映画「太秦ライムライト」

太秦ライムライト
山本千尋
太秦ライムライト太秦ライムライト
福本清三

今回は落合賢監督2013年製作「太秦ライムライト」をピックアップする。
本作は”5万回斬られた男”の異名を持つベテラン時代劇俳優福本清三さんを主役に、京都太秦撮影所の時代劇を創る人々の視点で、時代の推移を外す事なく描いた作品だ。テレビ時代劇が16mmフィルムからビデオになって久しいが、劇中でも正しく、特にテレビディレクターのくだりは、ウイットに包みながら現実を描いている。またクライマックスの中島貞夫監督登場は、本編=映画という設定で、キャメラに35mm(ARRI535)を使用しているというのが憎い。
落合賢監督は、32歳(1983年生れ)なのでフィルムを知らない世代だ。なのに京都太秦の映画人を見事に描いたという事は、想像力だけで出来るものではない。補佐をした先輩映画人が趣旨に賛同し、惜しみない協力をしたに違いない。これは出演俳優陣を見ても分かる事だが。
私も遠い昔に仕出し(エキストラ)経験があるので本田博太郎さんの俳優部のシーンに、一番リアリティを感じた。撮影部とか照明部などの技術部が描かれていないのは残念だが、久々に良い日本映画を観た。

太秦ライムライト太秦ライムライト
松方弘樹                        萬田久子

【ストリー】
かつて日本のハリウッドと呼ばれた京都・太秦。香美山清一(福本清三)は、太秦の日映撮影所に所属する斬られ役一筋の大部屋俳優だ。ある日、半世紀近く続いたテレビ時代劇ドラマ「江戸桜風雲録」が、突如打ち切られた。後続番組の若者向けネオ時代劇「オダノブ」に映画職人たちの出番はない。大御所時代劇のスターの尾上清十郎(松方弘樹)は、「また、いつか斬らせてくれ」と香美山に声をかけ、撮影所を去っていく。そんなおり、香美山は、京都の駆け出しの女優・伊賀さつき(山本千尋)と出会い、かつての「太秦城のお姫様」の面影を感じる。さつきも、時代劇が減っても志を失わない香美山の生き方に惹かれ、やがて二人はともに殺陣の稽古をする師弟関係となる。香美山の指導の御陰で、さつきはチャンスをつかみ、スター女優への階段を歩むべく、東京に旅立った。対照的に、香美山には老いが忍び寄り、ついに引退の日を迎える。…時が経ち、さつきが主演を演じる、大作時代劇の話が持ち上がった。久しぶりの京都に胸躍らせたさつきだったが、撮影所には、香美山の姿もなく、お世話になった人が皆引退してしまったことを知り、いつしか大切なものを見失っていたことに気づく。今風の時代劇を作ろうとする川島プロデューサー(合田雅吏)に対して、さつきも、大御所スター尾上清十郎(松方弘樹)も、香美山に出演して欲しいと思っていた。
体調を崩して引退して故郷で余生を送っていた香美山のもとを、さつきは訪れて復帰を懇願する。かたくなに復帰を拒否する香美山。だが、どうしても侍の血が騒ぐ…。
一ヶ月後、香美山は撮影所にいた。最期に尾上と刀を交わすために。
そして、最愛の弟子さつきに斬られるために…。

太秦ライムライト太秦ライムライト
中島貞夫監督(左側)

題名:太秦ライムライト
監督:落合賢
製作:コウ・モリ、佐野昇平
脚本:大野裕之
撮影:クリス・フライリク
照明:山中秋男
録音:林基継
整音:カルロス・サンチェス
美術:吉田孝
装飾:籠尾和人
殺陣:清家三彦(東映剣会)
衣裳:大本猛、古賀博隆、鈴木澄子
編集:洲崎千恵子
音楽:戸田信子
監督助手:中野広之
助監督:中川裕介
スチール:日浦麻子
プロダクション統括:竹村寧人
プロデューサー:大野裕之、コウ・モリ、佐野昇平
協力プロデューサー:浜野高宏
制作プロデューサー:増田悟司
ポストプロダクションスーパーバイザー:デイヴ・ボイル
ラインプロデューサー:森洋亮
協力:東映京都撮影所
出演:福本清三、山本千尋、合田雅吏、萬田久子、松方弘樹、小林稔侍、峰蘭太郎、柴田善行、多井一晃、中島ボイル、川嶋杏奈、中島貞夫監督(本人役)、風間トオル(本人役)
第13回ニューヨーク・アジア映画祭: 最優秀観客賞、第18回ファンタジア国際映画祭: シュバル・ノワール賞、最優秀主演男優賞(福本清三、最年長受賞)
2013年日本・イレブンアーツ/ビスタサイズ・カラー104分デジタルシネマ
太秦ライムライト [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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山本千尋                      福本清三

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