映画「網走番外地 南国の対決」


「網走番外地 南国の対決」高倉健

高倉健                        吉田輝雄

今回は石井輝男監督1966年製作「網走番外地 南国の対決」をピックアップする。
本作は網走番外地シリーズ第6作である。今回は網走刑務所を出所した橘真一(高倉健)が、先代組長の事故死に疑問を抱いて沖縄へ行き復讐するという内容だが、アメリカの占領統治下にあった沖縄が舞台で、製作当時はパスポートが必要、通貨単位はドル、自動車は右側通行などの背景が映し出されており、米軍のトラックやバスが絶え間なく走っていた。これらのシーンは貴重である。ロケ地は、那覇港、国際通り、泊港、名護湾、コザなど。

※沖縄がアメリカから日本に返還されたのは1972年。


田中邦衛、高倉健、大原麗子         田中邦衛、高倉健、千葉真一、由利徹

【ストリー】
竜神一家のために命を張って、網走刑務所に送り込まれた橘真一(高倉健)は、出所の日に先代親分が沖縄で事故死したことを知った。何か裏がありそうだ、そう考えた橘は直ちに沖縄へ向った。その途中の船で、橘は母を探して沖縄へ渡る一郎少年(町田政則)と、南(吉田輝雄)という男と知り合った。やがて沖縄へ着いた橘は、南が豪田一家の殺し屋でありまた、竜神一家の二代目を継いだ関森(沢彰謙)が豪田(河津清三郎)と手を結んで、こともあろうに先代親分と関係の深ったギボ建設を潰そうとしていることを知った。彼らの謀みを粉砕するため、橘は先ず、豪田組にもぐり込んで親分の死の真相を探っている大槻(田中邦衛)と樫山(由利徹)に連絡をとった。一方、豪田と関森は橘の動きに身の危険を感じて、南に橘を消すよう命じた。しかし、橘の気っぷに惚れ込んだ南にその気はなかった。そして二人は馴れあいの決闘をやって海に身を投げたのだが、それを見ていた豪田はまんまと騙されてしまった。やがて、橘は船員の佐竹(谷隼人)が親分の死の真相を握っていることを知ったが、佐竹は恋人の夏子(大原麗子)と共に豪田に捕えられていた。そんな時に網走から遥々駈けつけた鬼寅(嵐寛寿郎)が、南と共に佐竹を救い出した。しかし、南は関森に殺されてしまった。佐竹は、竜神親分が工事現場で、関森と豪田一味に殺されたことを話した。また、大槻と樫山の報告からその確信を得た橘は単身豪田一家に乗り込んだ。愛用の白柄のドスを握った橘を見て、豪田の手下は誰一人手向おうともしなかった。一瞬のうちに豪田と関森を斬った橘は、再び網走に送られることは知っていたが、明るい気持ちだった。橘のお蔭で母(三原葉子)を探し出した一郎や鬼寅に見送られて、親分の仇を討った橘は晴々とした顔で船に乗り込むのだった。


嵐寛寿郎、大原麗子、谷隼人           三原葉子、町田政則

題名:網走番外地 南国の対決
監督:石井輝男
企画:植木照男
原案:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
照明:大野忠三郎
録音:井上賢三
美術:藤田博
編集:鈴木寛
音楽:八木正生
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:白浜汎城
助監督:野田幸男
スチール:遠藤努
出演:高倉健、吉田輝雄、嵐寛寿郎、田中邦衛、千葉真一、由利徹、谷隼人、大原麗子、河津清三郎、三原葉子、二本柳寛、潮健児、沢彰謙、町田政則
1966年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
網走番外地 南国の対決 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


二本柳寛、三原葉子、町田政則         嵐寛寿郎、高倉健、千葉真一

「網走番外地 南国の対決」大原麗子

映画「昭和残侠伝 一匹狼」


高倉健                         池部良

今回は佐伯清監督1966年製作「昭和残侠伝 一匹狼」をピックアップする。
“昭和残侠伝”シリーズ第3弾の本作は、「日本侠客伝 白刃の盃」と同じ千葉県銚子を舞台にしている。当時の量産期に同年に撮られている事から “二本撮り” だったのかと推測してしまう。本作の視聴はDVDだが、ポジテレシネのガンマ調整をしてない為か、ラストの斬り込みは暗くて見えなかった。劇場スクリーンを想定したポジフィルムをそのままテレシネしてDVDにするのは止めてもらいたい。特に旧来のタングステン焼きポジフィルムは全体が黄色くなる。


藤純子                         扇千景、高倉健

【ストリー】
昭和初期。銚子に近いある漁港町。間もなく近づくマグロ漁を前に、他の網元をつぶして、マグロを独占して、ひともうけしようと企んだ網元川鉄一家は、暴力と札束で網子を着々自分の傘下に収めていた。老舗の網元、浜徳の主人浜田勇吉(御木本伸介)も、浜徳を助ける潮政一家の貸元秋津政太郎(島田正吾)も、川銀一家にほとほと手を焼き、はやる子分の気持を抑えるのに必死だった。元、関東島津組の幹部だった武井繁次郎(高倉健)が、政太郎の家に住みついたのはこんな時だった。繁次郎は、川銀の仕打ちに腹をたてるのもさることながら、昔の親分を暗殺した刺客桂木竜三(池部良)が、川銀一家にわらじを脱いだということを聞き、復讐の機会を狙っていた。そしてこの港町で公演している女剣戟五月不二子(雪代敬子)一座に働く、昔の弟分弁慶松(小島慶四郎)も、繁次郎を助け竜三の動静を見守っていた。そんなある日、川銀の貸元銀五郎(河津清三郎)は、仲買人まで買収しようと計り、防ごうとした政太郎を手下に射殺させた。いきりたつ潮政一家の子分達をなだめ、自分にまかせてくれといったものの、繁次郎の心は重かった。繁次郎が初めて惚れた小料理屋の女主人美枝(富司純子)は、竜三の妹だった。そして竜三も仁義をわきまえたいい男だった。この場を丸く収めたいと繁次郎は、浜徳のために大洗の木崎親分(高木二朗)に頼み、やっとのことで網子を貸してもらった。それを聞いた銀五郎は、浜徳の漁船の焼打ちにかかる一方、竜三に繁次郎を斬ることを命じた。心ならずも竜三を倒した繁次郎は、その足で川銀一家になぐりこんだ。川銀一家の子分を斬りまくり、浜辺を逃げる銀五郎を一刀のもとに斬り倒した。すべてが終った。呆然と立ちつくす美枝の前を、繁次郎は警官にひかれていった。見送る美枝の眼は、いつしか涙にぬれていた。


島田正吾、高倉健                               伊藤慶子、河津清三郎

題名:昭和残侠伝 一匹狼
監督:佐伯清
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:松本功、山本英明
撮影:林七郎
照明:川崎保之丞
録音:加瀬寿士
美術:藤田博
技斗:日尾孝司
編集:長沢嘉樹
音楽:菊池俊輔 主題歌:「昭和残侠伝」高倉健
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:武田英治
助監督:内藤誠
スチール:遠藤努
出演:高倉健、池部良、藤純子、扇千景、島田正吾、曽根晴美、河津清三郎、雪代敬子、潮健児、佐藤晟也、御木本伸介、山浦栄、菅原壮男、土山登志幸、山之内修、沢彰謙、松平峯夫、藤山竜一、小島慶四郎、北山達也、加賀屋玉之助、中村竹弥、佐藤京一、北川恵一、大前釣、ミスター珍、河合絃司、佐川二郎、高木二朗、志摩栄、久保一、杉義一、北峯有二、日尾孝司、水城一狼、伊達弘、片山滉、伊藤慶子、小塚十紀雄、山田甲一、岡野耕作、斉藤力、沢田浩二、須賀良、田川恒夫
1966年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー90分35mmフィルム
昭和残侠伝 一匹狼 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


高倉健、藤純子

映画「網走番外地 望郷編」


網走番外地 北海篇」高倉健

高倉健                           桜町弘子

今回は石井輝男監督1965年製作「網走番外地 望郷編」をピックアップする。
本作は網走番外地シリーズ第3作である。毎作ガラリと趣向が変わる本シリーズの舞台は、北海道網走と正反対の九州の長崎で、第一作目のムショ入りの原因を展開するという内容だ。
人斬り譲次役の杉浦直樹さんはラストまでサングラスを取らなかった。


嵐寛寿郎                    待田京介、砂塚秀夫、高倉健

【ストリー】
橘真一(高倉健)は、彼が服役中に死去した父の墓参も兼ねて久方ぶりに長崎に帰郷した。橘がまだ17、8のころ、旭組の若い衆の一人であった橘は、組長旭(嵐寛寿郎)のおとなしいのをいい事に、旭組の縄張りをもぎとろうと悪業の限りをつくす新興勢力安井(安部徹)に腹をたて、単身安井組になぐりこみ、安井を刺し大怪我をさせた。旭はそんな橘をかばい、そっと東京に逃がしてくれたのだ。橘にとって長崎は、そんなホロ苦い思い出のある町だったが、今も旭組は、横暴を極める安井組のために、仕事をとられ苦しい毎日が続いていた。そんな時に橘が帰ってきたのだ。今は中風を病んで力衰えた旭統一とその息子で、安井組に闇打ちされて負傷した猛(中谷一郎)、それに橘に想いをよせながら猛と結ばれたルミ子(桜町弘子)が、橘を喜び迎えた。そうしたある日旭組に、外国船の積荷を下ろす大掛りな仕事がまいこんだ。だが、この仕事は、短い時間内にやりとげねばならない難しい仕事だ。仕事を任された橘は、安井組の妨害で集らない人手を見越して、網走での仲間中田(田中邦衛)らを長崎に呼んだ。一方の安井組も、なんとかこの機に旭組を叩き潰そうと、用心棒に人斬り譲次(杉浦直樹)をやとい、街の愚連隊に旭組の仕事を妨害させた。しかしこの譲次が、組を思う橘の男気にホレて身をひき、旭組の仕事は無事終了した。だが、なおもあきらめきれない安井は、旭組が積荷を下ろした倉庫を爆破して、網走の前科者たちに罪をきせようとした。このため中田は殺され、これを知ってかけつけた病身の旭は重傷を負い、旭の片腕ともいうべき田所(砂塚秀夫)は殺された。橘は、この事件を目撃していた混血の娘エミー(林田マーガレット)から聞き、単身安井組になぐり込んだ。橘の怒りに燃えたすさまじい剣に、安井組は四散し、唯一人ふみどまって橘と相対した譲次も紅に染った。やっとのことで探しあてた母親のもとに帰る、エミーを見送る橘の顔は爽やかだった。


高倉健、田中邦衛                          杉浦直樹

題名:網走番外地 望郷編
監督:石井輝男
企画:植木照男
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:稲田喜一
照明:大野忠三郎
録音:井上賢二
美術:藤田博
編集:鈴木寛
音楽:八木正生
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:白浜汎城
助監督:内藤誠
スチール:遠蔵努
出演:高倉健、待田京介、桜町弘子、杉浦直樹、田中邦衛、嵐寛寿郎、砂塚秀夫、中谷一郎、安部徹、由利徹、林田マーガレット、国景子、潮健児、東野英治郎、石橋蓮司
1965年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
網走番外地 望郷編 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


林田マーガレット、高倉健         「網走番外地 望郷編」ラストシーン

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