映画「悪名無敵」

悪名無敵
「悪名無敵」田宮二郎、勝新太郎
悪名無敵悪名無敵
勝新太郎                        田宮二郎

今回は田中徳三監督1965年製作「悪名無敵」をピックアップする。
全15作が製作された勝新太郎さんと 田宮二郎さんのコンビが冴える”悪名シリーズ”の第11作になる。
今作の舞台は大阪であるが、逃避行は石川県の粟津温泉でロケーション撮影を行っている。このシリーズの面白さにキャスティングが良い事が挙げられるが、女親分役に藤村志保さん、売春婦役に八千草薫さんとは意表を付いていた。私は東映の任侠映画も観るが、拳銃と血糊を使わない明るい人情喜劇の”悪名シリーズ”も良いと思う。

悪名シリーズ

悪名無敵悪名無敵
八千草薫                         藤村志保

【訃報・追記】
映画・テレビに日本を代表する名女優として活躍した八千草薫さん(本名・谷口瞳)が2019年10月24日、午前7時45分、すい臓がんのため、都内の病院で亡くなっていたことが28日、分かった。88歳だった。遺志に沿ってこの日、少数の親しい関係者が集まる中、荼毘(だび)に付された。本人の希望により、お別れの会も開かれないという。関係者によると、亡くなる約2時間前まで、意識はしっかりしていたという。24日、午前6時ごろに看護士が朝の検診で病室へ。「変わったことは特にないわ」などと穏やかな会話が交わされ後、しばらくして、容体が急変。7時45分に帰らぬ人となった。

【ストリー】
悪名コンビの朝吉と清次は、スケコマシの常公に騙されて連れていかれた、家出娘お君を探して、夜のジャンジャン横丁にやって来た。案の定お君は売春組織の毒牙にかかり、すでに客をひかされていた。一計を案じた朝吉は何くわぬ顔でポン引常公の案内で、お君の客となった。一方の清次も、同じ宿の女朱実と一時を過した。女たちの悲しい境遇を知りお君と朱実を逃がす覚悟を決めた朝吉は、先に清次とお君を裏口から逃がし、みずからも得意の頭突きで追手をけちらして朱実とともに逃げだした。しかし清次はどうやらお君だけは逃がしたものの、自分は追手のライフル銃で負傷し捕まってしまった。そんなこととは知らぬ朝吉は、姿を見せぬ清次に心を残しながらも、常公、朱実を更生させようと、北陸のとある温泉場に向った。しかし表面は朝吉に従順な常公だったが、本心は朱実を大阪に連れもどそうとしていた。が、そんなこととは露知らず、朝吉は二人を連れて、片山津温泉にやってきた。そこで朝吉は素性の知れぬ女百合子に誘われるまま百合子と一夜を過ごした。が、翌日、百合子はかかってきた電話にあやつられるように姿を消した。朝吉も大阪へ帰り、すぐ先に帰した常公と朱実を下宿に訪ねた。だが今は二人の姿はなく、やくざ新湊組が手ぐすね引いて朝吉を待ちかまえていた。一方の清次は持前の弁舌で、今は新湊組にとりいりポン引をやっていたが、朝吉の危急を聞いて朝吉のもとにかけつけた。朝吉、清次らをとりまいた新湊組の先頭には、あの片山津の女百合子がいた。百合子は新湊組の女親分だったのだ。朝吉や清次の説得も功も奏せず、今やこれまでと二人は鉄挙をうならせた。が多勢に無勢、二人は力尽きあわやと思われた時、朝吉の侠気にうたれて改心した常公が、火を吹くガス熔接器を片手に助けにきた。形勢は逆転した。金を積んで許しを乞う新湊組に、札束をたたき返した朝吉は、百合子に売春組織を解散させることを約束させ、清次とともに、朝日の輝く街を去っていった。

悪名無敵悪名無敵
大杉育美                        千波丈太郎
悪名無敵悪名無敵
勝新太郎、花澤徳衛                 八千草薫、勝新太郎

題名:悪名無敵
監督:田中徳三
企画:財前定生
原作:今東光
脚本:依田義賢
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:大角正夫
音効:倉嶋暢
美術:内藤昭
装置:川口隆
擬斗:楠本栄一
編集:山田弘
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:吉岡徹
助監督:太田昭和
スチール:西地正満
出演:勝新太郎、田宮二郎、八千草薫、藤村志保、大杉育美、千波丈太郎、花澤徳衛、藤岡琢也、春戸田皓久、水原浩一、山本富士夫、平泉征七郎
1965年日本・大映/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
悪名無敵 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

映画「座頭市あばれ凧」

座頭市あばれ凧座頭市あばれ凧
勝新太郎                         久保菜穂子

今回は池広一夫監督1964年製作「座頭市あばれ凧」をピックアップする。
本作は、“座頭市”シリーズ”第7作目になる。初めて甲州路に足を踏み入れた座頭市が、人情味のある仏の文吉と欲の深い安五郎の対立に、善悪明確なキャラクターの対立構図で物語を分かり易くしている。

座頭市シリーズ

座頭市あばれ凧座頭市あばれ凧
渚まゆみ                         遠藤辰雄
座頭市あばれ凧座頭市あばれ凧
江田島隆                        五味龍太郎

【ストリー】
甲州の宿場外れで功名心に燃えた旅のやくざ清六(江田島隆)から、鉄砲で射たれた座頭市(勝新太郎)は、彼を救い治療費までおいて行った名も知らぬ恩人を追って鰍沢へと旅発った。鰍沢は富士川を挟んで、津向の文吉(香川良介)と竹屋の安五郎(遠藤辰雄)が対立していた。文吉は、今年も河原で花火をあげて近在の人々を喜ばせようと、江戸の花火師久兵衛(左卜全)を招き、姉娘お国(久保菜穂子)を迎えにやったのだが、市を救ったのはこのお国であった。鰍沢についてこれを知った市は、お国に厚く礼を言い、自分はしがない按摩として文吉の家に厄介になった。吃安と仇名さる安五郎は、妹お仙(毛利郁子)が代官の妻、という立場を利用して、文吉の縄張りを狙い、ことある毎に文吉に因縁をつけていた。だが、柔和な文吉は取り合わず、血気にはやる乾分をなだめていた。そんなところに清六が文吉の家に帰って来た。清六は文吉の息子で、親姉妹にさんざんの迷惑をかけて出奔していたのだった、清六は市をみてびっくりした。彼は渡世人の中で名高い座頭市を討って、男をあげようとしたのだ。だが、盲目の市は清六と会っても己を射った人間だとは、知る由もなかった。この清六が、吃安の罠にかかって捕えられた。縄張りをよこすか、清六の命かというかけあいに、市は密かに吃安宅に侵入し無事清六を救出した。吃安は、風のごとく清六を擢っていった按摩が、兇状持で有名な座頭市と知って、代官所に座頭市召捕りの願いを出した。それを知った文吉は、市の身辺を慮って、事情を明かさず早立ちさせた。邪魔者の市が去ったとみるや、吃安一家は、用心棒の天玄(五味龍太郎)を先頭に、文吉宅に殴り込みをかけた。不意討ちをうけた清六、文吉はてもなく倒された。だが、戦勝に酔う吃安宅に疾風のごとく現われたのは、怒りに身をふるわせた座頭市の姿であった。

座頭市あばれ凧座頭市あばれ凧
毛利郁子、勝新太郎                勝新太郎、左卜全
座頭市あばれ凧座頭市あばれ凧
勝新太郎                      座頭市あばれ凧

題名:座頭市あばれ凧
監督:池広一夫
企画:久保寺生郎
原作:子母沢寛
脚本:犬塚稔
撮影:竹村康和
照明:加藤博也
録音:大角正夫
音効:倉島暢
美術:西岡善信
装置:木村重雄
擬斗:宮内昌平
編集:谷口孝司
音楽:池野茂
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:小沢宏
色彩技術:野本一雄
スチール:藤岡輝夫
出演:勝新太郎、久保菜穂子、渚まゆみ、五味龍太郎、香川良介、遠藤辰雄、杉田康、毛利郁子、中村豊、左卜全、香川良介、江田島隆、水原浩一
1964年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
座頭市あばれ凧 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

映画「座頭市喧嘩旅」

座頭市喧嘩旅座頭市喧嘩旅
勝新太郎                     勝新太郎、藤村志保

今回は安田公義監督1963年製作「座頭市喧嘩旅」をピックアップする。
本作は“座頭市”シリーズ”第5作目になる。豪商の娘お美津(藤村志保)を助けて江戸に送る事になった座頭市がヤクザの抗争に巻き込まれるといった内容だが、悪名シリーズでモートルの貞の女房役を演じている藤原礼子さんの悪女ぶりが良かった。勝新太郎さんの殺陣は鋭く迫力があり、“座頭市”シリーズ”の魅力でもある。

座頭市シリーズ

座頭市喧嘩旅座頭市喧嘩旅
藤原礼子                     勝新太郎、藤村志保

【ストリー】
今では、やくざ仲間に勇名をはせる座頭市(勝新太郎)は、一人旅の途中、堂山支家の喜助(越川一)という男に呼びとめられ、近く持ち上る下妻一家との喧嘩に手を貸してくれと懇願された。これを見ていたのが、喧嘩相手の下妻一家の助っ人を探していた岬の甚五郎(島田竜三)という男であった。三人の浪人に、座頭市と喜助を斬るように、さしむけたが、喜助の惨殺に怒った市の、居合斬りにあい、甚五郎は情婦お久(藤原礼子)と共にその場を逃れた。再びあてのない旅に出た座頭市は、そこで、お屋敷勤めをするお美津(藤村志保)を、武士の手から救った。お美津は手篭めにしようとした若殿に抵抗し怪我をさせたことで、追われていたのだ。が、仕込杖をもち無気味な按摩やくざの姿は、美しいお美津にとって気味悪い存在であった。ある旅篭に泊った時のこと、今は夫婦同然の甚五郎とお久が、このお美津に目をつけ、宿賃稼ぎに、お美津をおかみにさし出そうと企んだが、目あき以上にカンのよい座頭市に気づかれ、失敗に終った。お美津の心の中に、酷いが誠意をつくしてくれる座頭市への信頼感が高まっていった。翌日、お美津を追う藩士を得意の居合い斬りで倒した座頭市は、追う者もいなくなったお美津を好人物の老人夫婦に託して別れをつげた。思慕を隠そうともせず、「一緒に連れていって」とたのむお美津を、片輪者の宿命を負った座頭市は、全て甘い夢とふりきって去っていった。跡をつけていた甚五郎は時機到来とお美津をさらって藤兵衛(沢村宗之助)の所へと連れこんだ。一方座頭市は、堂山一家にワラジをぬぎ、喧嘩の矢面に立つことになった。当日、静りかえった宿場に向いあった、下妻一家と堂山一家。とその一瞬、座頭市のすぐ側で“市さん”と呼ぶお美津の嘆声が! わが耳を疑う座頭市に、せせら笑いながら取引を持ちかける甚五郎の声が非情に響いた。

座頭市喧嘩旅座頭市喧嘩旅
勝新太郎「座頭市喧嘩旅」

題名:座頭市喧嘩旅
監督:安田公義
企画:久保寺生郎
原作:子母沢寛
脚本:犬塚稔
撮影:本多省三
照明:美間博
録音:長岡栄
音効:倉島暢
美術:西岡善信
装置:林米松
擬斗:宮内昌平
編集:菅沼完二
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所
製作主任:村上忠男
助監督:西沢鋭治
色彩技術:梶谷俊男
スチール:西地正満
出演:勝新太郎、藤村志保、島田竜三、藤原礼子、中村豊、吉田義夫、沢村宗之助、丹羽又三郎、水原浩一、杉山昌三九、寺島貢、寺島雄作、堀北幸夫、木村玄、越川一
1963年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
座頭市喧嘩旅 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

座頭市喧嘩旅座頭市喧嘩旅
座頭市喧嘩旅                      勝新太郎

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