原文太                    安藤昇

映画「黒い傷あとのブルース」


「黒い傷あとのブルース」吉永小百合

小林旭                          吉永小百合

今回は野村孝監督1961年製作「黒い傷あとのブルース」をピックアップする。
本作は吉永小百合さんと小林旭さんが共演した唯一の作品であり、日活独特の緩いハードボイルド・サスペンスになっている。ロケーションは、神奈川県横浜市曙町、神奈川県立音楽堂、チャペルセンター、野毛山動物園、兵庫県神戸市で行われている。


大坂志郎、吉永小百合                   郷鍈治

大坂志郎、近藤宏、神山繁                 稲葉義男

【ストリー】
霧笛流れる横浜の波止場に、白いトレンチ・コートの男渡三郎(小林旭)が姿を現わした。5年前、落ち目の勢力を挽回しようとあせって堤組の組長(松本染升)が、小牧(大坂志郎)のもってきた密輸の取り引きに手を出し、その取り引き現場を何者かに襲われて死に、渡は警察に捕えられたのだった。いま彼は小牧を探そうとしている。あの事件は小牧の仕組んだ芝居とにらんだからだ。昔なじみの場所をあたったが、小牧の行方はつかめない。ただ、この間にふとしたことで知り合った清純なバレリーナ洋子(吉永小百合)と再会したことが、渡の心を慰めた。渡は小牧がモダンなスーパー・マーケットを経営しているのを知った。彼は小牧に500万円を要求した。むろん、堤の遺族のためである。ところが、あの洋子が意外にも小牧の一人娘だった。洋子に結婚を申し込んでいるクラブ“ブルー・ムーン”の社長茂原(神山繁)の名がマーケットの登記書にあることを洋子に聞いた渡は、黒幕が茂原であり、堤組をつぶした小牧と共謀して事件をたくらんだことを知った。このころ、洋子と渡の胸に、たがいに慕情が芽生えてきたのだった。洋子は、かつて堤組のチンピラだった丈二(郷鍈治)から父の秘密を聞かされ、父に無断で500万円を渡に届けた。彼はこの金を堤の未亡人たか(東恵美子)に渡そうとしたが、小さな幸福を求めて子供をかたぎに育てようとしているたかは受け取らない。渡は5年間の報復の念が空しいものになったことを知った。茂原は渡を消そうと小牧をそそのかし、夜更けの倉庫裏に二人を対決させた。相討ちに見せかけようとする茂原の銃弾--。渡の応戦に茂原は肩を射抜かれたが、小牧もまた息絶えた。洋子は一人ぼっちになった。渡への恋心だけが生きる糧であった。渡への手紙を丈二に託した洋子は、喫茶店で渡を待った。が、遠くから彼女の姿をじっと見ただけで、渡の白いトレンチ・コートは霧の中に消えていった。


東恵美子                        吉永小百合、小林旭

題名:黒い傷あとのブルース
監督:野村孝
企画:児井英生
原作:山野良夫
脚本:山崎巌、吉田憲二
撮影:岩佐一泉
照明:岩木保夫
録音:福島信雅
美術:木村威夫
擬斗:渡井喜久雄
記録:服部佳子
編集:鈴木晄
音楽:大森盛太郎 主題歌:小林旭「黒い傷あとのブルース」挿入歌:牧村旬子「女の素肌」
現像:東洋現像所
製作主任:武藤良夫
助監督:吉田憲二
色彩計測:小栗準之助
スチール:荻野昇
出演:小林旭、吉永小百合、大坂志郎、神山繁、郷鍈治、稲葉義男、金井克子、東恵美子、近藤宏、深江章喜、木島一郎、松本染升
1961年日本・日活/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム
黒い傷あとのブルース -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


吉永小百合                      黒い傷あとのブルース

映画「やくざの詩」



小林旭                          芦川いづみ

今回は舛田利雄監督1959年製作「やくざの詩」をピックアップする。
本作は1960年1月31日に公開された日活ヤクザ映画だが、東映のそれとは全く違うものだ。それまでの日活の芸風を残しながら細かい設定を曖昧にして展開する内容だ。これは脚本の賛否を問うものではなく、会社の意向に従い作ったものだと言わざる得ない。本作から13年後、俳優の小林旭さんや金子信雄さんは、”仁義なき戦いシリーズ“に多数出演し真価を魅せている。


「やくざの詩」南田洋子

南田洋子                         二谷英明

【ストリー】
佐伯組のやくざ安田(木島一郎)が何者かに射たれた夜、滝口哲也(小林旭)と名乗る男がピアノ弾きと称して佐伯組にもぐり込んだ。哲也は安田をすばやく治療した。かつて若く、将来を嘱望された医師哲也は、或日何の遺恨もないやくざに恋人を殺された。その日から哲也は狂ったようにそのやくざを追った。佐伯組に入ったのもその為だった。安田が倒れたのは黒沢組との不和が原因だった。佐伯組に出入りするアル中の老医水町(金子信雄)にはインターンに通う清純な娘道子(芦川いづみ)がいた。佐伯組と黒沢組との不和に乗じた相川一郎(二谷英明)という拳銃ブローカーが出入りを始めた。昔、哲也に命を助けられた相川は、今もなお哲也が恋人を撃ったスペイン製のゲルニカの弾丸を求めていることを知り愕然とした。日本に三つしかないというゲルニカを弟の次郎(垂水悟郎)は持っている。しかし次郎は兄の忠告を嘲い、翌日哲也を狙った。哲也は腕をかすったゲルニカの弾丸にこおどりした。次の夜、ゲルニカの弾丸は哲也をそれて水町医師を倒した。その夜次郎を客人とした黒沢組が佐伯組を襲った。哲也は宿敵ゲルニカと対決した。一瞬、次郎の拳銃が飛び、一郎が次郎の助命を乞うた。次の夜の決闘を哲也に約した次郎は、情婦由美(南田洋子)を訪ねた。高飛びの同行を拒まれ、カッとした次郎が襲いかかろうとした瞬間、次郎の腕は不気味な音をたてて折れた。しかもそれは醜い義手だった。次郎は由美を倒すと、哲也を求めて決闘場に足を運んだ。暗闇の中、勝ち誇った次郎は死体を見てがく然とした。それは哲也へ昔の借りを返した兄の姿だった。次郎と哲也は対峙した。次郎の一発が哲也の首にかかったゲルニカの弾丸をはねた。復讐の呪いは解けた。銃を捨てた哲也に次郎が迫った。しかし、由美を慕うチンピラの透(和田浩治)に次郎は撃たれた。次郎を救おうと哲也は必死に手術した。医者としても必死の再起だった。道子が歓びの声をあげた。夜明けの太陽が赤く輝き、次郎がうっすらと眼を開いた。


和田浩治                         垂水悟郎

題名:やくざの詩
監督:舛田利雄
企画:坂上静翁
脚本:山田信夫
撮影:藤岡粂信
照明:藤林甲
録音:中村敏夫
美術:佐谷晃能
擬斗:峰三平
記録:新関良子 (ノンクレジット)
編集:辻井正則
音楽:黛敏郎、中村八大 主題歌:小林旭「やくざの詩」トミー藤山:「なんにも言えず」
現像:東洋現像所
製作主任:栗橋正敏
製作進行:岡田康房 (ノンクレジット)
助監督:河辺和夫
監督助手:江崎実生、奥山長春 (ノンクレジット)
色彩計測:安藤庄平
出演:小林旭、芦川いづみ、南田洋子、二谷英明、和田浩治、金子信雄、垂水悟郎、内藤武敏、木島一郎、宮崎準、深江章喜、木島一郎
1959年日本・日活/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
やくざの詩 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


金子信雄                         芦川いづみ、小林旭

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