映画「北の零年」


吉永小百合                       渡辺謙

今回は行定勲監督2004年製作「北の零年」最悪作品賞をピックアップした。
本作は、明治初期に北海道を開拓した武士たちの姿を時代の変遷と共に描いたもので、15億円の製作費をかけて北海道長期ロケを行った大作だが、脚本が製作委員会に難癖を付けられ悪くなったのか、そもそも元からダメだったのか分からないが、冗長の極みとステロタイプな感動の押し売りに終始した内容で、とても2時間25分の尺数は耐えられない。主演級の名優達や技術スタッフは、15億円の習作に付き合ったに過ぎない作品で、確実に日本映画の劣化を感じずにいられなかった。


石原さとみ                     豊川悦司

【ストリー】
明治3年。庚午事変により、明治政府から北海道移住を命ぜられた淡路の稲田家主従546名。半月に及ぶ船旅の末、静内へと上陸した先遣隊は、家老・堀部賀兵衛(石橋蓮司)と家臣・小松原英明(渡辺謙)を中心に、未開の地に自分たちの国を作るべく理想と希望に燃えていた。だが、様々な困難が彼らの前に立ちはだかる。稲はなかなか育たず、第二次移住団を乗せた船は難破、更に廃藩置県によって彼らの土地が明治政府の管轄となってしまったのだ。絶望の中、英明たちは自ら髷を落とし、新政府には頼らない道を選択。そして、英明は妻・志乃(吉永小百合)と娘・多恵(石原さとみ)を残し、静内でも育つ稲を求めて札幌の農園へと旅立った。ところが、半年以上が経っても英明は帰らず、人々は深刻な食糧不足に見舞われる。志乃に対する風当たりも冷たい。しかし、夫を信じる彼女は、アイヌと共に暮らす謎の男・アシリカ(石原さとみ)や牧畜指導者のダン(アリステア・ダグラス)らに助けられ、危機を乗り越えていくのだった。5年後、志乃と多恵はダンのアドヴァイスを受けて牧場を経営。かつての家臣たちは、詐欺紛いの手口で権力を手にした元商人の戸長・倉蔵(香川照之)の下、政府の役人となっていた。そんなある日、英明が開拓使の役人として戦の為の馬の徴用にやって来る。5年前、札幌に辿り着いたものの病に倒れた彼は、命を救ってくれた人と再婚し、今は三原と名乗って新しい生活を送っていたのだ。動揺を禁じえない志乃は、しかし英明の立場を思い、馬を差し出す決意をする。とその時、人々が英明の行く手を阻み、箱館戦争の残党であったアシリカこと高津政之が馬を放った。折しも、イナゴの大群の襲来で稲が全滅。この上、馬を召し上げられては生きる術を失ってしまう。農民たちの命懸けの抵抗だ。果たして、その気迫に押された英明は撤退を余儀なくされ、志乃たちは再び希望を胸に自分たちの国作りに挑むのだった。


石橋蓮司                     北の零年

題名:北の零年
監督:行定勲
企画:遠藤茂行、木村純一
製作:岡田裕介、坂本眞一
脚本:那須真知子
撮影:北信康
照明:中村裕樹
録音:伊藤裕規
音効:柴崎憲治、齋藤昌利
美術:部谷京子
装飾:大庭信正
配役:福岡康裕
衣装:宮本まさ江、長岡志寿、真霜和生、佐藤百合香
技斗:所博昭
記録:工藤みずほ
編集:今井剛
音楽:大島ミチル 音楽プロデューサー:北神行雄、津島玄一
撮影機材:パナビジョン
フィルム:イーストマンコダック
現像:東映ラボテック(東映化学)
Fレコ:Arri Media
プロデューサー:角田朝雄、天野和人、冨永理生子
製作:広瀬道貞、塚本勲、後藤亘、鶴田尚正、堀鐵蔵、黒澤満、西村嘉郎、浜本孝久、瀬戸由紀男、権藤満、橋本宗利、菊池育夫、福田貞男、沢田喜代則、深津修一、佐藤陽紀、箱島信一、長野隆、土方清
製作担当:黛威久、小松功
VFXプロデューサー:尾上克郎
VFXスーパーバイザー:道木伸隆
演出補佐:川原圭敬
助監督:大野伸介、宮村敏正
スチール:大木茂
出演:吉永小百合、渡辺謙、豊川悦司、石原さとみ、柳葉敏郎、香川照之、石田ゆり子、石橋蓮司、鶴田真由、平田満、阿部サダヲ、アリステア・ダグラス
2004年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー145分35mmフィルム
北の零年 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


吉永小百合、石原さとみ             北の零年

映画「タンポポ」


「タンポポ」山崎努、渡辺謙、加藤嘉、桜金造、安岡力也

宮本信子                         山崎努

今回は伊丹十三監督1985年製作「タンポポ」をピックアップする。
本作は、売れないラーメン屋を立て直す物語だが、本筋とは無関係ない食にまつわるエピソードが唐突に入り込んで来る構成になっている。モデルとなったラーメン店は、東京荻窪の”佐久信”を下書きにしたとされている。
2008年に本作をオマージュしたロバート・アラン・アッカーマン監督によるハリウッド映画「ラーメンガール(THE RAMEN GIRL)」が制作され、山崎努さんも出演している。

【伊丹十三監督作品】
1984年「お葬式
1985年「タンポポ
1987年「マルサの女
1988年「マルサの女2
1990年「あげまん
1992年「ミンボーの女
1993年「大病人
1995年「静かな生活
1996年「スーパーの女
1997年「マルタイの女
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


「タンポポ」宮本信子

役所広司                        岡田茉莉子

【ストリー】
雨の降る夜、タンクローリーの運転手、ゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)は、ふらりと来々軒というさびれたラーメン屋に入った。店内には、ピスケン(安岡力也)という図体の大きい男とその子分達がいてゴローと乱闘になる。ケガをしたゴローは、店の女主人タンポポ(宮本信子)に介抱された。彼女は夫亡き後、ターボー(池内万平)というひとり息子を抱えて店を切盛りしている。ゴローとガンのラーメンの味が今一つの言葉に、タンポポは二人の弟子にしてくれと頼み込む。そして、マラソンなど体力作り、他の店の視察と特訓が始まった。タンポポは他の店のスープの味を盗んだりするが、なかなかうまくいかない。ゴローはそんな彼女を、食通の乞食集団と一緒にいるセンセイ(加藤嘉)という人物に会わせた。それを近くのホテルの窓から、白服の男(役所広司)が情婦(黒田福美)と共に見ている。“来々軒”はゴローの提案で、“タンポポ”と名を替えることになった。ある日、ゴロー、タンポポ、ガン、センセイの四人は、そば屋で餅を喉につまらせた老人(大滝秀治)を救けた。老人は富豪で、彼らは御礼にとスッポン料理と老人の運転手、ショーヘイ(桜金造)が作ったラーメンをごちそうになる。ラーメンの味は抜群で、ショーヘイも“タンポポ”を町一番の店にする協力者となった。ある日、ゴローはピスケンに声をかけられ、一対一で勝負した後、ピスケンも彼らの仲間に加わり、店の内装を担当することになった。ゴローとタンポポは互いに魅かれあうものを感じていた。一方、白服の男が何者かに撃たれる。血だらけになって倒れた彼のもとに情婦が駆けつけるが、男は息をひきとった。--やがて、タンポポの努力が実り、ゴロー達が彼女の作ったラーメンを「この味だ」という日が来た。店の改装も終わり、“タンポポ”にはお客が詰めかけ、行列が続いた。ゴローはタンクローリーに乗ってガンと共に去っていく。


津川雅彦                         藤田敏八監督

題名:タンポポ
監督:伊丹十三
製作:玉置泰、細越省吾
脚本:伊丹十三
撮影:田村正毅
照明:井上幸男
特機:落合保雄
録音:橋本文雄
音効:斎藤昌利 リーレコ:河野競司
美術:木村威夫
装飾:越智利治
小道具:小俣倉之助、毛尾喜泰
衣裳:小合惠美子、中山邦夫
結髪:小沼みとせり ヘアーメイク:雑賀健治
料理:石森いずみ、小川聖子
配役:笹岡幸三郎
擬斗:高瀬将嗣
記録:堀北昌子
編集:鈴木晄 ネガ編集:荒川鎮雄
音楽:村井邦彦
現像:東洋現像所
撮影機材:パナビジョン(三和映材社)
録音スタジオ:にっかつスタジオセンター
製作担当:川崎隆
製作進行:長田忠彦、岩下真司
演技事務:桜田繁
助監督:白山一城
演出助手:久保田延広、鈴木健二
撮影助手:笠松則通、伊藤栄美、茂呂高志、三森葉子
照明助手:加藤博美、斎藤志伸、町田修一、岡本幸典、関根謙一
録音助手:林大輔、柴山申広、葛木誠
美術助手:丸山裕司
編集助手:米山幹一
グラフィック・デザイン:佐村憲一
スチール:目黒祐司、宮本一郎
出演:山崎努、宮本信子、役所広司、渡辺謙、安岡力也、加藤嘉、桜金造、岡田茉莉子、大滝秀治、津川雅彦、竹内直人、橋爪功、大友柳太朗、黒田福美、藤田敏八、松本明子、池内万平
1985年日本・伊丹プロダクション+ニュー・センチュリー・プロデューサーズ/ビスタサイズ・カラー115分35mmフィルム
タンポポ -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


タンポポ

映画「陽はまた昇る」

陽はまた昇る陽はまた昇る
渡辺謙、西田敏行                 西田敏行、真野響子

今回は佐々部清監督2002年製作「陽はまた昇る」をピックアップする。
本作は、家庭用ビデオテープ規格競争の最中、VHSの開発プロジェクトの実話を描いたものだが、日本ビクター、ソニー、松下電器産業(現:パナソニック)など実名会社が出て来る。特に松下電器産の松下幸之助氏のエピソードは興味深い。

陽はまた昇る陽はまた昇る
西田敏行、緒形直人                   渡辺謙

当時ソニーが開発したベータマックス(BETAMAX)と多数が占めるVHSがあったが、家庭用ビデオテープの規格はVHSが主流となり、ベータマックスの規格 は、ベーカム(BETACAM)として3~6倍の速度に上げてハイビジョン(HD)が登場するまで、放送用ENGカメラの主流となった。今は家庭用ビデオテープは姿を消し、DVDまたはBlu-rayが主流となり、日本発の映像規格は無くなった。

※DVDはVHSと同等の画質で133分の録画が可能となる4.7GB(片面一層)の容量が収まる。
※Blu-ray(ブルーレイ)は25GB(片面一層)の容量が収まり、DVDより画質は向上した。

陽はまた昇る陽はまた昇る
西田敏行、仲代達矢、渡辺謙

【ストリー】
1970年代前半、それまで右肩上がりだった日本経済が初めてマイナス成長に陥った。そんな中、家電メーカー業界8位の日本ビクター本社開発部門に勤める開発技師・加賀谷に、事業部長として赤字続きの非採算部門である横浜工場ビデオ事業部への異動と大幅な人員整理の厳命が下る。だが、人材こそ何よりの財産と考える加賀谷は、ひとりの解雇も出さないために極秘のプロジェクト・チームを結成。本社に悟られぬようにしながら、家庭用VTRVHSの開発に着手する。ところが数年後、家電メイカーの雄・ソニーがベータマックスを発表。足踏み状態の続くビデオ事業部は崖っぷちに立たされるが、それでも彼らはVHSに夢と希望を託し開発を続けた。そして、遂にベーターマックスを超える録画が可能な試作機が完成する。しかし、その時既にベータマックスは国内規格として採用されようとしていた。このままでは、自分たちの努力が水泡に帰してしまう。そこで加賀谷は大阪へ向かい、親会社である松下電器相談役・松下幸之助にVHS方式の採用を直訴。果たして、加賀谷の願いは聞き入れられ、その結果、ひとりの解雇者も出さずにVHS方式のプレイヤーの販売にこぎ着けることに成功するのだった。その後、加賀谷は脳梗塞で倒れた妻の世話のために、定年を前に退職を決めた。最後に彼が工場を訪れた時、従業員たちはVHSの人文字で彼を送った。

陽はまた昇る陽はまた昇る
緒形直人、篠原涼子                   夏八木勲

題名:陽はまた昇る
監督:佐々部清
企画:坂上順、西村元男
製作:高岩淡
原作:佐藤正明「映像メディアの世紀」
脚本:佐々部清、西岡琢也
撮影:木村大作
照明:礒野雅宏
録音:高野泰雄
音効:佐々木英世、西村洋一
美術:福澤勝広、新田隆之
装飾:若松孝市
衣裳:山田夏子
記録:石山久美子
編集:大畑英亮
音楽:大島ミチル 挿入歌:「わたしの彼は左きき」麻丘めぐみ
フィルム:イーストマンコダック
現像:東映化学
製作担当:林周治
助監督:瀧本智行
撮影効果:南好哲、渡辺孝
撮影応援:加藤雄大、佐々木原保志、林淳一郎
プロデューサー:厨子稔雄、小松茂明
ラインプロデューサー:菊池淳夫
音楽プロデューサー:北神行雄 、 津島玄一
スチール:阿部昌弘
出演:西田敏行、渡辺謙、緒形直人、真野響子、倍賞美津子、田山涼成、國村隼、津嘉山正種、仲代達矢、中村育二、石田法嗣、石丸謙二郎、石橋蓮司、新克利、樹音、篠原涼子、江守徹、蟹江一平、夏八木勲、加藤満、永倉大輔、井川比佐志、崔哲浩
2002年日本・東映/ビスタサイズ・イーストマンカラー108分35mmフィルム
陽はまた昇る [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

陽はまた昇る陽はまた昇る
倍賞美津子

陽はまた昇る陽はまた昇る
VHS第四次試作機                 撮影:木村大作氏

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