映画「県警対組織暴力」


菅原文太                       松方弘樹

今回は深作欣二監督1975年製作「県警対組織暴力」をピックアップする。
当時の東映は、実名映画化した1973年「山口組三代目(山下耕作監督 出演:高倉健、菅原文太)」1974年の「三代目襲名(監督:小沢茂弘 出演:高倉健、渡瀬恒彦)」が大ヒットし、山口組への対策を強化し始めていた兵庫県警が快く思わず、東映本社が家宅捜索され、岡田茂東映社長は警察に出頭を命じられた。これらの弾圧によって予定していたシリーズ三作目「山口組三代目 激突篇」の製作を断念した。その様な背景の中で、実名を出さず任侠を美化せず警察の腐敗を描いた本作が製作された。


梅宮辰夫                       成田三樹夫

【ストリー】
昭和32年。大原組内紛による倉島市のやくざ抗争は、反主流派・三宅組長の射殺と、大原組長の逮捕で一応終止符を打った。三宅派の友安政市(金子信雄)が組を解散後市会議員となってから市政の腐敗が目立ち、友安の可愛がる大阪の流れ者・川手勝美(成田三樹夫)が組を結成して以来、大原組の留守を預る若衆頭・広谷賢次(松方弘樹)との小競合が頻繁に起こるようになった。昭和38年。倉島署、捜査二課の部長刑事・久能徳松(菅原文太)は、暴力班のベテラン刑事として腕をふるっていたが、現在の警察機構では久能がどんなに実績をあげても、昇進試験にパスしない限り、警部補にはなれない。彼の10年先輩の吉浦部長刑事(佐野浅夫)がそのいい見本であった。二人はそれぞれ、やくざを取締るにはやくざの分際まで落ちなければ職務を全うできないと心得ていた。久能は6年前、三宅組長を射殺した広谷の犯行を見逃してやって以来、二人は固い絆で結ばれている。今度も久能は友安が川手組の縄張り拡張のために職権乱用した事をつきとめ叩きつぶした。倉島地区の暴力取締り本部が再編成されることになり、県警本部から若手エリート警部補・海田昭一(梅宮辰夫)が赴任した。海田は、法に厳正、組織に忠実、やくざとの私的関係を断つ、と、三点をモットーに本部風を吹かせた。海田のやり方に反撥した吉浦は退職した。時同じくして久能は妻の玲子(中原早苗)に離縁状を叩きつけられた。数日後、吉浦は川手組の顧問となり、久能は捜査班から遠ざけられた。翌日、大原組長出所祝いの花会で大原は再び逮捕され、組の解散を迫られた。これらは友安に買収された海田の描いた絵図だったが、追いつめられた広谷は久能を責めた。そして海田に反抗した久能は自宅待機を命ぜられた。一方、窮地に立たされた広谷は、吉浦をホテルに監禁し、海田と取引きした。これを無視した海田は、久能に広谷説得を要請した。自らの意志で広谷に接近した久能は、川手組の解散、広谷等の減刑、という条件で自首を納得させた。「花道じゃけん、カッコつけさせてくれ」と言って久能に手錠をはずさせた広谷は、突然海田の拳銃を奪うと車に飛び乗った。久能は腰の拳銃を抜きざま広谷の頭部を射った……。
昭和40年。倉島署内の一派出所の巡査・久能徳松は、バイクで巡回中、接近して来た一台の乗用車にはねられ即死、交通事故として処理された。


金子信雄                        池玲子

題名:県警対組織暴力
監督:深作欣二
企画:日下部五朗
脚本:笠原和夫
撮影:赤塚滋
照明:中山治雄
録音:溝口正義
美術:井川徳道
装置:近藤幸一
装飾:山田久司
背景:西村和比古
美容・結髪:東和美粧
衣装:岩道保
技斗:上野隆三
記録:田中美佐江
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:真沢洋士
監督補佐:皆川隆之
助監督:藤原敏之
演技事務:森村英次
スチール:木村武司
出演:菅原文太、梅宮辰夫、松方弘樹、池玲子、成田三樹夫、山城新伍、中原早苗、室田日出男、佐野浅夫、藤岡重慶、鈴木瑞穂、田中邦衛、金子信雄、安部徹、小松方正、汐路章、川谷拓三、曽根晴美
1975年日本・東映/シネスコサイズ・カラー100分35mmフィルム
県警対組織暴力 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


川谷拓三                       菅原文太

映画「昭和おんな博徒」


「昭和おんな博徒」江波杏子

江波杏子                       松方弘樹

今回は加藤泰監督1972年製作「昭和おんな博徒」をピックアップする。
本作は大映で女賭博師シリーズ(1966~1971)昇り竜のお銀を演じた江波杏子さんが初めて東映で主演した作品であり、加藤泰監督最後の東映作品となる任侠映画だ。彼女がその柔肌に火炎竜の刺青を魅せて、鉄火場に殺陣にと見事な演技を魅せている。

【追記・訃報】
映画「女賭博師」シリーズの「昇り竜のお銀」などで知られる女優の江波杏子さんが、2018年10月27日に肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪のため亡くなったことが11月2日、分かった。76歳だった。所属事務所が公式サイトで明かした。また報道各社にFAXで発表した。
スポーツ報知 2018年11月2日(金) 14:14配信


天知茂                        渡辺文雄

【ストリー】
雪の降る日、呉服商加納屋の娘お藤(江波杏子)は、悪徳高利貸の為自殺に追いやられた父の仇を討とうと堀川一家代貸巽新二郎を襲ったが人違いと知る。病弱の堀川一家貸元伊之助(水島道太郎)は、渡世から身を引くべく二代目を選出する。誰の眼にも、兄貴格の森戸(渡辺文雄)が継ぐと思っていたが、伊之助は巽(松方弘樹)を選んだ。森戸の腕力・度胸よりも巽の先を読む頭脳を買ったのだ。森戸は子分達のたきつけと堀川一家の縄張りを狙う向島の大田原組長(山本麟一)の叱責に巽殺しを決意する。愚連隊に金をやり、巽を襲わせるが失敗。巽の子分サブ(遠藤辰雄)が森戸のさし金と知り、巽に知らせるが、巽は一家の為森戸の為に口外を禁じる。その頃、巽に身をあずけていたお藤は、共に生きると心に決め巽の飛竜の刺青に対し、火炎竜の刺青を彫る。巽襲撃を知った伊之助は森戸を破門しようとするが「兄貴と話し合いを……」と必死に頼みこむ巽の一家を思う心にうたれるのだった。すでに喧嘩仕度でごった返す森戸を尋ねた巽は、森戸の罵声にも必死に耐えた。話はこれまでとドスをつきつけ、森戸を連れ出す巽の前に大田原一家にワラジを脱ぐ島崎勇三(天知茂)が勝負を挑んで来た。一宿一飯の義理から対峙する島崎と巽。ところが卑怯にも森戸と大田原の子分が巽の背後より襲いドスでめった斬りにしてしまう。あまりの汚さに眉をしかめる島崎は巽の亡骸を送りとどけ、お藤に「一宿一飯の義理から自分が殺した」と伝えて去った。折も折、巽の死を知り怒り狂った伊之助も発作を起し他界してしまった。一方、森戸が邪魔になった大田原はほとぼりのさめるまでと森戸を外国に飛ばせた。巽の墓前で復讐を誓ったお藤は、島崎、森戸らを追って旅に出る。そして1年後。ある地方都市の雑踏の中で巽をめった斬りにした般若松を殺す。そして、また1年。お藤は九州加倉井一家にワラジを脱いでいる島崎を見つける。対立するお藤と島崎。だが島崎はお藤の前に身体を投げ出す。「俺を殺してくれ」。お藤の執念のドスが島崎を斬ろうとした時、島崎の女房絹枝(松平純子)が必死に止めた。絹枝の姿に昔の自分の姿を思いうかべたお藤は目をつむって二人を逃がしてやるのだった。その頃東京では大田原を初代会長とする“関東侠友会”が結成されようとしていた。あせり出した森戸の帰国を知った大田原は、森戸、島崎を抹殺すべく殺し屋を送る。島崎は襲われ、絹枝が殺される。一方、お藤は神戸の赤沢組にいる森戸を見つけた。女の武器を利用し森戸に近づいたお藤は見事に巽の仇を討つ。しかし、巽殺しの張本人が大田原だと知ったお藤は「関東侠友会・発会式」の会場へと迫った。お藤の横には絹枝を殺され、お藤に荷担する島崎の姿もあった。殴り込むお藤と島崎。お藤の口から、発会式にかけつけた加倉井の口から次々と大田原の悪事が暴露されていく。怒り狂う大田原。子分達はいっせいにお藤を襲う。「雑魚は任せな」と島崎、大田原を追うお藤のドスが暴れまくった。


「昭和おんな博徒」江波杏子

昭和おんな博徒

水島道太郎                      松平純子

題名:昭和おんな博徒
監督:加藤泰
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
原作:藤原審爾
脚本:鳥居元宏、本田達男
撮影:古谷伸
照明:井上孝二
録音:野津裕男
美術:石原昭
装置:近藤幸一
装飾:柴田澄臣
美粧・結髪:東和美粧
衣装:岩逧保
擬斗:上野隆三
記録:牧野淑子
編集:堀池幸三
音楽:木下忠司
進行主任:長岡功
助監督:俵坂昭康
演技事務:伊駒実麿
スチール:杉本昭三
出演:江波杏子、松方弘樹、天知茂、渡辺文雄、松平純子、嵐寛寿郎、水島道太郎、遠藤辰雄、山本麟一、汐路章
1972年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー91分35mmフィルム
昭和おんな博徒 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「昭和おんな博徒」江波杏子

「昭和おんな博徒」松方弘樹、江波杏子

映画「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」


高倉健                         松方弘樹

今回は佐伯清監督1971年製作「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」をピックアップする。
本作は “昭和残侠伝”シリーズ” の第8弾で、レギュラー陣に松方弘樹さん、鶴田浩二さんが加わりスケールアップした作品になっているが、重厚感が足りない気がした。折しも1971年は大映が倒産した年でもあり、深刻な日本映画の混迷が始まった年であった。


池部良                        松原智恵子

【ストリー】
長い獄中生活を終えた秀次郎(高倉健)は、前橋の黒田一家にワラジをぬいだことから、風間文三(松方弘樹)という若衆を追って長野へと旅立った。文三は、対立する一家の親分を殺し、旅にだされたが黒田(葉山良二)の女房おみの(光川環世)までが、文三の後を追って逃げたことから黒田の怒りをかったのだ。小諸で文三を捜しだしたものの、おみのは一足先に、金沢に住む文三の兄重吉(池部良)のもとへ旅立った後だった。金沢の町は、地元三州政治一家と稲葉一家が、工事の入札をめぐって不穏な空気に包まれていた。秀次郎は稲葉一家にワラジをぬぎ、又、文三はおみのが旅の途中、病気にかかり政治一家の厄介になっていることを知る。早速、政治一家におみのをひき取りにいった秀次郎は、昔の恋人加代(松原智恵子)が政治(鶴田浩二)の女房になっていることを知ると愕然とする。
入札も間近に迫ったある日、稲葉は、工事の権利を握るため役人を買収し、政治をうった。一方、金沢にやってきた黒田も、稲葉と盃をかわし、政治一家を潰そうと計画した。政治が警察に連行されたことを知った文三は、これ以上、一家に迷惑をかけまいと、おみのを連れ出すが、黒田組に見つかり捕えられて、それがもとでおみのは危篤状態に落ち入ってしまう。そんなおみのに憐れみを感じる秀次郎は、文三とおみのを一緒にしてやるように頼み込む。黒田はこのことに恩義を押しつけ、釈放された政治を殺すように命じる。秀次郎は、これが黒田の罠とも知らず、文三とおみののことを条件に政治を斬った。が、それから数時間後、文三とおみのが黒田のために殺されたことを知らされる。
しばらく後、ドス持った秀次郎と風間重吉は稲葉一家に向った。


光川環世                        葉山良二

高倉健、鶴田浩二                  高倉健、松方弘樹

題名:昭和残侠伝 吼えろ唐獅子
監督:佐伯清
企画:俊藤浩滋、吉田達、寺西國光
脚本:村尾昭
撮影:星島一郎
照明:川崎保之丞
録音:広上益弘
美術:藤田博
装置:石井乙彦
装飾:佐藤義昭
美粧:入江荘二
美容:宮島孝子
衣装:河合啓一
技斗:日尾孝司
記録:山内康代
編集:田中修
音楽:木下忠司 主題歌:「昭和残侠伝」高倉健
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:坂上順
助監督:澤井信一郎
演技事務:和田徹
スチール:遠藤努
出演:高倉健、松方弘樹、松原智恵子、葉山良二、池部良、鶴田浩二、光川環世、玉川良一、諸角啓二郎、高野真二、松原光二、田口計、沢彰謙、中田博久、八名信夫、清水元、沼田曜一
1971年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー96分35mmフィルム
昭和残侠伝 吼えろ唐獅 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


池部良、鶴田浩二                昭和残侠伝 吼えろ唐獅子

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