映画「座頭市千両首」

座頭市千両首座頭市千両首
勝新太郎                            坪内ミキ子

今回は池広一夫監督1964年製作「座頭市千両首」をピックアップする。
本作は“座頭市”シリーズ”第6作目になる。「続・座頭市物語」から2年ぶりに勝新太郎さんと実兄である若山富三郎さんの共演作品となっている。クライマックスの馬上の仙場十四郎と座頭市の鞭を使った対決は、マカロニ・ウエスタンで見かけるシークェンスだが、1963年「赤い砂の決闘」1964年「ミネソタ無頼」「荒野の用心棒」でもインスパイアされるシーンはなく1966になって「「真昼の用心棒」で鞭を使った対決は違った形で描かれている。

座頭市シリーズ

座頭市千両首座頭市千両首
勝新太郎、城健三朗(若山富三郎)               長谷川待子

【ストリー】
市(勝新太郎)が3年前こころならずも斬った男の墓参に板倉村を訪れた所、折りしも起きた千両箱強奪事件にまきこまれた。やったのは忠治一家の者だといい、また座頭市も、その一人に数えられた。真実を確めるため忠治(島田正吾)に会った市は、樵悴した忠次や、二足わらじをはき代官の先棒をかつぐ紋次(天王寺虎之助)に自分の罪のないことを弁明するのだった。事の次第を理解した忠次だが、紋次は代官(植村謙二郎)に密告した。鳴子笛の響く中、市は見事な刀さばきできりぬけた。とある廓に来た市は紋次と代官、用心棒十四郎(城健三朗)がたくらんで忠治にぬれ衣をきせる工作と聞き、忠治の許へ急ごうとした市は、村に入って知りあった千代(坪内ミキ子)に近道だと案内された吊橋で紋次一味に出会い命を危機にさらした。それから数日後、千両箱の紛失は、二人の処刑にまで発展した。千両箱紛失の犯人と目された座頭市は、必ず千両箱をみつけて身の潔白を証明しようとした。朝靄深い宿場の入口、全身を聴嗅覚にして茶屋の屋根に身をふせた市は、千両箱を運び出そうとする紋次らに会い代官と紋次を斬り千両箱を見事とりかえすのだった。喜ぶ村人を後に、吉蔵の供養と千両箱を千代に渡すと、市は千代の前から遠ざかったが、なおもそれを追う十四郎の姿があった。

座頭市千両首座頭市千両首
島田正吾                       長谷川待子、勝新太郎

題名:座頭市千両首
監督:池広一夫
企画:浅井昭三郎
原作:子母沢寛
脚色:浅井昭三郎、太田昭和
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:大谷巖
音効:倉島暢
美術:西岡善信
装置:木村重雄
擬斗:宮内昌平
編集:谷口孝司
音楽:斎藤一郎
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:小沢宏
色彩技術:田中省三
スチール:三浦康寛
出演:勝新太郎、坪内ミキ子、長谷川待子、城健三朗(若山富三郎)、島田正吾、石黒達也、丹羽又三郎、植村謙二郎、天王寺虎之助、林寛
1964年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
座頭市千両首 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

座頭市千両首
「座頭市千両首」勝新太郎、城健三朗(若山富三郎)
座頭市千両首座頭市千両首
座頭市千両首

座頭市千両首座頭市千両首
「座頭市千両首」撮影風景            撮影:宮川一夫氏

映画「静かなる決闘」


三船敏郎                              三条美紀

今回は黒澤明監督1949年製作「静かなる決闘」をピックアップする。
本作は、東宝が第3次東宝争議によって映画撮影が困難だった時期に、黒澤監督は、山本嘉次郎、谷口千吉、本木荘二郎らと映画芸術協会を設立して東宝を脱退し、大映で制作した作品。前作「酔いどれ天使(東宝制作)」に続いて三船敏郎さんと志村喬さんが共演し、志村喬さんは同じ医師役である。本作を見終わって、黒澤明監督のテーマの選び方と先見性の凄さに驚かされる。


三船敏郎、志村喬                    千石規子、三船敏郎

【ストリー】
藤崎恭二(三船敏郎)は軍医であった。前線の野戦病院、次から次に運び込まれる負傷兵、患者、恭二は休む暇もなく手術台の側に立ち続けねばならなかった。陸軍上等兵中田龍夫(植村謙二郎)は下腹部盲腸で一命危ないところを、恭二の心魂こめた手術が成功してとりとめた。ところが中田は相当悪性の梅毒で、恭二はちょっとした不注意のため小指にキズを作り、それから病毒に感染した。敗戦後、恭二は父親(志村喬)の病院で献身的に働いていた。が、薬品のない戦地で、恭二の病気は相当にこじれていた。父にも打ち明けず、彼は深夜ひそかにサルバルサンの注射を打ち続けていた。思わしい効果は現れて来なかった。彼には許婚者松木美佐緒(三条美紀)という優しい女性があった。彼女にも無論病気の事は話してなかった。復員後すっかり変わってしまった恭二に美佐緒は何としても納得しかねる気持ちがあった。6年間も待ちつづけた恋しい人だったのに。まるで結婚の事は考えていない様子の恭二、隠している事があるに違いないのだ。彼女は根ほり葉ほり聞きだそうとしているが、一ツの線からは一歩も踏み込ませようとしない。間に入って困る父親、そして遂に何もかも判る時が来た。


三条美紀、三船敏郎                三船敏郎、町田博子、中北千枝子

題名:静かなる決闘
監督:黒澤明
企画:本木荘二郎、市川久夫
原作:菊田一夫「堕胎医」
脚本:黒澤明、谷口千吉
撮影:相坂操一
照明:柴田恒吉
録音:長谷川光雄
音効:花岡勝次郎
美術:今井高一
装置:石崎喜一
小道具:神田一郎
背景:西牧恭平
園芸:坂根喜次郎
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:田中つねえ
衣裳:藤木しげ
移動:大久保松雄
編集:辻井正則
記録:古川八千恵
音楽:伊福部昭
製作主任:川本武夫
俳優事務:相川好子
出演:三船敏郎、志村喬、三条美紀、千石規子、植村謙二郎、中北千枝子、宮崎準之助、山口勇、松本茂
1949年日本・大映東京撮影所/スタンダードサイズ・モノクロ94分
静かなる決闘 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


三船敏郎、植村謙二郎                      三船敏郎

静かなる決闘

映画「稲妻」


高峰秀子

今回は成瀬巳喜男監督1952年製作「稲妻」をピックアップする。
本作は黒澤明、小津安二郎、溝口健二と並び称される名匠、成瀬巳喜男監督が「おかあさん」に次いで高峰秀子さんを主演に迎えて女の弱さ、醜さ、美しさを描いたものだ。昭和27年の東京の知る由もない風景に感動する。


浦辺粂子、高峰秀子              小沢栄太郎、三浦光子

【ストリー】
清子(高峰秀子)は観光バスの案内嬢をしているが、次姉の光子(三浦光子)も長姉の縫子(村田知栄子)も結婚している。この三人と兄の嘉助(丸山修)とは、母おせい(浦辺粂子)が腹をいため子であったが、四人とも父がちがっていた。縫子が清子に両国のパン屋の綱吉(小沢栄太郎)との縁談を持って来たが、清子には縫子夫婦が、それを種に金儲けのうまい綱吉を利用しようとしている腹が見えていやだった。次姉の夫呂平が急死するが、その後に妾のリツ(中北千枝子)と子供が残されていたことがわかった。光子は泣くに泣けないような気持で、綱吉の新しくはじめた渋谷の温泉旅館へ手伝いに行くが、そこへ縫子は女房気取りでいりびたってしまい、無能な夫の龍三(植村謙二郎)は仕方なくおせいの許へころげ込んで来るのだった。それでも綱吉は図々しく清子を追いかけていたが、彼女がおせいの許を出て、杉山とめの家に下宿して一人の生活をはじめると、自分の望みに見込みのないことを悟り、嘉助の就職の件をご破算にしてしまうような男だった。光子は呂平の保険金がはいると喫茶店をはじめるが、綱吉はその光子の許へも旦那然とはいり込んでしまうのだった。しかし清子はとめの家の隣家国宗周三(根上淳)とその妹のつぼみ(香川京子)と知り合いになり、清らかな生活雰囲気にほっとした気持になるのだった。ある日おぬいが清子の下宿へたずねて来た。縫子と綱吉を間にしてもつれた光子が行方不明になったという。清子になぐさめられ、彼女の虎の子の貯金をもらったおぬいは、折からの稲妻に、稲妻のきらいだった光子はきっと帰ってくるよと、家路へ急ぐのだった。


村田知栄子                    香川京子、根上淳

題名:稲妻
監督:成瀬巳喜男
企画:根岸省三
原作:林芙美子
脚本:田中澄江
撮影:峰重義
照明:安藤慎之助
録音:西井憲一
美術:仲美喜雄
音楽:齋藤一郎
出演:高峰秀子、三浦光子、村田知英子、小沢栄、丸山修、浦辺粂子、植村謙二郎、中北千枝子、根上淳、香川京子
1952年日本・大映東京撮影所/スタンダードサイズ・モノクロ87分35mmフィルム
稲妻 -DVD-
2019年6月現在、DVDレンタルはありません。

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