映画「温泉ポン引女中」


温泉ポン引女中

橘ますみ                                 葵三津子

今回は荒井美三雄監督1969年製作「温泉ポン引女中」をピックアップする。
本作は石井輝男監督に師事していた荒井美三雄監督第一回作品である。前作よりもヌードの露出度は多い。「東映温泉芸者シリーズ」は”性愛もの”シリーズとして打ち出し、全作を当時の東映社長であった岡田茂氏の企画とタイトル命名でスタートしたそうだ。日本映画界で興行成績が東映独走の当時、日活は”青春路線”を中止して題名から内容まで徹底的に東映作品のマネをした映画製作を決定していた。

【東映温泉芸者シリーズ】
1968年「温泉あんま芸者」監督:石井輝男 出演:橘ますみ、三原葉子
1969年「温泉ポン引女中」監督:荒井美三雄 出演:橘ますみ、葵三津子
1970年「温泉こんにゃく芸者」監督:中島貞夫 出演:女屋実和子、松井康子
1971年「温泉みみず芸者 」監督:鈴木則文 出演:池玲子、松井康子、杉本美樹
1972年「温泉スッポン芸者」監督:鈴木則文 出演:杉本美樹、城恵美、女屋実和子
1973年「温泉おさな芸者」監督:鷹森立一 出演:田辺節子、沢リミ子、深田ミミ
1975年「東京ふんどし芸者」監督:野田幸男  出演:堀めぐみ、茜ゆう子、三井マリア
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


「温泉ポン引女中」葵三津子

岡田眞澄

【ストリー】
南紀白浜の温泉旅館「望海楼」の女中頭イク代(葵三津子)は、おかかえのポン引女中に売春をやらせて大繁盛。ある日、元関東昇龍会の三郎(林真一郎)が子持の情婦ミミ(橘ますみ)を連れ乗込んで来た。キャバレー「ナポリ」を開業、イク代の客をさらってしまい、彼女と対立した。ミミはイク代の妹であったが、三郎の情婦と知って、二人は5年ぶりに逢ったのに喧嘩別れしてしまう。そして、昇龍会への対抗策として、イク代が考えたアイデアが当って、再び活気がもどったが、そんな時、イク代の恋人のダンプ運転手秀男(岡田眞澄)はミミが「望海楼」から引抜いたポン引女中を「ナポリ」へ運んでしまい、談判に行ったがイク代もヤクザには勝てず女中たちを失ってしまった。そんな矢先、秀男が事故を起こし、修理代を作るために、かねてからイク代に執心のルポライター山之辺(南原宏治)に身をまかせた。一方ミミは昇龍会幹部の阿久津(高橋昌也)の情婦になっていたが、彼の計画したヌーデスト・パーティーを警察に密告したイク代の罪をきせられ私刑を受け三郎に助けられたが、三郎は射殺された。イク代とミミは、阿久津と、彼にピストル密輸の橋渡しを頼んだ政界の黒幕相沢(安部徹)をゆするがミミの子供弘子を人質にとられ、弘子を引取りに行った時、スポーツカーに襲われ、ミミは辛うじて助かったが、イク代は弘子の身代りになり息を引取った。


南原宏治                                安部徹

高橋昌也                               小池朝雄

題名:温泉ポン引女中
監督:荒井美三雄
企画:岡田茂、天尾完次
脚本:松本功、鳥居元宏
撮影:吉田貞次
照明:北口光三郎
録音:荒川輝彦
美術:鈴木孝俊
装置:谷内嘉造
装飾:宮川俊夫
美粧:久斗敏厚
結髪:横田三佳代
衣装:豊中健
擬斗:土井淳之祐
記録:塚越恵江
編集:神田忠男
音楽:八木正生 主題歌:津島波子「女ひとりのブルース」
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:武久芳三
助監督:清水彰
協力:南紀白浜温泉 ホテルニュー白浜
スチール:藤本武
出演:橘ますみ、岡田眞澄、葵三津子、林真一郎、片山由美子、三笠れい子、木山佳、沢淑子、南風夕子、武智豊子、山口火奈子、黒田のり子、武藤洋子、南原宏治、安部徹、高橋昌也、小池朝雄
1969年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
温泉ポン引女中 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


葵三津子                      橘ますみ

映画「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」

「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」池玲子

池玲子                    クリスチナ・リンドバーグ

今回は鈴木則文監督1973年製作「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」をピックアップする。
本作は、伝説の”全裸殺陣”を池玲子さんが演じているが、ドキドキするどころか彼女の役者魂に圧倒された。
全身全霊とはこの事だ。
今時の「脱ぐ脱がない」で騒いでいる女優さん達よ!
見よ!彼女の根性こそが、本物の全身女優なのだ。
あなた方にはその根性を持ち合わせてない様だ。

本作は、任侠映画で名を馳せた東映の底力を背景に、池玲子さんの魅力が炸裂する作品である。
またスウェーデン人女優クリスチナ・リンドバーグさんの日本進出第一作目でもある。


「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」池玲子

成瀬正孝                        河津清三郎

【ストリー】
葛西杏子は3歳の時、警視庁刑事の父(殿山泰司)を目の前で殺された。犯人の記憶は全くないが父の手に残された猪・鹿・蝶の三枚の花札がその手掛りだった。そして20年後、明治38年。金沢で政界の黒幕民政会の黒川(河津清三郎)の襲撃に失敗して逃走中の柊修之肋(成瀬正孝)という男を、通りすがりの女博徒・猪の鹿お蝶(池玲子)が助けた。そのお蝶こそ、葛西杏子が成人して華麗に変身した姿だった。彼女は仕立屋お銀(根岸明美)というスリの女親分の養女として育てられたのである。お蝶は、おゆき(早乙女りえ)という女郎屋に売られた少女を捜して東京・浅草に来た。おゆきは、加納組々長キズ源(内田勝正)の手配によって、黒川を後楯としている岩倉土建の社長岩倉直蔵(名和宏)に抱かされようとしていた。お蝶は博奕で、おゆきの身柄を賭けようと岩倉に申し出た。岩倉はクリスチーナ(クリスチナ・リンドバーグ)という外国人の女を代人に立て、勝負は英国貿易商ギネス邸で争われた。勝負の最中、同邸に居合せた黒川を求めて壮士たちが乱入して来た。あざやかなクリスチーナのピストルさばぎで壮士たちを追い払ったが、その中に柊の姿を見つけたクリスチーナは動揺した。二人は柊が医学生として英国留学中に知り合い、愛し合った仲だったのである。そしてクリスチーナが諜報部員として日本に来た本当の理由だったのである。やがて、動揺したクリスチーナはお蝶との勝負に負けた。おゆきを助け出したお蝶は、おゆきから岩倉が鹿の刺青をしていることを聞いた。父の仇の一人が岩倉だったのである。数日後、お蝶は再び警官に追われている柊を、かくまった。そして、二人はいつしか互いに求め合うままに抱きあっていた。一方、お蝶が柊をかくまったことを知ったキズ源は、お蝶のスリ仲間を拉致し拷問にかける。それを知ったお蝶は岩倉に身を委ねた。美しいお蝶の肉体に狂喜した岩倉だが、すぐに悶絶してしまった。彼女の体に毒が塗ってあったのだ……。柊の話から、黒川の背に猪の刺青があるのを知ったお蝶は黒川を襲うが、逆に捕われてしまった。しかし、そっと彼女を逃そうとした女がいた。黒川の妻八重路(三原葉子)で、彼女こそお蝶の生みの母で、かつて黒川と結托して葛西を殺し、出奔したのだった。猪、鹿、蝶とは黒川、岩倉、そして八重路のことだった。しかし、お蝶は脱走できず、八重路は黒川の手に掛って殺された。一方、スパイの任務を終えたクリスチーナは、ギネスの罠にはまり、柊ともども殺されてしまった。やがて、お蝶は独力で縄抜けして、父の仇、黒川を襲い、恨みをはらすのだった。


「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」池玲子

三原葉子、池玲子                 名和宏、早乙女りえ

碧川ジュン                    クリスチナ・リンドバーグ

名和宏、池玲子              クリスチナ・リンドバーグ、碧川ジュン

「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」池玲子

題名:不良姐御伝 猪の鹿お蝶
監督:鈴木則文
企画:天尾完次
原作:凡天太郎
脚本:掛札昌裕、鈴木則文
撮影:わし尾元也
照明:北口光三郎
録音:堀場一朗
美術:石原昭
装置:米沢勝
装飾:柴田澄臣
美粧・結髪:東和美粧
衣装:豊中健
擬斗:三好郁夫
記録:牧野叔子
編集:市田勇
音楽:荒木一郎
製作主任:俵坂孝宏
助監督:志村正浩
演技事務:上田義一
スチール:藤本武
出演:池玲子、クリスチナ・リンドバーグ、成瀬正孝、衣麻遼子、碧川ジュン、早乙女りえ、一の瀬レナ、河津清三郎、名和宏、三原葉子、丘ナオミ、根岸明美、岡八郎、林真一郎、殿山泰司、大泉滉
1973年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
不良姐御伝 猪の鹿お蝶 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


名和宏、池玲子                  不良姐御伝 猪の鹿お蝶

「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」池玲子

映画「怪竜大決戦」


怪竜大決戦

松方弘樹                      小川知子

今回は山内鉄也監督1966年製作「怪竜大決戦」をピックアップする。
当時、東宝のゴジラや大映のガメラ、日活がガッパ、松竹がギララという怪獣を登場させていた。本作は東映が唯一製作した“怪獣が登場する映画”であり、撮影は東映京都撮影所で行われ時代劇の重鎮が顔を揃えている。


大友柳太朗                     天津敏

【ストリー】
家老結城大乗の謀によって殺された近江の城主、尾形左馬亮の若君雷丸(松方弘樹)は、飛騨の国に逃げた。そこで雷丸は仙人、がま道人(金子信雄)から忍術を仕込まれ青年になったが、がま道人は昔の悪弟子、大蛇丸(大友柳太朗)に殺害された。その大蛇丸が父をも殺したことを知り、雷丸は自雷也と名乗り仇討ちのため近江に旅発った。途中、幼い時に別れた父を探し近江に向う綱手(小川知子)という少女に出会った。少女綱手も、父を探して自雷也の後を追った。大蛇丸から自雷也のことを聞いた結城大乗(天津敏)は、忍者を配し警戒網を張った。自雷也は百姓、善兵衛(原健策)の娘お咲(鈴村由美)の婿に化け市中潜入に成功したが、大蛇丸は善兵衛を殺した上にお咲までさらって逃げた。一方綱手も一度は、大蛇丸の配下の忍者に襲われるが、やはり忍者の一人の百々兵衛(千葉敏男)に救われ、無事に近江に入った。時あたかも、尾形家再興に現われた自雷也の噂でもちきりで、この混乱に乗じ大蛇丸は大乗を失脚させ、さらに自雷丸を倒し城主におさまろうという腹だった。百々兵衛のおかげで自雷也に再会できた綱手も、その百々兵衛から大蛇丸こそ探していた父だと聞かされ、連れていかれた。綱手は父大蛇丸より自雷也毒殺を命じられた。綱手から薬を飲まされた自雷也は大蛇丸の思うツボ、昏々と眠り続けた。すでに自雷也が死んだものと早合点した大乗が、酒宴を催している只中に躍り出た自雷也は、一気に大乗を倒し、さらにその裏切りを怒った大蛇丸は百々兵衛を殺し、それから自雷也の“がまの妖術”と大蛇丸の“昇竜の術”の決戦となったが、この大格闘に城は破壊された。自雷也があわや!と思われた時、綱手が蜘蛛婆(原泉)からもらったかんざしを大蛇丸に投げつけると、大蜘蛛が現われ、すさまじい落雷とともに、すべての妖術が解け、自雷也は大蛇丸を一刀のもとに斬り倒してしまった。無事仇討ちを果たした自雷也と綱手は大鷲に乗り、お咲姉弟と別れて元気に飛騨の国へと飛立った。


小川知子

大友柳太朗                                                   松方弘樹、大友柳太朗

題名:怪竜大決戦
監督:山内鉄也
企画:岡田茂、新海竹介
脚本:伊上勝
撮影:わし尾元也
特撮:赤塚滋
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
装置:米沢勝
装飾:山田久司
造型:エキスプロダクション
美粧:堤野正直
結髪:橋本明子
衣装:三上剛
技斗:上野隆三
記録:矢部はつ子
編集:神田忠男
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学 合成:松木春吉
音楽:津島利章
製作主任:並河正夫
助監督:牧口雄二
スチール:中山健司
出演:松方弘樹、小川知子、大友柳太朗、鈴村由美、金子信雄、原健策、千葉敏男、林真一郎、天津敏、原泉、岡田千代、福本清三
1966年日本・東映/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
怪竜大決戦 -DVD-
怪竜大決戦[DMMレンタル]


鈴村由美、岩村隆男、小川知子、松方弘樹