映画「花と嵐とギャング」


「花と嵐とギャング」高倉健

高倉健                         鶴田浩二

今回は石井輝男監督1961年製作「花と嵐とギャング」をピックアップする。
本作は、1961年に新東宝が倒産した事で東映に移籍した石井輝男監督の第一作になる。新東宝で「女王蜂の怒り」「女王蜂と大学の竜」などの”女王蜂シリーズ”や「黒線地帯」「黄線地帯」「セクシー地帯」などの”地帯(ライン)シリーズ”などで磨き上げたキレのいい演出が継承されている。


「花と嵐とギャング」小宮光江

小宮光江                         新井茂子、清川虹子、小川守 

【ストリー】
母親をはじめ子供達全部が悪の世界で暮らしている悪党一家があった。母親まさ(清川虹子)は安宿を経営しているが、裏では凄腕の女傑で通っている。長男は香港ジョー(鶴田浩二)の異名をとる国際的大物。長女佐和(小宮光江)は女ながらも前科者、それにスマイリー健(高倉健)という河北組の兄貴株で刑務所帰りを亭主にしているこれまた大変な女。次男正夫(小川守)でさえ一ぱしやくざを気取っている。河北組のツンパの山藤(沖竜次)は、健を蹴落そうと銀行ギャングを計画、その指揮を健に指名した。健は厭がる正夫と、犬猿の仲の殺し屋、楽隊(江原真二郎)とウィスパー(曽根晴美)、それに権爺(打越正八)を加えて綿密な作戦をたてた。銀行ギャングは見事成功するが、そのドサクサにまぎれてウイスパーは、楽隊を撃って逃走した。楽隊は警察病院に収容され一命をとりとめるが、ウイスパーを狙って病院を脱走した。紙弊ナンバーが知られた札とあって、山藤は、略奪金をドルと交換に出かけるが香港ジョーに奪われてしまった。その頃、河北組組長(佐々木孝丸)の暗殺命令を正夫が拒否したため、佐和は正夫がもどってくるための人質となった。正夫は恋人の圭子(新井茂子)とある牧場に隠れていた。それを知った河北組は、山藤、ウイスパーが健を監視して牧場に乗りこんだ。牧場には正夫の身を案じた香港ジョーが、一足先に潜入していたが、佐和の身を思う健はジョーにまで拳銃を向けた。組長の秘密命令を持つウイスパーは、ジョー、正夫もろともに健まで葬り去ろうとした一瞬、突如、楽隊が出現、ウイスパーは倒された。そのすきをみて三兄弟は協力して射ちまくった。三人三様の見事なガンさばきは、山藤達を圧倒、断崖に追いつめられた山藤は、ジョーから取り返した略奪金を手にしたまま谷底に滑り落ちていった。


江原慎二郎                      曽根晴美、小宮光江

題名:花と嵐とギャング
監督:石井輝男
企画:斎藤安代、吉田達
原作:藤原審爾「花と嵐とギャング」
脚本:佐治乾
撮影:星島一郎
照明:原田政重
録音:小松忠之
美術:近藤照男
編集:鈴木寛
音楽:三保敬太郎
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学(ノンクレジット)
進行主任:白浜汎城
助監督:鷹森立一
スチール:山守勇
出演:高倉健、鶴田浩二、江原慎二郎、曽根晴美、小宮光江、新井茂子、小川守、佐々木孝丸、清川虹子、山本麟一、沖竜次、八代万智子、八名信夫、打越正八、鈴木志郎、潮健児、愛川かおる
1961年日本・ニュー東映(東京撮影所)/シネスコサイズ・モノクロ83分35mmフィルム
花と嵐とギャング -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


小宮光江                        高倉健

映画「人生劇場 飛車角」


鶴田浩二                     佐久間良子

今回は沢島忠監督1963年製作「人生劇場 飛車角」をピックアップする。
人生劇場は、1936年に内田吐夢監督が日活で製作したのが始まりで、東宝、大映でも製作されているが、物語の脇役に過ぎない飛車角こと小山角太郎に着目し、スピンオフ作品として作られたのが本作である。
当時の東映社長であり製作総指揮を執った岡田茂氏が、東映京都撮影所で時代劇を中心に活躍していた沢島忠監督を東映東京撮影所に呼び寄せ製作した。描かれた義理と人情と男の悲哀、その中で生きるヤクザ者の姿が、熱狂的な支持を集め大ヒットした。これからヤクザを主体に据えた新しいジャンル「ヤクザ映画」が生まれ、仁侠映画、実録路線、女ヤクザを生んで行ったという。


高倉健                      月形龍之介

【ストリー】
横浜の遊女だったおとよ(佐久間良子)と逃げのびて来た飛車角こと小山角太郎(鶴田浩二)は、小金親分(加藤嘉)の計らいで深川の裏町に住むことになった。そんなある日、小金一家と文徳組は喧嘩になった。一宿一飯の義理を持つ飛車角は、宮川健(高倉健)と熊吉を連れて文徳一家に殴りこんだ。そこで飛車角は文徳(沢彰謙)を刺し殺し、吉良常(月形龍之介)と名のる老人に救われた。吉良常は一目みて飛車角に惚れこんだ。小金の弟分奈良平(水島道太郎)の計らいでおとよと逢った飛車角は、警察に自首、五年の刑で前橋刑務所に服することになった。飛車角の帰りを待つおとよを、奈良平は深川不動の夏祭に誘った。その二人の目の前で小金親分が何者かに殺された。奈良平の冷たい笑いにおとよは総てを察した。おとよは逃げた。そのおとよを宮川が救った。そこで二人は同じような身の上であることを知って自然に結ばれた。だが、宮川はおとよが飛車角の女と知って愕然とした。そして悩んだ。そんな頃、恩赦で飛車角が刑務所を出た。吉良常一人が出迎えに出ていて、おとよと宮川のことを飛車角につげた。飛車角は男らしくおとよをあきらめ、吉良常の勧めるまま吉良へ足を運んだ。吉良で青成瓢(梅宮辰夫)吉と知り会った飛車角は、吉良で骨を埋めようと決心するのだった。吉良常が娘のように可愛がっている料理屋よしだやの娘お千代(本間千代子)も、そうした飛車角を慕うようになった。そうした飛車角のところに宮川とおとよが詫びを入れに来た。飛車角はだまって二人を許してやるのだった。そしてまた何カ月が過ぎた。仁吉まつりの権利をめぐって吉良常は、土地のテキ屋浜勝(山本麟一)と争うことになった。飛車角は単身浜勝おとずれ、仁吉まつりには指一本ふれないという証文をとりあげた。浜勝も飛車角の男らしい態度に手も足も出なかった。
そんなところへ熊吉がやって来た。男を立てようとした宮川が、小金親分を殺したのが奈良平だと知って、単身殴り込みをかけて殺されたというのだ。飛車角はお千代の止めるのもきかず東京へ飛んだ。お千代の泣き声を背にするのはつらかったが、吉良常は分ってくれると思ったのだ。「飛車角来たる!」奈良常一家は沸いた。一家総動員で飛車角を待ちうけていた。これを知ったおとよは、必死になって飛車角を止めたが、「あの世で逢おうぜ」と飛車角はずらりと並んだ刃の中へ飛びこんでいったのだった。


村田英雄                    村田英雄、高倉健

題名:人生劇場 飛車角
監督:沢島忠
企画:岡田茂、亀田耕司、吉田達
原作:尾崎士郎
脚本:直居欽哉
撮影:藤井静
照明:川崎保之丞
録音:大谷政信
美術:進藤誠吾
殺陣:谷俊夫
編集:田中修
音楽:佐藤勝 主題歌:村田英雄「人生劇場」
現像:東映化学
製作主任:白浜汎域
助監督:田口勝彦
出演:鶴田浩二、高倉健、佐久間良子、月形龍之介、村田英雄、梅宮辰夫、本間千代子、曽根晴美、山本麟一、田中春男、加藤嘉、潮健児、水島道太郎、沢彰謙
1963年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー94分35mmフィルム
人生劇場 飛車角 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


人生劇場 飛車角」高倉健、佐久間良子      鶴田浩二、高倉健

映画「仁義の墓場」


「仁義の墓場」多岐川祐美

渡哲也                      渡哲也、多岐川祐美

今回は深作欣二監督1975年製作「仁義の墓場」をピックアップする。
本作は、日活アクションスターとして活躍した渡哲也さんの東映初主演作品になる。
内容は、戦後の混乱期、暴力と抗争に明け暮れる新宿周辺を舞台に強烈に生き、そして散った石川力夫(実在の人物)を描いたもので、他の任侠作品とは明らかに違う。クランクインが1975年1月からの寒い時期で、病み上がりの渡哲也さんは、体調が悪化し後半は点滴を打ちながら約3週間で撮影を終えたそうだ。


芹明香、渡哲也                    仁義の墓場

ハナ肇                        成田三樹夫

【ストリー】
昭和21年。新宿には、テキ屋系の四つの組織が縄張りを分けあっていた。石川力夫(渡哲也)の所属する河田組は、経営の才にたけた河田修造(ハナ肇)を組長に、組員300名を数え、野津組に次ぐ勢力を誇っていた。兄弟分の今井幸三郎(梅宮辰夫)、杉浦(郷英治)、田村(山城新伍)らを伴った石川は、中野の愚連隊“山東会”の賭場を襲い金を奪った。山東会の追手から逃がれ、忍び込んだ家で、石川は留守番をしていた娘、地恵子(多岐川裕美)を衝動的に犯した。この事件をきっかけに、山東会と石川たちの抗争が起こり、石川らが山東会を壊滅させ、同時期に今井組が誕生した。粗野で兇暴な石川に手を焼く河田は、最近、縄張りを荒らす、池袋親和会の血桜の政こと、青木政次(今井健二)を消すように示唆した。石川は、政の情婦夏子(衣麻遼子)を強姦し、駈けつけた政の顔をビール瓶でめった突きにした。政の報復のために、続々と親和会の兵隊が新宿に進出して来た。だがこの抗争は、野津組々長の仲介で大事には致らなかった。それから間もなく、杉浦が野津組の幹部・岡部の妹と結婚した事で野津の盃を受けた。一方、相変らず無鉄砲な石川は、野津に借金を断わられたために、その腹いせに野津の自家用車に火をつけた。岡部は杉浦に石川殺しを命じるが、杉浦は失敗。その夜以来、杉浦とその女房は東京から消えた。この一件で河田は石川に猛烈な制裁を加えたが、逆上した石川は河田を刺してしまった。一時は今井の許に身を隠した石川だが、今では石川の女房になっている地恵子が彼の身を案じ警察に報せたために、石川は逮捕され、1年8:ケ月の刑を受けた……。出所した石川は、河田組から10年間の関東所払いになっているため大阪へ流れた。そして1年後。ペイ患者となり一段と凄みの増した石川が、今井組の賭場に現われた。だが、石川は、一番信頼していた兄弟分の今井からも説教され、狂ったように今井を撃ち殺した。一匹狼となった石川は、自殺を企るが死に切れず、警察病院で治療を受けた後、殺人及び殺人未遂で10年の刑に服した。昭和26年1月29日、地恵子が自殺した。それは胸部疾患の悪化した石川が病気治療のため仮出獄する3日前の事だった。地恵子の骨壷をぶら下げ、骨をかじりながら歩く石川の姿は、まるで死神のようだった。そして神野(前川哲男)、松岡(室田日出男)、河田の邸にまで出向き金をせびり取った石川は、その金で自分の墓を建てた。昭和29年1月29日、石川力夫は府中刑務所において、29歳の短い一生を自らの手で終えた。その日は奇しくも、亡き妻・地恵子の三回忌でもあった。


梅宮辰夫                        田中邦衛

題名:仁義の墓場
監督:深作欣二
企画:吉田達
原作:藤田五郎「関東やくざ者」
脚本:鴨井達比古、松田寛夫、神場史男
撮影:仲沢半次郎
照明:大野忠三郎
録音:小松忠之
美術:桑名忠之
装置:小早川一
装飾:米沢一弘
美粧:入江荘二
美容:石川靖江
衣装:長谷稔
擬斗:日尾孝司
記録:山内康代
編集:田中修
音楽:津島利章
現像:東映化学
進行主任:東一盛
演技事務:石川通生
助監督:小平透
スチール:加藤光男
出演:渡哲也、多岐川祐美、芹明香、池玲子、梅宮辰夫、郷鍈治、山城新伍、ハナ肇、室田日出男、田中邦衛、成田三樹夫、曽根晴美、安藤昇、今井健二、衣麻遼子、前川哲男
スタント:春田純一
1975年日本・東映/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
仁義の墓場 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


室田日出男、曽根晴美                  安藤昇

渡哲也                   スタント:春田純一 (15メートルのダイビング)

1 2 3 8