映画「光る海」

光る海
「光る海」吉永小百合
光る海光る海
吉永小百合                      浜田光夫
光る海光る海
十朱幸代                       和泉雅子

今回は中平康監督1963年製作「光る海」をピックアップする。
本作は石坂洋次郎氏の原作を映画化したものだが、豪華俳優陣が、情報量の多いセリフを歯切れ良く、ハイ・テンポで描いてゆくのが魅力で、126分という長尺なのに冗長なシーンがなく、監督の力量を感じさせる傑作である。

光る海光る海
高峰三枝子                     田中絹代

【ストリー】
4年間、33人の女子学生の中で耐えてきた英文科の7人のサムライ、野坂(浜田光夫)、向井(山内賢)、浅沼(和田浩治)等は、卒業式もついに、総代を作家志望の石田美枝子(吉永小百合)と、美人の葉山和子(十朱幸代)にとられて、気が重かった。卒業パーティの終ったあと、忘れ物のバッグを届けに野坂は、美枝子の家を訪れた。美枝子の母雪子(高峰三枝子)は、田島(宮口精二)と離婚し、銀座でバーを開くマダムだった。この夜、野坂は、祝杯に酔った美枝子と何の約束もなくベーゼを交はして別れた。卒業後野坂は放送局に、美枝子は創作に、和子と浅沼は和子の伯父矢崎(森雅之)の経営する貿易会社にと、忙しい日々がすぎていったが、ここにグループにとって大問題が生じて来た。浅沼と同棲している木村栄子(松尾嘉代)が妊娠したのだ。浅沼は、結婚を秘して入社し、アメリカに留学もきまっている現在話は難行したが、会社は和子、出産は医者を父にもつ野坂の計いで落着した。その夜和子は野坂を家に誘った。そこで、和子の妹で、おしゃまな現代っ子の久美子(和泉雅子)から二人の間の微妙な感情を指摘され、たじろいだ。一方美枝子は、出版社に勤める向井の進めで二つの作品を新人賞に応募した。そんな日、母の経営するバーで和子の伯父の矢崎(森雅之)に会い、病気の妻信子(田中絹代)が、雪子親子に会いたがっていると聞かされて美枝子は一面識もない人々の申し出に驚いた。それから数日後、浅沼と栄子は目出度くゴールインした。全て友人でまかなわれた珍妙な結婚式で、途中、栄子が男児を出産する騒ぎだった。一方美枝子は応募した作品が新人賞に入選した。何かうれしく不安な自分を、今こそ野坂に全てを与えても悔いないと思ったが、野坂は和子と婚約を発表していた。また雪子も矢崎の亡き妻信子の遺言通り、結婚し、幸福そうだった。日活ホテルで、美枝子の新人賞受賞パーティーの開かれた席上、野坂と和子を祝して、美枝子は「私は、結婚はぬきにして、以前から野坂君の逞ましい身体に噛みつきたいと何度か思ったことです。二人ともお目でとう」ユーモラスな祝辞にわき返る皆の顔が、涙でうるんだ美枝子の目に金色に輝く海に変化するようだった。

光る海光る海
森雅之、高峰三枝子                  松尾嘉代 

題名:光る海
監督:中平康
企画:坂上静翁
原作:石坂洋次郎
脚本:池田一朗
撮影:山崎善弘
照明:森年男
美術:松山崇
録音:橋本文雄
特殊技術:金田啓治
記録:大和屋叡子
編集:辻井正則
音楽:黛敏郎
現像:東洋現像所
製作主任:亀井欽一
助監督:曽我仁彦
色彩計測:畠中照夫
スチール:斎藤耕一
出演:吉永小百合、浜田光夫、十朱幸代、和泉雅子、高峰三枝子、田中絹代、森雅之、太田博之、松尾嘉代、清水将夫、山内賢、和田浩治、高野由美、下條正巳、佐野浅夫、宮口精二、浜村純、奈良岡朋子、ミヤコ蝶々、飯田蝶子、山本陽子(特別出演)、小池朝雄(Na)
1963年日本・日活/シネスコサイズ・カラー126分35mmフィルム

光る海光る海
ミヤコ蝶々                  吉永小百合、浜田光夫、十朱幸代

映画「非行少女」

非行少女非行少女
和泉雅子                        浜田光夫

今回は浦山桐郎監督1963年製作「非行少女」をピックアップする。
本作は、森山啓氏の原作を映画化しヒットした作品だが、主演の和泉雅子さんが、監督のシゴキ演出に耐え切れず、「ウラ公(浦山監督)を殺して、オレも死ぬ」と、思いつめた伝説の作品でもあり和泉雅子さんが輝いている作品である。内容は石川県の内灘を舞台に、母の死と父の姦通など、絶望的な環境の中で、身も心も荒みきった15歳の少女の非行と立ち直りを描いている。ロケは石川県金沢市、加賀平野、河北潟などで行われたそうだ。

非行少女非行少女
和泉雅子、浜村純                高原駿雄、沢村貞子、和泉雅子

【ストリー】
15歳の若枝(和泉雅子)はうす汚ないバーで酔客と酒を飲み、ヤケクソのように女給のハイヒールをかっぱらってとび出した。東京で仕事に失敗して帰って来た21歳の三郎(浜田光夫)は、職安通いの空虚な毎日を送っていた。暗く陰うつな北陸の空、金沢の映画館の前で幼ななじみの二人は再会した。三郎はうらぶれた彼女に、なけなしの金からスカートを買ってやった。喜んだ若枝は、のんだくれの父親長吉(浜村純)と、いやな継母のいる家をとび出したわけを話した。若枝をこれ以上堕落させまいと決心した三郎は、翌日から少しずつおくれた勉強を教えてやった。若枝の心にやすらぎがよみがえり、三郎はうれし泣きする彼女の涙をそっとすすってやるのだった…。

非行少女非行少女
今井和子、高原駿雄                    小沢昭一

題名:非行少女
監督:浦山桐郎
企画:大塚和
原作:森山啓 「三郎と若枝」
脚本:石堂淑朗、浦山桐郎
撮影:高村倉太郎
照明:熊谷秀夫
美術:中村公彦
録音:神保小四郎
擬斗:三杉健
記録:中川初子
編集:丹治睦夫
音楽:黛敏郎
製作主任:山野井政則
助監督:大木崇史
方言指導:佐々木守(脚本家)
スチール:式田高一
出演:和泉雅子、浜田光夫、香月美奈子、杉山俊夫、高原駿雄、浜村純、小池朝雄、加原武門、河上信夫、高田敏江、佐々木すみ江、佐藤オリエ、小林昭二、野呂圭介、藤岡重慶、鈴木瑞穂、北林谷栄、小林トシ子、沢村貞子、小夜福子、小沢昭一
1963年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ114分35mmフィルム

非行少女非行少女
和泉雅子、浜田光夫

映画「盗まれた欲情」

盗まれた欲情盗まれた欲情
長門裕之                         南田洋子

今回は今村昌平監督1958年製作「盗まれた欲情」をピックアップする。
今村昌平監督は、1951年に松竹大船撮影所に助監督として入社し、主に小津安二郎の助監督として師事した。1954年に日活に移籍し、川島雄三監督「幕末太陽傳」浦山桐郎監督「キューポラのある街」などの脚本を手掛け、満を持して本作で監督デビューした。

盗まれた欲情盗まれた欲情
香月美奈子                        小沢昭一

【ストリー】
中河内高安村にドサ回りのテント劇場、山村民之助一座がやって来て大入満員、座員は大喜びだ。一座の演出家国田信吉(長門裕之)は芝居一途に大学を中退した情熱家で、自分の新解釈により演し物を上演しようと夢みている。彼に想いをよせる民之助(滝沢修)の娘千鳥(南田洋子)と千草(喜多道枝)、千鳥は看板スター栄三郎(柳沢真一)の妻だが、ひそかに恋情をもやしている。大入の夜、祝宴を逃げ出した信吉は、ほとほと低俗な一座にいや気がさし、自らを罵って川に石を投げる。追って来た千草は、そんな彼に抱かれた。翌日は雨、民之助が信吉の新作を稽古しようと提案するにもかかわらず、一座は女を求めて村へ散ってしまう。千鳥は妹の昨夜の行動から、暗い嫉妬をもやすのだった。一方、村に出た男達、老優富八郎(小笠原章二郎)は小金をためた未亡人を、三枚目の勘次(西村晃)は肉体派のみさ子(香月美奈子)を手に入れるが、信吉も愛する千鳥ならぬ千草と契った後悔に、酔いつぶれるのだった。翌日は再び大入満員。みさ子のストリップに拍手が湧く。しかし、一部の村の青年達は、こんな一座を快よく思わなかった。彼等はその夜みさ子に懸想していた藤四郎(小沢昭一)を誘って千草を襲う。幸い信吉等の追跡によって千草は救われたが、信吉は千鳥に自分の心を打ちあけ、彼女も遂に拒み切れなかった。それを発見した千草の口から、栄三郎を加えた信吉、千鳥、千草が民之助の部屋に集った。妻に裏切られた栄三郎は、座の為に自分が身をかくすと言う。その瞬間千鳥は、栄三郎と離れられないと告白するのだった。朝がきて、一座は高安村を去って行く。その中には、信吉に寄りそう千草の姿があった。

盗まれた欲情盗まれた欲情
「テント劇場」より 盗まれた欲情

題名:「テント劇場」より 盗まれた欲情
監督:今村昌平
企画:大塚和
原作:今東光
脚本:鈴木敏郎
撮影:高村倉太郎
照明:大西美津男
録音:橋本文男
美術:中村公彦
編集:中村正
殺陣:大内龍生
舞踊:水木辰之助
所作指導:沢村門之助
音楽:黛敏郎
製作主任:栗橋正敏
助監督:浦山桐郎
出演:長門裕之、香月美奈子、南田洋子、滝沢修、西村晃、高原駿雄、小笠原章二郎、小沢昭一、柳沢真一、喜多道枝、菅井きん、仲谷昇、武智豊子、河上信夫、小池朝雄(Na)
1958年日本・日活/日活スコープ(シネスコサイズ)モノクロ92分35mmフィルム
テント劇場より 盗まれた欲情-DVD-

盗まれた欲情盗まれた欲情
高原駿雄、長門裕之、西村晃            「テント劇場」より 盗まれた欲情

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