映画「ラーメン大使」


フランキー堺                      船越英二

今回は島耕二監督1967年製作「ラーメン大使」をピックアップする。
本作は、東宝専属俳優だったフランキー堺さんが、1958年から1969年まで制作された”駅前シリーズ(全24作)”の「喜劇 駅前満貫(監督:佐伯幸三)」と「喜劇 駅前学園(監督:井上和男)」の間に大映で制作された人情喜劇である。同年の他作品と比べて、感覚が古いなという印象だった。


渚まゆみ                        高毬子

【ストリー】
大小さまざまな船が停泊している横浜港に着いた貨物船で中国服を着た男が日本にやってきた。王さん(フランキー堺)である。古びた頭陀袋を堤げて、感慨無量の面持ちである。28年前、中国で極貧の生活を送っていた王さんは、一兵卒の山川(星ひかる)という日本人にお金を借り、今、その恩返しをしようと日本にきたのである。しかし、山川という名前だけでは探しようがない。王さんはクリーニング店の六さん(三角八郎)や長島巡査(船越英二)の世話で「万来軒」に住み込み、根気よく山川さんを探すことにした。たちまち王さんは人気者になってしまった。たどたどしい日本語も人気の原因だったが、何よりも王さんのチャーシューメンがおいしかったからである。そんな間に、訪ねてみた山川さんがとんだ人違いだったりしたが、ある日、ひょんなことから100万円を盗んだドロ棒を捕えたことから、王さんは全国に紹介されることになった。ところが、ニュースを聞いて現われたのは、山川組の親分で、王さんに金を貸したという。しかし、この親分は戦争中、刑務所に入っていたことが分った。その他、王さんの善意を利用しようとする人が次々に現われて、彼は弱ってしまった。しかも旅券の期限が迫っていた。万来軒のおしげ婆さんや六さんも奔走してくれたが、なかなか本物の山川さんには会えなかった。ところが、ある日、たったひとつの手掛りをもとに訪ねてみると、王さんの前に現われた老人こそは、探し求める山川さんたった。山川さんは実は、23円50銭を王さんに貸したのである。二人は再会を喜び、やがて、王さんの帰国の日には、六さんや長島巡査も駆けつけ、王さんは満足そうな笑顔を浮べて故国へ帰っていった。


春川ますみ                     若水ヤエ子

題名:ラーメン大使
監督:島耕二
企画:藤井浩明
原作:花登筐
脚本:舟橋和郎、花登筐
撮影:渡辺徹
照明:泉正蔵
録音:三枝康徐
美術:高橋康一
記録:沓掛恒一
編集:鈴木東陽
音楽:大森盛太郎
現像:東京現像所
製作主任:真鍋義彦
助監督:遠藤重行
スチール:沓掛恒一
出演:フランキー堺、船越英二、渚まゆみ、高毬子、春川ますみ、若水ヤエ子、人見きよし、星ひかる、中村是好、市村俊幸、丸井太郎、三角八郎
1967年日本・大映/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
ラーメン大使 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


フランキー堺、船越英二              ラーメン大使

映画「駅前旅館」


森繁久彌                         淡島千景、伴淳三郎

今回は豊田四郎監督1958年製作「駅前旅館」をピックアップする。
“駅前シリーズ”は、1958年から1969年まで東京映画で制作された喜劇である。
レギュラー陣はほぼ変わらず25作品が作られた。

【東京映画・駅前シリーズ】
1958年「駅前旅館」
1961年「喜劇 駅前団地」「喜劇 駅前弁当」
1962年「喜劇 駅前温泉」「喜劇 駅前飯店」
1963年「喜劇 駅前茶釜」
1964年「喜劇 駅前女将」「喜劇 駅前怪談」「喜劇 駅前音頭」「喜劇 駅前天神」
1965年「喜劇 駅前医院」「喜劇 駅前金融」「喜劇 駅前大学」
1966年「喜劇 駅前弁天」「喜劇 駅前漫画」「喜劇 駅前番頭」「喜劇 駅前競馬」
1967年「喜劇 駅前満貫」「喜劇 駅前学園」「喜劇 駅前探検」「喜劇 駅前百年」
1968年「喜劇 駅前開運」「喜劇 駅前火山」
1969年「喜劇 駅前桟橋」


フランキー堺                              淡島千景

【ストリー】
“私、駅前の柊元(くきもと)旅館の番頭でございます”生野次平(森繁久彌)は30年の経験をもつ「お帳場様」である。上野界隈も昔とはずい分変ったものだ。柊元旅館は今日も修学旅行の団体客でごったがえしている。馴染みの旅行社の添乗員・小山(フランキー堺)が忙しく中学生をさばく。次平は山田紡績の社長一行のなかの女客に二の腕をつねられた。その女客は女中のお京(三井美奈)に伝言を残すと発っていった。次平には気の合った番頭仲間が四人いた。そのうちの高沢(伴淳三郎)に尻尾をつかまれ、今度の慰安旅行の幹事にされた。その役は艶聞を立てた者に振りあてられることになっていたのだ。馴染みの飲み屋・辰巳屋のお辰(淡島千景)のところで行先を江の島と決めた。夏の江の島には全国から番頭たちが客引の腕をみがきにくる。昔、ここで次平や高沢は芸を張り合ったものだ。次平は彼をつねった女のことをやっと思い出した。於菊(淡路恵子)--江の島時代の旅館の豆女中だった。間もなく、例の山田紡績の女工たちの団体がやってきた。於菊が保健係の先生と共に引卒していた。次平は席を設けて於菊と会ったが、“旅の恥はかきすてというような気持……”といった於菊の言葉が彼のカンにさわった。社長の妾で工場の寮長に納って満足気な女の手前勝手だ。“お前、宿へ帰んなよ”彼には昔流の意地があった。--下級旅館の強引な客引・カッパの連中が格元に泊った女学生三人を怪我させた。次平は主人から怒鳴られ、小山は自分の客から怪我人が出てクサった。次平は一計を案じ、上野駅前浄化運動を始め、カッパ連中を締め出す看板を一帯にめぐらした。本部は辰巳屋に置いた。カッパ連は次平を出せと柊元に押しかけた。因っているお内儀を助けようと、次平は暇乞いの口上を述べたが、主人(森川信)がそれを利用し、本当に彼をクビにした。彼はさっと最後の客引きの手際を見せるとそのままを消した。その夜、小山もお京を連れて柊元を出、大阪を目指した。次平は追ってきたお辰と一緒に日光行の二等車に収っていた。住み慣れた上野の火がのろのろと二人の目前を動いていった。


森繁久彌、三井美奈                         淡島千景、森繁久彌

題名:駅前旅館
監督:豊田四郎
製作:佐藤一郎
原作:井伏鱒二
脚本:八住利雄
撮影:安本淳
照明:石川緑郎
美術:松山崇
録音:渡会伸
編集:岩下廣一
音楽:団伊玖磨
現像:東洋現像所
製作主任:大久保欣四郎
製作補:金原文雄
助監督:廣沢栄
スチール:山崎淳
出演:森繁久彌、伴淳三郎、フランキー堺、淡島千景、淡路恵子、三井美奈、草笛光子、山茶花究、森川信、藤木悠、都家かつ江、若水ヤエ子、左卜全、多々良純、藤村有弘
1958年日本・東京映画/東宝スコープ(シネスコサイズ)・カラー109分35mmフィルム
喜劇 駅前旅館 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


駅前旅館                            淡島千景、森繁久彌

映画「喜劇 初詣列車」


渥美清                                 佐久間良子

今回は瀬川昌治監督1967年製作「喜劇 初詣列車」をピックアップする。
本作は、東映が1967年に東宝や松竹の喜劇映画に対抗し、国鉄の全面協力で製作した喜劇列車シリーズの第3作(最終作)だ。翌年からスタートする松竹の「男はつらいよシリーズ」の渥美清さんが、寅さんを演じる前に撮られたシリーズである。尚、前作は「喜劇 急行列車」「喜劇 団体列車」である。


城野ゆき                             楠トシエ、中村玉緒

川崎敬三                              小松政夫、渥美清

【ストリー】
国鉄の車掌の新作(渥美清)は、妻幸江(中村玉緒)と、平凡だが幸せな毎日を送っていた。ある日、列車の中で幼な馴染みの美和子(佐久間良子)と会った新作は、何故か沈みがちな彼女を元気づけた。幼い頃から新作の憧れの的だった美和子は、新潟地震で父母を失い、芸者になりながら、行方不明になった弟の研吉(小松政夫)を探しているということだった。新作はそんな美和子のために、何かと相談相手になってやるのだった。ところが、事情を知らない幸江は、そんな新作を見て、浮気をしているのではないかと疑い出したのである。新作はそれに構わず、研吉を探すために四方八方を駆けずり回った。彼は、研吉とは恋仲で、行方知れずになった研吉を探している房子(城野ゆき)と会った。房子の言葉から、研吉が平凡な生活に愛想をつかしてフーテンになったらしいと知った新作は、前衛芸術家の溜り場、ソープランド、深夜スナックなどを探し歩いた。ある日、彼はついにフーテン姿の研吉を探しあてた。根の正直な新作は、フーテンの心理は理解出来なかったが、ともかくも普通の平凡な生活にこそ、本当の幸せがあるのだと熱心に説き、はては自らフーテン姿になって、研吉の心を理解しようと努めるのだった。一方、幸江は新作が女にもてるはずはない、と思いながらも、やはり心おだやかではなく、新作の弟夏男(川崎敬三)に頼んで、夫の行状を調べてもらったりした。そんな時、研吉を連れた新作が、フーテンの飲むクスリを飲み、フラフラになって家に帰ってきた。新作の姿に驚いた幸江は、気が狂ったのではないかと泣いたり、医者を呼んだり、大騒ぎを演じた。そこへ新作から、研吉発見の知らせを受け取った美和子がやってきた。美和子から事情を聞いた幸江は、すっかり今までの誤解をといた。研吉も、新作の尽力で鉄道弘済会に勤めることが決った。やがて正月が来た。春に式を挙げることに決った研吉と房子を伴ない、新作夫婦はお伊勢参りに出発した。ちょうど彼らの乗った新幹線の列車の窓からは、二見ケ浦から昇る新年の太陽が望まれた。


若水ヤエ子、西村晃                     左卜全、渥美清

題名:喜劇 初詣列車
監督:瀬川昌治
企画:秋田亨、加茂秀男
製作:大川博
脚本:舟橋和郎
撮影:西川庄衛
照明:元持秀雄
録音:井上賢三
美術:北川弘
編集:祖田富美夫
音楽:河辺公一
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学
進行主任:伊藤源郎
助監督:高桑信
スチール:丸川忠士
出演:渥美清、中村玉緒、佐久間良子、川崎敬三、小松政夫、城野ゆき、楠トシエ、西村晃、財津一郎、若水ヤエ子、財津一郎、左卜全
1967年日本・東映/シネスコサイズ・カラー91分35mmフィルム
喜劇 初詣列車 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


城野ゆき、小松政夫                          国鉄165系電車

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