映画「新・仁義なき戦い 組長の首」


「新・仁義なき戦い 組長の首」梶芽衣子

「新・仁義なき戦い 組長の首」ひし美ゆり子

菅原文太                        梶芽衣子

今回は深作欣二監督1975年製作「新・仁義なき戦い 組長の首」をピックアップする。
本作は、実話を元にした”仁義なき”シリーズから通算6作目、フィクションとして作られた”新・仁義なき”シリーズから2作目となる。


ひし美ゆり子                     成田三樹夫

【ストリー】
昭和43年。覚醒剤を主とする密輸品は、古くから関門海峡の周辺を密輸基地に陸揚げされ、日本全国の暴力組織に捌かれていた。その莫大な利権をめぐって対立する大和田組と共栄会の二大組織があった。大和田組幹部・楠鉄弥(山崎努)は、親分・大和田徳次(西村晃)の命で、流れ者・黒田修次(菅原文太)、組員・須川(渡瀬恒彦)とともに、共栄会々長・正木を襲撃、黒田は自から単独殺人を認め殺人罪で刑務所へ収監、10年の刑を受けた。共栄会は組長の死以後、崩壊し、大和田組は勢力を拡大した。大和田の娘・美沙子(梶芽衣子)を妻にした楠の面会がとだえてから七年、黒田は仮出獄した。黒田はその足で楠を訪ねたが、楠はヒロポン中毒になっていた。一方、大組織化した大和田組にも派閥ができた。相原重彦(成田三樹夫)、赤松猛夫(室田日出男)、井関政治(織本順吉)、高山音松(睦五郎)、郷田猪之吉(汐路章)の各幹部である。久しぶりに大和田と対面した楠は黒田の懲役慰労金として500万円要求するが、その気のない大和田は逆に楠を破門した。そこで楠は黒田とともに大和田の妾宅を襲い、大和田と品子(中原早苗)を脅迫、五百万円出すことを約束させた。  数日後、相原は黒田にヒロポンを渡し、赤松組の縄張り内で売るように依頼した。赤松組の了解を得ているということで、黒田は舎弟分の志村(小林稔侍)と笹木(三上寛)に商売をさせたのだが、赤松組組員と乱闘事件を起こした。そして、この報復として笹木が赤松を刺殺、自分も殺されてしまった。これは、相原が大和田組から独立を企でていた赤松を抹殺するためにしくんだものだった。その相原は、秘かに、大阪の野崎組の後押しで、大和田組の二代目を狙っている。数日後、大和田組の幹部会が開かれ、大和田は二代目として井関を推した。そしてその場で、黒田との親子の盃、井関・黒田の兄弟分の盃もかわされた。怒った相原は、楠に、大和田が楠を狙っており、美沙子を黒田の妻にするらしい、とそそのかした。相原の言葉を信用した楠は、大和田を射殺した後、精神異常者として病院に運ばれた。大和田の通夜の日、井関らの前で、野崎は二代目として相原を推した。強力な組織を持つ野崎に、井関は従がわなければならなかった。相原は、井関に黒田殺しを要求した。兄弟分を殺すことはできぬ、と井関は所払いを願いでた。全てを知った黒田は、組のバッヂを投げ捨て、相原の首を殺ることを決意。二代目襲名の挨拶廻りのために、相原、井関たちは、大阪へと向かった。その後を、黒田、志村、須川が追った。“組長の首”を殺りに……。


室田日出男                      渡瀬恒彦

西村晃、梶芽衣子                    三上寛

題名:新・仁義なき戦い 組長の首
監督:深作欣二
企画:日下部五朗、橋本慶一、奈村協
脚本:佐治乾、田中陽造、高田宏治
撮影:中島徹
照明:若木得二
録音:中山茂二
美術:鈴木孝俊
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
背景:平松数一郎
技斗:上野隆三
美粧:長友初生
結髪:白鳥里子
衣装:松田孝
記録:田中美佐江
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:長岡功
助監督:清水彰
演技事務:西秋武司
スチール:木村武司
出演:菅原文太、梶芽衣子、ひし美ゆり子、中原早苗、成田三樹夫、内田朝雄、室田日出男、渡瀬恒彦、西村晃、川谷拓三、織本順吉、山崎努、三上寛、睦五郎、汐路章、小林稔侍、片桐竜次
1975年日本・東映/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
新・仁義なき戦い 組長の首 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「新・仁義なき戦い 組長の首」ひし美ゆり子

成田三樹夫、ひし美ゆり子              ひし美ゆり子

「新・仁義なき戦い 組長の首」梶芽衣子         菅原文太

映画「赤ひげ」


三船敏郎                        加山雄三

今回は黒澤明監督1965年製作「赤ひげ」をピックアップする。
本作の撮影は、世田谷区砧にある東宝撮影所に近い30,000平方メートルの敷地に、表門、役人詰所、病棟、賄所に至る30数棟、延べ3,000平方メートルを越す広さで「小石川養生所」のセットが建てられた。その現場に、当時アメリカからピーター・オトゥール、シドニー・ポワチエ、カーク・ダグラスなどハリウッド映画人がセットを視察に来たそうだ。黒澤明監督が「日本映画の危機が叫ばれているが、それを救うものは映画を創る人々の情熱と誠実以外にはない。私は、この『赤ひげ』という作品の中にスタッフ全員の力をギリギリまで絞り出してもらう。そして映画の可能性をギリギリまで追ってみる」という熱意を込めて、シナリオ執筆に2年、撮影に1年半もの期間をかけたのだった。

当時、若大将シリーズで人気沸騰の加山雄三さんは、「ハワイの若大将」撮影後、黒澤組に1年間拘束された。このブランクで若大将シシリーズの中止は避けられないと考えられていたが、1965年に「海の若大将」が宝塚映画で制作され、前作を上回る興業成績を収めた。


加山雄三、田中絹代                加山雄三、土屋嘉男

【ストリー】
医員見習として小石川養生所へ住み込んだ保本登(加山雄三)は、出世を夢みて、長崎に遊学したその志が、古びて、貧乏の匂いがたちこめるこの養生所で、ついえていくのを、不満やるかたない思いで、過していた。赤っぽいひげが荒々しく生えた所長新出去定(三船敏郎)が精悍で厳しい面持で、「お前は今日からここに詰める」といった一言で、登の運命が決まった。人の心を見抜くような赤ひげの目に反撥する登はこの養生所の禁をすべて破って、養生所を出されることを頼みとしていた。薬草園の中にある座敷牢にいる美しい狂女は、赤ひげのみたてで先天性狂的躰質ということであった。登は、赤ひげのみたてが誤診であることを指摘したが、禁を侵して足しげく通った結果、登は、赤ひげのみたてが正しかったことを知った。毎日、貧乏人と接し、黙々と医術をほどこす赤ひげは、和蘭陀医学を学ばなければ解る筈のない大機里爾という言葉を使って、登に目をみはらせた。赤ひげは「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」といつも口にしていた。こんな中で登は、貧しく死んでゆく人々の平凡な顔の中に、人生の不幸を耐えた美しさを見るようになった。登が赤ひげに共鳴して初めてお仕着せを着た日赤ひげは登を連れて岡場所に来た。そして幼い身体で客商売を強いられるおとよ(二木てるみ)を助けた。人を信じることを知らない薄幸なおとよが登の最初の患者であった。長崎帰りをひけらかし、遊学中に裏切ったちぐさ(藤山陽子)を責めた自分に嫌悪を感じた登は、おとよの看病に必死となった。やがておとよは、登に対しても他人に対してもあふれる愛情を示し始めた。そしてふとした盗みでおとよに救け出された長次(頭師佳孝)とおとよの間に、幼い恋が芽生えた頃、登はちぐさの妹まさえ(内藤洋子)と結婚の約束を取り交した。そして、名誉にも金にも縁遠くなっても、一生この養生所で、医術にいそしむことを誓った。


二木てるみ                         香川京子

頭師佳孝

題名:赤ひげ
監督:黒澤明
製作:田中友幸、菊島隆三
原作:山本周五郎「赤ひげ診療譚」
脚本:井手雅人、小国英雄、菊島隆三、黒澤明
撮影:中井朝一、斎藤孝雄
照明:森弘充
特機:関根義雄
録音:渡会伸
音効:三縄一郎
整音:下永尚
美術:村木与四郎
小道具:野島秋雄
結髪:松本好子
技髪:山田順二郎
衣裳:鮫島喜子
記録:野上照代
編集:黒澤明
音楽:佐藤勝
現像:キヌタ・ラボラトリー
製作担当:根津博
製作進行:木島繁
助監督:森谷司郎
監督助手:出目昌伸、松江陽一、大森健次郎
撮影助手:原一民
照明助手:原文良
録音助手:指田漸
美術助手:福迫望
編集助手:兼子玲子
製作宣伝:斉藤忠夫
スチール:副田正男
出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、江原達怡、土屋嘉男、二木てるみ、頭師佳孝、根岸明美、東野英治郎、志村喬、笠智衆、杉村春子、田中絹代、藤山陽子、内藤洋子、野村昭子、藤原釜足、西村晃、常田富士男、菅井きん、風見章子、富田恵子、左卜全、渡辺篤
1965年第26回ヴェネチア国際映画祭男優賞(三船敏郎)、サン・ジョルジョ賞、ヴェネチア市賞、モスクワ国際映画祭映画労働組合賞受賞
1965年日本・黒澤プロダクション+東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・モノクロ185分35mmフィルム
赤ひげ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


加山雄三、三船敏郎                                                内藤洋子、加山雄三

映画「黒の奔流」


「黒の奔流」岡田茉莉子

岡田茉莉子                       山崎努

今回は渡邊祐介監督1972年製作「黒の奔流」をピックアップする。
本作は、松本清張氏の推理小説「種族同盟」を映画化したものだ。先が読める筋立てだったが、山崎努さんと岡田茉莉子さんの上質な芝居にエンドロールまで安心して観れる作品だある。


松坂慶子、松村達雄                  谷口香、山崎努

【ストリー】
ある殺人事件の裁判が始まった。事件とは多摩川渓谷の旅館の女中、貝塚藤江(岡田茉莉子)がなじみの客(穂積隆信)を崖から突き落した、というのである。しかし藤江はあくまでも無罪を主張した、が、状況的には彼女の有罪を裏付けるものばかりだった。この弁護を担当したのが矢野武(山崎努)である。矢野はこの勝ち目の薄い事件を無罪に出来たら一躍有名になり、前から狙っている弁護士会々長・若宮正道(松村達雄)の娘朋子(松坂慶子)をものにできるかもしれない、という目算があったのである。弁護は難行したが、藤江に有利な新しい証人が現われ、矢野は見事、無罪判決を勝ら取る。そして矢野の思惑通り、マスコミに騒がれるとともに、若宮と朋子の祝福を受け、若宮は朋子の結婚相手に矢野を選ぶのだった。一方、藤江を自分の事務所で勤めさせていた矢野は、ある晩、藤江を抱いた。藤江は今では矢野への感謝の気持ちが思慕へと変っていたのである。やがて藤江は矢野が朋子と結婚するということを知った。藤江が朋子のことを失野に問いただすと、矢野は冷たく「僕が君と結婚すると思っていたわけではないだろうね」と言い放ち、去ろうとした。そこで藤江は、あの事件の真犯人は彼女であること、もし矢野が別れるなら裁判所へ行って全てを白状すると逆に矢野を脅迫する。矢野は憔悴の夜を送った。藤江はやりかねない。それは矢野の滅亡を意味する。やがて矢野は藤江に対して殺意をいだく。翌日、矢野は藤江に詫びを入れ、旅行に誘うと、藤江は涙ながらに喜び、数日後、富士の見える西湖畔に二人は宿をとった。藤江は幸福だった。翌朝、矢野は藤江を釣に誘った。人気のない霧の湖上を二人を乗せたボートが沖へ向った。矢野が舟を止めると矢野の殺意には既に気が付いていたと藤江がつぶやいた。矢野は舟底のコックを抜いた、奔流のように水が舟に入って来る。矢野が脱出しようとした瞬間、藤江の体が矢野の上にのしかかり、矢野の悲鳴が上った。「先生を誰にも渡さない!」藤江の頬には止めどなく涙が流れた。折りしも流れて来た濃い霧の中に慟哭とともにボートと藤江と矢野の姿は消えていった。


佐藤慶                          黒の奔流

題名:黒の奔流
監督:渡邊祐介
製作:猪股尭
原作:松本清張「種族同盟」
脚本:國弘威雄、渡邊祐介
撮影:小杉正雄
照明:佐久間丈彦
録音:中村寛
調音:小尾幸魚
美術:森田郷平
装置:森勇
装飾:宗田八郎
衣裳:松竹衣裳
編集:寺田昭光
音楽:渡辺宙明
現像:東映化学 オプチカル合成:石川智弘
製作主任:峰順一
製作進行:柴田忠
助監督:白木慶二
スチール:金田正
出演:岡田茉莉子、山崎努、松坂慶子、谷口香、佐藤慶、松村達雄、中村伸郎、穂積隆信、玉川伊佐男、菅井きん、谷村昌彦、高木信夫
1972年日本・松竹大船撮影所/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
黒の奔流 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


山崎努                       岡田茉莉子、山崎努

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