映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」

男はつらいよ お帰り 寅さん男はつらいよ お帰り 寅さん
吉岡秀隆                        後藤久美子

2019年12月27日に全国公開された山田洋次監督「男はつらいよ お帰り 寅さん」をTOHOシネマズ府中スクリーン8で30日に観て来た。本作はいわゆる総集編ではなく、満男(吉岡秀隆)と家族、初恋の人だったイズミ(後藤久美子)の現在形の中に寅次郎(渥美清)を思い起こすという内容だ。寅次郎(渥美清)の出演シーンは過去の48作からの4Kスキャンであり、無理な設定をせずに吟味して繋がれているのに好感が持てた。実写もデジタルシネマで撮影されている事と相まってトーンの統一が図られている。(少々Yが残ってたが)館内はシニア層の観客が圧倒的だったが、何故か渥美清さんが出てくるだけで笑いが起きる。今も寅次郎は映画の中で生き続けているなと実感した。

作品リスト

男はつらいよ お帰り 寅さん男はつらいよ お帰り 寅さん
美保純、倍賞千恵子、桜田ひより、佐藤蛾次郎       吉岡秀隆、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟

【ストリー】
小説家になる夢が叶った満男(吉岡秀隆)は、亡くなった妻の七回忌の法要で久しぶりに葛飾にある実家を訪れる。親戚がかつて営んでいた団子屋「くるまや」はカフェに生まれ変わっていたが、家族や親戚は昔と変わらず、満男は法事のあと、彼らとの会話に花を咲かせるなかで伯父・寅次郎(渥美清)との日々を思い出す。そんなある日、書店で新作のサイン会を行う満男の前に、初恋の相手イズミ(後藤久美子)が姿を現す。

男はつらいよ お帰り 寅さん男はつらいよ お帰り 寅さん
後藤久美子、吉岡秀隆、浅丘ルリ子           池脇千鶴、吉岡秀隆

題名:男はつらいよ お帰り 寅さん
監督:山田洋次
製作:深澤宏
原作:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
撮影:近森眞史
照明:土山正人
録音:岸田和美
美術:倉田智子、吉澤祥子
美術監修:出川三男
音楽:山本直純、山本純ノ介
オープニング主題歌:桑田佳祐 主題歌:渥美清
編集:石井巌 、 石島一秀
撮影機材:アリフレックス アレクサ
現像・4Kスキャン:東京現像所
出演:渥美清、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、後藤久美子、桜田ひより、夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純、佐藤蛾次郎、池脇千鶴、笹野高史、橋爪功、小林稔侍、濱田マリ、竹山隆範
2019年日本・松竹/シネスコサイズ・カラー115分デジタルシネマ
公式サイト

男はつらいよ お帰り 寅さん男はつらいよ お帰り 寅さん
倍賞千恵子、美保純、桜田ひより              渥美清

映画「万引き家族」


リリー・フランキー                      安藤サクラ、樹木希林

今回は、2018年6月8日に全国公開(329館)された是枝裕和監督2018年製作「万引き家族」を25日にTOHOシネマズ府中スクリーン1で観て来た。カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した事もあり、劇場は混んでいた。
是枝監督作品は「幻の光」しか観た事はないが、本作に限らず国内外で高い評価を得ている事を承知している。
監督の言う「血の繋がりについて、社会について、正義について、10年間考え続けてきた事」全てを込めた本作は、年金不正受給問題、育児放棄、子供への虐待、ギャンブル依存症、雇い止め、労災事故=自己責任 等々、現代日本社会が抱え、見え隠れする問題を凝縮したプロットで構成され、祖母の年金を頼りに、足りないものを万引きで賄っている一家が、実親から虐待を受ける少女を迎え入れた事を契機に、この疑似家族は離散するといった鋭い内容だ。
本作のテーマ、演出、配役、角川大映スタジオにセットを組んだ美術も大変素晴らしいものになっているが「青という色を印象的に組み込んで行きたい」という監督のオーダーが、フィルムで撮影しているにも係わらずデジタルシネマカメラ特有の貧弱なトーンに寄って見えたのが残念だ。私は、映像が死んでいる様に見えた。
作品自体は上質の芝居で救われているが、画はとても「幻の光」には及ばない。
しかしながら是枝監督は「映画がかつて、国益や国策と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさな様ですが、この様な平時においても公権力(保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています」と現政権のエセ祝意を拒否した事は、絶対に支持したい。
また本作が文化庁の製作助成金を受けている事から矛盾する等と言う批判は、全く当たらない。
現政権に迎合して助成を貰った訳ではない。加計学園じゃないんだよ!
かつて世界が認めた日本映画、今の惨憺たる日本映画での超希少な文化的価値からであり、私たちの税金が、有効に正当に使われた事に他ならない。


松岡茉優                                                                   城桧吏

【追記・訃報】
女優の樹木希林(きき・きりん、本名・内田啓子=うちだけいこ)さんが、2018年9月15日、午前2時45分、東京都渋谷区の自宅で死去したことがわかった。75歳。東京都出身。樹木さんは、1961年に文学座付属演劇研究所に入り、「悠木千帆」名義で女優活動をスタート。1964年に森繁久彌さん主演のテレビドラマ「七人の孫」にレギュラー出演し、一躍人気を集めた。個性派女優として多くのドラマ、映画、舞台に出演。74年に放送されたドラマ「寺内貫太郎一家」(TBS系)で小林亜星が演じた主役の貫太郎の実母を演じるなど20代から老人の役を演じ、出演するドラマ、映画などでは、その老け役が当たり役となった。
[2018年9月16日 16:49 配信スポニチアネックス]

【ストリー】
再開発が進む東京の下町のなか、ポツンと残された古い住宅街に暮らす一家。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、生活のために“親子”ならではの連係プレーで万引きに励んでいた。その帰り、団地の廊下で凍えている幼い女の子を見つける。思わず家に連れて帰ってきた治に、妻・信代(安藤サクラ)は腹を立てるが、ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことから境遇を察し、面倒を見ることにする。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らす一家は、JK見学店でバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉)、新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていたが……。


松岡茉優、佐々木みゆ                                      安藤サクラ、佐々木みゆ

題名:万引き家族
監督:是枝裕和
製作:石原隆、依田巽、中江康人
脚本:是枝裕和
撮影:近藤龍人
照明:藤井勇
録音:冨田和彦
音効:岡瀬晶彦
美術:三ツ松けいこ
装飾:松葉明子
衣装:黒澤和子
化粧:酒井夢月
配役:田端利江
編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣
プロデューサー:松崎薫、代情明彦、田口聖
アソシエイトプロデューサー:大澤恵、小竹里美
ラインプロデューサー:熊谷悠
製作担当:後藤一郎
助監督:森本晶一
撮影助手:小林拓、大和太、和田笑美加、熊﨑杏奈
撮影機材:ARRICAM ST,ALEXA Mini (三和映材社)
レンズ:Leica Summicron-C
フイルム:イーストマンコダック ( VISION3 500T,5219)
現像:イマジカウェスト  スキャニング:CINE VIVO
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、城桧吏、佐々木みゆ、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、高良健吾、池脇千鶴、柄本明
2018年第71回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞。
第36回ミュンヘン国際映画祭シネマスターズ・コンペティション部門ARRI/OSRAM賞(外国語映画賞)を受賞。
2019年第44回セザール賞外国映画賞を受賞(フランス)

2018年日本・AOI Pro.(葵プロモーション)/ビスタサイズ・カラー120分35mmフィルム
万引き家族 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


リリー・フランキー、安藤サクラ                                   万引き家族