映画「われに撃つ用意あり」


原田芳雄                        桃井かおり

今回は若松孝二監督1990年製作「われに撃つ用意あり(READY TO SHOOT)」をピックアップする。
本作は、全共闘で戦った主人公が、ヤクザから逃げる不法入国のベトナム女性を助ける事によって、全共闘世代の仲間達のその後が炙り出される。本作の一面で、あの時代の総括として訴求したと思うのは深読みなのか?初見の方は、60年代後半~70年代の若松孝二監督作品を観てから本作を観るべきである。

作品リスト


ルー・シュウリン                    蟹江敬三

【ストリー】
新宿・歌舞伎町。スナック“カシュカシュ”のマスター郷田克彦(原田芳雄)の前に、ヤクザに追われている女が現れる。女の名はヤン・メイラン(ルー・シュウリン)、ベトナム人である。その頃、外では桜道会系戸井田組々長が銃殺される事件が発生し、新宿署のマル暴刑事・軍司(蟹江敬三)が捜査を開始していた。殺人現場にはVHS-Cビデオのアダプターが残されていたが中身のテープはなかった。一方“カシュカシュ”では20年間続いたこの店の閉店パーティが行なわれており、克彦のかつての全共闘の同志である季律子(桃井かおり)、秋川(石橋蓮司)、三宅ら(小倉一郎)が集っていた。中にはメイランの姿も見え、実は彼女がベトナム難民であり、偽造パスポートを持つ密入国者であることが判明する。逃走のためのパスポートを取りに店を出たメイランは、戸井田組に追われるが克彦はそんな彼女を救出するのだった。一方、事件を追う軍司は、戸井田組がタイの女にパスポートをネタに売春させ、その女に組長が殺されたらしいことと、女がビデオテープを持っていることをつきとめた。時を同じくして香港ヤクザが戸井田組々員を殺害する事件が起り、そこで軍司はビデオテープを発見する。それは桜道会桜田のフィリピン女の殺人シーンだった。メイランは克彦と仲間に戸井田に脅され、犯されそうになった時、銃が暴発して戸井田を殺してしまったことを打ち明ける。そして対策を練っていた時、秋川が香港ヤクザに殺されてしまい、メイランもさらわれてしまう。克彦は一人でメイランを救出することを決意する。そんな克彦と行動を共にする季律子。リボルバーを手に香港ヤクザのいるフィリピンパブへ向う二人は、ヤクザと警察を向こうに激しい銃撃戦の末、メイランを無事逃がす。そして、負傷した二人は互いを支え合いながら薄れかける意識の中で笑い合うのだった。


麿赤児

題名:われに撃つ用意あり
英題:READY TO SHOOT
監督:若松孝二
企画・製作:若松孝二
製作:清水一夫
原作:佐々木譲「真夜中の遠い彼方」
脚本:丸内敏治
撮影:伊東英男、田中一成、佐久間栄一
照明:安河内央之
録音:栗林豊彦
美粧:大石聖子
編集:鈴木歓、遠山千秋
音楽:梅津和時 主題歌:原田芳雄「新宿心中」「魂の1/2」
フィルム:イーストマンコダック
撮影機材:ナック (Arriflex)
現像:東映化学 タイミング:新井喜久也
助監督:田代廣孝
製作協力:花田企画
モデルガン:BIG SHOT
スチール:佐々木美智子
出演:原田芳雄、桃井かおり、ルー・シュウリン、蟹江敬三、石橋蓮司、松田ケイジ、室田日出男、吉澤健、山口美也子、小倉一郎、西岡徳馬、佐野史郎、山谷初男、麿赤児、外波山文明、下元史朗、又野誠治
1990年日本・若松プロダクションシ+松竹/ビスタサイズ・カラー106分35mmフィルム
われに撃つ用意あり -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


石橋蓮司                                            松田ケイジ、桃井かおり、原田芳雄、ルー・シュウリン

われに撃つ用意あり」原田芳雄、桃井かおり 新宿歌舞伎町コマ劇場前(現在はありません)

映画「水のないプール」


「水のないプール」内田裕也 ※上の画はクリックすると別画面で拡大されます。

「水のないプール」中村れい子

内田裕也                       中村れい子

今回は若松孝二監督1981年製作「水のないプール」をピックアップする。
本作は「餌食(1979年)」に続いて東映系列館で公開されたものだが、内容はクロロホルムを部屋にまき散らし女性を眠らせた後、侵入して性的暴行を働く男が主人公の物語である。これは1980年に宮城県仙台市で実際に発生して世間を震撼させた事件に着想を得ているそうだ。主人公の男(内田裕也)は地下鉄の駅員の設定なので、東京メトロ東西線5000系(2007年3月引退)が登場したり、硬券に鋏を入れたりする貴重なシーンもある。

【追記・訃報】
ロック歌手で映画俳優としても活躍した内田裕也(うちだ・ゆうや、本名内田雄也)さんが2019年3月17日午前5時33分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。79歳。兵庫県西宮市出身。2017年11月に脱水症状で倒れてから車椅子生活を余儀なくされていた。2018年9月15日に妻で女優の樹木希林さん(享年75)に先立たれ、喪失感が消えない中での死となった。都知事選出馬など常に話題を提供し続けたロック界のカリスマだった。
2019/3/19 08:05 スポニチアネックス配信

東京メトロ東京メトロ
営団地下鉄5000系
5000系は1964年から1981年に428両が製造されました。営団地下鉄初の20m級車両で、2007年3月17日までは東西線で現役でした。その後アルミ試作車3両固定編成でワンマン化され、千代田線北綾瀬支線(綾瀬~北綾瀬駅間)で2014年3月末まで運用されました。(東京の電車より)

本作は特別出演・友情出演が凄い。沢田研二さん、安岡力也さん、イラストレーターの黒田征太郎さん、漫画家の赤塚不二夫さん、タモリさん、原田芳雄さん、常田富士男さんといった貴重な面々が参加している。


MIE                       内田裕也、藤田弓子

【ストリー】
主人公の男(内田裕也)は地下鉄の駅員。家に帰れば口やかましい女房(藤田弓子)、仕事は毎日喧噪の中で無気力になっていて何かを変えようとしながらうまく行かない。勤め帰りに酒場に立ち寄り、酔っ払いとやくざの小ぜりあいにまき込まれて右手を怪我し、駅前の噴水で血を流っているとき不思議な少女みくが近寄って来た。みく(浅岡朱美)は男を水のないプールへ連れて来て裸になる。そのみくを置きざりにして、男はその足で数日前に暴漢から助けたじゅん(MIE)の部屋へ忍び込もうとするが気付かれ、戸締りをするように注意して出てゆく。夏休みのある日、男は息子の昆虫採集で使う注射器を見ていて、女を昆虫のように薬で眠らせることを思いつく。男はわざわざ遠くの薬局から大量のクロロホルムを手に入れ、侵入に必要な道具を買い揃えた。男はまず、じゅんのアパートで実験してみる。窓の隙間から注射器でクロロホルムを注入し、じゅんを眠らせた。この成功に味をしめて、かねてから目をつけていたフルーツパーラの店員ねりか(中村れい子)の部屋へ自分は昏倒しないように防塵マスクで身を堅めてねりかを犯す。犯した後で男は朝食の用意や洗濯までしてねりかの部屋を出た。男はポラロイドカメラを買い、犯した女を撮っていた。その写真を同僚に見られ、それをきっかけにして地下鉄をやめた。狂気のおもむくままに侵入と暴行をくり返し、男は生き生きとしていた。ねりかはうす気味悪い思いをしていたが男を待つようになる。ふと不安になり友だちに一緒に泊ってほしいと誘う。三人が寝ているねりかの部屋へ男はやはりクロロホルムを注入して侵入して来たが、そこにあったシャボン玉を吹こうとマスクをはずし、クロロホルムを吸って昏倒してしまう。目覚めた一人が男に気付いて警察へとどける。男の夢は終わったかに見えた。しかしねりかは告訴を取り下げ、男は再び水のないプールに立った。みくの吹くシャボン玉はふわふわと上っていった。


浅岡朱美                    中村れい子、内田裕也

沢田研二、安岡力也                  黒田征太郎

原田芳雄                       常田富士男

タモリ                       赤塚不二夫


「水のないプール」中村れい子

題名:水のないプール
英題:A POOL WITHOUT WATER
監督:若松孝二
製作:若松孝二、浅岡弘行、清水一夫
脚本:内田栄一
撮影:袴一喜
照明:磯貝一
録音:杉崎喬
美術:細石照美
美粧:小沼みどり
衣装:第一衣装
小道具:部谷京子
効果:秋山実
編集:中島照雄
音楽:大野克夫
撮影機材:KPNews
現像:東映化学
製作主任:磯村一路
監督助手:成田裕介、福岡芳穂、東山通
撮影助手:田中一成、西川哲
周明助手:石垣圭三郎、木下省三、石川整
スチール:五海祐治、中島俊雄
出演:内田裕也、中村れい子、MIE、藤田弓子、浅岡朱美、紗貴めぐみ、殿山泰司、安岡力也、常田富士男、赤塚不二夫、黒田征太郎、タモリ、沢田研二、原田芳雄
1981年日本・東映セントラルフィルム/ビスタサイズ・カラー103分35mmフィルム
水のないプール -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


「水のないプール」内田裕也

映画「ゆけゆけ二度目の処女」


小桜ミミ                       秋山未痴汚

今回は若松孝二監督1969年製作「ゆけゆけ二度目の処女」をピックアップする。
1966年の「胎児が密漁する時」では若松プロ旧事務所(新宿)を使って密室劇を創り上げたが、本作では原宿セントラルアパートの転居先事務所の屋上を使った閉鎖空間が舞台になった。共演の秋山未痴汚さんは若松組の助監督さんであり、この時代の常連俳優でもある。


ゆけゆけ二度目の処女

【ストリー】
東京の都心を見下ろすマンションの屋上。そこを根城にするフーテングループに少女(小桜ミミ)は暴行された。そして助けを求める少女をただじっと傍観する少年(秋山未痴汚)がいた。「私を殺して!」輪姦されるのは2度目だという少女は、少年に懇願した。「殺す理由さえあれば、人なんか簡単に殺せるさ」そう応えた少年に、「理由なんか簡単にできるわ」と少女。そして、ふたりの理由探しの旅が始まった。マンションの地下室へ、少年の部屋へ、そして再び屋上へと・・・。しかし、ふたりの旅は決して、建物の外へと出ることはなかった。

題名:ゆけゆけ二度目の処女
監督:若松孝二
企画・製作:若松孝二
脚本:出口出(足立正生、小水一男) 詩:中村義則
撮影:伊東英男
照明:磯貝一
録音:福田伸
音効:創音社
編集:貝流勘助
音楽:迷宮世界
助監督:小水一男
監督助手:秋月皓淳、小山陽、吉積め組
撮影助手:伊達進
照明助手:福井通夫
製作進行:井出洋一
製作事務:小島和夫
現像:目黒スタジオ
出演:小桜ミミ、秋山未痴汚、善兵世志男、風雅超邪丸、青木幽児、江島裕子、マルセル・マキ
1969年日本・若松プロダクションシ/ネスコサイズ・パートカラー65分35mmフィルム
ゆけゆけ二度目の処女 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


ゆけゆけ二度目の処女

ゆけゆけ二度目の処女

【出演者】
少女:小桜ミミ
オバケ:イ魚堂力
タカ:善兵世志男
アオ:青木幽児
マモ:風雅超邪丸
めぐみ:マルセル・マキ
みどり:加上玲
あき:花村亜流芽
娼婦:マダム・エドワルド
管理人:保根桂和
少年:秋山未痴汚
乱孝寿
江島裕子
松浦康
今泉洋

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