映画「またの日の知華」

またの日の知華またの日の知華
「第一章 知華と良雄」吉本多香美         吉本多香美、田中実

今回は原一男監督2004年製作「またの日の知華」をピックアップする。
本作は、知華というキャラクターを四人の女優が演じる構成なので、オムニバス映画ではないが、1970年代のニュース・フィルムを挿入しながら激動の時代を奔放に生きた女性・知華の生き様をテーマにしている。原監督は、劇映画初作品であるが「極私的エロス・恋歌1974」で紹介した様に、今村昌平監督、浦山桐郎監督や日活出身のキャメラマン姫田真佐久氏に師事して劇映画の礎は仕上がっている。だから本作を”ドキュメンタリー作家が作った劇映画”というのは当たらない。むしろ、台詞で説明したり、画解きをするベタなステロタイプを用いず、映像で語っているのが、原一男監督らしく素晴らしい作品だ。私は、桃井かおりさんのニュートラルな情念の演技に感動した。

※原一男監督作品についてはこちらをご覧下さい。

またの日の知華またの日の知華
「第二章 知華と和也」渡辺真起子        田辺誠一、渡辺真起子

【ストリー】
「第一章 知華と良雄」
元機動隊員の良雄(田中実)は、60年安保闘争時に身も心も傷付いていた。そんな良雄にとって従妹の知華(吉本多香美)は、いつも眩しい存在だった。知華は、自分が母の不義の子であることから、自分と良雄は実の兄弟ではないかという幻想にとらわれていた。大会中の事故がもとで体操選手となる夢を断念し、中学校の体育教師となった知華と、良雄は結婚する。東京での新生活が始まり、1969年1月、全共闘運動で揺れる東京で、知華は純一を出産する。教師として、母として、妻として、懸命に生きようとする知華。そんな矢先、良雄が結核と診断され、入院を余儀なくされる。
知華:吉本多香美 良雄:田中実
「第二章 知華と和也」
良雄が療養所に入院中、郷里の母校に勤めるようになった知華(渡辺真起子)に、新任体育教師、和也(田辺誠一)が接近してくる。和也の亡父は少女時代の知華の後援者であり、父の遺した8ミリフィルムに映る知華の映像に、和也は焦がれつづけていた。和也に求められ、知華は夫の留守に耐える妻の殻を脱ぎ捨てて、性の悦びに浸る。1972年正月、自宅療養を許された良雄が帰ってくる。和也との仲が噂になり、退職届を出した日の夜、知華は嫉妬に駆られた和也に呼び出され、モーテルへ行く。良雄は無言で送り出し、テレビを点ける。連合赤軍あさま山荘事件が映し出されていた。
知華:渡辺真起子 和也:田辺誠一
「第三章 知華と幸次」
知華の教え子、幸次(小谷嘉一)は、姉の率いるアナーキーなゲリラグループに属していた。アジトが内ゲバで襲われた夜、幸次は知華(金久美子)と再会する。かつて、生意気な転校生だった幸次を、暴力的な男性教師からかばったのも知華だった。教職を辞した後、知華は借金取りに追われるように単身で上京していた。レズビアンの姉に複雑な思いを抱きつつ、知華を慕うようになる幸次。和也から手切金を受け取った知華は、アジトを襲撃されて行き場のなくなった幸次を連れて、豊川に住む幸次の祖母の元に身を寄せる。1974年8月、手筒花火の大役をやり遂げた幸次は、東京丸の内での過激派による爆破事件に衝撃を受ける。その夜、知華と幸次は結ばれる。しかし、ふたりで南の島に旅立とうとしたとき、姉が迎えにくる。
知華:金久美子 幸次:小谷嘉一
「第四章 知華と瀬川」
流れ者の瀬川(夏八木勲)は、場末のスタンドバーでの売春の客として、知華(桃井かおり)と出会う。女を刺した前科をもつ瀬川と、知華は深い仲になってゆく。その一方で、和也との生活も続いていた。小学生になった純一が新潟から訪ねてくる度に、知華はどちらかの男性と束の間の親子の時を過ごした。瀬川は、自分が預けていた金を使い込んでしまった知華を、遠い旅に誘う。たどり着いたのは、瀬川の故郷・飛鳥。瀬川が朽ち果てた生家を訪れている間に、知華は純一に電話をかけ、「いっしょに暮らそう」と言う。しかし、電話の向こうからは、つれない返事が返ってくる。岸壁の上で瀬川とたわむれる知華。海には、真っ赤な夕焼けが燃え落ちる。
知華:桃井かおり 瀬川:夏八木勲 リエ:三条泰子 純一:吉岡秀隆「エピローグ」

またの日の知華またの日の知華
「第三章 知華と幸次」金久美子、小谷嘉一

題名:またの日の知華
監督:原一男
企画:原一男
製作:小林佐智子
脚本:小林佐智子
撮影:岡雅一
照明:山川英明
録音:西岡正己
美術:大庭勇人
記録:溝木久子
編集:鍋島惇
音楽:上田亨
撮影機材:映像サービス(AATON16)
フィルム:富士フィルム
現像:東京現像所、SONY P.C.L
プロデューサー:莟宣次
製作担当:平増邦彦
助監督:森宏治
出演:吉本多香美、桃井かおり、渡辺真起子、金久美子、夏八木勲、吉岡秀隆、田中実、田辺誠一、小谷嘉一、三条泰子、根岸季衣
2004年日本・疾走プロダクション/ビスタサイズ(Super16mm)・カラー114分16mmフィルム
またの日の知華 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

またの日の知華またの日の知華
またの日の知華またの日の知華
「第四章 知華と瀬川」夏八木勲、桃井かおり

映画「愛のむきだし」

愛のむきだし愛のむきだし
満島ひかり              CANON XL HDビデオカメラ、スタジオ7+7ヘッド

今回は園子温監督2008年製作「愛のむきだし」をピックアップした。
前回「冷たい熱帯魚」を紹介した時に”他の作品にも興味が湧いた”と思っていたので観る事が出来た。本作はクレジットにある様にHDビデオカメラによる長尺(3時間57分)ドラマだ。使用した機材は、CANON XL H1,XH A1で1/3型3CCD、167万画素有効1440×1080画素のビデオシステムである。本作のレンズ選択は配慮があると思うが、デジタルムービーカメラではないので全編ビデオっぽい。だから回想シーンに8mmフィルムで撮影されたテレシネカットがインサートされているのは痛かった。

センサーvsフィルム
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そして4時間近くの内容は実話と言うが、チープで退屈した。まるでハレンチ学園だ。
冷たい熱帯魚」が良かっただけに残念な仕上がりに落胆した。
しかし俳優陣の布石は素晴らしかった。内容がそうでも演技に見入るシーンはいくつかあった。才能ある監督である事は間違いない。また園子温監督は明快な事を発言されている。その姿勢には同感する。しかし私は、他の園子温監督作品を劇場でなくDVDで観てみようと思った。

愛のむきだし愛のむきだし
西島隆弘                      満島ひかり

【ストリー】
角田ユウ(西島隆弘)は幼いころに母を亡くすが、神父の父・テツ(渡部篤郎)と2人で幸せに暮らしていた。そして、母の思い出を胸に、理想の女性“マリ ア”に出会う日を夢見ていた。ある日、自由奔放で妖艶なサオリ(渡辺真起子)が現れる。テツはサオリに溺れていくが、サオリはテツの元を去る。サオリを失ったテツは人が変わり、神父として、ユウに毎日“懺悔”を強要するようになる。父との繋がりを失いたくないユウは、様々な罪を時には創作して懺 悔した。その中で女性の股間ばかりを狙う盗撮だけは、父に決して許されなかった。しかし、それこそが父への愛だと感じたユウは、盗撮に没頭していく。
ある 日ユウは盗撮仲間とのゲームに負け、女装して女性をナンパすることになる。そして、街でチンピラに絡まれていたヨーコ(満島ひかり)と出会う。ユウにとってヨーコは、探し続けていた“マリア”だった。ヨーコも、女装したユウであ る謎の女・サソリに恋をする。ヨーコと出会って数日後、父がサオリと再婚することになる。サオリは連れ子としてヨーコを連れてくる。ヨーコはサソリに恋し ていたが、ユウのことは毛嫌いする。
女装すれば愛され、兄としては嫌われるユウは混乱し、盗撮を続けていく。そのころ、狂信的な信者を増やし、営利を貪る 新興宗教団体“ゼロ教会”が世間を賑わせていた。
ゼロ教会教祖の右腕・コイケ(安藤サクラ)は角田家に近づく。コイケはユウの行く先々に現れたり、ヨーコ に自分がサソリだと思わせ、家庭の中に入り込んでいく。コイケはユウの盗撮をばらし、ヨーコのユウへの憎悪を増加させる。テツやサオリもコイケに洗脳され ていく。家族の不信感を払拭できず、ユウは家を出る。時が経ち、ユウが家に戻ると、家族やコイケは姿を消していた。ユウは家族を取り戻すため、ゼロ教会へ戦いを挑む。

愛のむきだし愛のむきだし
満島ひかり                    安藤サクラ

題名:愛のむきだし
英題:LOVE EXPOSURE
監督:園子温
原案:園子温
脚本:園子温
撮影:谷川創平
録音:永口靖
照明:金子康博
美術:松塚隆史
殺陣:カラサワイサオ
編集:伊藤潤一
音楽:原田智英 主題歌:ゆらゆら帝国
エグゼクティブプロデューサー:横濱豊行、河井信哉
プロデューサー:梅川治男
キャスティング:石垣光代
アソシエイト・プロデューサー:諸橋裕
ライン・プロデューサー:鈴木剛
特殊メイク:西村喜廣、石野大雅
スタイリスト:松本智恵子
助監督:森倉研弥
出演:西島隆弘、満島ひかり、渡部篤郎、渡辺真起子、安藤サクラ、尾上寛之、永岡佑、中村麻美、清水優
2008年日本・オメガ・プロジェクト/ビデオ・カラー237分HDビデオ
愛のむきだし [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

愛のむきだし愛のむきだし
渡辺真起子、渡部篤郎