映画「狂い咲きサンダーロード」

狂い咲きサンダーロード狂い咲きサンダーロード
山田辰夫                    小林稔侍

今回は石井聰互監督(現・石井岳龍)1980年製作「狂い咲きサンダーロード」をピックアップする。
16mmで撮影された本作は、自主製作映画の香りを全編に漂わす当時話題になった作品だ。この年に東映大泉撮影所オープンセットの取り壊しが決まり、ラストシーンで狂い咲きをする訳だが、多分映画で使用したのは最後だったのかもしれない。現在はLIVINオズ大泉店になっている。私は1980年代、取り壊される前に、東映企画プロでTV映画のチーフ撮影助手を何編か仕事をさせて戴いた頃に、見学したのを思い出す。

狂い咲きサンダーロード狂い咲きサンダーロード

【ストリー】
幻の街サンダーロード。街中の暴走族が集まり、警察の圧力で、「愛される暴走族、になろう」ということで、グループの解散の会議が開かれていた。“魔墓狼 死”のリーダー・健もその中にいた。そこへ、“魔墓狼死”の特攻隊長、仁が仲間を連れて現われ、出席者をメッタ打ちにしていった。仁は権力に屈服する暴走 族に我慢がならなかったのだ。サンダーロードは仁たちの天下となった。一方、これを心よく思わないグループは報復に出た。この両者の睨み合いの中に“魔 墓・狼死”のOBで、今、右翼団体のオルグ、剛が現われた。そして、仁、茂などが剛に引き取られることになった。訓練の毎日が続き、茂はしっかりした右翼 青年になり、剛の愛人にもなった。しかし、根っからのハミダシ者の仁は、そんな生活も馴染めず、組織から去っていく。サンダーロードに帰って来た仁を、平 和を乱されると、暴走グループが襲いかかった。仁の意識が戻ったとき、片手、片足がなかった。再びオートバイに乗れない体になった仁は、シャブ中毒の悪ガ キ小太郎と指名手配中のマッドボンバーのオッサンに出会う。そして、二人の協力で仁は全身武装の殺人マシーンとして蘇る。自分をこんな体にした暴走連合軍 や剛に憎悪をたぎらせ、三人の軍隊はサンダーロードに向かう。動揺する街。連合軍は右翼と結託し、仁をこの世から抹殺する謀議を図る。軍団を陣頭で指揮す るのは、かっては仁の部下であり、今ではすっかり成長した茂だ。オッサンのバズーカ砲が火を吹き、戦いの火ぶたは切っておとされた。オッサン、小太郎の協 力で、次々と敵を倒し、激しい戦いの末、仁は遂に連合軍を倒すのだった。

狂い咲きサンダーロード狂い咲きサンダーロード
東映大泉撮影所オ-プンセット

題名:狂い咲きサンダーロード
監督:石井聰互(現:石井岳龍)
製作:小林紘
脚本:秋田光彦、平柳益実
撮影:笠松則通
照明:手塚義治
録音:吉田修(東映大泉撮影所録音部)
美術:泉谷しげる
編集:石井聰亙、松井良彦
音楽:泉谷しげる、THE MODS
現像:東洋現像所
助監督:緒方明
配給:東映セントラルフィルム
製作会社:狂映舎、ダイナマイトプロ
出演:山田辰夫、小林稔侍、中島陽典、南条弘二
1980年日本/ビスタサイズ(Super16)・カラー98分16mmフィルム
狂い咲きサンダーロード [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

狂い咲きサンダーロード狂い咲きサンダーロード
東映大泉撮影所オ-プンセット

映画「さびしんぼう」

さびしんぼうさびしんぼう
富田靖子

今回は大林宣彦監督1985年製作「さびしんぼう」をピックアップする。
本作は、尾道を舞台尾道三部作と呼ばれ「転校生」「時をかける少女」に続いて山中恒氏の原作「なんだかへんて子」を映画化したものだ。巨匠阪本善尚氏が撮影監督として担当されている。

さびしんぼうさびしんぼう
尾美としのり、富田靖子

【ストリー】
寺の住職の一人息子・井上ヒロキは、カメラの好きな高校二年生。母タツ子は、彼に勉強しろ、ピアノを練習しろといつも小言を言う。ヒロキのあこがれのマドンナは、放課後、隣の女子校で「別れの曲」をピアノで弾いている橘百合子である。彼は望遠レンズから、彼女を見つめ、さびしげな横顔から“さびしんぼう”と名付けていた。寺の本堂の大掃除の日、ヒロキは手伝いに来た友人の田川マコト、久保カズオと共にタツ子の少女時代の写真をばらまいてしまった。その日から、ヒロキの前に、ダブダブの服にピエロのような顔をした女の子が現われるようになる。彼女は“さびしんぼう”と名乗り、ヒロキと同じ高校二年生だという。ヒロキ、マコト、カズオの三人は、校長室のオウムに悪い言葉を教え停学処分を受けた。その際中、ヒロキは自転車に乗った百合子を追いかけ、彼女が船で尾道に通って来ていることを知る。冬休みになり、クラスメイトの木鳥マスコが訪ねて来た。そこに例のさびしんほうが現われ、タツ子に文句を言いだす。そして、タツ子が彼女を打つと何故かタツ子が痛がるのだった。お正月、タツ子の高校時代の友人・雨野テルエとその娘・ユキミが訪ねてきた時もさびしんぼうが現われ、高校時代のテルエの悪口を言いだし、タツ子も加わって大喧嘩となる。節分の日、ヒロキは自転車のチェーンをなおしている百合子を見かけ、彼女の住む町まで送って行った。自分のことを知っていたと言われ、ヒロキは幸福な気分で帰宅した。バレンタインデーの日、さびしんぼうが玄関に置いてあったとチョコレートを持って来た。それは百合子からで、「この間は嬉しかった。でもこれきりにして下さい」と手紙が添えてあった。さびしんぼうは、明日が自分の誕生日だからお別れだと告げる。そして、この恰好は恋して失恋した女の子の創作劇だと答えた。翌日、思いあまってヒロキは、百合子の住んでる町を訪ね、彼女に別れの曲のオルゴールをプレゼントした。雨の中、家にもどったヒロキをさびしんぼうが待っていた。彼は濡れた彼女を抱きよせる。気がつくとさびしんぼうは消えていた。翌朝、タツ子が道におちていた自分の16歳の時の写真を発見した。ヒロキがのぞくとそれはあのさびしんぼうだった。そして、数年後、寺を継いだヒロキの隣には百合子がいた。

さびしんぼうさびしんぼう

題名:さびしんぼう
監督:大林宣彦
製作:小倉斉、山本久、根本敏雄、出口孝臣
原作:山中恒
脚本:大林宣彦、剣持亘、内藤忠司
撮影:阪本善尚
照明:渡辺昭夫
特機:大島豊(NK特機)
録音:稲村和己
音効:林昌平
美術:薩谷和夫
化粧:岡江千江子
衣装:山田実
記録:黒岩美恵子
編集:大林宣彦
音楽:瀬尾一三 主題歌:富田靖子
現像:東洋現像所
プロデューサー:森岡道夫、久里耕介、大林恭子
助監督:内藤忠司
出演:富田靖子、尾美としのり、藤田弓子、小林稔侍、佐藤允、岸部一徳、大山大介、樹木希林、秋川リサ
1985年東宝・アミューズシネマシティ/ビスタサイズ・カラー179分35mmフィルム
さびしんぼう [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

さびしんぼうさびしんぼう

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