映画「なつかしい風来坊」


ハナ肇                                 有島一郎

今回は山田洋次監督1966年製作「なつかしい風来坊」をピックアップする。
本作は、ハナ肇さん演じるキャラクターを中心に、巻き込まれ型のドラマ展開で、アイロニーの効いた優秀な人情喜劇だ。
本作は「男はつらいよ・シリーズ」寅さんの原点とも言える作品である。特に中流意識の不信感、差別感、嫌らしさを炙り出しているのが良い。


倍賞千恵子                           中北千枝子、久里千春、ハナ肇 

【ストリー】
衛生局防疫課の課長早乙女良吉(有島一郎)と、土方の源五郎(ハナ肇)と知り合ったのは酒が取り持ったのである。同僚の送別会でしたたかに酔った良吉が、茅ケ崎の駅でタクシーを待つ間、屋台のオデン屋で一杯やっているうち、隣に座った源五郎とすっかり意気投合、あげくには家に泊めてしまったのだ。妻の絹子(中北千枝子)、娘の房子(真山知子)は土方の源五郎を気味わるがり、翌朝、源五郎を追い返してしまった。だが、源五郎は茅ケ崎海岸で道路工事をやっているため、ちょくちょく良吉の家にやって来た。良吉の家の前をローラ車に乗ってやってきて道路直しをしたり、押売りを追っばらったり、今ではすっかり良吉の家庭に入りこんでいた。或る日、良吉の息子の学(山尾哲彦)に、土産だといって純血種の洋犬を連れて来た。知り合いの犬殺しに頼んで、保健所から薬殺寸前の犬を連れて来たのだった。学は大喜びだったが、この犬には引取人が現われた。伊達財閥で名高い伊達家の飼犬だったのだ。これが縁で房子と伊達家の長男一郎(山口崇)とが恋人同士になった。秋も近づいた頃、源五郎はこんど、身投娘を良吉の家にかつぎこんできた。娘は愛子(倍賞千恵子)といい、自殺する程の境遇ながら、性格の明るい控えめないい子だった。愛子は良吉の家にお手伝いさんとして、働くことになった。それからというもの源五郎は足繁く、良吉の家に来るようになった。どうやら愛子に惚れたらしいと睨んだ良吉は、愛子と源五郎を映画に出してやるのだった。その帰り、源五郎が愛子の手を握ろうとし、びっくりした愛子が道路下に落ちこみ、泥んこになったことからおかしくなった。絹子は、源五郎が乱暴したのではないかと言い、愛子は沈黙を守り源五郎は失踪した。暫くして愛子も良吉の家を出ていった。それから一年が過ぎた或る日、汽車の中で良吉はばったりと源五郎と逢った。そこには生れたばかりの赤ん坊を抱いた愛子の姿があった。


倍賞千恵子、山尾哲彦、ハナ肇、真山知子             なつかしい風来坊

題名:なつかしい風来坊
監督:山田洋次
製作:脇田茂
脚本:山田洋次、森崎東
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
録音:飯島陸夫
調音:佐藤広文
美術:重田重盛
装置:中村良三
編集:浦岡敬一
音楽:木下忠司
現像:東京現像所
製作主任:沼尾釣
制作進行:福山正幸
監督助手:大嶺俊順
スチール:堺謙一
出演:ハナ肇、倍賞千恵子、有島一郎、中北千枝子、真山知子、山口崇、久里千春、松村達雄、桜井センリ、犬塚弘、武智豊子、山尾哲彦
1966年日本・松竹/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
なつかしい風来坊 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


松村達雄、有島一郎、鈴木瑞穂            倍賞千恵子、有島一郎

映画「若い東京の屋根の下」

若い東京の屋根の下
「若い東京の屋根の下」吉永小百合
若い東京の屋根の下若い東京の屋根の下
吉永小百合                      浜田光夫

今回は斎藤武市監督1963年製作「若い東京の屋根の下」をピックアップする。
本作は、源氏鶏太氏の原作を映画化した青春ドラマであり、吉永小百合さんと浜田光夫さんのコンビが冴える定番作品である。ロケは目黒区の東急東横線「都立大学」駅周辺、東急池上線「久が原」駅前、港区の神宮外苑(外苑グラウンド)や神奈川県箱根町十国峠などで行われたそうだ。

若い東京の屋根の下若い東京の屋根の下
山内賢、浜田光夫              吉永小百合、初井言栄、小沢昭一

【ストリー】
桑野蕗子(吉永小百合)は19歳のビジネスガール、家庭は停年を控えた父親の謙太郎(伊藤雄之助)と母親(三宅邦子)、高校生の弟(太田博之)の4人暮しである。兄の太郎(下元勉)は重役の娘達枝(山岡久乃)と結婚し、次郎(近藤宏)は姉さん女房の夏子(朝風みどり)と共稼ぎのアパート暮しだ。姉の律(初井言栄)子は薬局の利男(小沢昭一)と結婚して娘もいるが、姑とのいざこざが絶えない。目下、蕗子の悩みは父親の停年問題である。ある日、今度の父親の誕生日に両親の生活費について相談をして貰おうと、蕗子は兄や姉たちの家を訪ねて廻った。その日から次郎の後輩の大学生・三上良平(浜田光夫)が下宿するようになり、桑野家は急に賑かになった。父親の誕生日には太郎を除いて全員が集った。子供たちで分相応に両親の生活費を捻出することを決め、蕗子が月末に集金に廻ると宣言した。蕗子が同窓の幸吉(山内賢)たちと恩師(内藤武敏)を見舞った日、偶然知りあった良平と幸吉の間に、蕗子争奪の紳士協定が彼女の如らぬ間に結ばれた。良平の顔を見るといつも、プンプンしていた蕗子の心にも微妙な変化が起りつつあった。良平は蕗子の面影がちらついて勉強も手につかず、下宿を変ることを考えていた。そんな時、良平の友達で父親が電機会社の重役をしているという渡瀬和子(松尾嘉代)の世話で、謙太郎の就職がスラスラと決った。そんなことから何となくちぐはぐになった二人を、いち早く見抜いたのは幸吉だった。幸吉は蕗子をつかまえ「意地を張ってると君の好きな三上君は出て行くぜ」と言った。言われて蕗子は帰ったら良平にハツキリ「好きです」と言おうと思った。

若い東京の屋根の下若い東京の屋根の下
山岡久乃                     太田博之、伊藤雄之助

題名:若い東京の屋根の下
監督:斎藤武市
企画:児井英生
原作:源氏鶏太 「緑に匂う花」
脚本:才賀明
撮影:横山実
照明:高島正博
美術:坂口武玄
録音:橋本文雄
特機:金田啓治
音楽:吉田正、大森盛太郎 主題歌:吉永小百合・橋幸夫「若い東京の屋根の下」
記録:飯村知子
編集:近藤光雄
現像:東洋現像所
製作主任:二反田実
助監督:手銭弘喜
色彩計測:北泉成
スチール:目黒祐司
出演:吉永小百合、浜田光夫、山内賢、平田大三郎、朝風みどり、下元勉、三宅邦子、内藤武敏、近藤宏、山岡久乃、初井言栄、太田博之、松尾嘉代、武智豊子、伊藤雄之助、小沢昭一、有田双美子、河上信夫、光沢でんすけ
1963年日本・日活/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム

若い東京の屋根の下若い東京の屋根の下
松尾嘉代、浜田光夫                若い東京の屋根の下

若い東京の屋根の下若い東京の屋根の下
東急5000形(東急東横線)                東急池上線「久が原」駅

映画「盗まれた欲情」

盗まれた欲情盗まれた欲情
長門裕之                         南田洋子

今回は今村昌平監督1958年製作「盗まれた欲情」をピックアップする。
今村昌平監督は、1951年に松竹大船撮影所に助監督として入社し、主に小津安二郎の助監督として師事した。1954年に日活に移籍し、川島雄三監督「幕末太陽傳」浦山桐郎監督「キューポラのある街」などの脚本を手掛け、満を持して本作で監督デビューした。

盗まれた欲情盗まれた欲情
香月美奈子                        小沢昭一

【ストリー】
中河内高安村にドサ回りのテント劇場、山村民之助一座がやって来て大入満員、座員は大喜びだ。一座の演出家国田信吉(長門裕之)は芝居一途に大学を中退した情熱家で、自分の新解釈により演し物を上演しようと夢みている。彼に想いをよせる民之助(滝沢修)の娘千鳥(南田洋子)と千草(喜多道枝)、千鳥は看板スター栄三郎(柳沢真一)の妻だが、ひそかに恋情をもやしている。大入の夜、祝宴を逃げ出した信吉は、ほとほと低俗な一座にいや気がさし、自らを罵って川に石を投げる。追って来た千草は、そんな彼に抱かれた。翌日は雨、民之助が信吉の新作を稽古しようと提案するにもかかわらず、一座は女を求めて村へ散ってしまう。千鳥は妹の昨夜の行動から、暗い嫉妬をもやすのだった。一方、村に出た男達、老優富八郎(小笠原章二郎)は小金をためた未亡人を、三枚目の勘次(西村晃)は肉体派のみさ子(香月美奈子)を手に入れるが、信吉も愛する千鳥ならぬ千草と契った後悔に、酔いつぶれるのだった。翌日は再び大入満員。みさ子のストリップに拍手が湧く。しかし、一部の村の青年達は、こんな一座を快よく思わなかった。彼等はその夜みさ子に懸想していた藤四郎(小沢昭一)を誘って千草を襲う。幸い信吉等の追跡によって千草は救われたが、信吉は千鳥に自分の心を打ちあけ、彼女も遂に拒み切れなかった。それを発見した千草の口から、栄三郎を加えた信吉、千鳥、千草が民之助の部屋に集った。妻に裏切られた栄三郎は、座の為に自分が身をかくすと言う。その瞬間千鳥は、栄三郎と離れられないと告白するのだった。朝がきて、一座は高安村を去って行く。その中には、信吉に寄りそう千草の姿があった。

盗まれた欲情盗まれた欲情
「テント劇場」より 盗まれた欲情

題名:「テント劇場」より 盗まれた欲情
監督:今村昌平
企画:大塚和
原作:今東光
脚本:鈴木敏郎
撮影:高村倉太郎
照明:大西美津男
録音:橋本文男
美術:中村公彦
編集:中村正
殺陣:大内龍生
舞踊:水木辰之助
所作指導:沢村門之助
音楽:黛敏郎
製作主任:栗橋正敏
助監督:浦山桐郎
出演:長門裕之、香月美奈子、南田洋子、滝沢修、西村晃、高原駿雄、小笠原章二郎、小沢昭一、柳沢真一、喜多道枝、菅井きん、仲谷昇、武智豊子、河上信夫、小池朝雄(Na)
1958年日本・日活/日活スコープ(シネスコサイズ)モノクロ92分35mmフィルム
テント劇場より 盗まれた欲情-DVD-

盗まれた欲情盗まれた欲情
高原駿雄、長門裕之、西村晃            「テント劇場」より 盗まれた欲情

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