映画「飼育」


三國連太郎                          小山明子

今回は大島渚監督1961年製作「飼育」をピックアップする。
本作は、大島渚監督が松竹を退社し初めて町場で制作した作品である。
本作公開の3か月前に倒産した新東宝を分社化して同年9月1日に設立され、わずか6本を配給して活動を停止した大宝株式会社の設立第3作であった。ジョン・カサヴェテス監督が1959年に制作したデビュー作「アメリカの影」に出演したヒュー・ハードが、墜落したB29の搭乗員を演じている。

作品リスト


ヒュー・ハード                          三原葉子

【ストリー】
昭和20の初夏。或る山村へ米軍の飛行機が落ちた。百姓達の山狩りで黒人兵(ヒュー・ハード)が捕まった。黒人兵は両足首に猪罠の鉄鎖をはめられ、地主鷹野一正(三國連太郎)の穴倉へ閉じこめられた。県庁の指令があるまで百姓達は、輪番制で黒人兵を飼うことになった。こんな頃に、鷹野の姪の幹子(大島瑛子)がこの村に疎開して来た。地主の一正は、豚のように貪欲で好色な男だ。息子の嫁の久子(中村雅子)とも関係を結び、疎開もんの弘子(小山明子)にも野心を持っていた。村の少年達はクロンボが珍らしくてしょうがない。いつも倉にやって来ては黒人兵をみつめている。少年達と黒人兵はいつしか親しさを持つようになっていった。そこへ、余一(加藤嘉)の息子次郎(石堂淑朗)が召集令をうけて村に帰って来た。出征祝いの酒盛りの夜、次郎は暴力で幹子(大島瑛子)を犯した。そして、翌日次郎は逃亡した。兄が非国民となって、弟の八郎(入住寿男)は怒った。幹子のせいだ。幹子を責めた八郎は、皆に取押さえられて鷹野家の松に吊された。クロンボが八郎を慰めるように歌をうたった。八郎はクロンボも憎かった。こいつのために村中が狂ってしまったのだ。縄を切った八郎は、ナタを持ってクロンボに飛びかかった。その時、そばにいた桃子(上原以津子)は突き飛ばされて崖下に転落、そして死んだ。伝松(山茶花究)の息子が戦死したという公報が入った。みんなあのクロンボが厄病神なのだ。村の総意は、クロンボをぶち殺してしまえということになった。そうと知った少年達は、クロンボを逃がそうと図った。だが、飛びこんで来た一正が、ナタでクロンボを殺してしまった。それから数日して、書記(戸浦六宏)が慌ててみんなに発表した。戦争が終ったのだ。みんなはあおくなった。もし進駐軍に知れたら。一正の発案でなにも起らなかったことにした。みんななにも見ないしなにもしなかったのだ。そのかための酒盛りの晩、次郎がかえって来た。もし発かくしたら、次郎が犯人ということで……。ところが次郎は書記と争ってあやまって死んでしまった。その火葬の火をバックに秋祭りの相談が行われた。何ごともなかったように。それはあたかも戦争そのものがなかったようでさえあった。その炎をじっとみつめている八郎の目には無限の悲しみと、怒りがこみあげていた。……大人たちは忘れ去ったとしても、この少年には戦争は決して消し去ることのできない心のキズであった。


中村雅子                                三國連太郎

題名:飼育
監督:大島渚
製作:田島三郎、中島正幸
原作:大江健三郎「飼育」
脚本:田村孟
撮影:舎川芳次
照明:菱沼誉吉
録音:岡崎三千雄
音効:角田陽次郎
美術:平田逸郎
振付:西野晧三
編集:宮森みゆり
音楽:真鍋理一郎
製作主任:岸田秀男
助監督:柳田博美
製作協力:佐野博
脚本協力:松本俊夫、石堂淑朗、東松照明
三頸獅子舞指導:別所神社子連中
デザイン:粟津潔
スチール:武智俊郎
出演:三國連太郎、小山明子、三原葉子、ヒュー・ハード、中村雅子、岸輝子、沢村貞子、山茶花究、浜村純、大島瑛子、加藤嘉、戸浦六宏、小松方正、石堂淑朗、入住寿男
1961年日本・パレスフィルムプロダクション+大宝/シネスコサイズ・モノクロ105分35mmフィルム
飼育 -DVD-
2018年12月現在、DVDレンタルはありません。


飼育

映画「クレージーだよ 奇想天外」


「クレージーだよ 奇想天外」谷啓

谷啓                                                                        藤田まこと

今回は坪島孝監督1966年製作「クレージーだよ 奇想天外」をピックアップする。
本作は、クレージー・キャッツの”クレージー作戦シリーズ”第6弾で全14作が制作され、シリーズ唯一の谷啓さん単独主演作品である。

【追記・訃報】
映画「若大将」シリーズのヒロイン役などで人気を博した女優の星由里子(ほし・ゆりこ 本名清水由里子=しみず・ゆりこ)さんが2018年5月16日に京都市の病院で死去した。享年74歳。東京都出身。1958年、東宝が募集した「ミス・シンデレラ娘」に選ばれて芸能界入りし、映画「すずかけの散歩道」で女優デビュー。加山雄三さん主演の映画「若大将」シリーズに加山さんの恋人役として出演し、人気となった。NHK連続テレビ小説「あぐり」やミステリードラマ「科捜研の女」など、テレビドラマでも活躍した。
(2018年5月18日東京新聞 TOKYO WEBより)


星由里子                                                                 野川由美子

「クレージーだよ 奇想天外」星由里子

ハナ肇                                                                  植木等

二瓶正也、谷啓                                                   谷啓、藤木悠

【ストリー】
遊園地の片隅で毎日綿菓子を売る男、実はこの男はα星人M7(谷啓)であった。α星人が何故日本にいるかというと、それは--α星はこのところ地球の原水爆実験やロケット打上げの影響で被害甚大、そこでα星長官(植木等)がM7と監視役零八(藤田まこと)を地球に派遣したのだった。それでM7は日本人鈴木太郎にのりうつって日本にやってきたというわけである。太郎は大聖化学の新入社員だったから、彼の身体にのりうったM7は鈴木太郎の生活を送ることになった。ところでα星には女は存在しない。星人は機械から生れるのであった。女を知らないはM7は大聖コンツェルン会長秘書城山和子(星由里子)と鈴木太郎の恋人佐々木ゆかり(野川由美子)のお色気に目をパチクリ。さてM7と零八はα星長官から超能力を与えられていた。M7はそれを用いて、パチンコの玉を出し放題、意地悪な先輩社員を投げとばしたり等々、超能力濫用気味。ある日、大聖化学製の大砲の弾を花火に変えてしまった。その弾丸は自衛隊やベトナム戦用のものだったから大間題になった。M7はクビになった。その上零八から超能力を差し止められてしまった。一方、大聖化学の社長磯村(ハナ肇)は大口会長(進藤英太郎)の後押しで代議士に立候補したのだが選挙運動中倒れてしまった。そこで代役に立ったM7は見事当選し、いちやく国会議員。ところがまたまた、会長の策した平和法案が原水爆実験再開を認めるものだと反対演説をぶってしまった。怒った会長はM7に殺し屋をさし向けた。超能力を差し止らめれたM7は弱い。殺し屋にさんざん追いかけられた挙句、鈴木太郎の身体からぬけ出てα星に逃げ帰ってしまった。そして、ほとぼりがさめた頃、地球に戻ってきた。城山和子を好きになっていたのだ。だが和子は本物の鈴本太郎(桜井センリ)と結婚していた。失意のM7はいつか食べた綿アメの味を思い出し、綿菓子屋を開くのだった。


「クレージーだよ 奇想天外」星由里子

塩沢とき                                                              進藤英太郎

題名:クレージーだよ 奇想天外
監督:坪島孝
製作:渡辺晋
脚本:田波靖男
撮影:宇野晋作
照明:小島正七
録音:伴利也
整音:下永尚
美術:村木忍
装飾:野島秋雄、永山勝美
美粧:河上知子記録:野上照代
編集:武田うめ
音楽:広瀬健次郎、萩原哲晶 主題歌「虹を渡って来た男」
現像:東京現像所 合成:松田博
製作担当:山田順彦
製作補佐:五明忠人
監督助手:浅野正雄
スチール:岩井隆志
出演:谷啓、星由里子、藤田まこと、ハナ肇、野川由美子、高橋紀子、植木等、桜井センリ、安田伸、犬塚弘、石橋エータロー、内田裕也、塩沢とき、寺内タケシとブルージーンズ、進藤英太郎、山茶花究、藤木悠、二瓶正也
1966年日本・東宝+渡辺プロダクション/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー102分35mmフィルム
クレージーだよ 奇想天外 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「クレージーだよ 奇想天外」星由里子

内田裕也                                                            寺内タケシ

映画「クレージー作戦 くたばれ!無責任」


浜美枝「クレージー作戦 くたばれ!無責任」

植木等                                                                  浜美枝

今回は坪島孝監督1963年製作「クレージー作戦 くたばれ!無責任」をピックアップする。
クレージーキャッツ全員が出演する”作戦シリーズ”全14作の第2作になる本作は、田中太郎(植木等)がハッスルコーラを試飲し変身するまでをモノクロで表現している。カラーになってからのキャラクターはお馴染みのもので見ているだけで楽しい。なおプロローグで田中太郎が住んでいた団地として映された荻窪団地は、2011年にシャレール荻窪に改称し現存する。


ハナ肇                                                                   谷啓

犬塚弘、石橋エータロー、谷啓、安田伸、桜井センリ、ハナ肇、植木等

藤山陽子「クレージー作戦 くたばれ!無責任」

淡路恵子                                                                 北川町子

【ストリー】
鶴亀製菓では、石黒専務(山茶花究)の発案で、長年研究してきた新しい清涼飲料水、ハッスル・コーラを発売しようとしていた早速、実験というわけで社内で一番無気力な社員田中太郎(植木等)が試飲することになった。ショボクレタ表情の太郎は飲むうち、次第にポパイの如くハッスルして来た。以来、通勤バスの小暴力を追放したりの大活躍。ところが、このハッスル・コーラもある種の興奮剤が入っているため販売不許可となり、エキスを抜いた普通コーラーを造って売り出すことになった。が太郎は相変らずハッスル。課長の大沢(ハナ肇)が抜擢されて新会社の部長として就任するのを応援していた。やがて「ハッスル・コーラー販売株式会社」が設立され、スウダラ社員が顔を揃えた。メンバーはボンヤリ安川(安田伸)、プレイ・ボーイの石井(石橋エータロー)、バクチと喧嘩好きの木塚(犬塚弘)、古典的万年社員桜田(桜井センリ)、それにエレベーター係の美奈子(藤山陽子)に熱をあげる小谷(谷啓)の七人。戦友同志の七人、精神一到とばかりにハッスルしたが、競争相手の飲料会社に追いこされて失敗ばかり続くしまつ。これを知った石黒専務は、経営不振の本社の経費を新会社におっかぶせて株主の眼を瞞そうと企んだ。その太郎はバスの中で知り合った大東京商事の交換手恵子(浜美枝)を使って、交換台から社長へ「ハッスル・コーラー」を囁かせ心理作戦に出ていた。さすがにまいった畑中社長(上原謙)、バーハッスルで会合を受託し、まんまと販売契約を結んだ。街角で、海岸でポンポン抜かれるハッスル・コーラー。どんどん生産されてゆくコーラーの最後の一本にラベルがはられた瞬間! 専務命令で生産ストップ。5,000万の株を引取れば生産を続けてもよいという過酷な条件がついていた。またまた、七人のうえに難題がふりかかって来たのだが……。


東野英治郎                                                             浜美枝、植木等

安田伸、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ

題名:クレージー作戦 くたばれ!無責任
監督:坪島孝
製作:渡辺晋、安達英三郎
脚本:田波靖男
撮影:遠藤精一
照明:大野晨一
録音:藤縄正一
整音:下永尚
美術:小川一男
記録:野上照代
編集:武田うめ
音楽:広瀬健次郎 主題歌「ホンダラ行進曲」
現像:東京現像所 合成:松田博
製作担当:井上卓之
助監督:木下亮
スチール:土屋次郎
出演:植木等、浜美枝、ハナ肇、藤山陽子、淡路恵子、谷啓、北川町子、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、山茶花究、千石規子、上原謙、東野英治郎
1963年日本・東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・パートカラー92分35mmフィルム
クレージー作戦 くたばれ!無責任 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


上原謙                                                   クレージー作戦 くたばれ!無責任

クレージー作戦 くたばれ!無責任

クレージー作戦 くたばれ!無責任

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