映画「ブラボー!若大将」



加山雄三                         酒井和歌子

今回は岩内克己監督1969年製作「ブラボー!若大将」をピックアップする。
本作は、1970年1月1日に公開された若大将シリーズの第15作になる。制作会社は東京映画である。
シリーズ最後の海外ロケが グアム島で行われた本作は、今までのシリーズ・テンプレートを外し、理不尽な失恋や会社組織に若大将が悩むという設定が新鮮だった。

【東京映画】
1952年(昭和27年)に東宝の関係会社として設立、東宝が配給した映画「駅前シリーズ」「クレージー・キャッツ」等のコメディ映画を製作し、東京映画撮影所を稼働させた。東宝は、東西両撮影所制を敷いた大映や東映、松竹(1965年京都撮影所閉鎖)と異なり、戦前期に京都撮影所を閉鎖して砧撮影所(東京都世田谷区)に製作を原則一元化していたが、傘下の東京映画と宝塚映画は、別に撮影所を持ち、盛期にはそれぞれ年間10本程度の作品を供給し続けている。監督と俳優は東宝から供給されたが、技術スタッフは独自の機構を備えてそれぞれのカラーを発揮した。東京映画は、撮影所なのに皆ネクタイを締めている、と活動屋たちを驚かせ初期の東宝撮影所の社風を戦後まで引き継いだ紳士集団であったと言われる。1983年(昭和58年)8月25日に株式会社東京映画新社に改名し、梅浦洋一社長在籍時の2004年9月1日に東宝に合併して消滅した。(ウィキペディア参照)
※撮影所は小田急線千歳船橋駅から10分のところにあり、第二ステージは成城消防署前にあった。(筆者)


高橋紀子                       田中邦衛、柏木由紀子

【ストリー】
三矢物産の営業部に勤務する田沼雄一(加山雄三)は、親友の青大将こと石山新次郎(田中邦衛)が専務をしている東西デパートと取引きのコネをつけた。そんなある日、雄一は、熊井鉄工の熊井(熊倉一雄)から、住宅用鉄材の売り込みを受けた。雄一は、“住宅に関する企画案”を提出し、岩崎部長(松村達雄)が賛成し、雄一は案の実現に猛ハッスル。ところが数日後、企画案が突然没になった。というのも、三矢物産は、熊井鉄工を無視して、裏面で大手の鉄工会社と事業提携を進めていたのだった。会社の道義に欠けるやり方に怒った雄一は、辞表を叩きつけ、単身グアムへ飛んだ。休暇で島に来た、節子(酒井和歌子)、チヨコ(坂倉春江)、玉江(松村幸子)や、商用で来た石山と事業提携で同行した西岡(藤岡琢也)と再会した。雄一と節子の間に恋が芽生えた。やがて帰国した雄一は、家業のすき焼き屋“田能久”の仕事に精を出したが、義弟の江口(江原達怡)の失敗の責任を負って家を出た。湾岸の荷下ろしやトラック運送などのバイトで生計を立てていた雄一は、バイト先のガソリンスタンドで偶然熊井と再会し、熊井鉄工に入社した。熊井の資金難を助けるべく、銀行家へ嫁いだ百合子(高橋紀子)に融資を頼んだ。その夜融資の成功を祝い踊る雄一と百合子を節子が見つけてしまう。二人の中を誤解する節子。一方、住宅事業が進展しない三矢物産は熊井鉄工と合弁会社をつくり、雄一は社長に就任した。休暇をとった雄一は再びグアムを訪れる。一足先に支店進出のため島を訪れた石山と節子と合流。そして誤解のとけた節子の明るい笑顔が、たくましい雄一のかたわらにあった。


菱見百合子(ひし美ゆり子)               熊倉一雄

加山雄三、藤岡琢也、松村達雄             松村達雄

題名:ブラボー!若大将
監督:岩内克己
製作:藤本真澄、大森幹彦、安武龍
脚本:田波靖男
撮影:中井朝一
照明:榊原康介
特機:三沢一義
録音:原島俊男
整音:西尾孝
美術:竹中和雄
装置:松原浩、中村洋文
小道具:阿部継、佐藤淑光、広島徳幸
装飾:佐々木庄次
結髪:渡辺キミ
衣裳:武藤芳史、柳生悦子(デザイン)
編集:広瀬千鶴
音楽:広瀬健次郎 主題歌:加山雄三「恋のコンパス」「淋しい二人」 「世界のどこかで」 「その訳はいえない」
現像:東京現像所
製作担当:島田武治、今井馨
製作進行:黒岩竜彦
助監督:瀬川淑
監督助手:鈴木一男、森康憲、福田元彦
撮影助手:平林茂明、安西清、山内峰治、鈴木義勝
照明助手:須藤実、塚田寿生、牛渡教孝、川島棋雄、釜田一、大野治夫、柿沼貞司
録音助手:高場豊、千葉富士雄、会田紀栄
美術助手:栗原信雄、薩谷和夫、国府田俊夫、堀川正巳
水中撮影:市原康至、宝田武久、五十畑幸勇、楠章治
スチール:中尾孝
演技事務:丹野弘章
音楽事務:西尾嘉十
製作宣伝:川島孝一
協力:パン・アメリカン航空
出演:加山雄三、酒井和歌子、高橋紀子、田中邦衛、江原達怡、菱見百合子(ひし美ゆり子)、大矢茂、有島一郎、飯田蝶子、中真千子、柏木由紀子、藤岡琢也、松村達雄、熊倉一雄、坂倉春江、松村幸子、山田はるみ、小鹿敦、田島義文
1969年日本・東京映画/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー89分35mmフィルム
ブラボー!若大将 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


田中邦衛、藤岡琢也                  加山雄三、大矢茂

江原達怡、加山雄三                  ブラボー!若大将

映画「クレージーのぶちゃむくれ大発見」


植木等                                                                       中山麻理

今回は古澤憲吾監督1968年製作「クレージーのぶちゃむくれ大発見」をピックアップする。
本作は、植木等さん主演の “クレージー作戦シリーズ” 第12弾(1969年1月公開)で全14作が制作された。
内容はコンピューターに支配される世界を予見したもので、記憶装置にインチテープデバイスを使った計算機が登場する。
その他にも1968年に建築された目黒台マンション(現存)や改築前の熱海後楽園ホテルなどが映っている。


ハナ肇                                                                   植木等、谷啓

谷啓、中山麻理

【ストリー】
東西電気の花川戸(ハナ肇)は、課長のイスを賭けて、コンピューターの売込みにハッスルしていた。連日連夜、美人ホステス好子(中山麻理)のいる高級クラブ・アンブレラに得意先を接待し、売込みは成功するかにみえた。だが、政界の大ボス鬼熊(東野英治郎)をバックにするABCマシンに逆転されてしまった。こうなるとコンピューターは非情なもの。花川戸の課長昇進は見送り、アンブレラへの支払は後廻しにせよとの結論をだした。これにたまりかねたアンブレラのマネージャー植村(植木等)は、東西電気を訪れ、プログラマーの谷井(谷啓)に未収金の支払を頼んだ。ところが谷井は、データを間違え、好子の口座にツケが振込まれてしまった。しかも肝心の好子は行方不明。三人は、早速、好子探索にのりだし、秘密探偵の犬丸(犬塚弘)と留吉(桜井センリ)を雇った。だが、二人ともコンピューターほど、あてにはならなかった。探偵社たのみにならずとみた植村は、街頭易者安西(安田伸)にうらなってもらったが、当らぬも八卦だった。三人が好子を発見したのは、彼女が何者かに殺害された後だった。万策つきた植村らは谷井の発期した超ミニコンピューターを好子の頭脳に、はめこもうとヤブ医者石渡(石橋エータロー)に頼んだ。コンピューターに誤診を指摘されくさっていた石渡は、汚名挽回とばかりその移植手術に挑んだ。手術は大成功、人工美女好子が颯爽と登場した。これに驚いたのは、好子を殺した鬼藤一派だった。殺し屋がコンピューター汚職を知っている好子を消さんものと暗躍した。だが、好子は、自分の過去を調べに訪れたアンブレラで、一味に捕まり、伊豆白浜に監禁されてしまった。好子を失った7人の大追跡がはじまった。そして、好子を奪い返し、コンピューター汚職の黒幕をあばきあげるのだった。


加藤茶                                                              人見明

なべおさみ                                                          熊倉一雄

青島幸男                                                              山本直純

題名:クレージーのぶちゃむくれ大発見
監督:古澤憲吾
製作:渡辺晋、大森幹彦
脚本:田波靖男
撮影:永井仙吉
照明:金子光男
録音:田中信行
整音:下永尚
美術:小川一男
編集:黒岩義民
音楽:山本直純 主題歌「俺は売り出し中」「笑って笑って幸せに」
現像:東洋現像所 合成:松田博
製作担当:堤博康
監督助手:西村潔
スチール:田中一清
出演:植木等、谷啓、ハナ肇、犬塚弘、桜井センリ、石橋エータロー、安田伸、中山麻理、浦島千歌子、春川ますみ、東野英治郎、人見明、なべおさみ、熊倉一雄、青島幸男、小松政夫、加藤茶、山本直純
1968年日本・渡辺プロダクション+東宝/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー84分35mmフィルム
クレージーのぶちゃむくれ大発見 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


クレージーのぶちゃむくれ大発見

クレージーのぶちゃむくれ大発見

映画「日本人のへそ」

日本人のへそ日本人のへそ
緑魔子                      なべおさみ

今回は須川栄三監督1976年製作「日本人のへそ」をピックアップする。本作は井上ひさし氏原作のストリッパー・ヘレン天津の人生を描いた数少ない日本製ミュージカルだ。
「自分に関係ない言葉は吃らない、歌を歌う時は吃らない。ならば吃音症の治療にはミュージカルが一番と提唱するうさんくさい大学教授が仕立てた浅草ストリップの華、ヘレン天津の一代記。」主演は1960年代から70年代に時代を席巻した緑魔子、1969年に劇団で上演(テアトル・エコー)されたミュージカル喜劇を映画化した。

日本人のへそ日本人のへそ
美輪明宏                     佐藤蛾次郎

【ストリー】
小劇場の舞台を借りて行われる吃音矯正の告白劇。本日の主役は、元浅草のストリッパー・ヘレン天津。アメリカ帰りの教授の指導のもとで行われる。東北・岩 手、十年前。風景だけがやたらに美しい極貧の農村。中学生のヘレンが集団就職で東京へ出ることになる。ヘレンの恋人・ハットリ。
へレンの父親は東京で交通事故にあい、娘の東京行きに強く反対していた。
思いつめた父親は、娘を犯してしまう。このショックでヘレンは吃音者になってしまう。
自殺も出来ず、ハットリにかくれるように東京へ。ある日、浅草で生まれて始めて、優しい男と出会う。そして、やさしい言葉をかけられ、この東大生に身をま かせる。
だが、この東大生は、スケコマシのテキ屋であった。呆然と浅草の裏通りを歩いていて、ハットリに再会する。しかし、再びハットリの前から姿を消 す。それから、職を転々とし、今やストリッパーになっている。やがて、劇場で人権ストが起り、ヘレンは、委員長になる。ところが、この告白劇の舞台に突如 破局が起る。劇の指導者・教授が刺れたのである。実はこの吃音矯正劇で、真に吃音者であったのは教授に扮していたフナヤマ代議士一人で、彼の吃音を矯正す るためであった。

日本人のへそ日本人のへそ
小松方正

題名:日本人のへそ
監督:須川栄三
原作:井上ひさし
脚本:白坂依志夫
製作:須川栄三、藤井浩明、西村隆平
撮影:逢沢譲
照明:福富精治
美術:竹中和雄
録音:太田六敏、宮下光威
振付:中川久美
編集:黒岩義民
音楽:服部公一
助監督:近藤明男
スチール:ケン影岡
出演:緑魔子、美輪明宏、佐藤蛾次郎、草野大悟、なべおさみ、三谷昇、小松方正、東てる美、三谷昇、女屋実和子、熊倉一雄、ハナ肇、橘由紀、丸山善司、野瀬哲男
1976年日本・ATG/スタンダードサイズ・カラー102分35mmフィルム
日本人のへそ [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

日本人のへそ日本人のへそ
東てる美・緑魔子