映画「玉割り人ゆき」


潤ますみ                                    大下哲矢

今回は牧口雄二監督1975年製作「玉割り人ゆき」「玉割り人ゆき 西の廓夕月楼」をピックアップする。
題名の”玉割り人”とは、廓の娼妓に性技を教える女師匠をいう。原作漫画は、三木孝祐氏の作、松森正氏の画による同名作品を、秋田書店で1974年11月に連載が始まるとすぐに映画化権を東映が買い制作したものだ。主演は「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」で映画デビューした潤ますみさん。本作の上映時間が64分と短いのは、三本立てで封切り公開されたプログラムピクチャーである為である。


「玉割り人ゆき」森崎由紀、潤ますみ

「玉割り人ゆき」森崎由紀、潤ますみ

【ストリー】
昭和初年、京都・島原。当時、遊廓に売られて来た未通女に性技の基本を教え、娼妓には特殊な性技を仕込むセックスの師匠がいた。廓では、彼らを称して“玉割り人”と呼んだ。その玉割り人の中でも、ひときわ美しく、性技にたけた、ゆき(潤ますみ)という女がいた。ゆきは廓の女たちに値をつけるのが毎日の仕事だった。ある日、仕事を終えて帰る途中、警官に追われているアナーキストの森(大下哲矢)から拳銃をあずかった。妓楼扇屋の娼妓小園(八木孝子)の足抜きに失敗した大工の六造(川谷拓三)が捕まった。扇屋の主人万吉(北村英三)は二人の仕置きをゆきに一任した。六造は小園に誘惑されて足抜きしたと言いはり、自分の非を認めない。小園は男衆に両足の親指の生爪を剥がされ、六造は一物を斬り落とされた。その夜、ゆきは飲み屋で偶然に森と出会い、拳銃を返した。そして酒を飲んでいるうちに、ゆきの女を捨てた心は森の男らしさに惹かれていった。ある日、扇屋で女中奉公しているはつえ(森崎由紀)は、森と同じアナーキスト仲間で恋人の正夫(奈辺悟)と数日間共に過ごした。やがて仲間がダイナマイトを買う資金三百円が必要となったために、はつえをダシに扇屋に身代金三百円を請求した。扇屋の主人・万吉の命を受けたゆきは、金を持って出かけるが、彼女を待っていたのは森だった。森はゆきをアジトへ連れて行ったが、六造が二人の後を追っていた。ゆきがはつえを連れ帰って間もなく、アジトへ警官が押入った。逃げのびたのは森と正夫だけだったが、腹に弾を受けた正夫も間もなく死んだ。森はゆきが密告したものと思っていたのだが、ゆきと会って、彼女の真摯なまなざしに真実を知った。二人はいつしか体を重ねた。ゆきは女としての歓びに身を悶えるのだった。数日後、身の危険を感じた森はゆきを連れて東京へ旅立った。しかし、二人を追って来た六造が、森の腹にドスを突き刺した。ゆきのつかの間の幸福も終止符を打った……。


川谷拓三                               潤ますみ、八木孝子

潤ますみ、川谷拓三                                                 森崎由紀

森崎由紀                            玉割り人ゆき

題名:玉割り人ゆき
監督:牧口雄二
企画:三村敬三、奈村協
原作:三木孝祐、松森正
脚本:田中陽造
撮影:塩見作治
照明:海地栄
録音:荒川輝彦
美術:園田一佳
装置:吉岡茂一
装飾:西田忠男
衣装:豊中健
美粧・結髪:東和美粧
擬斗:土井淳之祐
記録:石田照
編集:堀池幸三
音楽:渡辺岳夫
製作主任:大岸誠
助監督:野田和男
スチール:諸角義雄
出演:潤ますみ、森崎由紀、大下哲矢、川谷拓三、北村英三、八木孝子、白川みどり、奈辺悟
1975年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー64分35mmフィルム
玉割り人ゆき -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


玉割り人ゆき 西の廓夕月楼


潤ますみ                                                                             中島葵

今回は牧口雄二監督1975年製作「玉割り人ゆき 西の廓夕月楼」をピックアップする。
低予算の東映ニューポルノである製作費は、前作が500万円、今作が600万円だったそうで、金沢近く
の海岸でロケ2日半、実働12日間で撮影された。最初と最後の橋は物語上では金沢周辺でなくてはならないが、京都木津川流れ橋で撮影されている。


坂口徹、潤ますみ                                                      中島葵、坂口徹

【ストリー】
昭和のはじめ、初夏の頃、ここ北陸の城下町・金沢。玉割り人ゆき(潤ますみ)は、京都の島原から、金沢へと移って来ていた。“玉割り人”とは、遊廓に売られて来た未通女に性技の基本を教え、娼妓に対しては特殊な業を仕込む、セックスの師匠のことである。ある日ゆきは、夕月楼の主人・清次郎(坂口徹)を知った。清次郎は謡曲の神童といわれ、廓の跡継ぎだったにもかかわらず、東京の家元の家に住みついて、能楽界の麒麟児と騒がれていた。ところが、25歳の時に故郷に遊びに帰った時、謡曲師の吉富宗市にいたずら心から謡曲試合を挑み、宗市はみじめにも負けてしまった。宗市は一人娘のお俊(中島葵)を残して自殺、それ以来清次郎は謡を捨てた。清次郎はお俊を一度だけ抱いた。お俊にとって清次郎は忘れられない男となり、新内流しになってからも、清次郎に影のようにつきまとった。ゆきは母の命日に、清次郎が捉えた蝶を放してもらうかわりに彼に抱かれた。清次郎の妹美代(森崎由紀)はゆきに、兄がゆきに惚れたことを告げ、今の自駄落な生活から昔の兄に戻して欲しいと泣きついた。一方、お俊にゆきへの愛を打ち明けた清次郎は、彼女に刃物で腹を刺され、ゆきの家へころがりこんだ。必死に介抱するゆきに清次郎への愛が燃え上がった。美代は兄の仇をとって欲しいと恋人の将校・上原(成瀬正)に頼んだ。上原は部下に命じてお俊を襲わせ輪姦させた。ゆきは足を洗って清次郎と世帯を持とうと決心、清次郎も東京に出て謡の修業に賭けようとした。新入の女郎として廓に出ることになったお俊に、清次郎は別れを告げ、金包みを渡そうとした。お俊は、お金よりも、もう一度だけ抱いて欲しい、と言った。激しく喘ぎ燃えるお俊。そして、別れの盃を二人は同時に呷った。これが二人の最後であった……。清次郎との思い出深い金沢を、ゆきが去ったのは、それから間もなくだった。


中島葵、坂口徹                         中島葵

題名:玉割り人ゆき 西の廓夕月楼
監督:牧口雄二
企画:三村敬三、奈村協
原作:三木孝祐、松森正
脚本:田中陽造
撮影:塩見作治
照明:海地栄
録音:荒川輝彦
美術:竹川輝夫
装置:近藤幸一
装飾:布部栄一
衣装:豊中健
美粧・結髪:東和美粧
記録:森村幸子
編集:神田忠男
音楽:渡辺岳夫
製作主任:俵坂孝宏
助監督:俵坂明康
演技事務:伊駒実麿
スチール:木村武司
出演:潤ますみ、森崎由紀、中島葵、坂口徹、長島隆一、水城マコ、泉ユリ、成瀬正。坂口祐三郎
1975年東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー64分35mmフィルム
玉割り人ゆき 西の廓夕月楼 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

玉割り人ゆき 西の廓夕月楼

映画「まむしと青大将」


菅原文太                        川地民夫

今回は中島貞夫監督1975年製作「まむしと青大将」をピックアップする。
まむしの兄弟シリース”は、東映京都撮影所で1971年から1975年にかけて9作品が、菅原文太さんと川地民夫さん主演で制作された。本作は最終第9作になる。

【まむしの兄弟シリース】
1971年「懲役太郎 まむしの兄弟」監督:中島貞夫
1971年「まむしの兄弟 お礼参り」監督:本田達男
1972年「まむしの兄弟 懲役十三回」監督:中島貞夫
1972年「まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯」監督:中島貞夫
1973年「まむしの兄弟 刑務所暮し四年半」監督:山下耕作
1973年「まむしの兄弟 恐喝三億円」監督:鈴木則文
1974年「まむしの兄弟 二人合わせて30犯」監督:工藤栄一
1974年「極道VSまむし」監督:中島貞夫 主演:若山富三郎 ※コラボ作品
1975年「まむしと青大将」監督:中島貞夫
※各作品のリンクは、予約投稿で表示しないページがありますが、後日表示されます。


「まむしと青大将」緑魔子

荒木一郎                     川谷拓三、佐藤蛾次郎

菅原文太、悠木千帆(樹木希林)、川谷拓三         安部徹、室田日出男、志賀勝

【ストリー】
日本全国の刑務所を寝城としているまむしのゴロ政(菅原文太)が久々にシャバに出て来た。一方、政の弟分・不死身の勝(川地民夫)は、大阪で政神会という一家の親分になっていた。政はすぐにでも勝に会いたかったが、手土産の一つも欲しい。そこで土地の暴力団抗争に眼をつけ、抗争相手の組長殺しを引き受けるが、その組長に200万円で命乞いされる。その金でソープランドに行き刑務所のアカを落した政は、欣一(川谷拓三)というチンピラにマージャンに誘われ、欣一の兄貴分でイカサマ師の健(荒木一郎)らと麻雀に興じるが、たちまちトラの子の200万円を取られてしまった。だが、イカサマを見破った政は、健の持ち金数百万円を無理矢理奪い取った。しかし気のいい政はその金も、麻雀気違いで生活費もスッてしまった電気商の坊本(金子信雄)に泣き落されて全額くれてやった。再び無一文になった政は、一億円を貯め込んでいるという風俗嬢・沙織(緑魔子)に目をつけた。早速、政は彼女を麻雀に誘うが、健ともども負けてしまう。実は沙織もイカサマ師だったのだ。健と沙織の仲が密接になり、二人は近く大阪で行なわれる全日本麻雀大会に出場することにした。一方、政は欣一を連れて大阪の勝を訪ねた。勝は暴力団と抗争を続けながら縄張りを拡大していたが、政神会は、会長・元村(安部徹)が引きいる大阪東邦連合会に面倒をみてもらっているため勝手な行動はできなかった。数日後、政は健と沙織に会ったが、沙織は株の失敗で一億円を失っていた。健は沙織に惚れている政を利用して政に資金調達を頼む。政は勝と組んで東邦連合会から3,000万円を横取りし、政神会は東邦連合会から脱会した。全日本麻雀大会の日、健と沙織は3,000万円を持って出場した。その頃、政と健は東邦連合会に捕われ私刑を受けるが、玄竜会々長・藤山(渡辺文雄)を殺せば勝の命を救けると言われた政は、可愛い弟分のために決意した。その藤山は健、沙織の麻雀の相手で、政がその会場に殴り込んだ時、丁度、健、沙織のイカサマが見破れた瞬間だった。政は藤山から一億円を奪い沙織と逃げだし、その金を手渡した。しかしその直後、沙織が連合会に捕われた。政は勝を連れて、東邦連合会に殴り込んだ……。


坊屋三郎                       三島ゆり子

金子信雄、石井富子                 渡辺文雄

志賀勝、菅原文太                     緑魔子

題名:まむしと青大将
監督:中島貞夫
企画:橋本慶一、佐藤雅夫
脚本:高田宏治
撮影:赤塚滋
照明:北口光三郎
録音:荒川輝彦
美術:吉村晃
装置:温井弘司
装飾:柴田澄臣
背景:西村三郎
美粧・結髪:東和美粧
衣装:岩谷保
擬斗:三好郁夫
記録:梅津泰子
編集:市田勇
音楽:広瀬健次郎
進行主任:長岡功
助監督:篠塚正秀
演技事務:上田義一
麻雀指導:小島武夫
スチール:中山健司
出演:菅原文太、川地民夫、緑魔子、荒木一郎、悠木千帆(樹木希林)、室田日出男、川谷拓三、三島ゆり子、橘麻紀、名和宏、坊屋三郎、潤ますみ、汐路章、佐藤蛾次郎、安部徹、金子信雄、石井富子、渡辺文雄、志賀勝、林彰太郎、成瀬正孝
1975年日本・東映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー91分35mmフィルム
まむしと青大将 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


菅原文太、川地民夫