映画「トラック野郎 御意見無用」


「トラック野郎 御意見無用」菅原文太

菅原文太、中島ゆたか                愛川欽也

今回は鈴木則文監督1975年製作「トラック野郎 御意見無用」をピックアップする。
本作はシリーズ化の予定はなかったが、興行収入が約8億円を記録した大ヒットとなり、シリーズ化が急遽決定した経緯がある。10作品(1975~1979年)は全て鈴木則文監督が担当されている。日本全国津々浦々を走る長距離トラック(白ナンバー)運転手、”一番星”こと星桃次郎(菅原文太)と”やもめのジョナサン”こと松下金造(愛川欽也)は、子沢山の相棒。この二人が全国各地で起こす珍道中を描いている。
シリーズ全10作に通ずる基本的なストリー雛形は、桃次郎が目の前に現われたマドンナに一目惚れをし、相手の趣味や嗜好に合わせ積極的にアタックして行く。一方、個性の強いライバルトラッカーが現われ、ワッパ勝負(トラック運転での勝負)や1対1の殴り合いの大喧嘩を展開する。そしてと松下君江(春川ますみ)を始めとするジョナサン一家、女トラッカー、ドライブインに集う多くのトラック野郎達等を絡ませ、人情味あふれるキャラクター・桃次郎を中心に様々な人間模様が綴られる。

トラック野郎シリーズ


夏純子                    愛川欽也、菅原文太、湯原昌幸

【ストリー】
日本列島一人旅と意気がる11トントラックの運転手・星桃次郎(菅原文太)は、家を持たず金財産をトラックに注ぎ込んでいる。そんな桃次郎の世話を何かと焼いているのが未亡人運転手のモナリザお京(夏純子)。桃次郎の相棒は4トン半の松下金造(愛川欽也)で、金造は川崎の安アパートに女房君江(春川ますみ)と息子4人娘3人の9人家族で住んでいる。桃次郎と金造は、東北のドライブ・インで新顔ウェイトレスの洋子(中島ゆたか)を知り、桃次郎は洋子に一目惚れ。桃次郎がストリップ小屋で知り合った調子者の万田千吉(湯原昌幸)を助手にしたことから金造との仲がおかしくなった。そんな時、西日本一を誇る関門のドラゴンと称する竜崎勝(佐藤允)が、桃次郎の飾りとハンドル裁きに挑戦して来た。勝は偶然にもお京の兄だった。車体の飾りは互角だったが、スピード競争は千吉が桃次郎の足を引っぱり負けてしまった。このレースの後、千吉が金造の悪口を言ったために、怒った桃次郎は彼を破門にした。桃次郎と金造の友情が回復したある日、3歳になる捨て子を拾った二人は、その子が“ねぶた祭り”を記憶しているので青森まで親捜しに出かけた。何とか子供の身元を探し当てたが、子供の父が土木工事の事故で数日前に死んでしまっていた。ところが、かつてはトラック運転者だったその子供の父が日雇い作業員になった原因というのが、花巻の鬼代官と運転手たちに恐れられていた警察官、つまりかつての金造の執拗な取締りに引っかかったからだった。責任を感じた金造は、暴走して台貫場へ突っ込み、重傷を負った。その金造を見舞いに来た洋子が、桃次郎に自分の身上話をした。彼女には明(夏夕介)という婚約者がいるが、彼が車の人身事故を起こし賠償金の負担の重さに挫折してしまったというのである。そして、4時間後に明が漁船で日本を脱出するのだ。洋子に恋を囁こうとした桃次郎だったが、彼女に明との再起を促すと、彼女を乗せて漁港までフルスピードで突っ走るのだった。


春川ますみ                       佐藤允

トラック野郎 御意見無用

題名:トラック野郎 御意見無用
監督:鈴木則文
脚本:鈴木則文、澤井信一郎
企画:高村賢治
撮影:仲沢半次郎
照明:山口利雄
録音:内田陽造
美術:桑名忠之
装飾:米沢一弘
装置:井保国夫
美粧:住吉久良蔵
擬斗:日尾孝司
衣裳:内山三七子
美容:花沢久子
技斗:日尾孝司
記録:勝原繁子
編集:田中修
音楽:木下忠司 主題歌:菅原文太、愛川欽「一番星ブルース」
進行主任:堀賢二
助監督:馬場昭格
演技事務:山田光男
現像:東映化学
スチール:藤井善男
出演:菅原文太、愛川欽也、中島ゆたか、夏純子、湯原昌幸、春川ますみ、佐藤允、宇崎竜童、鈴木ヒロミツ、安岡力也、小松方正、夏夕介、由利徹、大泉滉、芹明香
1975年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー98分35mmフィルム
トラック野郎 御意見無用 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ダウン・タウン・ブギウギ・バンド

トラック野郎 御意見無用」中島ゆたか、夏夕介

映画「誘拐報道」

誘拐報道誘拐報道
萩原健一                     小柳ルミ子

今回は伊藤俊也監督1982年製作「誘拐報道」をピックアップする。
本作は、1980年に発生した宝塚市学童誘拐事件を描いた読売新聞大阪本社社会部編の同名ドキュメンタリーを基に作られた。
伊藤俊也監督は、小柳ルミ子さんのヒロイン役に固執し、渡辺プロダクションに何度も直訴したそうだが、拘束期間の長い映画には出させられないと断られた。そこで萩原健一さんが小柳さんを説得し、渡辺プロダクションも折れてようやくクランクインが決定した経緯があったそうだ。出演者の豪華な顔ぶれを見ても分かるが、大作である。故にシークェンスが多く散漫な印象を残し、冗長な流れに観る者の緊張が途切れるサスペンスだった。

【追記・訃報】
ドラマ「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」など数々の作品で知られる俳優で、グループサウンズ「ザ・テンプターズ」のボーカルも務めた萩原健一(はぎわら・けんいち、本名・敬三=けいぞう)さんが2019年3月26日午前10時30分、GIST(消化管間質腫瘍)のため都内の病院で死去したことが28日、分かった。68歳。埼玉県出身。所属事務所が発表した。「ショーケン」の愛称で親しまれ、一時代を築いた。
2019年3/28(木) 22:07配信 スポニチアネックス

誘拐報道誘拐報道
小柳ルミ子、萩原健一              秋吉久美子、岡本富士太
誘拐報道誘拐報道
秋吉久美子、岡本富士太               三波伸介

【ストリー】
豊中市の私立学園一年生の三田村英之(和田求由)が、下校途中に誘拐された。県警本部の発表で、犯人が英之少年の父で小児科医の三田村昇(岡本富士太)に三千万円の身代金を要求していることが分かった。各新聞社に“報道協定”の要請があり、子供の生命がかかっているため、各社は受けざるを得なかった。三田村家には遠藤警部(伊東四朗)以下六名の警察官が入り込み、昇や妻の緋沙子(秋吉久美子)と共に電話を待った。武庫川の川原に緋沙子が一人で来るようにとの電話があった。川原には英之の学帽とランドセルが置かれてあった。山岳地帯を貫いて、日本海側へ向かう高速自動車道。早朝の不甲峠を一台のムスタングが通過していく。数刻後、そのムスタングからサングラスの男が降り、公衆電話ボックスに向かった。ダイヤルをまわした先は三田村家。男は今日中に金をそろえるように指示して受話器を置いた。この知らせに大阪読売本社は色めきたった。「協定を結んだ以上、取材・報道は自粛するが、協定解除に向けて取材の準備はおこたりなく!」檄をとばす吉本編集局長(永井智雄)。同じ頃、日本海を見下す断崖の上から、犯人が布団袋に入れた子供を投げすてようとするが、密漁者たちがいるために失敗。その足で犯人=古屋数男(萩原健一)は老母のいる実家へ寄る。そこへ数男の妻・芳江(小柳ルミ子)から電話がかかってきた。芳江は喫茶店をだましとられた数男を助けようと造花工場で働いているのだ。気が弱いくせに見栄っばりな数男は娘の香織(高橋かおり)を私立学園に通わせていた。その香織と英之は同じクラスで仲良しだったのだ。実家を出た数男は再び英之を殺そうとするが、袋の中から「オシッコ!」と訴える英之に小用をさせているうちに殺意はしぼんでいった。途中で財布を落とし、持ち金も無くなった数男は、三田村家に電話を入れ、取り引き場所として宝塚市内の喫茶店を指示。捜査本部はあわただしく動き、記者たちも店を張り込んだ。危険を感じた数男は店に近づかなかった。風邪気味だった英之が悪寒を訴えた。このままでは英之が死んでしまう。焦る数男は、最後の指示を三田村家に伝えた。箕面市のレストランだ。三田村夫婦は警察に張り込まぬように哀願し、レストランの前で待った。しかし、数男は路上に張り込んだ刑事たちの姿を見つけた。万事休すだ。子供が死んでしまう。もう身代金は取れない……。翌朝、路上に停車して呆然としている数男が逮捕された。トランクの中の英之は無事だった。

誘拐報道誘拐報道
平幹二朗                     菅原文太

題名:誘拐報道
監督:伊藤俊也
企画:天尾完次、高井牧人
製作:高岩淡、後藤達彦
プロデューサー:松尾守、瀬戸恒雄
脚本:松田寛夫
撮影:姫田真佐久
照明:山口利雄
録音:林鉱一
音効:原尚
美術:今村力
装置:開米慶四郎
装飾:金田孝夫
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣装:内山三七子
記録:山内康代
編集:戸田健夫
音楽:菊池俊輔
現像:東映化学
進行主任:小島吉弘
助監督:森光正
スチール:加藤勝男
出演:萩原健一、小柳ルミ子、秋吉久美子、岡本富士太、和田求由、宅麻伸、三波伸介、伊東四朗、なべおさみ、丹波哲郎、菅原文太、平幹二朗、大和田伸也、中尾彬、池波志乃、平幹二朗、藤谷美和子、高沢順子、松尾嘉代、湯原昌幸、永井智雄、小倉一郎、藤巻潤、宮内洋、高橋かおり
1982年モントリオール世界映画祭審査員賞
1982年日本・東映+日本テレビ放送網/ビスタサイズ・カラー134分35mmフィルム
誘拐報道 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

誘拐報道誘拐報道
伊東四朗                    萩原健一

映画「男はつらいよ・翔んでる寅次郎」


渥美清、桃井かおり               桃井かおり(マドンナ役)

今回は山田洋次監督1979年製作「男はつらいよ・翔んでる寅次郎」をピックアップする。
第23作となる本作のロケ地は、北海道支笏湖などで行われ、封切り時の観客動員は172万6,000人、配給収入は10億7,000万円だったそうだ。当時のロードショー入場料金は1,300円、併映は「港町紳士録(監督:広瀬襄 出演:友里千賀子、吉幾三、ホーン・ユキ、ハナ肇、谷啓)」であった。


木暮実千代                      布施明

【ストリー】
北海道を旅する寅次郎(渥美清)、ひとり旅の娘・ひとみ(桃井かおり)と知り合い、彼女が旅館のドラ息子(湯原昌幸)の毒牙にかかろうとしているところを救ったことから、一夜の宿を共にすることになった。ひとみはある会社の社長の息子、邦夫(布施明)との結婚をひかえており、何となく気が重く、そのことを寅次郎に話すと、寅次郎から賛沢だとたしなめられる。数日後ひとみと邦夫の結婚式が豪華に行なわれていた。しかし、人形のような花嫁姿に耐えきれなくなったひとみは、ウエディングドレスのまま式場を飛び出し、タクシーに乗ると、思わず、寅次郎から聞いていた“柴又”と言ってしまう。花嫁姿のひとみがやってきて、“とらや”一家は大騒ぎ、そこへ、寅次郎がひょっこり帰ってきた。やがて、ひとみの母・絹子(木暮実千代)がむかえに来るが、ひとみは頑として家に帰ろうとせず、気持が落ちつくまで、ひとまず“とらや”であずかることにした。ひとみの家の者は、彼女が式場から逃げ出したのは、他に好きな人がいて、その相手を寅次郎と誤解していた。その話を、ひとみは笑い話として、報告するが、寅次郎の胸はときめくのだった。ひとみを訪ねて邦夫がやってきた。失恋の経験豊富な寅次郎は、失恋も人生経験のひとつとなぐさめるのだった。それから間もなく、邦夫は近くの自動車修理工場で働き出した。彼はひとみを悪く言う父に反発、家を出て、会社も辞めて、好きなひとみの住む町で暮らそうと決心したのだ。邦夫の知らない一面を見てひとみは心を動かされ、改めて邦夫との結婚を決意する。そして仲人を寅次郎に頼んできた。寅次郎にはつらい話だが、逃げ出すわけにはいかない。やがてひとみと邦夫の結婚式が、区民会館の一室で、ささやかに行なわれた。寅次郎一世一代の仲人役は挨拶用紙をなくして、てんやわんやだったが、結婚式は、心から二人を祝う人々にかこまれて盛りあがり、ひとみの唯一の肉親として出席していた絹子も感激の涙をこらえることができなかった。数日後、例によって、寅次郎は柴又を後に、旅にでるのだった。


湯原昌幸

題名:男はつらいよ・翔んでる寅次郎
監督:山田洋次
企画:高島幸夫、小林俊一
製作:島津清
原作:山田洋次
脚本:山田洋次、朝間義隆
撮影:高羽哲夫
照明:青木好文
録音:中村寛
調音:松本隆司
美術:出川三男
編集:石井巌
音楽:山本直純 主題歌・唄:渥美清
撮影機材:パナビジョン
フィルム:富士フィルム
現像:東京現像所
製作主任:峰順一
製作進行:玉生久宗
助監督:五十嵐敬司
スチール:長谷川宗平
出演:渥美清、倍賞千恵子、桃井かおり、前田吟、三崎千恵子、太宰久雄、笠智衆、佐藤蛾次郎、下條正巳、布施明、湯原昌幸、木暮実千代、桜井センリ、犬塚弘、上條恒彦、松村達雄
1979年日本・松竹/シネスコサイズ・カラー106分35mmフィルム
公式サイト
男はつらいよ・翔んでる寅次郎 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


下條正巳、倍賞千恵子         前田吟、倍賞千恵子、三崎千恵子、下條正巳

太宰久雄、三崎千恵子、下條正巳       佐藤蛾次郎、桃井かおり、渥美清