映画「ダイアモンドは傷つかない」


田中美佐子                       山崎努

今回は藤田敏八監督1982年製作「ダイアモンドは傷つかない」をピックアップする。
本作は、田中美佐子さんの映画デビュー作で演技力で高評価を得た作品。ベテラン俳優陣の中で溶け込んでいるのが凄い。
東陽一監督「ザ・レイプ」と共に女性映画二本立てとして公開された。


朝丘雪路                      加賀まりこ

【ストリー】
予備校の中年講師の三村(山崎努)に弓子(田中美佐子)は秘かに瞳れていた。ひょんなことから親しく話をする機会があり、薄汚れた駅前の食堂で三村は「男には、自分の傘に女を入れてやりたい奴と、自分が女の傘に入りたい奴と二通りある。俺は入れて貰うほうだ」と弓子に話した。その夜、二人は酔いつぶれて三村の愛人の和子(加賀まりこ)の部屋へ行った。弓子は和子に対して批判的な言葉を投げつけたが、三村に関る人がすべて傷ついていて、傷つきながらもそれぞれの愛を終らせようとはしていないことを知った。三村の家庭は妻の真知子(朝丘雪路)が数年来ノイローゼで、表面的にはうまくいっているように見えたが、虚構の家だった。弓子は志望校の早稲田大学に合格し、三村から高価な家具や指輪をプレゼントされた。50年たったら結婚しようという三村の言葉を理解しようとしながらも、彼を愛したことから始まった行場のない淋しさに疲れ始めていた。ある日弓子は、一人旅から帰って来た和子と会っている三村にばったり会い、なごやかそうな二人の姿を見て動揺してしまう。妻の真知子に電話を入れる三村を、弓子は力なく見ているだけだった。そして、「もう大人のふりはおしまい。秩序正しい大人の世界を崩してしまいました」と三村に別れを告げた。


石田えり                  田中美佐子、小坂一也

題名:ダイアモンドは傷つかない
監督:藤田敏八
企画:吉田達、岡田裕、残間里江子
製作:佐藤和之
原作:三石由起子
脚本:田中晶子
撮影:田村正毅
照明:梅谷茂
録音:柿沼紀彦
音効:原尚
美術:桑名忠之
装置:小島頼重
装飾:新井栄治
美粧:武藤佳子
衣裳:森脇茂
記録:小山三樹子
編集:西東清明
音楽:井上尭之 主題歌:バージン・ヴィズ「サントワナミィ」
現像:東映化学
製作主任:石川通生
助監督:田中雄二、高橋芳郎
演技事務:小越浩造
スチール:加藤光男
出演:田中美佐子、山崎努、朝丘雪路、加賀まりこ、小坂一也、石田えり、高瀬春奈、新井康弘、大林宣彦
1982年日本・東映東京撮影所/ビスタサイズ・カラー104分35mmフィルム
ダイアモンドは傷つかない -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「ダイアモンドは傷つかない」山崎努、田中美佐子

大林宣彦監督(特別出演)                朝丘雪路

映画「帰らざる日々」

帰らざる日々帰らざる日々
江藤潤                          水島敏行

今回は藤田敏八監督1978年製作「帰らざる日々」をピックアップする。
本作は、中岡京平氏の第三回城戸賞受賞作「夏の栄光」の映画化したもので、長期間にわたり長野県飯田市でロケーション撮影が行われた。劇中、映画を見るシーンで1971年製作の東映「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」の高倉健さんと池部良さんが出演している。一部とは言え、日活映画で東映映画を見たのは始めてだが、その作品で日活専属俳優だった松原智恵子さんを東映に貸したからだったのだろうか。ちなみに松原智恵子さんは、1971年に日活の一般映画制作中断によりフリーになっている。

帰らざる日々帰らざる日々
浅野真弓                        竹田かほり

【ストリー】
早朝の新宿駅。飯田行き急行に乗りこむ野崎辰雄(永島敏行)の姿があった。父・文雄(草薙幸二郎)の突然の死が作家を志していた辰雄に6年振りの帰郷を促したのである。1972年、夏、辰雄の母、加代(朝丘雪路)は若い女のもとに走った夫、文雄と別居し母一人子一人の生活を送っていた。高校3年だった辰雄は溜り場の喫茶店の真紀子(浅野真弓)に思いをよせていた。そんな辰雄の前に真紀子と親しげな同じ高校の隆三(江藤潤)が現われた。マラソン大会があった日、辰雄は隆三に挑んだが、デッドヒートのすえ、かわされてしまう。数日後、辰雄の気持を知った隆三は、辰雄をからかうが、隆三と真紀子がいとこ同志とも知らず、むきになる辰雄に隆三は次第に好意を持つのである。卒業後、東京に出ようと思う辰雄、学校をやめて競輪学校に入る夢を持つ隆三、そして真紀子の三人は徐々に友情を深めていく。夏休み、盆踊りのあった晩、辰雄と隆三は真紀子が中村(中尾彬)という妻のいる男と交際しており、既に子供を宿していると知らされ、裏切られた気持で夜の街を彷徨い歩くのであった。翌日、二日酔でアルバイトをしていると、隆三が足に大怪我を負ってしまった。競輪への夢も終りである……。飯田に近づくと、辰雄は見送りに来ていた螢子(根岸とし江)が列車に乗っているのを見つけた。それは彼の母に会いたい一心の行為であり結局辰雄は螢子を連れていくことに決める。飯田に着くと、父は、隆三の運転する車で轢死したことを知らされる。隆三も重傷を負っており、昏睡状態の彼を前に、辰雄は6年前の苦い思い出を噛締めるのである。父の葬儀の夜、真紀子が北海道に渡ったことを知らされる。翌朝、かつて隆三と走った道を歯を食い締って走る辰雄と、その後を自転車で追う螢子の姿があった。

帰らざる日々帰らざる日々
根岸とし江                      朝丘雪路、中村敦夫、水島敏行

題名:帰らざる日々
監督:藤田敏八
企画:佐々木志郎、進藤貴美男
製作:岡田裕
原作:中岡京平「夏の栄光」
脚本:藤田敏八、中岡京平
撮影:前田米造
照明:新川真
録音:橋本文雄
美術:渡辺平八郎
擬斗:田畑善彦
編集:井上治
音楽:石川鷹彦 主題歌:アリス「帰らざる日々」
現像:東洋現像所
製作担当:岩見良二
助監督:上垣保朗、根岸吉太郎
色彩計測:鈴木耕一
スチール:井本俊康
出演:江藤潤、水島敏行、浅野真弓、竹田かほり、朝丘雪路、根岸とし江、吉行和子、中尾彬、中村敦夫、草薙幸二郎、加山麗子、丹波義隆、阿部敏郎、矢野宣、日夏たより、小松方正、成瀬正、若杉透、深見博、高品正広、木島一郎、大平忠行、大竹智子、川島めぐ、小見山玉樹、花田圭祐、青木久夫、槙文孝
1978年日本・日活/シネスコサイズ・カラー99分35mmフィルム
帰らざる日々 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

帰らざる日々帰らざる日々
中尾彬、浅野真弓                    加山麗子

映画「悪名太鼓」

悪名太鼓悪名太鼓
勝新太郎                        田宮二郎

今回は森一生監督1964年製作「悪名太鼓」をピックアップする。
全15作が製作された勝新太郎さんと 田宮二郎さんのコンビが冴える”悪名シリーズ”の第9作になる。
前作「悪名一番」に続いて出張篇となる本作は、清次が九州の狼王会に太鼓を貸出し、その貸し賃で、八尾の祭りを盛り上げようという事から始まる。ところが、九州から清次が死んだとの電報が届く。驚いた朝吉は九州に駆け付けるが、葬儀に行ってみると死んだのは別人。ここから密輸絡みの物語が展開するという内容だ。ゲストに歌手の田端義夫さんが出演している。

悪名シリーズ

悪名太鼓悪名太鼓
朝丘雪路                     浜田ゆう子、勝新太郎

【ストリー】
河内の夏祭りの資金を手に入れるため、清次(田宮二郎)が朝吉(勝新太郎)の大事にしていた太鼓を売ったことに気づいたのは、清次が太鼓と共に九州の狼王会のもとに出発した直後だった。すぐ後を追った朝吉がトラックの上で清次ととっ組みあいをする内に、狼王会の若者の匕首が、太鼓の皮を破ってしまった。そのうえ、朝吉はトラックから落ちて、太鼓はとうとう九州へ運ばれた。憤懣やるかたない朝吉のもとへ、「セイジコロサレタ」の電報が届くや、胸のうちは、逆上して、朝吉は関門トンネルを越えた。花輪に囲まれた清次の告別式。だが、祭壇の写真は、清次とは別人の顔。朝吉の名前を聞くなり、姿を消した喪服に真珠をつけた女。奇妙な雰囲気の葬式に、一きわ大きな花輪は、清次が太鼓を貸した相手“狼王会菊沢”の名前であった。死んだ清次という男の女房宏子(朝丘雪路)から、朝吉は、宏子の夫は密入国人で、菊沢(見明凡太朗)から清次の戸籍を買うと、香港ルートの密輸グループに誘われたが、断わったために殺されたと聞かされた。一方、清次は、太鼓の胴に5億円の密輸品をつめて、関西ルートに流すと聞かされて驚愕したものの、戸籍を失った今、菊沢の言う通り動くより仕方がなく、宏子を連れ出す手助けをする中に、朝吉と出逢った。宏子の息子で養護施設にいるタカシを、誘拐しようとした菊沢は、朝吉の出現で失敗した。朝吉は、菊沢の影の女で、告別式に居た真珠の女、紅杏子(浜田ゆう子)から、菊沢の片棒をかつぐよう誘われたが、断わった。一方、菊沢に朝吉を狙うよう命令された清次は、拳銃で殺したかのように見せかけると、朝吉を海に逃がした。丁度香港のボスを迎えて、菊沢がはる宴会の席上にかけつけた朝吉と清次の奮闘で5億円の札束は無事保護され、悪党は一人残らず逮捕された。数日後、朝吉の叩く太鼓の音が、晴ればれと響いていった。

悪名太鼓悪名太鼓
芦屋雁之助、芦屋小雁                 若松和子

題名:悪名太鼓
監督:森一生
企画:財前定生
原作:今東光
脚本:藤本義一
撮影:今井ひろし
照明:伊藤貞一
録音:林土太郎
音効:倉島暢
美術:太田誠一
装置:川口隆
擬斗:宮内昌平
編集:谷口登司夫
音楽:斎藤一郎
現像:東洋現像所
製作主任:田辺満
助監督:大洲斉
スチール:三浦康寛
出演:新太郎、田宮二郎、朝丘雪路、若松和子、浜田ゆう子、芦屋雁之助、芦屋小雁、田端義夫、島田竜三、杉田康、見明凡太朗
1964年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
悪名太鼓 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

悪名太鼓悪名太鼓
勝新太郎                      田端義夫
悪名太鼓悪名太鼓
勝新太郎、田宮二郎                  悪名太鼓

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