映画「陽のあたる坂道」



石原裕次郎                      北原三枝

今回は田坂具隆監督1958年製作「陽のあたる坂道」をピックアップする。
本作は石坂洋次郎氏の原作を映画化したものだが、以降1967年(日活)と1975年(東宝)で2度映画化されている。撮影は1958年1月から4月まで行われ、大田区田園調布(駅付近の道、同・駅前、多摩川台公園)、文京区小石川、新宿区(信濃町駅、外苑の銀杏並木、絵画館前)、西多摩郡羽村町などでロケーションが行われたそうだ。本編は、女子高校生役の芦川いづみさんが可憐だった。今、こんな女子高校生役が出来る女優はいないと思う。


芦川いづみ                   川地民夫(デビュー作)

【ストリー】
田代玉吉(千田是也)は出版会社の社長で、家族は妻のみどり(轟夕起子)、長男の医大生雄吉(小高雄二)、少々ひねくれ者だが自由奔放な次男信次(石原裕次郎)、それに足のわるい娘のくみ子(芦川いづみ)。女子大生倉本たか子(北原三枝)は、くみ子の家庭教師であり彼女のアパートの隣室に、高木トミ子(山根寿子)と一人息子の民夫(川地民夫)が住んでいた。ある日、父の玉吉と話をしていた信次は、ふとしたことから自分が父と柳橋の芸者との間に出来た子であることを知った。数日後くみ子はたか子を誘ってある喫茶店に行った。彼女はくみ子の夢中になっているジャズシンガーが、民夫なのでびっくりした。正月の元旦、信次はたか子の話からトミ子が自分の実母であると感知して、アパートをたずねた。しかしトミ子は不在で、留守居の民夫は裕福そうな信次に反感を抱いて、彼を部屋に入れようとしなかった。母のみどりは信次のことを心配して、やさしく彼をなぐさめた。信次の心の中には、たか子への愛情が芽生えていたが、持前のひねくれで、率直に言えなかった。当のたか子は雄吉とスキーにいって求婚されたが、なにか二人の間に隔りを感じ承諾できなかった。くみ子は医師の診断をうけ、足のなおるのがわかったので、民夫に結婚したいといった。その頃、雄吉はファッションモデルのゆり子(渡辺美佐子)と問題をおこし、そのいざこざを信次におっかぶせてしまった。しかし、信次が悪いのではないことを知ったたか子は、彼の情熱的な青年らしい真情を感じた。くみ子とたか子の計らいで、信次は民夫と会い、大喧嘩をしたがいつしか二人は兄弟愛に結ばれていった。その帰途、信次はたか子を踊りに誘い、強引に接吻した。一度は怒ったたか子も、彼の胸に抱かれるのだった。くみ子と民夫の明るい顔にも、田代家の前の坂道にも、暖かい春の陽ざしが、彼らを祝福するかのようにふりそそいでいた。


轟夕起子、石原裕次郎             芦川いづみ、轟夕起子、小高雄二

題名:陽のあたる坂道
監督:田坂具隆
製作:坂上静翁
原作:石坂洋次郎
脚本:田坂具隆、池田一朗
撮影:伊佐山三郎
照明:岩木保夫
録音:米津次男
美術:木村威夫
記録:飯村知子
編集:辻井正則
音楽:佐藤勝
製作主任:林本博佳
助監督:牛原陽一、山崎徳次郎
出演:石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ、川地民夫、轟夕起子、小高雄二、山根寿子、千田是也、渡辺美佐子、森川信、小沢昭一、天草四郎
1958年日本・日活/スタンダードサイズ・モノクロ203分35mmフィルム
陽のあたる坂道 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


川地民夫、石原裕次郎                北原三枝、芦川いづみ

川地民夫、芦川いづみ               石原裕次郎、小高雄二

映画「あゝひめゆりの塔」


吉永小百合                    吉永小百合、浜田光夫

今回は舛田利雄監督1968年製作「あゝひめゆりの塔」をピックアップする。
本作は太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、吉永小百合さんと浜田光夫さんの黄金コンビで“ 特志看護婦 ”として戦火に散華した “ ひめゆり部隊 ”の悲劇を描いたものだ。沖縄県ひめゆりの塔(姫百合橋・那覇港)、南風原町南風原街道で実景撮影を行い、戦闘シーンは、静岡県御殿場市、下田市、三島市などで行ったそうだ。


和泉雅子

【ストリー】
昭和18年、太平洋戦争の戦局は、米軍の反攻によって日本には不利に展開していた。沖縄ではまだ、戦争感は薄かった。沖縄師範女子部の和子(吉永小百合)は級友のトミ(和泉雅子)らと運動会を楽しんでいた。和子が師範男子部の順一郎(浜田光夫)と知りあったのはその頃だった。昭和19年になると戦局は悪化、米軍の物量作戦の前に沖縄も戦場になろうとしていた。和子ら学生は、一日の半分を陣地構築に従事する毎日がつづいた。やがてサイパン島が玉砕。学童は内地に疎開が決ったが和子の母は、その船に乗ったものの、潜水艦に撃沈されてしまった。和子は弟の武と二人きりになってしまった。グラマン機が那覇市を襲ったのは10月。師範学校の校舎も焼け、空襲は連日のようにつづいた。島には非常戦時体制がしかれ、女子学生は臨時看護婦として、男子学生は鉄血勤皇隊となって陸軍と行動を共にすることになった。昭和20年。和子たちは米軍上陸の直前、証書も賞状もないさびしい卒業式を行なった。間もなく米軍が無血上陸してから激戦が続き、負傷兵も増えたが、満足に手当てもされずに死んでいった。米軍は日ましに島を制圧していった。病院は南に移動することになったが、歩けない患者には自決が求められる有様だった。そんな中で和子の級友光子(浜川智子)は死に、勝江(笹森みち子)はあまりにも悲惨な状況の中で発狂した。またトミは下半身にグラマンの射撃を浴びて重傷を負い、自ら青酸を飲んだのだ。その頃、順一郎は伝令として銃火の中を走り回っていた。彼は、和子の弟武が壮烈な最期を遂げるのを目撃したが、それを和子に告げることはできなかった。和子たちが新しい病院にしたのは真壁の大洞穴である。しかしもう医薬品もなく、重傷患者は次々と死んでいった。そんな時、校長が死んだ。そして、その遺体を収容しようとした和子たちをかばって、順一郎は敵の機銃掃射で死んだ。もはや和子たらは最後の時が近いのを知った。生き残った和子たち九人の女子学生と、昭喜名先生(二谷英明)たちは円陣をつくり、思い出の歌「想思樹の歌」を歌うのだった。彼女たちの手には自決用の黒い手榴弾がにぎられていた。

題名:あゝひめゆりの塔
監督:舛田利雄
企画:高木雅行、八木保太郎
脚本:若井基成、石森史郎
撮影:横山実
照明:藤林甲
録音:沼倉範夫
美術:木村威夫
編集:井上親弥
音楽:真鍋理一郎
現像:東洋現像所
製作主任:戸倉寿
助監督:遠藤三郎、村川透
スチール:井本俊康
出演:吉永小百合、浜田光夫、和泉雅子、二谷英明、小高雄二、藤竜也、和田浩治、乙羽信子、音無美紀子、渡哲也、太田雅子(梶芽衣子)、東野英治郎、高品格、笹森みち子、浜川智子
1968年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ125分35mmフィルム
あゝひめゆりの塔 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


あゝひめゆりの塔

映画「女の警察」

女の警察女の警察
小林旭                                                                十朱幸代

今回は江崎実生監督1969年製作「女の警察」をピックアップする。
本作は梶山孝之氏の同名原作を映画シリーズ化したもので「続・女の警察(1969年/監督:江崎実生,共演:小山明子、青江三奈)」「女の警察 国際線待合室(1970年/監督:丹野雄二,共演:岡崎二朗、戸部夕子)」「女の警察 乱れ雲(1970年/監督:小沢啓一,共演:内田良平、水野久美)」と製作され、その後「ネオン警察」シリーズとして2作品作られた。
この”女の警察”とは”クラブのホステスをスカウトしたり、時には店から逃げたホステスを捕まえる役目の人”を言う。本作では十朱幸代さんと十朱久雄さんの親子が出演していたり、梶芽衣子さんが改名前の本名である太田雅子でタイトルされているが、本作出演後にマキノ雅弘監督の命名で梶芽衣子と改名しブレイクに至っている。
また本作は、日活が1971年にロマンポルノに移行する前の成人映画で「夜の最前線女狩り(井田探監督)」と併映された。

女の警察女の警察
小高雄二、小林旭                  小林旭 、青江三奈

【ストリー】
篝は、銀座に七つのキャバレーやバーを持つ暁興業の人事兼保安部長だった。彼は、ホステスたちに信望が厚く、女の警察とも呼ばれていた。ある日、元ホステス千代子の夫玖島が、不可解な自動車事故を超して死んだ。親友玖島が危険な事件の取材に当っていたことを知っていた篝は、興信所をやっている加藤と共に、事件究明に乗り出した。そんな折、暁興業社長小平が大宝観光社長宝部から、彼のクラブを五億円で買取って欲しいという申し入れを受けた。しかも宝部は金融王大川にも口をかけていた。この一件を不審に思った小平は、徹底的な調査を篝に命じた。やがて、章子の客に、大川と国土開発公団の藤代のいることが浮び上った。その章子は、大川に囲われていたが、ある臼忽然と姿をくらませてしまった。篝は多額の支度金がつぎ込んである章子の捜索を始め、ホステス仲間の雪絵から、章子の客に藤代と親しい佐本と詫摩がいることを聞き込んだ。詫摩は元鉄道次官で、憲民党の工藤幹事長ともつながる人物で、政界や国鉄に顔を利かせていた。その詫摩の名刺を殺された玖島は持っていた。それから間もなく、篝は宝部が大川からクラブを担保に四億円を借り、工藤にとりいっているという情報を受けた。そして、佐本が工藤に章子を世話をし、西日本新幹線建設用地買収の情報を得ようと画策している事情を知った篝は、玖島が新幹線汚職を嗅ぎつけ、そのために消されたと断定した。やがて、章子を探し出した篝は、彼女に佐本たちの工作を調べるよう依頼した。ある日、ヒモの松田と逃げていた美智子が、かつて佐本の手下たった松田が、玖島と飲んでいた時、玖島の眼にジンをかけ、事故を超させたのだと篝に話した。そんな時、事件を深追いしていた加藤が殺された。二人の親友を殺され、そのうえホステスを食いものにされた篝は、こみ上げる怒りとともに、佐本にたち向っていった。

女の警察女の警察
青江三奈                       小林旭

題名:女の警察
監督:江崎実生
企画:増田弥寿郎
原作:梶山孝之
脚本:中西隆三
撮影:横山実
照明:藤林甲
録音:沼倉範夫
美術:佐谷晃能
記録:熊野煕子
編集:鈴木晄
音楽:佐藤允彦 主題歌:青江美奈「酒場人形」
現像:東洋現像所
製作主任:岡田康房
助監督:藤井克彦
色彩計測:山崎敏郎
スチール:浅石靖
出演:小林旭、十朱幸代、青江美奈、小高雄二、藤竜也、太田雅子(梶芽衣子)、牧紀子、加藤嘉、内田朝雄、十朱久雄、内田稔、森みどり、神田隆
1969年日本・日活/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
2016年12月現在、DVD販売・レンタルはありません。

女の警察女の警察
太田雅子
女の警察女の警察
牧紀子