映画「盗まれた恋」

盗まれた恋盗まれた恋
久慈あさみ                                     森雅之

今回は巨匠市川崑監督1951年製作「盗まれた恋」をピックアップする。
本作は〝映像に魔術師〟と呼ばれ、華麗なテクニックで次々と新たなスタイルに挑み続けた市川崑監督のウイットに富んだ恋愛コメディ作品だ。

【当ブログで紹介した市川昆監督作品】
1951年「盗まれた恋
1951年「恋人
1956年「処刑の部屋
1957年「
1957年「満員電車
1959年「野火

盗まれた恋盗まれた恋
川喜多小六                                 森雅之、久慈あさみ

【ストリー】
蟹良子(久慈あさみ)と能登半子(加藤道子)とは浅草の踊子で一緒に暮らす仲良しだったが、劇場の閉鎖で失業して、生活に困るようになった。そこで勝ち気な良子が一策を案じた。それは良子に毎日花束を贈ってくれた銀行家阿久根隆(森雅之)と結婚してしまうことだった。ところが会って見ると阿久根は、恋は一種のスポーツ結婚なんて真っ平という調子なので、良子は口惜しまぎれに、自分にはもう無名だが画家の許婚がある、それを阿久根の金力で有名にしていただきたいという。阿久根が二の返事で引き受けてしまったので良子は行き当たり街でひろった画家三田門太(川喜多小六)を連れて行く。三田が何のことか判らぬうちに個展は開催され、新聞には書き立てられる。批評家宗方(志村喬)も買収されて三田の提灯を持つが良心にせめられ酔ったあげくに真相を洩らすので、三田は失望して自分の画をすっかり破ってしまう。そのあとで、宗方は三田が実は本当の才能を持っていることを見つけ出す。良子はそのあいだに三田が好きになり、気が変わって良子に求婚している阿久根を尻目に三田の許へ行く。

盗まれた恋盗まれた恋
森雅之、伊藤雄之助                          志村喬

題名:盗まれた恋
監督:市川崑
製作:高木次郎、小川吉衛
原作:鏡二郎「恋人」
脚本:和田夏十、市川崑
撮影:横山実
照明:石井長四郎
録音:根岸寿夫
美術:河野鷹思
編集:長田信
音楽:伊福部昭
製作補佐:島村達芳
助監督:加戸野五郎
出演:久慈あさみ、森雅之、川喜多小六、志村喬、加藤道子、伊藤雄之助、東野英治郎、清水将夫、山形勲
1951年日本・新東宝+青柳プロ/スタンダードサイズ・モノクロ89分35mmフィルム
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盗まれた恋盗まれた恋
久慈あさみ、加藤道子                         森雅之、久慈あさみ、川喜多小六

映画「宇宙人東京に現わる」

宇宙人東京に現わる
宇宙人東京に現わる
宇宙人東京に現わる宇宙人東京に現わる
苅田とよみ

今回は島耕二監督1955年製作「宇宙人東京に現わる」をピックアップする。
1951年に「カルメン故郷に帰る(製作:松竹/監督:木下惠介/主演:高峰秀子/富士フィルム)」が国産初だが、それから4年後の本作も当時は希少な総天然色映画だ。色彩指導を芸術家・岡本太郎氏が担当し、ヒトデ形の宇宙人”パイラ星人”のキャラクターデザインも岡本氏が手掛けている。また友好的な宇宙人と地球への天体衝突という設定は、ロバート・ワイズ監督が1951年に製作した「地球の静止する日」をインスパイア―したのだろうか。特撮スタッフには後に円谷プロのウルトラシリーズを手掛ける的場徹氏、撮影助手に「日本沈没」の撮影を担当された村井博氏がクレジットされている大映特撮大作だ。

宇宙人東京に現わる宇宙人東京に現わる
川崎敬三、山形勲

【ストリー】
宇宙の中のパイラと呼ばれる星から地球を観測していたパイラ人は、近頃地球上で頻々と起る原子雲を見つけ、自分達がその昔、原子力の破壊力を戦争に使う使わないで苦労したことを思い出した。そして、おろかな地球人に、自分達が如何に原子力を平和的に使ったかを知らせる為に宇宙船に乗り地球に近づいた。そんなことを知らない地球では空飛ぶ円盤が現われたといってさわぎ、東京城北天文台長の小村博士や助手の磯辺徹、小村の従弟で物理学者の松田博士等が怪円盤研究に腐心していた。宇宙船では地球への連絡地を日本と決め、次々とパイラ人の使者を送ったが、その形の奇怪な為に人々は恐れて近づかなかった。業を煮やしたパイラ人はその一人を銀子という名の日本の女に変身させて地球に送った。銀子は松田博士の家に入り込むことに成功した。パイラ人特有の明晰な頭脳を持つ銀子は博士が密かに発見していた、原水爆以上のエネルギーを持つ爆発物ウリュウムの方程式を読みとり、博士に自分の正体を打明けながら、地球上にその研究を発表するのは狂人に刄物だから止めろと注意した。博士は方程式を焼き捨てた。その頃、新天体Rが現われ、地球と衝突する軌道を進みつつあった。世界は驚愕し、R破壊の為に各国の原水爆が一せいに発射された。しかしいずれも不成功であった。某国の手先は松田博士を誘拐し、方程式を書かせようとした。危いところをパイラ人の使者達に救われた博士は、地球上には残さない約束で銀子に方程式を書いて渡した。パイラ人によってウリュウムが作られ、その爆発力でRは消え、地球は救われた。銀子は宇宙船に乗って地球を去って行った。

宇宙人東京に現わる宇宙人東京に現わる
岡本太郎氏デザインのパイラ人

題名:宇宙人東京に現わる
監督:島耕二
企画:中代冨士男
製作:藤井朝太
原案:中島源太郎
脚本:小国英雄
撮影:渡辺公夫
特撮:的場徹、築地米三郎、田中捨一
照明:久保田行一
録音:西井憲一
美術:間野重雄
編集:西井憲一
音楽:大森盛太郎
現像:東洋現像所
色彩指導:岡本太郎
撮影助手:村井博
出演:川崎敬三、苅田とよみ、山形勲、永井ミエ子、志村喬、南部彰三、八木沢敏、見明凡太郎
1955年日本・大映/スタンダードサイズ・カラー87分35mmフィルム
宇宙人東京に現わる [DVD]
2016年7月現在、DVDレンタルはありません。
宇宙人東京に現わる宇宙人東京に現わる
1955年の京王井の頭線高井戸駅
※1984年まで使用されたデハ1900形

映画「浮雲」

浮雲浮雲
高峰秀子                      森雅之

今回は成瀬巳喜男監督1955年製作「浮雲」高評価作品sをピックアップする。
本作は、黒澤明、小津安二郎らと並ぶ巨匠・成瀬巳喜男監督の最高傑作として知られる文芸ロマンだ。女優高峰秀子さんが、自堕落な男を愛した為に自滅してゆくヒロインを鮮烈に見事に演じている。岡本喜八監督がチーフ助監督を務めており、「成瀬組」の名スタッフが勢揃いした作品でもある。小津安二郎監督は「俺にできない写真は溝口の「祇園の姉妹」と成瀬の「浮雲』だけだ」と語っている。


(左)1955年撮影当時のJ国鉄・中央総武線「千駄ヶ谷」駅 (右)2000年代のJR東日本の同駅
※上の画はクリックすると別画面で拡大されます。

浮雲浮雲
森雅之、高峰秀子

【ストリー】
幸田ゆき子は昭和18年農林省のタイピストとして仏印へ渡った。そこで農林省技師の富岡に会い、愛し合ったがやがて終戦となった。妻と別れて君を待っている、と約束した富岡の言葉を頼りに、おくれて引揚げたゆき子は富岡を訪ねたが、彼の態度は煮え切らなかった。途方にくれたゆき子は或る外国人の囲い者になったが、そこへ富岡が訪ねて来ると、ゆき子の心はまた富岡へ戻って行った。終戦後の混乱の中で、富岡の始めた仕事も巧くゆかなかった。外国人とは手を切り、二人は伊香保温泉へ出掛けた。「ボルネオ」という飲み屋の清吉の好意で泊めてもらったが、富岡はそこで清吉の女房おせいの若い野性的な魅力に惹かれた。ゆき子は直感でそれを悟り、帰京後二人の間は気まずいものになった。妊娠したゆき子は引越先を訪ねたが、彼はおせいと同棲していた。失望したゆき子は、以前肉体関係のあった伊庭杉夫に金を借りて入院し、妊娠を中絶した。嫉妬に狂った清吉が、富岡の家を探しあて、おせいを絞殺したのはゆき子の入院中であった。退院後ゆき子はまた伊庭の囲い者となったが、或日落ちぶれた姿で富岡が現れ、妻邦子が病死したと告げるのを聞くとまたこの男から離れられない自分を感じた。数週後、屋久島の新任地へ行く富岡にゆき子はついて行った。孤島の堀立小屋の官舎に着いた時、ゆき子は病気になっていた。沛然と雨の降る日、ゆき子が血を吐いて死んだのは、富岡が山に入っている留守の間であった。ゆき子は最後まで環境の犠牲となった弱い女であった。

浮雲浮雲
加東大介                      岡田茉莉子

題名:浮雲
監督:成瀬巳喜男
製作:藤本真澄
原作:林芙美子
脚本:水木洋子
撮影:玉井正夫
照明:石井長四郎
録音:下永尚
美術:中古智
編集:大井英史
音楽:齋藤一郎
現像:東宝現像所
製作担当:板谷良一
監督助手:岡本喜八
特殊技術:東宝技術部
出演:高峰秀子、森雅之、岡田茉莉子、加東大介、山形勲、中北千枝子、木匠マユリ、千石規子、大川平八郎、金子信雄
1955年日本・東宝/スタンダードサイズ・モノクロ124分35mmフィルム
浮雲 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

浮雲浮雲
高峰秀子、山形勲

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