映画「あゝひめゆりの塔」


吉永小百合                    吉永小百合、浜田光夫

今回は舛田利雄監督1968年製作「あゝひめゆりの塔」をピックアップする。
本作は太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、吉永小百合さんと浜田光夫さんの黄金コンビで“ 特志看護婦 ”として戦火に散華した “ ひめゆり部隊 ”の悲劇を描いたものだ。沖縄県ひめゆりの塔(姫百合橋・那覇港)、南風原町南風原街道で実景撮影を行い、戦闘シーンは、静岡県御殿場市、下田市、三島市などで行ったそうだ。


和泉雅子

【ストリー】
昭和18年、太平洋戦争の戦局は、米軍の反攻によって日本には不利に展開していた。沖縄ではまだ、戦争感は薄かった。沖縄師範女子部の和子(吉永小百合)は級友のトミ(和泉雅子)らと運動会を楽しんでいた。和子が師範男子部の順一郎(浜田光夫)と知りあったのはその頃だった。昭和19年になると戦局は悪化、米軍の物量作戦の前に沖縄も戦場になろうとしていた。和子ら学生は、一日の半分を陣地構築に従事する毎日がつづいた。やがてサイパン島が玉砕。学童は内地に疎開が決ったが和子の母は、その船に乗ったものの、潜水艦に撃沈されてしまった。和子は弟の武と二人きりになってしまった。グラマン機が那覇市を襲ったのは10月。師範学校の校舎も焼け、空襲は連日のようにつづいた。島には非常戦時体制がしかれ、女子学生は臨時看護婦として、男子学生は鉄血勤皇隊となって陸軍と行動を共にすることになった。昭和20年。和子たちは米軍上陸の直前、証書も賞状もないさびしい卒業式を行なった。間もなく米軍が無血上陸してから激戦が続き、負傷兵も増えたが、満足に手当てもされずに死んでいった。米軍は日ましに島を制圧していった。病院は南に移動することになったが、歩けない患者には自決が求められる有様だった。そんな中で和子の級友光子(浜川智子)は死に、勝江(笹森みち子)はあまりにも悲惨な状況の中で発狂した。またトミは下半身にグラマンの射撃を浴びて重傷を負い、自ら青酸を飲んだのだ。その頃、順一郎は伝令として銃火の中を走り回っていた。彼は、和子の弟武が壮烈な最期を遂げるのを目撃したが、それを和子に告げることはできなかった。和子たちが新しい病院にしたのは真壁の大洞穴である。しかしもう医薬品もなく、重傷患者は次々と死んでいった。そんな時、校長が死んだ。そして、その遺体を収容しようとした和子たちをかばって、順一郎は敵の機銃掃射で死んだ。もはや和子たらは最後の時が近いのを知った。生き残った和子たち九人の女子学生と、昭喜名先生(二谷英明)たちは円陣をつくり、思い出の歌「想思樹の歌」を歌うのだった。彼女たちの手には自決用の黒い手榴弾がにぎられていた。

題名:あゝひめゆりの塔
監督:舛田利雄
企画:高木雅行、八木保太郎
脚本:若井基成、石森史郎
撮影:横山実
照明:藤林甲
録音:沼倉範夫
美術:木村威夫
編集:井上親弥
音楽:真鍋理一郎
現像:東洋現像所
製作主任:戸倉寿
助監督:遠藤三郎、村川透
スチール:井本俊康
出演:吉永小百合、浜田光夫、和泉雅子、二谷英明、小高雄二、藤竜也、和田浩治、乙羽信子、音無美紀子、渡哲也、太田雅子(梶芽衣子)、東野英治郎、高品格、笹森みち子、浜川智子
1968年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ125分35mmフィルム
あゝひめゆりの塔 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


あゝひめゆりの塔

映画「対決」


高橋英樹、葉山良二                  小林旭

今回は舛田利雄監督1967年製作「対決」をピックアップする。
日活で任侠ものを作ると東映とは全く違うスタンスになる。セット画作りの奥行き感は、素晴らしいものがあるが、東映作品に比べキャラクターが弱いと思った。社風カラーの違いがよく出ている。


和泉雅子                       青木義朗

【ストリー】
大正末期。上州富河原一帯に勢力を張っている芝寅一家は新興やくざの高安一家に押され気味だった。芝寅(安部徹)は次々と縄張りを荒されるに及んで、ついに殴り込みを決意し、それを銭山(青木義朗)にまかせた。銭山は代貸清太郎(中谷一郎)の弟直二郎(高橋英樹)や客人の満州常(小林旭)を率いて高安一家に殴り込んだ。彼らは高安(山田禅二)と代貸益子(玉川伊佐男)を逃がしたものの、勝負は芝寅一家の勝利に終った。しかし翌日、芝寅の宴会の席に高安とその残党が殴り込み、電灯の消えた暗闇の中で芝寅と高安が殺された。このため直二郎は清太郎の命令で、一切の責任を負って自首したのだった。
それから6年後、出所した直二郎が帰ってみると富河原は手を結んだ金山と益子に支配され、清太郎は乞食同然に放り出されていた。しかも直二郎と相思相愛の仲だったおしん(北林早苗)は銭山によって遊廓に売られ直二郎に会うと自殺してしまった。怒った直二郎は暴れ回ったが、益子に捕われて悽惨なリンチを受けた。それを見た銭山はさすがにとめようとしたが、益子は狂気のように直二郎を痛めつけるのだった。しかし、直二郎は益子の洩らした言葉から、芝寅を殺したのが、銭山に命ぜられた満州常であることを知った。その満州常は、かつての殴り込みの際、直二郎に命を助けられた恩を返すため、彼を益子のリンチから救い出したのだった。芝寅の死にからんで対立する二人の間に、友情が芽生えたのはその時からだった。一方、仲間割れで益子を殺した銭山は直二郎を逃がした満州常を怒って捕えたが、今度は直二郎が救い出した。直二郎は芝寅の本当の仇は銭山とばかり斬りつけたが、銭山のとどめを刺したのは清太郎だった。銭山の子分らが、彼らと手を切った満州常と、直二郎に倒されたのはその直後だった。


北林早苗、高橋英樹                    安部徹

題名:対決
監督:舛田利雄
企画:高木雅行
脚本:池上金男、舛田利雄
撮影:萩原憲治
照明:宮崎清
録音:福島信雅
美術:木村威夫
技斗:高瀬将敏
記録:土屋豊
編集:井上親弥
音楽:真鍋理一郎 主題歌:小林旭「落日」
現像:東洋現像所
製作主任:戸倉寿
助監督:小澤啓一
色彩計測:前田米造
スチール:土屋豊
出演:高橋英樹、小林旭、和泉雅子、北林早苗、葉山良二、三条泰子、中谷一郎、玉川伊佐男、青木義朗、安部徹、山田禅二
1967年日本・日活/シネスコサイズ・カラー95分35mmフィルム
2017年7月現在、DVD販売・レンタルはありません。


「対決」

小林旭、高橋英樹「対決」

映画「紅の流れ星」

紅の流れ星
藤竜也、渡哲也
紅の流れ星
浅丘ルリ子
藤竜也、渡哲也紅の流れ星
浅丘ルリ子                      浅丘ルリ子、藤竜也

今回は舛田利雄監督1967年製作「紅の流れ星」をピックアップする。
日活の無国籍アクションティストの本作は、兵庫県神戸市の元町、神戸港・麻耶埠頭・桟橋、諏訪山、三ノ宮駅、三ノ宮ガード下、南京街、福原、六甲山ホテルなどでロケーションが行われた。私は神戸で生まれ年少期を過ごしたので懐かしい風景だった。
舛田利雄監督は、フランス映画「望郷(PEPE LE MOKO/監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ/主演:ジャン・ギャバン/1937年)」をオマージュした「「赤い波止場(出演:石原裕次郎、北原三枝)」を1958年に製作しているが、本作は、日活アクションが消えゆく寸前にそのリメイクとして作られたそうだ。

紅の流れ星紅の流れ星
藤竜也、渡哲也                   奥村チヨ、杉良太郎

【ストリー】
1年前、加島組の親分を射殺して東京を逃げ出した五郎(渡哲也)は神戸の関興業の用心棒に納っていた。酒、女に不自由のない気ままな生活の中で、五郎はしかし、宇須刑事(藤竜也)や、加島の仇と五郎を狙う沢井(宍戸錠)の目を警戒せねばならなかった。ある日、関と取引きしていた宝石商の小島(山田真二)が行方不明になり、小島の婚約者と名乗る啓子(浅丘ルリ子)が五郎を訪ねてきた。一風変ったところのある啓子に興味を覚えた五郎は共に小島探しに駆け回ったが、いつか彼女を愛するようになった。そんな時、沢井が五郎をつけ狙って後を追っていたのだが、五郎の弟分の竹越(杉良太郎)がそれを知り、ひとりで沢井を倒すべく、モーターボートで沖へ連れだした。だが、竹越は、逆に沢井に殺されてしまった。一方、五郎は六甲山麓で発見された死体が小島であること、犯人が関と、幹部の田辺であることを知り、啓子に知らせた。当の啓子はその知らせに何の反応も示さず、一緒に寝てもいい、と言い出して五郎を驚かせるのだった。たまたま宇須刑事と会った五郎は、竹越が沢井に殺されたことを知って憤った。その足で沢井と対決した五郎は、あっ気なく相手を倒した。その頃、関は小島殺しの秘密が五郎に知られたことから、彼を邪魔に思い、消そうとしていた。その情報を秘かに探り出したバー「海猫」のマダムは、五郎を海外に逃がす手筈を整えたが、五郎はそれに応じなかった。五郎の心を占めているのは啓子のことだけだった。だが、啓子は五郎の求愛に頷きながら、沢井殺しの犯人として五郎を宇須刑事に密告していたのだった。朝モヤの立ち込める波止場で拳銃を乱射しながら警官隊に向って行った五郎は、一発の銃弾に崩れ落ちていった。

紅の流れ星紅の流れ星
松尾嘉代                          宍戸錠

題名:紅の流れ星
監督:舛田利雄
企画:園田郁毅
脚本:池上金男、舛田利雄
撮影:高村倉太郎
照明:熊谷秀夫
録音:福島信雅
美術:木村威夫
記録:熊野煕子
編集:井上親弥
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:岡田康房
助監督:小沢啓一
色彩計測:舟生幸
特殊撮影:日活特殊撮影部
スチール:浅石靖
出演:渡哲也、浅丘ルリ子、藤竜也、宍戸錠、杉良太郎、奥村チヨ、松尾嘉代、谷村昌彦、山田真二、木島一郎、久里千春
1967年日本・日活/シネスコサイズ・カラー97分35mmフィルム
紅の流れ星 -DVD-
2017年6月現在、DVDレンタルはありません。

紅の流れ星紅の流れ星
藤竜也

紅の流れ星紅の流れ星

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