映画「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」


菅原文太、川地民夫                    東三千

今回は工藤栄一監督1974年製作「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」をピックアップする。
まむしの兄弟シリース”は、東映京都撮影所で1971年から1975年にかけて9作品が、菅原文太さんと川地民夫さん主演で制作された。本作は第7作になる。今回は不良少女ジュン(東三千)というキャラクターが異彩を放っている。シリーズ中で最も良かった作品ではないかと思う。

【まむしの兄弟シリース】
1971年「懲役太郎 まむしの兄弟」監督:中島貞夫
1971年「まむしの兄弟 お礼参り」監督:本田達男
1972年「まむしの兄弟 懲役十三回」監督:中島貞夫
1972年「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」監督:中島貞夫
1973年「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」監督:山下耕作
1973年「まむしの兄弟 恐喝三億円」監督:鈴木則文
1974年「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」監督:工藤栄一
1974年「極道VSまむし」監督:中島貞夫 主演:若山富三郎 ※コラボ作品
1975年「まむしと青大将」監督:中島貞夫
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」東三千

菅原文太、女屋実和子                 川地民夫、三島ゆり子

【ストリー】
久し振りに出所した政太郎ことゴロ政(菅原文太)と、ゴロ政を迎えに来た舎弟分の勝(川地民夫)の二人は、神戸・新開地に舞い戻った。新開地は、新興やくざの加賀組が勢力を誇っており、見むきもされないゴロ政と勝は、腹いせに組長加賀の経営する高級クラブで大暴れした末に、チンピラたちに掴まってしまった。だが二人は、不良少女ジュン(東三千)に救出された。一人ぼっちのジュンは、男になりたいばかりに、まむしの兄弟を救い、その代りに五分の兄弟分としてまむしの仲間に加えてもらおう、という魂胆だった。翌日、ジュンを仲間に入れたまむしの兄弟が、加賀組への復讐戦の作戦を練っているところへ、加賀組の本家・神童会幹部・塚本(渡辺文雄)が現われた。その塚本は以外にも勝を捜しに来たのだった。というのは、勝の本名は尾沢勝彦といい、3歳の時、両親と離れ離れになったのだが、現在、彼の父は死亡してはいるが母の弥生(三宅くにこ)が大へんな資産家で、病弱な彼女は是非我が子に会いたがっているとのことだった。勝はゴロ政に引率してもらい恐る恐る弥生に会った。親子の対面に感激したのは勝よりもむしろゴロ政だった。ゴロ政は勝のたっての頼みでしばらく居候することにした。だが、この話には裏があった。弥生の財産に目をつけた塚本は、勝に遺産を継がせてから、騙し取ろうとしていたのだ。ところが、弥生の体力か徐々に回復してきたのに慌てた塚本は、邪魔なゴロ政を尾沢家から追い出し、弥生を注射で殺そうとした。塚本の不穏な動きを察知した勝は、弥生を車椅子に乗せて逃げ出し、新開地へまぎれ込んだ。ここでもジュンが大活躍して追手をまいた。しかし、翌日ゴロ政、勝、弥生、ジュンが隠れている家を、加賀組が包囲した。ゴロ政と勝はジュンが弥生を連れ出している間に、大暴れをしてカモフラージュしたが、執拗な加賀組の追跡で、ゴロ政が駈けつけた時にはジュンは倒れていた。美しい少女のように笑みを浮べて息絶えるジュンを残して、ゴロ政と勝はショット・ガンを握りしめ、日本刀を振りかざして、加賀組の事務所へ突入していった。


成田三樹夫                        菅貫太郎

題名:まむしの兄弟 二人合わせて30犯
監督:工藤栄一
企画:橋本慶一
脚本:鴨井達比古
撮影:わし尾元也
照明:中山治雄
録音:荒川輝彦
美術:井川徳道
装置:近藤幸一
装飾:西田忠男
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:山崎武
擬斗:上野隆三
記録:田中美佐江
編集:宮本信太郎
音楽:広瀬健次郎
進行主任:大岸誠
助監督:牧口雄二
演技事務:西秋節生
スチール:諸角義雄
出演:菅原文太、川地民夫、東三千、三島ゆり子、女屋実和子、三宅くにこ、松平純子、渡辺文雄、菅貫太郎、成田三樹夫、汐路章、成瀬正孝、片桐竜次
1974年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー93分35mmフィルム
まむしの兄弟 二人合わせて30犯 -DVD-
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「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」東三千

三宅くにこ                        菅原文太

映画「昭和おんな博徒」


「昭和おんな博徒」江波杏子

江波杏子                       松方弘樹

今回は加藤泰監督1972年製作「昭和おんな博徒」をピックアップする。
本作は大映で女賭博師シリーズ(1966~1971)昇り竜のお銀を演じた江波杏子さんが初めて東映で主演した作品であり、加藤泰監督最後の東映作品となる任侠映画だ。彼女がその柔肌に火炎竜の刺青を魅せて、鉄火場に殺陣にと見事な演技を魅せている。

【追記・訃報】
映画「女賭博師」シリーズの「昇り竜のお銀」などで知られる女優の江波杏子さんが、2018年10月27日に肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪のため亡くなったことが11月2日、分かった。76歳だった。所属事務所が公式サイトで明かした。また報道各社にFAXで発表した。
スポーツ報知 2018年11月2日(金) 14:14配信


天知茂                        渡辺文雄

【ストリー】
雪の降る日、呉服商加納屋の娘お藤(江波杏子)は、悪徳高利貸の為自殺に追いやられた父の仇を討とうと堀川一家代貸巽新二郎を襲ったが人違いと知る。病弱の堀川一家貸元伊之助(水島道太郎)は、渡世から身を引くべく二代目を選出する。誰の眼にも、兄貴格の森戸(渡辺文雄)が継ぐと思っていたが、伊之助は巽(松方弘樹)を選んだ。森戸の腕力・度胸よりも巽の先を読む頭脳を買ったのだ。森戸は子分達のたきつけと堀川一家の縄張りを狙う向島の大田原組長(山本麟一)の叱責に巽殺しを決意する。愚連隊に金をやり、巽を襲わせるが失敗。巽の子分サブ(遠藤辰雄)が森戸のさし金と知り、巽に知らせるが、巽は一家の為森戸の為に口外を禁じる。その頃、巽に身をあずけていたお藤は、共に生きると心に決め巽の飛竜の刺青に対し、火炎竜の刺青を彫る。巽襲撃を知った伊之助は森戸を破門しようとするが「兄貴と話し合いを……」と必死に頼みこむ巽の一家を思う心にうたれるのだった。すでに喧嘩仕度でごった返す森戸を尋ねた巽は、森戸の罵声にも必死に耐えた。話はこれまでとドスをつきつけ、森戸を連れ出す巽の前に大田原一家にワラジを脱ぐ島崎勇三(天知茂)が勝負を挑んで来た。一宿一飯の義理から対峙する島崎と巽。ところが卑怯にも森戸と大田原の子分が巽の背後より襲いドスでめった斬りにしてしまう。あまりの汚さに眉をしかめる島崎は巽の亡骸を送りとどけ、お藤に「一宿一飯の義理から自分が殺した」と伝えて去った。折も折、巽の死を知り怒り狂った伊之助も発作を起し他界してしまった。一方、森戸が邪魔になった大田原はほとぼりのさめるまでと森戸を外国に飛ばせた。巽の墓前で復讐を誓ったお藤は、島崎、森戸らを追って旅に出る。そして1年後。ある地方都市の雑踏の中で巽をめった斬りにした般若松を殺す。そして、また1年。お藤は九州加倉井一家にワラジを脱いでいる島崎を見つける。対立するお藤と島崎。だが島崎はお藤の前に身体を投げ出す。「俺を殺してくれ」。お藤の執念のドスが島崎を斬ろうとした時、島崎の女房絹枝(松平純子)が必死に止めた。絹枝の姿に昔の自分の姿を思いうかべたお藤は目をつむって二人を逃がしてやるのだった。その頃東京では大田原を初代会長とする“関東侠友会”が結成されようとしていた。あせり出した森戸の帰国を知った大田原は、森戸、島崎を抹殺すべく殺し屋を送る。島崎は襲われ、絹枝が殺される。一方、お藤は神戸の赤沢組にいる森戸を見つけた。女の武器を利用し森戸に近づいたお藤は見事に巽の仇を討つ。しかし、巽殺しの張本人が大田原だと知ったお藤は「関東侠友会・発会式」の会場へと迫った。お藤の横には絹枝を殺され、お藤に荷担する島崎の姿もあった。殴り込むお藤と島崎。お藤の口から、発会式にかけつけた加倉井の口から次々と大田原の悪事が暴露されていく。怒り狂う大田原。子分達はいっせいにお藤を襲う。「雑魚は任せな」と島崎、大田原を追うお藤のドスが暴れまくった。


「昭和おんな博徒」江波杏子

昭和おんな博徒

水島道太郎                      松平純子

題名:昭和おんな博徒
監督:加藤泰
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
原作:藤原審爾
脚本:鳥居元宏、本田達男
撮影:古谷伸
照明:井上孝二
録音:野津裕男
美術:石原昭
装置:近藤幸一
装飾:柴田澄臣
美粧・結髪:東和美粧
衣装:岩逧保
擬斗:上野隆三
記録:牧野淑子
編集:堀池幸三
音楽:木下忠司
進行主任:長岡功
助監督:俵坂昭康
演技事務:伊駒実麿
スチール:杉本昭三
出演:江波杏子、松方弘樹、天知茂、渡辺文雄、松平純子、嵐寛寿郎、水島道太郎、遠藤辰雄、山本麟一、汐路章
1972年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー91分35mmフィルム
昭和おんな博徒 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「昭和おんな博徒」江波杏子

「昭和おんな博徒」松方弘樹、江波杏子