映画「ツィゴイネルワイゼン」

ツィゴイネルワイゼンツィゴイネルワイゼン
原田芳雄                       藤田敏八

今回は鈴木清順監督1980年製作「ツィゴイネルワイゼン」をピックアップする。
本作は、名優原田芳雄と映画監督の藤田敏八氏が主演する狂気に取り憑かれた男女を幻想的に描いた作品である。妖しく美しい極彩色が女優陣(大谷直子・大楠道代)が引き立ったのが印象に残る。2001年4月にニュープリントで再映された。

【追記・訃報】
「ツィゴイネルワイゼン」「オペレッタ狸御殿」などで知られた映画監督の鈴木清順氏(すずき・せいじゅん、本名・鈴木清太郎=すずき・せいたろう)が2017年2月13日午後7時32分、慢性閉塞性肺疾患のため東京都内の病院で亡くなった。93歳。東京都出身。葬儀・告別式は故人の遺志により近親者のみで執り行われた。喪主は妻・崇子(たかこ)さん。1923年(大12)生まれ。1948年に松竹入り、54年に日活に移籍し、56年「港の乾杯 勝利をわが手に」で監督デビュー。赤木圭一郎主演の「素っ裸の年齢」、小林旭主演「関東無宿」、渡哲也主演「東京流れ者」、高橋英樹主演「けんかえれじい」など独特の色彩感覚を生かした作品で人気を集めた。のちにカルト的な人気となった1967年「殺しの烙印」を最後に「分からない映画ばかり撮る」と日活を解雇されたが、1971年に裁判の末に和解。1977年「悲恋物語」で監督業に復帰した。1980年「ツィゴイネルワイゼン」が国内外で高く評価され、ベルリン国際映画祭で審査員特別賞に輝いたほか、日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞などを受賞。その後、「陽炎座」「夢二」などを発表し、第58回カンヌ国際映画祭で栄誉上映特別作品として招待された2005年の「オペレッタ狸御殿」が遺作となった。1990年紫綬褒章。
スポニチアネックス 2/22(水) 14:52配信

ツィゴイネルワイゼンツィゴイネルワイゼン
大谷直子                       大楠道代

【ストリー】
ドイツ語学者、青地豊二郎と友人の中砂糺の二人が海辺の町を旅していた。二人の周囲を、老人と若い男女二人の盲目の乞食が通り過ぎる。老人と若い女は夫婦で、若い男は弟子だそうだ。青地と中砂は宿をとると、小稲という芸者を呼んだ。中砂は旅を続け、青地は湘南の家に戻る。歳月が流れ、青地のもとへ中砂の結婚の知らせが届いた。中砂家を訪れた青地は、新妻、園を見て驚かされた。彼女は、あの旅で呼んだ芸者の小稲と瓜二つなのである。その晩、青地は作曲家サラサーテが自ら演奏している一九〇四年盤の「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを中砂に聴かされた。この盤には演奏者のサラサーテが伴奏者に喋っているのがそのまま録音されている珍品だそうだ。中砂は青地にその話の内容を訊ねるが、青地にも、それは理解出来なかった。中砂は再び旅に出る。その間に、妻の園は豊子という女の子を産んだ。中砂は旅の間、しばしば青地家を訪ね、青地の留守のときも、妻・周子と談笑していく。そして、周子の妹で入院中の妙子を見舞うこともある。ある日、青地に、中砂から、園の死とうばを雇ったという報せが伝えられた。中砂家を訪れた青地は、うばを見てまたしても驚かされた。うばは死んだ園にソックリなのだ。そう、何と彼女は、あの芸者の小稲だった。その晩は昔を想い出し、三人は愉快に飲んだ。中砂は三人の盲目の乞食の話などをする。数日後、中砂は旅に出た。そして暫くすると、麻酔薬のようなものを吸い過ぎて、中砂が旅の途中で事故死したという連絡が入った。その後、中砂家と青地家の交流も途絶えがちになっていく。ある晩、小稲が青地を訪ね、生前に中砂が貸した本を返して欲しいと言う。二~三日すると、また小稲が別に貸した本を返して欲しいとやって来た。それらの書名は難解なドイツ語の原書で、青地は芸者あがりの小稲が何故そんな本の名をスラスラ読めるのが訝しがった。そして二~三日するとまた彼女がやって来て、「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを返して欲しいと言う。青地はそれを借りた記憶はなかった。小稲が帰ったあと、周子が中砂からそのレコードを借りて穏していたことが分り、数日後、青地はそれを持って小稲を訪ねた。そして、どうして本を貸していたのが分ったのかを訊ねわ。それは、豊子が夢の中で中砂と話すときに出て来たという。中砂を憶えていない筈の豊子が毎夜彼と話をするという。家を出た青地は豊子に出会った。「おじさんいらっしゃい、生きている人間は本当は死んでいて、死んでいる人が生きているのよ。おとうさんが待ってるわ、早く、早く……」と青地を迎える……。

ツィゴイネルワイゼンツィゴイネルワイゼン

題名:ツィゴイネルワイゼン
監督:鈴木清順
製作:荒戸源次郎
脚本:田中陽造
撮影:永塚一栄
照明:大西美津男
録音:岩田広一
美術:木村威夫、多田佳人
記録:内田絢子
編集:神谷信武
音楽:河内紀
現像:東洋現像所
撮影機材:シネオカメラ
助監督:山田純生
出演:原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代、麿赤兒、玉川伊佐男、樹木希林
1980年日本・シネマ・ブラセット/スタンダードサイズ・カラー144分35mmフィルム
ツィゴイネルワイゼン [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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映画「さびしんぼう」

さびしんぼうさびしんぼう
富田靖子

今回は大林宣彦監督1985年製作「さびしんぼう」をピックアップする。
本作は、尾道を舞台尾道三部作と呼ばれ「転校生」「時をかける少女」に続いて山中恒氏の原作「なんだかへんて子」を映画化したものだ。巨匠阪本善尚氏が撮影監督として担当されている。

さびしんぼうさびしんぼう
尾美としのり、富田靖子

【ストリー】
寺の住職の一人息子・井上ヒロキは、カメラの好きな高校二年生。母タツ子は、彼に勉強しろ、ピアノを練習しろといつも小言を言う。ヒロキのあこがれのマドンナは、放課後、隣の女子校で「別れの曲」をピアノで弾いている橘百合子である。彼は望遠レンズから、彼女を見つめ、さびしげな横顔から“さびしんぼう”と名付けていた。寺の本堂の大掃除の日、ヒロキは手伝いに来た友人の田川マコト、久保カズオと共にタツ子の少女時代の写真をばらまいてしまった。その日から、ヒロキの前に、ダブダブの服にピエロのような顔をした女の子が現われるようになる。彼女は“さびしんぼう”と名乗り、ヒロキと同じ高校二年生だという。ヒロキ、マコト、カズオの三人は、校長室のオウムに悪い言葉を教え停学処分を受けた。その際中、ヒロキは自転車に乗った百合子を追いかけ、彼女が船で尾道に通って来ていることを知る。冬休みになり、クラスメイトの木鳥マスコが訪ねて来た。そこに例のさびしんほうが現われ、タツ子に文句を言いだす。そして、タツ子が彼女を打つと何故かタツ子が痛がるのだった。お正月、タツ子の高校時代の友人・雨野テルエとその娘・ユキミが訪ねてきた時もさびしんぼうが現われ、高校時代のテルエの悪口を言いだし、タツ子も加わって大喧嘩となる。節分の日、ヒロキは自転車のチェーンをなおしている百合子を見かけ、彼女の住む町まで送って行った。自分のことを知っていたと言われ、ヒロキは幸福な気分で帰宅した。バレンタインデーの日、さびしんぼうが玄関に置いてあったとチョコレートを持って来た。それは百合子からで、「この間は嬉しかった。でもこれきりにして下さい」と手紙が添えてあった。さびしんぼうは、明日が自分の誕生日だからお別れだと告げる。そして、この恰好は恋して失恋した女の子の創作劇だと答えた。翌日、思いあまってヒロキは、百合子の住んでる町を訪ね、彼女に別れの曲のオルゴールをプレゼントした。雨の中、家にもどったヒロキをさびしんぼうが待っていた。彼は濡れた彼女を抱きよせる。気がつくとさびしんぼうは消えていた。翌朝、タツ子が道におちていた自分の16歳の時の写真を発見した。ヒロキがのぞくとそれはあのさびしんぼうだった。そして、数年後、寺を継いだヒロキの隣には百合子がいた。

さびしんぼうさびしんぼう

題名:さびしんぼう
監督:大林宣彦
製作:小倉斉、山本久、根本敏雄、出口孝臣
原作:山中恒
脚本:大林宣彦、剣持亘、内藤忠司
撮影:阪本善尚
照明:渡辺昭夫
特機:大島豊(NK特機)
録音:稲村和己
音効:林昌平
美術:薩谷和夫
化粧:岡江千江子
衣装:山田実
記録:黒岩美恵子
編集:大林宣彦
音楽:瀬尾一三 主題歌:富田靖子
現像:東洋現像所
プロデューサー:森岡道夫、久里耕介、大林恭子
助監督:内藤忠司
出演:富田靖子、尾美としのり、藤田弓子、小林稔侍、佐藤允、岸部一徳、大山大介、樹木希林、秋川リサ
1985年東宝・アミューズシネマシティ/ビスタサイズ・カラー179分35mmフィルム
さびしんぼう [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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