映画「網走番外地」


「網走番外地」南原宏治、高倉健

高倉健                       南原宏治、高倉健

今回は石井輝男監督1965年製作「網走番外地」をピックアップする。
本作は伊藤一氏の原作を映画シリーズ化したもので国内で大ヒット、その第1作である。1967年までに10作を石井輝男監督で製作され、1968年から1972年までに「新・網走番外地」として3人の監督(マキノ雅弘、佐伯清、降旗康男)が8作を公開し、いずれもヒットした。私は「網走番外地」は東映が初めて手掛けたものと思っていたが、1959年に日活で作られた作品が最初であった。
※1959年製作日活「網走番外地」監督:松尾昭典 出演:小高雄二、浅丘ルリ子

本作の主題歌は高倉健さんが歌ってるが、1959年に制定された日本民間放送連盟の「要注意歌謡曲指定制度」により長きに渡って放送禁止歌に指定された。
余談になるが、1960年代から70年代にかけてザ・フォーククルセダーズ「イムジン河」岡林信康「手紙」高田渡「自衛隊に入ろう」赤い鳥「竹田の子守唄」などが、テレビ・ラジオから放送禁止歌として馬鹿げた自主規制をされていた。


丹波哲郎                      待田京介、田中邦衛

【ストリー】
網走刑務所に二人一組の手錠につながれた新入りの囚人たちがやってきた。その中の一組に橘真一(高倉健)と権田権三(南原宏治)の二人がいた。貧農の生れの橘は、義父・国造(沢彰謙)との仲がうまくいかず家をとびだし、やくざの世界に足を踏みいれ、親分のための傷害事件で懲役三年を言い渡されたのだった。一方、権田は前科五犯のしたたかものだ。二人が入れられた雑居房には桑原、依田(安部徹)の古参囚人に混り初老の阿久田(嵐寛寿郎)がいた。依田は殺人鬼・鬼寅の弟分と称して房内を牛耳っていた。こんな依田に権田は共鳴し、橘はことごとく反抗した。そんなある夜、依田と権田がしめしあわせて橘に襲いかかり、乱闘騒ぎが看守に発見されて三人はそれぞれ懲役房に入れられた。そんな時、妹の手紙が舞いこみ、橘は母が義父・国造の虐待で病床に倒れたことを知った。橘は国造への怒りを森林伐採の斧にたくして懸命に働いた。そんな橘に、以前は同じみちをたどったことのある保護司・妻木(丹波哲郎)は親身の世話をしてやるのだった。が、そのころ雑居房では依田、桑原、権田の三人を中心に脱獄計画が進められていた。だが決行寸前、阿久田の裏切りで脱獄計画は崩れ去った。殺気だつ房内で阿久田は自分の正体をあかした。以外にも阿久田こそ、殺人鬼として恐れられた鬼寅だったのだ。数日後、山奥に作業に出た囚人たちは、護送トラックから飛び降り脱走を計った。橘も権田に引きずられて路上に叩きつけられた。二人は手錠でつながれたまま雷の中をひた走った。一方、妻木は橘に裏切られた怒りを胸に二人を追った。汽笛を聞いた二人は線路に手錠の鎖をのせ汽車に鎖を切らせた。しかし権田は反動で谷間に落ちた。橘はそんな権田を捨てきれず、追ってきた妻木と共に重傷の権田を助けて病院に犬橇を走らせるのだった。


嵐寛寿郎

題名:網走番外地
監督:石井輝男
企画:大賀義文
原作:伊藤一
脚本:石井輝男
撮影:山沢義一
照明:大野忠三郎
録音:加瀬寿士
美術:藤田博
編集:鈴木寛
音楽:八木正生
現像:東映化学工業
製作主任:白浜汎城
助監督:内藤誠
スチール:遠藤努
出演:高倉健、丹波哲郎、南原宏治、待田京介、嵐寛寿郎、安部徹、田中邦衛、風見章子、潮健児、沢彰謙
1965年日本・東映東京/シネスコサイズ・モノクロ92分35mmフィルム
網走番外地-DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


網走番外地

映画「ファンキーハットの快男児」

ファンキーハットの快男児
ファンキーハットの快男児
中原ひとみ

今回は”風来坊探偵シリーズ“に続いて深作欣二監督と千葉真一さんが組んだ1961年製作「ファンキーハットの快男児」の第一作と第二作をピックアップする。
「ファンキーハットの快男児」第一作のロケーションは、京王井の頭線高井戸駅などで行われ、身代金を手渡す場は横浜駅の横須賀線プラットホーム、一郎(千葉真一さん)が保釈の虎(潮健児さん)を追い駆けるシーンの一部は、京王井の頭線渋谷駅と山手線・銀座線渋谷駅を結ぶ連絡通路、東急百貨店東横店西館、渋谷駅前などで撮影されている。高井戸駅が55年前から高架だったとは!これらのシーンだけでも貴重な記録であり、移り変わる前の風景が楽しめる。

高井戸駅高井戸駅
55年前の高井戸駅(1961年本編より)             現在の高井戸駅(2016年1月筆者撮影)
ファンキーハットの快男児ファンキーハットの快男児
千葉真一                    中原ひとみ、千葉真一

【ストリー】
木暮家の令息靖幸(くさかべ雅人)が誘拐されるという事件が起きた。木暮(加藤嘉)は、国産省の局長で、現在、国産省が建設中の産業会館の入札をめぐって日の丸建設と大下組とが激しく争い、その入札の決定権を木暮が握っていた。清助探偵長(花澤徳衛)の張り込みは失敗に終り、靖幸は無事木暮家へ帰って来た。だが、身代金の500万円は巧妙に犯人に奪われてしまった。清助は事件の依頼を断わられる始末。この親爺の苦労も外に、息子の一郎(千葉真一)は相棒の茂(岡本四郎)とともに、ガールハントに余念がない。一郎のハントしたみどり(中原ひとみ)なる女性、投資マニヤで一郎のムードには全然のってこない。みどりは大下組の株を集めているが、日の丸建設の株を大量に買う女を発見、敵がい心から後をつけたみどりは消息を断ってしまった。親ゆずりの探偵法で一郎は、とも子(八代万智子)という女性のアパートに監禁されていたみどりを救い出した。折も折、産業会館を日の丸建設が請負ったことを新聞が報じた。一郎は、とも子という女性が木暮局長の秘書、白石(波島進)であることを知って、この入札には裏があると直感し、茂と二人での探索が始まった。その結果、誘拐事件の主犯が白石であり、入札事件にからむ木暮の不正に反発して犯行を計画、せしめた身代金で日の丸建設の入札を見越してとも子に株を買わせたことがわかった。木暮の捜索も犯人が自分の秘書白石であることを割りだしていた。木暮は、白石を消すことに決意し、子分を使ってある工事現場に連れこんだ。一方、今は改心したとも子から、白石の危険を知らされた一郎は工事現場を急行した。白石をかばって立つ一郎と、汚職がバレるのを恐れる木暮一味が襲いかかった。激しい格闘が展開した。その現場に、みどりの報らせを受けた警官隊が雪崩をうって躍りこんで来た。木暮一味は逮捕された。

ファンキーハットの快男児ファンキーハットの快男児
千葉真一、岡本四郎                千葉真一、中原ひとみ

題名:ファンキーハットの快男児
監督:深作欣二
企画:根津昇、渡辺洋一
脚本:田辺虎男、池田雄一
撮影:内田安夫
照明:入江進
録音:岸勇
美術:進藤誠吾
編集:長沢嘉樹
音楽:三保敬太郎
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
進行主任:白浜汎城
助監督:田口勝彦
スチール:山守勇
出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、花沢徳衛、八代万智子、加藤嘉、十朱久雄、くさかべ雅人、桧有子、潮健児、波島進、くさかべ雅人
1961年日本・ニュー東映/シネスコサイズ・モノクロ53分35mmフィルム
ファンキーハットの快男児 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ファンキーハットの快男児ファンキーハットの快男児
花澤徳衛、千葉真一、岡本四郎           千葉真一、岡本四郎

ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
中原ひとみ

深作欣二監督1961年製作「ファンキーハットの快男児 2千万円の腕」は、シリーズ第二作だ。
スタッフ・キャストはほぼ同じだが、物語は天下探偵事務所だけの繋がりで連続性はなく製作会社がニュー東映から東映にクレジットされている。

ファンキーハットの快男児 2千万円の腕ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
千葉真一                     中原ひとみ、千葉真一

物語の舞台である茂(岡本四郎さん)の田舎・浜野町や軍艦島は、それぞれ浜野駅と猿島で、ロケーション撮影が行われたそうだ。”ファンキーハットの快男児シリーズ”は本作で終わり、台湾と合作した「カミカゼ野郎 真昼の決斗」へと続く訳だが、これらの流れは1968年から1973年に放送されたテレビドラマ「キイハンター」の原型となったそうだ。


TV映画「キイハンター」第1話「裏切りのブルース」より
キイハンター
千葉真一、野際陽子、丹波哲郎、谷隼人、大川栄子

【追記・訃報】
「キイハンター」「ずっとあなたが好きだった」など多くのテレビドラマで活躍した女優の野際陽子さんが2017年6月13日に死去したことが15日、分かった。81歳だった。関係者によると通夜、葬儀は終了したという。現在放送中のテレビ朝日系ドラマ「やすらぎの郷」(月~金曜・後12時30分)にレギュラー出演しており、突然の訃報に周囲も驚いている。(スポーツ報知)

キイハンターキイハンター
TV映画「キイハンター」
キイハンターキイハンター


ファンキーハットの快男児 2千万円の腕

ファンキーハットの快男児 2千万円の腕ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
千葉真一、岡本四郎                十朱久雄、中原ひとみ

【ストリー】
御存知、天下探偵事務所の一郎(千葉真一)、相棒の茂(岡本四郎)は或る日突然事件にまきこまれてしまった。何んとはなしに飛びこんだ“トリオ・ド・ドンパス来日特別公演”のホールで、美人のスポーツ記者美矢子(中原ひとみ)を発見、彼女の隣の席へチャッカリ坐りこんだ。その席は美矢子の見合の相手が座る場所だった。美矢子は一郎が見合の相手と思いそのハンサム振りに喜んだ。だが、そこへ刑事が現われて、美矢子の見合の相手玉腰整形外科のインターン西沢が酔っぱらって溺死したと告げた。驚く一郎、美矢子、その西沢を紹介したのが天下探偵事務所とあって又又驚く一郎。探偵長清助(花澤徳衛)は西沢の人物を信用していたのでその死因に疑惑を抱いた。折も折、清助はプロ野球南鉄ピンクスの山田スカウト(相馬剛三)から行方不明になった川原投手(小川守)の所在を捜査するよう依頼された。若葉高校の川原投手は、2,000万円と値ぶみされている黄金の腕の持主だ。数日して、玉腰院長(斎藤紫香)が失踪した。一郎と茂は川原投手の故郷に向って飛んだ。一郎はスポーツ記者を装い、土地のボス黒谷(神田隆)の腹心で野球部長の岩崎(須藤健)に面会した。岩崎の態度に何かあると感じた一郎と茂の活躍が始まった。川原投手を連れて上京した黒谷は、途中神風タクシーと衝突、右腕を傷つけられた川原を玉腰病院に運んだ。そして川原の傷が外部に洩れるのを恐れて、無残にも治療に当った西沢を殺害したのだ。その上、院長の玉腰を湖畔の廃屋に監禁し川原の手当をさせ、腕の負傷を世間に知れぬ内に有利な条件で契約しようと黒谷一味はやっきとなっていた。一郎はこの事を警察に急報した。一方、一郎をスポーツ記者と思いこんでいる美矢子、特種を抜かれてはと一郎をつけ廻し、何か曰くあり気な湖畔の廃屋に単身乗りこんでしまった。そこで川原投手を発見するが、黒谷一味に捕まり玉腰院長と共に殺されようとした。その時、一郎が飛びこんで来た。そして、清助探偵長も警官と一緒にのりこんで来た。

ファンキーハットの快男児 2千万円の腕ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
潮健児

題名:ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
監督:深作欣二
企画:根津昇、渡辺洋一
脚本:田辺虎男、池田雄一
撮影:内田安夫
照明:入江進
録音:岸勇
美術:進藤誠吾
編集:長沢嘉樹
音楽:三保敬太郎
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
進行主任:白浜汎城
助監督:田口勝彦
スチール:山守勇
出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、花沢徳衛、十朱久雄、加藤嘉、相馬剛三、潮健児、斎藤紫香、神田隆、小川守
1961年日本・東映/シネスコサイズ・モノクロ52分35mmフィルム
ファンキーハットの快男児 二千万円の腕 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ファンキーハットの快男児 2千万円の腕ファンキーハットの快男児 2千万円の腕
千葉真一、岡本四郎、中原ひとみ、         加藤嘉、千葉真一

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