映画「静かな生活」


佐伯日菜子                     渡部篤郎、佐伯日菜子

今回は伊丹十三監督1995年製作「静かな生活」をピックアップする。
本作は、大江健三郎氏の同名原作を映画化したものだが、映画としては、伊丹監督作品で最もつまらないと思った。興行的にも失敗した駄作である。DVDで初見だったが、見終えて「まさか」と思ったぐらい落胆した作品だった。

【伊丹十三監督作品】
1984年「お葬式
1985年「タンポポ
1987年「マルサの女
1988年「マルサの女2
1990年「あげまん
1992年「ミンボーの女
1993年「大病人
1995年「静かな生活
1996年「スーパーの女
1997年「マルタイの女


山崎努                         宮本信子

【ストリー】
絵本作家を目指すマーちゃん(佐伯日菜子)の家族は、作家であるパパ(山崎努)と優しく家族を束ねるママ(柴田美保子)、大学入試を控えた弟のオーちゃん(大森嘉之)、そして音楽の才に恵まれながら障害者である兄のイーヨー(渡部篤郎)の5人。ある年、家の下水を直そうとして失敗したパパは、家長としての威厳がないというプレッシャーに耐え切れず、おりから招かれていたオーストラリアの大学へ講師としてママと出向くことになった。留守を引き受けたマーちゃんは、イーヨーたちの面倒をみるのだが、痴漢事件やポーランド大使への意見運動、イーヨーの作曲した“捨て子”という曲騒動などが起こっててんやわんや。なかでもイーヨーの水泳レッスンにまつわる事件は、忘れ難いものとなってしまう。パパたちの出発後、マーちゃんはイーヨーを連れてプールに通うことになるのだが、そこでパパの昔の知り合いだという新井君(今井雅之)が、イーヨーのコーチを買って出てくれるのであった。新井君の指導は良く、イーヨーの水泳の腕はあがる一方。さらには、イーヨーに彼の大好きなテレビの天気予報のお姉さん(緒川たまき)まで紹介してくれ、彼にすっかり気を許す。ところがパパやパパの友人の団藤さん(岡村喬生)たちから、新井君の暗い過去を聞かされたマーちゃんは、誰もいないところで新井君に会わないよう忠告を受けた。しかし、それが新井君の気に障り、団藤さんが大怪我をさせられたばかりか、純情なマーちゃんまで暴行を受けそうになる。だが、マーちゃんの純潔を汚そうとする新井君にイーヨーが飛びかかり、決して新井君に勝ったわけではないけれど、マーちゃんを守り切るのだった。パパの精神状態も安定した頃、そんな事件の数々を綴ったマーちゃんの絵日記に、イーヨーは「静かな生活」というタイトルをつけるのだった。


結城美栄子、佐伯日菜子                 静かな生活

題名:静かな生活
監督:伊丹十三
製作:玉置泰
原作:大江健三郎
脚本:伊丹十三
撮影:前田米造
照明:加藤松作
特機:落合保雄
録音:小野寺修
音効:斎藤昌利、北田雅也 (東洋音響カモメ) リーレコ:神保小四郎
美術:川口直次
衣裳:岩崎文男
装飾:佐藤結樹 (ポパイアート)、尾関龍生、龍田哲児
小道具:大西桂子
スタイリスト:鈴木智子、豊平ちせ
化粧:梅沢文子
特殊メイク:江川悦子、寺田まゆみ
配役:田中忠雄
擬斗:高瀬将嗣、瀬木一将
操演:白熊栄次 (サプライズ)
記録:松澤一美
編集:鈴木晄
音楽:大江光 音楽プロデューサー:立川直樹
現像:イマジカ タイミング:小椋俊一
撮影機材:三和映材社
フィルム:富士フィルム (報映産業)
プロデューサー:細越省吾、川崎隆
応援撮影:浜田毅
製作担当:岩下真司
製作進行:森太郎、荒木正人
演技事務:穂盛伊佐雄
助監督:中嶋竹彦
監督助手:蝶野博、山口晃ニ、菅原文雄
撮影助手:栗山修司、井上恵一郎、仲村志宏
応援助手:上野彰吾、平康真二、小松高志
照明助手:林信一、田辺浩、大橋陽一郎、永田英則
特機助手:竹内純
録音助手:白取貢、松本昇和
美術助手:山崎秀満、新田隆之、川村泰代
編集助手:普嶋信一
装置組付:福田義昭
水中撮影:日本水中映像
ビデオ撮影:佐藤利明 (TAO)
フードスタイリスト:石森いずみ
スタジオ録音:石井ますみ、大野誠、下野留之
デジタル合成:島村達雄、山崎貴、渋谷紀世子 (白組)・金子俊夫、武坂耕ニ、鈴木等(イマジカ)
グラフィック・デザイン:佐村憲一
マーちゃんの絵:中嶋竹彦
製作デスク:吉川次郎
スタジオ:にっかつ撮影所
出演:山崎努、柴田美保子、渡部篤郎、佐伯日菜子、今井雅之、宮本信子、岡村喬生、左時枝、結城美栄子、緒川たまき、大森嘉之、原ひさ子、阿知波悟美、柳生博
1995年日本・伊丹プロダクション/ビスタサイズ・カラー121分35mmフィルム
静かな生活 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


今井雅之、佐伯日菜子                 静かな生活

映画「緋牡丹博徒 花札勝負」



藤純子                       高倉健

今回は加藤泰監督1969年製作「緋牡丹博徒 花札勝負」をピックアップする。
本作は緋牡丹博徒シリーズ全8作の第3作だ。加藤監督の用いるローアングルとロングショット、効果的なクロースアップの演出が冴えわたっている。渡世人花岡(高倉健)が雪の中で見せる哀愁、魅かれるお竜(藤純子)の抑えた感情が、台詞にならなくても伝わって来る。


嵐寛寿郎

【ストリー】
明治の中頃、名古屋。渡世修行を積むお竜(藤純子)は、熊虎親分(若山富三郎)からの添書を持って、名古屋の西之丸一家へ草鞋を脱いだ。その頃、西之丸一家は熱田神宮大祭の勧進賭博をひかえ多忙をきわめていた。金原一家の組長金原鉄之介(小池朝雄)は、国会議員の古田(内田朝雄)と結託し、勧進賭博を仕切る名古屋一の貸元の座を狙っていた。そんな折、お竜は金原一家の賭場で自分の名を名乗る女賭博師お時(沢淑子)を捕えた。お時は、盲目の子お君(古城門昌美)の目を直したい一心にイカサマをやり、金原にその腕を利用されていた。西之丸一家の親分杉山(嵐寛寿郎)の息子次郎(石山律)は、金原の義理の娘八重子(柴田美保子)と恋仲だった。次郎が、八重子との結婚を申し出ると、金原はサイコロで事を決めようと持ちかけ、お時を相手に当らせた。お時は勝負に勝ったものの、人質にされた次郎を、恩を受けたお竜が、探していることを知り、次郎と八重子を逃した。この一件によりお時は斬られ、次郎と八重子はお竜に守られて大阪へ逃げた。金原一家に草鞋を脱いでいる一匹狼の渡世人花岡(高倉健)は、二人を追ったが、お竜から事情を聞いて見逃すのだった。やがて金原一家を尋ねたお竜が監禁された。杉山は勧進元とお竜の命の決着を勝負で決めようと提案。杉山の代人お竜は金原の代人バケ安(汐路章)との一本勝負に勝ったが難癖をつけられ熊虎にその場を救われた。花岡が金原に杉山を斬り捨てるよう命ぜられたのは、そんな折だった。花岡は、金原にあいそをつかせていたが、一宿一飯の義理から杉山を斬った。重傷を負った杉山は、勧進賭博の挨拶を終えると息をひきとった。やがて、熱田神宮へ奉納金を修めに行った西之丸一家の代貸久保寺(林彰太郎)ほか数人が、金原一家に殺され、金も奪われた。お竜の拳銃と花岡の白刃が金原一家の息の根を止めたのはそれから間もなくのことだった。


小池朝雄

題名:緋牡丹博徒 花札勝負
監督:加藤泰
企画:俊藤浩滋、日下部五朗
原案:石本久吉
脚本:鈴木則文、鳥居元宏
撮影:古谷伸
照明:金子凱美
録音:中山茂二
美術:富田治郎
装置:稲田源兵衛
装飾:布部栄一
美粧:佐藤宇之助
結髪:妹尾茂子
衣装:松田孝
技斗:谷明憲
古武道:中島正義
記録:梅津泰子
編集:宮本信太郎
音楽:渡辺岳夫
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
製作主任:福井良春
助監督:本田達男
スチール:木村武司
出演:藤純子(富司純子)、高倉健、待田京介、小池朝雄、清川虹子、内田朝雄、若山富三郎、山本麟一、嵐寛寿郎、沢淑子、南利明、藤山寛美、柴田美保子、汐路章、石山律、古城門昌美
1969年日本・東映/シネスコサイズ・カラー98分35mmフィルム
緋牡丹博徒 花札勝負 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


藤山寛美                                                        藤純子、沢淑子