映画「トラック野郎 故郷特急便」


「トラック野郎 故郷特急便」菅原文太

石川さゆり                      森下愛子

今回は鈴木則文監督1979年製作「トラック野郎 故郷特急便」をピックアップする。
シリーズ第10作の本作は、トラック野郎シリーズ最終作になる。全国のファン投票により決定した高知を舞台に物語は展開する。今回のマドンナは、石川さゆりさん、森下愛子さんのダブルマドンナという布陣だ。現在でもトップ歌手の石川さゆりさんの歌唱に魅了される。しかしながら本作は、シリーズ初の不振で予定より4日早めて24日間で打ち切りになり、「動乱」の繰り上げ公開となった。

トラック野郎シリーズ


「トラック野郎 故郷特急便」石川さゆり

「トラック野郎 故郷特急便」森下愛子

【トラック野郎シリーズが終結した理由】
過密な撮影スケジュールと低予算で製作された第1弾「トラック野郎 御意見無用」は1975年8月30日に公開された。これは同年7月に公開されたオールスターキャストの大作「新幹線大爆破」の配給収入の2倍以上の約8億円を売り上げた。単発で終わる予定だったが、当時の東映岡田社長が「正月映画はトラックで行け!」「トラ(寅さん)喰う野郎やで」と第2弾の題名を “爆走一番星” と即座にシリーズ化を決定した。ライバル映画会社の松竹「男はつらいよ」と常に同時期の公開だった事から、”トラトラ対決(トラック野郎と寅さんの対決)”と呼ばれていたそうだ。
物語の中核を担うのは、寅さんではありえない “下ネタ”  “殴り合いの喧嘩”  “派手なカーアクション” で、特に追跡する白バイやパトカーが横転、大破するなど、警察組織をコケにしたアイロニーが規制なしに連なる。また下ネタのシーンでは、屋外での排泄行為やトルコ風呂(ソープランド)、走行しながらの性行為など、過激な描写が多い。これらはテレビ放映ではカットされている。そしてついに、警察庁からクレームがあり、製作打ち切りとなるきっかけになったそうだ。
(ウィキペディア参照)


愛川欽也                       原田大二郎

春川ますみ                       大坂志郎

【ストリー】
銚子市場から次の荷を高知へ運ぶことになった桃次郎(菅原文太)とジョナサン(愛川欽也)は、カーフェリーで高知に何かった。同じ船に乗り合せた地方廻りの歌手、小野川結花(石川さゆり)が楽譜を海に落としてしまい、桃次郎は海に投び込んでかき集める。高知についたところで、ジョナサンは目がくらんで蛇行運転、診断を受けると、脳血栓の疑いとか。悲観したジョナサン、足摺岬で自殺を企るが、ドライブインの店員、風美子(森下愛子)に助けられる。美人の出現で桃次郎は大ハリキリ、彼女を家に送っていく。家では中気の母(小畠絹子)が寝ていた。隣の家に住む老人、垣内清馬(大坂志郎)は6年前に行方不明になった息子、竜次(原田大二郎)を待ち続け、その嫁に風美子を迎えようとしていた。数日後、土佐犬をわきに座らせたトラック野郎、竜次に出会った桃次郎は、そのことを告げに清馬のところへいくと、風美子の母が危篤で、彼女は「南国土佐」を聞かせたいという。風美子の願いに、桃次郎はキャバレーで唄っている結花を、ヤクザの岩瀬(安部徹)が止めに入るのを無視して連れ出し、臨終にはなんとか唄を聞かせることができた。一方、ジョナサンは病気も全快して川崎へ戻った。清馬の家では竜次が6年ぶりに帰ってきていた。そんなとき、闘犬大会が開かれることになった。竜次の竜馬号と岩瀬の犬が闘った。トラック仲間や風美子が応援にかけつけ、竜馬号は不利な形勢から逆転勝ち。幸せそうに肩を寄せ合う竜次と風美子、桃次郎もドサクサにまぎれて結花にプロポーズ。その時、桃次郎が乗せたことのある外国人のヒッチハイカーがやって来た。彼はアメリカのレコード会社のディレクターで、結花を大阪梅田コマに出演させると言う。しかし、結花は好きな人と一緒になれるなら、歌は諦める決心をしていた。「あなたのお嫁さんにして」という結花をのせて、一番星は自慢のトラックをスタート。


小畠絹子                        菅原文太

題名:トラック野郎 故郷特急便
監督:鈴木則文
企画:天尾完次、高村賢治
脚本:中島丈博、松島利昭
撮影:出先哲也
照明:萩原猶義
録音:林鉱一
音効:原尚
美術:桑名忠之
装置:清水次郎
装飾:酒井喬二
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣装:福崎精吾
技斗:尾型伸之介
記録:宮本依子
編集:戸田健夫
音楽:木下忠司 主題歌:菅原文太、愛川欽也「一番星ブルース」 挿入歌:石川さゆり「傷だらけの恋」
製作主任:佐藤和之
助監督:新井清
現像:東映化学
スチール:加藤光男
出演:菅原文太、愛川欽也、石川さゆり、森下愛子、春川ますみ、原田大二郎、大坂志郎、小畠絹子、日向明子、玉置宏、大月ウルフ、波乃ひろみ、由利徹、南利明、安部徹、藤巻潤、名和宏、山城新伍
1979年日本・東映/シネスコサイズ・カラー110分35mmフィルム
トラック野郎 故郷特急便 -DVD-

本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

菅原文太                    「トラック野郎 故郷特急便」

「トラック野郎 故郷特急便」

「トラック野郎 故郷特急便」石川さゆり

映画「トラック野郎 熱風5000キロ」


「トラック野郎 熱風5000キロ」菅原文太、愛川欽也

小野みゆき                       二宮さよ子

今回は鈴木則文監督1979年製作「トラック野郎 熱風5000キロ」をピックアップする。
シリーズ第9弾の本作は、木曽の大森林、残雪きらめく日本アルプスを舞台に物語が展開する。マドンナ役は、”燃えろ、いい女”のコピーで一世を風靡した資生堂のTVCF「ナツコビューティーパクト(下参照)」でブレイクした小野みゆきさん。本作の興行収入は、10億5,000万円を記録した。

トラック野郎シリーズ

1979年「資生堂  ナツコビューティーパクト編」

「トラック野郎 熱風5000キロ」

「トラック野郎 熱風5000キロ」小野みゆき


春川ますみ                       地井武男

【ストリー】
桃次郎(菅原文太)、遠くに浅間山を見ながら疾走していると、パトカーがやってきて停車を命令。桃次郎は当て逃げの犯人と間違われたのだ。被害者である西沢夏(小野みゆき)の野性美に見とれる桃次郎だが、当て逃げなんて、まったく覚えがない。結局、桃次郎が腹痛のとき頼んだ代走屋の仕業と分った。一方、玉三郎(せんだみつお)は、塩尻近くのドライブイン藤村食堂で、そこの娘恵子(沢木寿里)のハートを射止め婿養子になるといって働いていた。善光寺にやって来た桃次郎とジョナサン(愛川欽也)、そこで、娘の陽子(大熊なぎさ)が迷子になったと捜し廻る仲間のトラック野郎小林(工藤堅太郎)通称・安曇野と出会う。三人は陽子を見つけてホッとする。ジョナサンは、子供部屋の増築費を稼がなければならず、安曇野のすすめで、木曽運送の材木輸送に切りかえる。数日後、藤村食堂で寝ころんでいた桃次郎に、ジョナサンが大怪我との知らせが入り、玉三郎と共に、取るものも取りあえず木曽へ向かった。哀れな姿で寝ているジョナサンに代って桃次郎が仕事を引き継いだ。木曽運送のトップドライバー、ノサップ(地井武男)と二人で山の中を往復する。ところが、木曽運送の娘があの夏だった。桃次郎の腕を見込んでずっと働いてくれという夏に、女に使われるのはまっぴらと断るが、どぶろくの呑みくらべで決着をつけようということになり、桃次郎は負けてしまう。翌日、夏とノサップが牛の乳絞りをしていると、桃次郎、何を勘違いしたのかノサップに飛びかかっていき、格闘となり、壮絶な戦いは勝負がつかず、最後は、どちらともなく笑いあう二人。その頃、安曇野が材木の下敷きになって死んでしまった。桃次郎はひとりぼっちの陽子を母はる恵(二宮さよ子)の元へ届けるが、彼女は陽子を引き取ろうとしない。桃次郎は陽子を連れて木曽へ戻った。怪我の直ったジョナサンは川崎の家に帰ると、ベニア板の粗末なものだが、子供部屋が増築されており、大感激。玉三郎は、食堂の売り上げアップのために、安物のインベーダーを仕入れ、故障の続出で食堂をお払い箱となってしまった。夏はノサップの持っていた子供時代の写真から、彼が、幼ない頃、北海道の開拓村にいた時の命の恩人、黒田勝也と知る。
勝也は、木曽運送の社長、重蔵(金田龍之介)が大企業と手を組んで、開拓村の人人を貧乏に追いやった張本人ということで、怨み続けていた。夏は両親に死なれ施設にいる自分を引き取ってくれた重蔵がそんな悪人とは思えなかった。数日後、重蔵一世一代の大仕事の山出しの日、桃次郎が先頭を走っていると、勝也がダイナマイトを仕掛けて待っていた。そして、重蔵の全財産は一瞬のうちに木端みじんとなってしまった。一方、ジョナサンから、故郷の石垣島に帰ろうとするはる恵が後悔していると電話が入った。桃次郎は陽子を乗せて車を飛ばした。車は出船寸前に間に合った。はる恵は陽子をしっかりと抱きしめる。桃次郎の顔は、命より大事な荷を届けた喜びに溢れていた。


志賀勝、前川清                「トラック野郎 熱風5000キロ」

題名:トラック野郎 熱風5000キロ
監督:鈴木則文
企画:天尾完次、高村賢治
脚本:掛札昌裕、中島信昭、鈴木則文
撮影:中島芳男
照明:山口利雄
録音:林鉱一
音効:原尚
美術:桑名忠之
装置:清水次郎
装飾:酒井喬二
美粧:住吉久良蔵
美容:花沢久子
衣装:福崎精吾
技斗:尾型伸之介
記録:山内康代
編集:鈴木宏始
音楽:木下忠司 主題歌:菅原文太、愛川欽也「一番星ブルース」
現像:東映化学
製作主任:佐藤和之
助監督:新井清、森光正
スチール:加藤光男
出演:菅原文太、愛川欽也、せんだみつお、小野みゆき、春川ますみ、二宮さよ子、地井武男、前川清、志賀勝、金田龍之介、工藤堅太郎、松本ちえこ、山田吾一、由利徹、南利明、たこ八郎、亜湖、笑福亭鶴光、沢木寿里、大熊なぎさ、工藤堅太郎
1979年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー106分35mmフィルム
トラック野郎 熱風5000キロ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


南利明                          亜湖

「トラック野郎 熱風5000キロ」

映画「トラック野郎 一番星北へ帰る」


「トラック野郎 一番星北へ帰る」菅原文太、愛川欽也

愛川欽也、菅原文太、せんだみつお       菅原文太、春川ますみ、愛川欽也

今回は鈴木則文監督1978年製作「トラック野郎 一番星北へ帰る」をピックアップする。
シリーズ第8弾の本作は、福島県と岩手県が舞台になり、桃次郎の出身地は、岩手県のダムを作るために沈められた村あである事が明かされる。今回はスラップスティック・コメディ要素が減り、人情ドラマに終始しようとしている様だ。それにしても大谷直子さんの未亡人役は、品のある色気があって良かった。本作のタイトルから使用フィルムを富士フィルム(ACEシリーズ)というクレジットが消えた。トーンが違って見えたのは、イーストマンコダック(5247)に変更した為だろうか?本作の興行収入は10億6,000万円だったそうだ。

トラック野郎シリーズ


「トラック野郎 一番星北へ帰る」大谷直子

黒沢年男                                                せんだみつお

新沼謙治                  「トラック野郎 一番星北へ帰る

【ストリー】
晩秋、青森からの輸送をおえた桃次郎(菅原文太)は、ジョナサン(愛川欽也)の女房、君江(春川ますみ)の計らいで、お見合をするが、見合の相手と付き添いの子づれ未亡人を取りちがえてしまった。例の早トチリに始まったことだが、一番星はそれからというもの、この美亡人、北見静代(大谷直子)に一目惚れ。そんなことで、静代のいるみちのく通いが多くなった一番星は、アメリカ帰りのコンボイ野郎、九十九譲次(黒沢年男)という新しい強力なライパルに出っ喰わす。一方、お人好しのジョナサンは、人身事故を起した仲間が賠償金返済のために金を借りたサラ金の保証人になっていたが、その仲間が蒸発してしまい、金融業者の朝から晩まで、返済を迫る電話や、いやがらせで、すっかりノイローゼになっていた。トラックまで抵当に取られて四苦八苦のジョナサンに見かねた仲間がカンパするが追いつかない。そこへ、トラック野郎たちのアイドル、花巻のドライブ・イン“みちのく”のウエイトレス、鮎子(舟倉たまき)を密かに想っていたリンゴ園の伜、作太郎(新沼謙治)が、明日のパンパ・レースに自分の馬が優勝すれば、その馬を200万で売れるから是非使ってくれと言いだし、大喜びのトラック野郎たち。綱を握る作太郎も介添役の一番星も、泥だらけ、汗みどろの大奮戦、各馬をごぽう抜きにしてゴールに駆け込み、みごと優勝し、賞金をかちとって、借金のアナ埋めにした。ある日、フロントグラスに静代の顔をチラチラと思い出しながら花巻を走っている一番星、飛んで来た模型ヒコーキにも気がつかず、車で踏み潰してしまう。潰されたヒコーキの側で一番星をにらみつけている男の子の母親を見てびっくりする一番星、夢にまで見た憧れの静代だった。憎らしそうな口をきくヒコーキの男の子が静代の息子、誠だと分るや一番星は、潰してしまったヒコーキの替りを運んで誠の気を引こうとするが、いっこうに相手にされない。それにもめげず一番星は徹夜で作ったヒコーキを渡しに静代の家を訪ねた。二人の心が溶け合ったかのように飛ぶヒコーキ、そこへ、馴れ馴れしく現われたコンボイ野郎に一番星は不安でたまらないが、彼が、静代の夫の幼友達と知り、ホットするのであった。そんな一番星は遠い昔、少年の頃、貧しい家がダムの湖底に沈んでしまい、父を失った苦い思い出を持っているので、父親のいない誠が、可愛くてならない。そんな切ない一番星の気持ちが、やがて、静代の心を動かすが、静代は、自分の故郷で生き抜く決心を固め、一番星に別れの手紙を書いて、去っていった。ドライブ・イン“みちのく”でひとり淋しく正月を祝っている一番星に、あと2時間しかないが、大野村まで荷を届けてくれという緊急の仕事が飛び込んで来るのであった……。


成田三樹夫                    菅原文太、大谷直子

題名:トラック野郎 一番星北へ帰る
監督:鈴木則文
企画:天尾完次、高村賢治
脚本:掛札昌裕、中島信昭、鈴木則文
撮影:中島徹
照明:小林芳雄
録音:広上益弘
音効:原尚
美術:桑名忠之
装置:中村文栄
装飾:金田孝夫
美粧:井上守
美容:石川靖江
衣装:福崎清吾
技斗:日尾孝司
記録:高津省子
編集:鈴木宏始
音楽:木下忠司 挿入歌:黒澤年男「仮面舞踏会」新沼謙治「ごめんよ」
現像:東映化学
製作主任:石川通生
助監督:澤井信一郎、森光正
スチール:藤井善男
出演:菅原文太、愛川欽也、せんだみつお、大谷直子、新沼謙治、春川ますみ、舟倉たまき、黒沢年男、田中邦衛、新沼謙治、谷村昌彦、成田三樹夫、嵐寛寿郎
1978年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー110分35mmフィルム
トラック野郎 一番星北へ帰る -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「トラック野郎 一番星北へ帰る」舟倉たまき

菅原文太、大谷直子                  田中邦衛

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