映画「怪竜大決戦」


怪竜大決戦

松方弘樹                      小川知子

今回は山内鉄也監督1966年製作「怪竜大決戦」をピックアップする。
当時、東宝のゴジラや大映のガメラ、日活がガッパ、松竹がギララという怪獣を登場させていた。本作は東映が唯一製作した“怪獣が登場する映画”であり、撮影は東映京都撮影所で行われ時代劇の重鎮が顔を揃えている。


大友柳太朗                     天津敏

【ストリー】
家老結城大乗の謀によって殺された近江の城主、尾形左馬亮の若君雷丸(松方弘樹)は、飛騨の国に逃げた。そこで雷丸は仙人、がま道人(金子信雄)から忍術を仕込まれ青年になったが、がま道人は昔の悪弟子、大蛇丸(大友柳太朗)に殺害された。その大蛇丸が父をも殺したことを知り、雷丸は自雷也と名乗り仇討ちのため近江に旅発った。途中、幼い時に別れた父を探し近江に向う綱手(小川知子)という少女に出会った。少女綱手も、父を探して自雷也の後を追った。大蛇丸から自雷也のことを聞いた結城大乗(天津敏)は、忍者を配し警戒網を張った。自雷也は百姓、善兵衛(原健策)の娘お咲(鈴村由美)の婿に化け市中潜入に成功したが、大蛇丸は善兵衛を殺した上にお咲までさらって逃げた。一方綱手も一度は、大蛇丸の配下の忍者に襲われるが、やはり忍者の一人の百々兵衛(千葉敏男)に救われ、無事に近江に入った。時あたかも、尾形家再興に現われた自雷也の噂でもちきりで、この混乱に乗じ大蛇丸は大乗を失脚させ、さらに自雷丸を倒し城主におさまろうという腹だった。百々兵衛のおかげで自雷也に再会できた綱手も、その百々兵衛から大蛇丸こそ探していた父だと聞かされ、連れていかれた。綱手は父大蛇丸より自雷也毒殺を命じられた。綱手から薬を飲まされた自雷也は大蛇丸の思うツボ、昏々と眠り続けた。すでに自雷也が死んだものと早合点した大乗が、酒宴を催している只中に躍り出た自雷也は、一気に大乗を倒し、さらにその裏切りを怒った大蛇丸は百々兵衛を殺し、それから自雷也の“がまの妖術”と大蛇丸の“昇竜の術”の決戦となったが、この大格闘に城は破壊された。自雷也があわや!と思われた時、綱手が蜘蛛婆(原泉)からもらったかんざしを大蛇丸に投げつけると、大蜘蛛が現われ、すさまじい落雷とともに、すべての妖術が解け、自雷也は大蛇丸を一刀のもとに斬り倒してしまった。無事仇討ちを果たした自雷也と綱手は大鷲に乗り、お咲姉弟と別れて元気に飛騨の国へと飛立った。


小川知子

大友柳太朗                                                   松方弘樹、大友柳太朗

題名:怪竜大決戦
監督:山内鉄也
企画:岡田茂、新海竹介
脚本:伊上勝
撮影:わし尾元也
特撮:赤塚滋
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:矢田精治
装置:米沢勝
装飾:山田久司
造型:エキスプロダクション
美粧:堤野正直
結髪:橋本明子
衣装:三上剛
技斗:上野隆三
記録:矢部はつ子
編集:神田忠男
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学 合成:松木春吉
音楽:津島利章
製作主任:並河正夫
助監督:牧口雄二
スチール:中山健司
出演:松方弘樹、小川知子、大友柳太朗、鈴村由美、金子信雄、原健策、千葉敏男、林真一郎、天津敏、原泉、岡田千代、福本清三
1966年日本・東映/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
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鈴村由美、岩村隆男、小川知子、松方弘樹

映画「伊賀忍法帖」


渡辺典子

真田広之                      渡辺典子

今回は斎藤光正監督1982年製作「伊賀忍法帖」をピックアップする。
本作のヒロイン役の渡辺典子さんは、デビュー作ながら一人3役に挑んでいる事で話題になった。東大寺大仏殿に火が放たれるシーンには美術費1億5,000万円が投入され、実物大の大仏の本編セットや琵琶湖畔に建てられた1/6セットなど、大規模な造形物が用意された。


真田広之、渡辺典子                 千葉真一、中尾彬

【ストリー】
戦国の世、下剋上の機運に乗じようとする松永弾正は主家、三好氏の美姫右京太夫を我がものにせんと、五人の妖術僧に命じ媚薬を作らせようとし、美女狩りを命じた。この陰謀を企んだのは、妖術僧の後ろ楯で正体不明の果心居士だ。妖術僧たちの美女狩りの標的は、伊賀の忍者、笛吹城太郎の恋人、篝火に向けられた。実は、彼女は双子の妹であり、果心秘伝の媚薬とは、惚れさせたい女性の血筋の生娘が犯されたときに流す涙を天下の名器「平蜘蛛の茶釜」で煮つめてつくるからである。妖術僧により、弾正のもとに連れ去られた篝火は、恥辱よりも死を選び自らの首をはねた。その刹那、弾正は愛妄漁火の首をはね、二つの首と同体を付け換えることで両人を蘇生させる。顔は漁火ながら、篝火の心と肉体を持った女は犯され、その涙から媚薬が作られた。悪夢のような一夜が明けると、篝火の肉体と心は茶釜も持って脱出し、城太郎に会うと、一部始終を話して死んだ。復讐を誓う城太郎。再び城太郎から茶釜を奪い返した妖術僧たちは、平安祈願のために東大寺に参詣する右京太夫を狙った。右京太夫を掠奪し、三好氏をも殺そうとする弾正と妖術僧たちは、騒乱状態を起こそうと、大仏殿に火を放った。城太郎は右京太夫を連れて炎の中に飛びこんだ。数日後、首の落ちた大仏の台座の下に隠れ棲む二人の姿があった。右京太夫を看病するうち、城太郎には、篝火の面影が重なり、やがて二人は愛し合うようになった。つかの間の幸福。しかし、隠れ家も見つかり、城太郎と妖術僧の凄絶な戦いが始まった。城太郎は化物じみた妖術僧たちを次々と倒していく。が、最後に果心居士が大きく立ちはだかった。果心居師は悪魔の化身で、この世の悪業はすべて彼の仕業だった。城太郎、右京太夫、黒衣の騎馬集団こと柳生一族に対して弾正、漁火、生きのこりの妖術僧、そして悪魔の戦いだ。そして、城太郎は悪魔を倒す。右京太夫との愛が激しく燃え上がった。


千葉真一、中尾彬、成田三樹夫

題名:伊賀忍法帖
監督:斎藤光正
製作総指揮:角川春樹
製作:佐藤雅夫、豊島泉
原作:山田風太郎
脚本:小川英
撮影:森田富士郎
照明:増田悦章
録音:橋本文雄
美術:井川徳道、園田一佳
装置:太田正三
装飾:渡辺源三
背景:平松敬一郎
衣装:豊中健
衣装デザイン:コシノジュンコ
技斗:菅原俊夫
記録:森村幸子
編集:市田勇
音楽:横田年昭
現像:東映化学
製作主任:長岡功
助監督:吉原勲
特撮監督:鈴木秀雄
特撮撮影:宮島正弘
特撮照明:岡本洋治
特撮助監督:平野勝司
特撮操演:白熊栄次、鳴海聡、香取康修
アクションアドバイザー:千葉真一
スチール:遠藤功成
出演:真田広之、渡辺典子、千葉真一、美保純、風祭ゆき、中尾彬、成田三樹夫、ストロング金剛(小林)、佐藤蛾次郎、松橋登、福本清三、田中浩
1982年日本・角川春樹事務所+東映/ビスタサイズ・カラー100分35mmフィルム
伊賀忍法帖 -DVD-
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美保純

映画「太秦ライムライト」

太秦ライムライト
山本千尋
太秦ライムライト太秦ライムライト
福本清三

今回は落合賢監督2013年製作「太秦ライムライト」をピックアップする。
本作は”5万回斬られた男”の異名を持つベテラン時代劇俳優福本清三さんを主役に、京都太秦撮影所の時代劇を創る人々の視点で、時代の推移を外す事なく描いた作品だ。テレビ時代劇が16mmフィルムからビデオになって久しいが、劇中でも正しく、特にテレビディレクターのくだりは、ウイットに包みながら現実を描いている。またクライマックスの中島貞夫監督登場は、本編=映画という設定で、キャメラに35mm(ARRI535)を使用しているというのが憎い。
落合賢監督は、32歳(1983年生れ)なのでフィルムを知らない世代だ。なのに京都太秦の映画人を見事に描いたという事は、想像力だけで出来るものではない。補佐をした先輩映画人が趣旨に賛同し、惜しみない協力をしたに違いない。これは出演俳優陣を見ても分かる事だが。
私も遠い昔に仕出し(エキストラ)経験があるので本田博太郎さんの俳優部のシーンに、一番リアリティを感じた。撮影部とか照明部などの技術部が描かれていないのは残念だが、久々に良い日本映画を観た。

太秦ライムライト太秦ライムライト
松方弘樹                        萬田久子

【ストリー】
かつて日本のハリウッドと呼ばれた京都・太秦。香美山清一(福本清三)は、太秦の日映撮影所に所属する斬られ役一筋の大部屋俳優だ。ある日、半世紀近く続いたテレビ時代劇ドラマ「江戸桜風雲録」が、突如打ち切られた。後続番組の若者向けネオ時代劇「オダノブ」に映画職人たちの出番はない。大御所時代劇のスターの尾上清十郎(松方弘樹)は、「また、いつか斬らせてくれ」と香美山に声をかけ、撮影所を去っていく。そんなおり、香美山は、京都の駆け出しの女優・伊賀さつき(山本千尋)と出会い、かつての「太秦城のお姫様」の面影を感じる。さつきも、時代劇が減っても志を失わない香美山の生き方に惹かれ、やがて二人はともに殺陣の稽古をする師弟関係となる。香美山の指導の御陰で、さつきはチャンスをつかみ、スター女優への階段を歩むべく、東京に旅立った。対照的に、香美山には老いが忍び寄り、ついに引退の日を迎える。…時が経ち、さつきが主演を演じる、大作時代劇の話が持ち上がった。久しぶりの京都に胸躍らせたさつきだったが、撮影所には、香美山の姿もなく、お世話になった人が皆引退してしまったことを知り、いつしか大切なものを見失っていたことに気づく。今風の時代劇を作ろうとする川島プロデューサー(合田雅吏)に対して、さつきも、大御所スター尾上清十郎(松方弘樹)も、香美山に出演して欲しいと思っていた。
体調を崩して引退して故郷で余生を送っていた香美山のもとを、さつきは訪れて復帰を懇願する。かたくなに復帰を拒否する香美山。だが、どうしても侍の血が騒ぐ…。
一ヶ月後、香美山は撮影所にいた。最期に尾上と刀を交わすために。
そして、最愛の弟子さつきに斬られるために…。

太秦ライムライト太秦ライムライト
中島貞夫監督(左側)

題名:太秦ライムライト
監督:落合賢
製作:コウ・モリ、佐野昇平
脚本:大野裕之
撮影:クリス・フライリク
照明:山中秋男
録音:林基継
整音:カルロス・サンチェス
美術:吉田孝
装飾:籠尾和人
殺陣:清家三彦(東映剣会)
衣裳:大本猛、古賀博隆、鈴木澄子
編集:洲崎千恵子
音楽:戸田信子
監督助手:中野広之
助監督:中川裕介
スチール:日浦麻子
プロダクション統括:竹村寧人
プロデューサー:大野裕之、コウ・モリ、佐野昇平
協力プロデューサー:浜野高宏
制作プロデューサー:増田悟司
ポストプロダクションスーパーバイザー:デイヴ・ボイル
ラインプロデューサー:森洋亮
協力:東映京都撮影所
出演:福本清三、山本千尋、合田雅吏、萬田久子、松方弘樹、小林稔侍、峰蘭太郎、柴田善行、多井一晃、中島ボイル、川嶋杏奈、中島貞夫監督(本人役)、風間トオル(本人役)
第13回ニューヨーク・アジア映画祭: 最優秀観客賞、第18回ファンタジア国際映画祭: シュバル・ノワール賞、最優秀主演男優賞(福本清三、最年長受賞)
2013年日本・イレブンアーツ/ビスタサイズ・カラー104分デジタルシネマ
太秦ライムライト [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

太秦ライムライト太秦ライムライト
山本千尋                      福本清三