映画「君は恋人」

君は恋人
「君は恋人」太田雅子(梶芽衣子)、浜田光夫
君は恋人君は恋人
浜田光夫                        和泉雅子

今回は斎藤武市監督1967年製作「君は恋人」をピックアップする。
本作は、1966年7月に名古屋で暴漢に襲われ目を負傷した浜田光夫さんが、奇跡のカムバックを果たした再起第1作になる。
友情出演に当時の日活専属俳優総動員の他、GSブームで人気絶頂だったザ・スパイダースと歌謡界のヒット歌手が参加している。内容は、全快した浜田光夫さんが東京調布の日活撮影所に戻り、本作の映画撮影を再開するところから始まる。シナリオライターが渡哲也さん、映画監督が石原裕次郎さんという顔ぶれだ。虚実入り混じった劇中劇だが、豪華俳優陣が一堂に会するのは壮観だ。

君は恋人君は恋人
林家こん平、山内賢                     清川虹子、浜田光夫
君は恋人君は恋人
和泉雅子、ジャニーズ                  蕃ユミ

【ストリー】
浜田光夫は1年4ケ月ぶりに、「君は恋人」の主役でカメラの前に立った。石崎監督(石原裕次郎)や、スタッフの人たちは温かく彼を迎えてくれた。撮影も半ばを過ぎたある日、浜田は仲の良いスパイダースと会い、クライマックス・シーンの筋を話すと、スパイダースは話が暗い、と反対、みんなで脚本家の赤井(渡哲也)の所に押しかけ、「なおせ、なおせ」と夜通しコーラス攻勢をかけ、とうとう台本を書直させてしまった。その物語とは……工員の光夫は貧乏暮しを嫌い、母のさち(清川虹子)にも相談せず、やくざの仲間に入った。彼の夢は、宍戸組の幹部になり、どこにいるか分らない初恋の百合(吉永小百合)と一緒になることなのである。そんな光夫を、とんかつ屋の雅子(和泉雅子)が温かく見守っていた。ある日、宍戸組の仇敵の深江組親分(深江章喜)が出所することになり、宍戸組の大幹部の大野(戸田皓久)は、光夫に深江暗殺を命じた。出世の機会と勇んだ光夫だったが、ドタン場で尻込み、大野が深江を殺した。ともかくも事を達成した光夫は組の中堅に出世したが、さちや雅子は心を痛めていた。折りも折り、宍戸組の暴力に抗し立ち上がった流しの仲間の指導者で7人組のひとり井上(克美しげる)を、光夫は命令で刺した。だがそのため、光夫は用済みの存在となり、仲間に狙われ始めた。この時、初めて、光夫はやくざの卑劣さに気づき、目を覚ましたのだった。井上を見舞った光夫は彼が、快方に向っていると知って安心し、昔の工員仲間を連れ出して、宍戸組に殴り込みをかけ、大野たちに思うさま鉄拳制裁を加えたのだった。一方、光夫を不起訴にすると決めた井上は、彼の更生のためにレコード・ディレクターの須藤(小林旭)と葉川(葉山良二)に頼み、歌手としてデビューさせることになった。間もなく、立ち直った光夫は、百合が結婚していると知ってがっかりしたが、雅子の愛に包まれて、新しい道を歩き出して行った。

君は恋人君は恋人
石原裕次郎                        渡哲也 
君は恋人君は恋人
克美しげる、小林旭                   吉永小百合
君は恋人君は恋人
川地民夫、松原智恵子                  浅丘ルリ子
君は恋人君は恋人
芦川いづみ                         山本陽子
君は恋人君は恋人
宍戸錠                          和田浩治
君は恋人君は恋人
葉山良二                      二谷英明
君は恋人君は恋人
岡田眞澄                      舟木一夫
君は恋人君は恋人
田辺昭知とザ・スパイダース、浜田光夫(中央)   井上順、堺正章(ザ・スパイダース)
君は恋人君は恋人
荒木一郎                       黛ジュン
君は恋人君は恋人
坂本九、浜田光夫                  君は恋人

題名:君は恋人
監督:斎藤武市
企画:水の江滝子
脚本:若井基成
撮影:山崎善弘
照明:大西美津男
録音:高橋三郎
美術:坂口武玄
擬斗:高瀬将敏
振付:浦辺日佐夫
記録:白鳥あかね
編集:近藤光雄
音楽:中村八大、小野寺孝輔 主題歌:浜田光夫「君は恋人」「旅に出るなら」
挿入歌:舟木一夫「愛につつまれて」ジャニーズ「いつか何処かで」克美しげる「さすらい」「愛すればこそ君に」
荒木一郎「君に捧げん」「いとしのマックス」ザ・スパイダース「アヒルの行進」「バン・バン」黛 ジュン「恋のハレルヤ」
現像:東洋現像所
製作担当:長谷川朝次郎
助監督:樋口頴一
色彩計測:畠中照夫
スチール:荻野昇
出演:浜田光夫、和泉雅子、克美しげる、林家こん平、山内賢、戸田皓久、近藤宏、南寿美子、蕃ユミ、清川虹子、深江章喜、戸田皓久
友情出演:舟木一夫、田辺昭知とザ・スパイダース、荒木一郎、ジャニーズ、吉永小百合、宍戸錠、黛ジュン、殿岡ハツエ、スタジオNo1ダンサーズ、岡田眞澄、中村八大、坂本九、石原裕次郎、小林旭、浅丘ルリ子、芦川いづみ、高橋英樹、渡哲也、松原智恵子、山本陽子、和田浩治、川地民夫、二谷英明、葉山良二、太田雅子(梶芽衣子)
1967年日本・日活/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
君は恋人 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

君は恋人
「君は恋人」和泉雅子
君は恋人
「君は恋人」吉永小百合
君は恋人
「君は恋人」川地民夫、松原智恵子

君は恋人
「君は恋人」林家こん平、浜田光夫

新宿歌舞伎町のシーンで、右上に「嵐を呼ぶプロファイター(WHY GO ON KILLIGE?)」という映画看板がある。
これは1967年9月16日に公開されたアンソニー・ステファンが主演するマカロニ・ウエスタンである事から、撮影はそれ以降に行われた様だ。世界的ヒット作「夕陽のガンマン(FOR A FEW DOLLARS MORE)」は、1967年1月に日本で劇場公開された。父に連れられ観た強烈な記憶がある。残念ながら当時の映画興行収入は、低迷する邦画よりマカロニ・ウエスタンの方が圧倒的に勝っていたと記憶する。


アンソニー・ステファン         嵐を呼ぶプロファイター(WHY GO ON KILLIGE?)

映画「明日は咲こう花咲こう」


吉永小百合

吉永小百合                     中尾彬

今回は江崎実生監督1965年製作「明日は咲こう花咲こう」をピックアップする。
本作は、由起しげ子氏原作“ヒマワリさん”を映画化したもので、山梨県塩山、三富村、秩父連山、本栖湖畔、日活国際会館屋上ビヤ・ガーデン、有楽町界などでロケーション撮影を行ったそうだ。吉永小百合さんのアップが多く、清廉な美しさに魅せられる作品だった。


三田明、山内賢                 三田明、吉永小百合

山本陽子                    吉永小百合、西尾三枝子

伊藤雄之助、吉永小百合                 金子信雄

【ストリー】
週刊毎朝の記者浜野新樹(中尾彬)を恋人にもつ小日山ひろ子(吉永小百合)は、ある日新樹との議論を機会に、ある情熱にもえて僻地姫虎村に保健婦として赴任した。だが姫虎村は、ひろ子の想像をこえる貧困と、住民の無知が蔓延していた。そのうえ、村長の率いる観光派と、助役の率いる合併派の間に醜い争いが起きていた。飲料水と洗濯水の共同使用、病人をコンコリ教の信仰で治すという原始的方法は、ひろ子に驚きを与えた。そして、村に一軒ある診療所の医師有賀は、何の情熱もない、投げやりな態度で事を処理していた。絶望の中で、村人の中をかけまわるひろ子を、村人は冷たい眼で見た。村を訪れた新樹は、ひろ子へ離村をすすめたが、ひろ子の決意は固かった。そんな中で、ようやくひろ子になついて来た孤児のタクミ(頭師佳孝)の明るい顔はひろ子の救いであった。だがコンコリ教の票をめあてにする合併派の籔本助役(金子信雄)は、ひろ子の活動が邪魔となり、教祖(伊藤雄之助)と奸策を練って、産児制限の講習会をひろ子に開かせるよう計った。さすがのひろ子もたじろいたが、彼女の情熱はこの難関を突破した。姫虎村出身の人気歌手三田明が、故郷へ帰って来たのだ。村人たちの無智にむしゃくしゃしていたひろ子は、折から野猿湖で行われた保健婦学院の同窓会へ行った。だが心の晴れないひろ子のもとへ、姫虎村から電報が来た。村でタクミが赤痢になったのだ。急ぎ帰ったひろ子に、有賀(垂水悟郎)も、村)長(花澤徳衛、籔本らも、責任をまぬがれるため、赤痢としての処置、発表を妨げた。だが蔓延を恐れたひろ子は有賀を説き伏せて、病気の伝染を防いだ。村長の息子今朝雄、明らの協力で宮野市から急援隊が到着、村人は初めてひろ子の献身を知ったのだった。村がこれを機に明るくなった頃、ひろ子は助産活動をしたという違法行為で免職となり、村を去った。見送る村人の中、タクミが、ひろ子の車を追っかけて走った。


吉永小百合

題名:明日は咲こう花咲こう
監督:江崎実生
企画:横山弥太郎
原作:由起しげ子「ヒマワリさん」
脚本:宮内婦貴子、山田信夫
撮影:姫田真佐久
照明:藤林甲
録音:沼倉範夫
美術:千葉和彦
記録:桑原みどり
編集:辻井正則
音楽:伊部晴美 主題歌:吉永小百合、三田明
現像:東洋現像所
製作主任:野村耕祐
監督助手:曽我仁彦
色彩計測:安藤庄平
スチール:井本俊康
出演:吉永小百合、中尾彬、山内賢、三田明、西尾三枝子、山本陽子、伊藤雄之助、金子信雄、砂塚秀夫、武藤章生、頭師佳孝、垂水悟郎、鏑木はるな、河上信夫、鈴木瑞穂、武智豊子
1965年日本・日活/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
2017年3月現在、DVD販売・レンタルはありません。


映画「若草物語」

若草物語
芦川いづみ
若草物語若草物語
浜田光夫                      和田浩治

今回は森永健次郎監督1964年製作「若草物語」をピックアップした。
本作の撮影された1964年は東京オリンピックが開催された年で、東海道新幹線の開通、銀座の若者みゆき族が話題になる一方、60年安保運動を時代背景に、日活の豪華女優陣の共演で成立している作品だが、1958年の日本映画年間観客動員数は何と!約11億人だったのに対して本作製作年には4億人前後にまで落ち込んだ状況でもあった。因に1972年から現在はその半分以下だ。

日本映画年間観客動員数 ※左画をクリックすると年間観客動員数のグラフが表示されます。

若草物語
吉永小百合

豪華女優陣の中で唯一、芦川いづみさんは人妻役を演じている。清らかな少女のイメージからエロス少なめの色気を感じさせる人妻役への転身はちよっと残念で あったが、その魅力は1ミリも衰えてない。吉永小百合さん、浅丘ルリ子さん、和泉雅子さんは其々魅力的ではあるが、日活が曳いた既定キャラクターをそのまま継承している様に伺えた。
今ではあり得ない映画会社が映画を作っていた時代の良き作品である。

若草物語若草物語
浜田光夫、浅丘ルリ子         ※70年代まであった日活撮影所のオープンセット

ロケーションは羽田空港、晴海団地(現:晴海アイランドトリトンスクエア)、晴海埠頭、松屋銀座、日比谷公園、完成間もない駒沢オリンピック公園、長野県志賀高原などで行っているが、銀座の街並ではロケーションとオープンセットを使用している。当時は日活も東映も撮影所にオープンセットの街があった。私は日活のオープンセットも見た記憶がある。

若草物語若草物語
和田浩治                     浅丘ルリ子
若草物語
名機Arriflex16STで撮影する浜田光夫

浜田光夫さん演じる矢坂次郎は、TVニュースのカメラマンだ。1979年頃までテレビのニュースは16mmリバーサルフィルムで撮影され、TV各局に現像所(出張所)もあり、テレシネでビデオテープに落とす事なく即オンエアーしていた。本作はENGとして放送用ビデオが普及する前の時代を背景にしている。当時ニュースに使用された主なキャメラは、Arriflex16ST、Bell&Howell Filmo70DR(スプリング駆動)を使用していたが、70年代になってからはCanon Scoopic 16(国産)、Eclair ACL(通称:ミニエクレール)が活躍した。この中でシンクロ(同時録音)が出来た主なキャメラは、Arriflex16BL、Eclair ACL,NPRであり、他はカメラの駆動ノイズが入るので音はコラージュだった。(筆者解説)

横浜シネマ(NHK、日本テレビ、テレビ朝日)TBS映画社現像部(TBS)SONY PCLなど
cam005cam004cam006
Bell&Howell Filmo70DR      Canon Scoopic 16     Eclair ACLIII

それにしても吉永小百合さんが撮影アシスタントをするシーンはキューンとした。
「小百合さんに脚立を持たすなんて!」と感情移入しつつ、こんな人が現場にいたら嬉しいのになぁと思った。

若草物語
吉永小百合、浜田光夫
若草物語
浅丘ルリ子

【ストリー】
若い後妻を持った勇造(伊藤雄之助)に気づかって、高村家の由紀(浅丘ルリ子)、しずか(吉永小百合)、チエ子(和泉雅子)の三人姉妹は秘に伊丹空港から長姉早苗(芦川いづみ)の嫁先へ家出を決行した。美しい三人の前には早くも、羽田空港でポルシェを運転する青年が近づいた。末娘の現代っ子チエ子につられて、三人は車で早苗の団地にやって来た。狭い団地生活に、早苗は仕方なく貯金を出して、三人のためにアパートを貸りてやった。由紀としずかはデパートに、チエ子は試験に落ちて姉に内緒でアルサロ勤めを始めた。だが、いたずらに飲んだお酒がバレて、即日やめさせられる始末だ。そんなある日、由紀は幼馴染の矢坂次郎(浜田光夫)に会った。次郎はTVニュースのカメラマンであった。お互いに成長した姿を見た二人は、胸のときめきを感じた。その日から次郎は、時々アパートを訪れて姉妹と親しくなった。ある日三人姉妹と次郎それにチエ子の友達の健吉(山内賢)らは、スキーに出かけたが途中次郎は取材で由紀たちと別れた。淋しい思いをしていた由紀の前に偶然ポルシェの男、野沢圭一(和田浩治)が現われ、四人を別荘に招待した。三人が帰京した翌日、勇造が妻弘子(東恵美子)と喧嘩をしてやって来た。激しくののしって追い帰した由紀に、しずかは怒りを感じて次郎のアパートに走った。とまどう次郎は、しずかを下宿に置くと取材に出ていった。心配して次郎に相談に来た由紀は、しずかを見て嫉妬を感じた。旅行から帰った次郎は由紀に愛情を告白した。だがそんな由紀の前に、圭一がしばしば現われるようになった。豪華な雰囲気をもつ圭一に、由紀は巨絶出来ないものを感じていた。しずかはそんな由紀の態度に怒りを覚えた。数日後、由紀は圭一と婚約した。次郎は、慰めるしずかに「由紀ちゃんの気持は解る」と話して、酒をあをった。由紀が新婚旅行に発つ日、旅立つ次郎の跡を追うしずかの美しい青春の姿があった。

若草物語若草物語
吉永小百合、浅丘ルリ子             吉永小百合、伊藤雄之助
若草物語
芦川いづみ、和泉雅子

題名:若草物語
監督:森永健次郎
企画:坂上静翁
脚本:三木克巳
撮影:松橋梅夫
照明:森年男
録音:高橋三郎
美術:横尾嘉良
記録:内田絢子
編集:井上治
音楽:崎出伍一
現像:東洋現像所
製作主任:亀井欽一
助監督:斎藤和三郎
色彩計測:佐藤重明
スチール:井本俊康
出演:芦川いづみ、浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子、浜田光夫、田代みどり、和田浩治、山内賢、杉山俊夫、伊藤雄之助、清水将夫、東恵美子
1964年日本・日活/シネスコサイズ・イーストマンカラー84分35mmフィルム
若草物語-DVD-
2016年7月現在、DVDレンタルはありません。

若草物語若草物語
和泉雅子                        吉永小百合
若草物語若草物語