映画「黒い賭博師 悪魔の左手」


小林旭                    広瀬みさ、横山道代

今回は中平康監督1965年製作「黒い賭博師 悪魔の左手」をピックアップする。
賭博師シリーズ第8弾の本作は、”無国籍色”が強く、パンドラ王国の俳優が全員日本人というのが何とも言えない。リアルタイムで劇場で見てはいないが、パロディを狙ったものなのか大真面目なのか理解に苦しむ。


パンドラ王国の人々

【ストリー】
回教国パンドラ王国の若い国王アブダラ三世(大泉滉)は、野心に燃える賭博大学の技術部長“教授”(二谷英明)にあやつられて、すべてのギャンブルを国営化し、その利益で水爆を買入れ、世界を支配しようとしていた。そして、この計画の第一歩になる日本のギャンブル市場の獲得に邪魔なギャンブラー氷室(小林旭)を亡きものにしようと、氷室に対決させるべく選りすぐった三人のギャンブラーと親衛隊を極秘裡に日本に潜入させた。ところがこの馬鹿気た計画を知り、何とかこれを思いとどまらせようというアブダラ三世の第二王妃チューリップこと春野うらら(広瀬みさ)は、彼等の計画を断念させるために氷室を護ろうと、彼のあとをつきまとった。そんな氷室に盲目のギャンブラー第一号(天坊準)がダイスで勝負を挑んだ。しかし氷室は、巧みに隠された第一号のイカサマを見破り、敗れた第一号は彼をつけていた親衛隊のために殺された。続いて日本の暴力団のボス蒲郡をポーカーで散々の目にあわせた少年第二号(ジュディ・オング)が、一度目はボーリングで、二度目は競艇で氷室に勝負を挑んできたが、これも少年が敗れ、少年は親衛隊に殺された。この間氷室をやぶる科学的データーを記した“ファイル8”を持つうららは、これを取返しに来た教授一味に狙われていた。一方の氷室は、教授につきそわれた第三号ど呼ばれる婆さんと地下室の賭博場で対決していた。婆さん(原泉)の奇策で氷室は負け続けた。
が、その時、氷室を慕う女、時子(横山道代)が回教徒が忌み嫌う豚をもって、とびこんできた。この奇襲に落着きを失った婆さんは、それ以後氷室に敗け続け、勝負は氷室の逆転勝ちとなった。氷室は、この密閉された部屋に爆薬が仕かけてあるのを知り、外にひそませていた彼の子分チョンボ(鈴木ヤスシ)の助けで時子、うららたちと部屋を脱出した。運のつきたのを悟った教授は残り、数分後そのまま部屋は爆破された。この計画の失敗で、アブダラ三世もめざめ、もとの平凡な国王に帰った。大任を果した氷室は、またあてどないギャンブルの旅にでていくのだった。


鈴木やすし                    ジュディ・オング

題名:黒い賭博師 悪魔の左手
監督:中平康
企画:児井英生
製作:亀井欽一
脚本:小川英、山崎忠昭
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:神保小四郎
美術:松井敏行
特技:金田啓治
編集:丹治睦夫
音楽:伊部晴美
現像:東洋現像所
製作主任:亀井欽一
助監督:村田啓三
色彩計測:畠中照夫
スチール:浅石靖
出演:小林旭,、二谷英明、鈴木やすし、広瀬みさ、横山道代、二谷英明、浜川智子、山崎忠昭、谷村昌彦、大泉滉、ジュディ・オング、原泉、天坊準、郷英治、神田隆
1965年日本・日活/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
黒い賭博師 悪魔の左手 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


横山道代、谷村昌彦                    小林旭、二谷英明

映画「危いことなら銭になる」

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
宍戸錠                     長門裕之、宍戸錠

今回は中平康監督1962年製作「危いことなら銭になる」をピックアップする。
本作は、都筑道夫氏原作「紙の罠」をコメディアクションとして映画化したもので、名匠姫田真佐久氏が撮影を担当されている。どことなくアニメ「ルパン三世」に雰囲気が似ているなと思ったら、脚本の山崎忠昭氏が後に「ルパン三世」も手掛けたそうだ。

【追記・訃報】
「エースのジョー」の愛称で親しまれ、アクションスターとして日活の黄金期を支えた俳優の宍戸錠(ししど・じょう、本名同じ)さんが2019年1月21日に死去した。86歳。大阪市生まれ。関係者によると、都内の自宅で倒れていたという。あくの強さを出すため豊頬(ほうきょう)手術を受け、膨らんだ頬がトレードマークだった。日大芸術学部在学中の1954年、日活の第1期ニューフェイスに合格。翌55年に「警察日記」で本格デビューし、二枚目スターとして売り出されたが、自ら進んで豊頬手術を受け、敵役として活路を開いた。小林旭主演の「渡り鳥」「流れ者」シリーズや故赤木圭一郎さん主演の「拳銃無頼帖」シリーズに敵役として登場。時に主役を食う人気を博した。70年代になるとテレビにも進出し、「巨泉×前武のゲバゲバ90分」「カリキュラマシーン」「元祖どっきりカメラ」などのバラエティーにも出演。1982~83年にはフジテレビ系「くいしん坊!万才」にレポーターとして出演し、長男で俳優の宍戸開ものちにレポーターを務めた。10年4月に元女優でエッセイストの宍戸游子(ゆうこ)さんががんのため77歳で死去。2013年2月には東京・世田谷区上祖師谷の自宅が全焼する被害に遭うなど、晩年は悲しい出来事が続いた。
最終更新:2020/1/821(火) 16:45 スポニチアネックス

危いことなら銭になる009
世田谷通り(津久井街道)       長門裕之、宍戸錠、草薙幸二郎、浅丘ルリ子

ファーストシーンの街道は、世田谷通りの登戸(手前)付近だ。川は多摩川でその向こうには小田急線の鉄橋がある。その後の変貌ぶりは驚くばかりだが、若い人で、初めて本作を見た方は分からないであろう。日活撮影所内スタジオと当時あったオープンセット、近場のロケという香盤だった様だ。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
浅丘ルリ子                     浅丘ルリ子

【ストリー】
紙幣印刷用のスカシ入り和紙十億八千万円相当が強奪され運転手二人が殺された。臨時ニュースを聞いてニヤリと笑ったのは拳銃無敵の腕前ながらガラスを擦る音には全く弱いガラスのジョー、計算機の哲、ブル健。三人の目的は紙を盗んだ連中に贋幣の名人坂本老人を高く売りこむことだ。ところが肝心の名人をさらったのは秀と修という二人の殺し屋、運転手を刺した張本人だ。ジョーが秀の平和ビルに乗りこんでみると、意外にも秋山とも子という若い美人が一人いるだけ。パリの柔道教師を夢みるとも子は、大学に通うかたわらアルバイトをしていたのだった。ここハマのキャバレー“アカプルコ”の地下室では、坂本名人がせっせと銅版をほっていた。アカプルコの周辺には、黒ずくめの殺し屋がそこかしこにひそんでいた。情報を聞きこんだジョーも強引についてきたとも子と様子をうかがっていたが、何とブル健がダンブカーで店先に飛びこんだ。その夜、どさくさにまぎれて名人をかっぱらったのは計算機の哲だった。初めはジョーが名人を奪ったが、ガラスの音にひるんだ隙に連れていかれたのだ。その哲は得意の計算どおりと、警視庁のロビーで名人の引き渡しをボスに約束した。まさに引き渡しが行われようとしたとき、ジョーの妨害で計画は失敗に帰した。ところで和紙は平和ビルのなかに保管されていたが、ふとしたことからとも子がこれをかぎつけて、ワゴンに積んで逃げ出した。一方、ジョーは計算機、ブル健と三人協同で平和ビルにのりこむと、ボスの一味と凄惨な拳銃戦を展開した。死闘のはて、何千枚と刷り出されたニセ札を発見して狂喜乱舞したジョーたちは、それを計画通り外国人の王とドル交換した。しかし、そのドルも坂本名人の手になるニセ札だと分るのに時間はかからなかった。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる

題名:危いことなら銭になる
監督:中平康
企画:久保圭之介
原作:都筑道夫「紙の罠」
脚本:隆慶一郎、山崎忠昭
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
美術:大鶴泰弘
特技:金田啓治
録音:福島信雅
編集:丹治睦夫
音楽:伊部晴美
色彩計測:安藤庄平
現像:東洋現像所
スチール:井本俊康
出演:宍戸錠、長門裕之、浅丘ルリ子、草薙幸二郎、左卜全、武智豊子、浜田寅彦、平田大三郎、郷えい治、井上昭文、藤村有弘、野呂圭介
1962年日本・日活/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
危いことなら銭になる HDリマスター版 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
宍戸錠、左卜全               宍戸錠、井上昭文