映画「妖怪百物語」


藤巻潤                      吉田義夫、高田美和

今回は安田公義監督1968年製作「妖怪百物語」をピックアップする。
当時妖怪ブームを巻き起こした作品で、油すまし、ろくろ首、ぬらりひょんなど日本古来の妖怪たちが勢揃いするが、全く怖くない内容だったが、光学合成(オプチカル)処理はレベルが高い。


坪内ミキ子、高田美和                 ルーキー新一

【ストリー】
豪商利右衛門(神田隆)は豊前守(五味龍太郎)や町内の権力者を招き、百物語という怪談の会を催した。これは、怪談がひとつ終るごとに灯をひとつずつ消していくもので、最後の灯が消えたとき妖怪が出ると言われている。そのため、終りには、必ず、つきもの落しのおまじないをすることになっていた。利右衛門は寺社奉行の豊前守と結託して、貸した金のかたに下町の甚兵衛(花布辰男)の長屋を取り壊し、岡場所をつくろうとしていたのだが長屋の人たちの反対にあっていた。そこでこの会を催したのだが、百物語が終っても利右衛門はおまじないもせず、来客に小判の包みを土産にして帰した。異変はすぐに起った。来客はその帰途、“おいてけ堀”の不気味な声におどされ小判はすべて堀の中に吸い込まれていったのだ。一方、忍び込んでいた長屋の浪人安太郎(藤巻潤)は話の終る前に、小判の包みを持ち出して甚兵衛に渡していた。甚兵衛はその金で借金を返したが、利右衛門は甚兵衛を重助に殺させて証文を奮ってしまった。一方、甚兵衛の娘おきく(高田美和)は、好色な豊前守の餌食になりかけていたところを、安太郎に救われた。しかし、長屋は、作業員たちによって取り壊されようとしていた。その時、様々な妖怪が作業員の目にうつり、彼らはおびえて逃げ出してしまった。その知らせに、利右衛門と重助(吉田義夫)は現場に急いだが、甚兵衛を殺した場所から巨大な“大首”が現われ、この妖怪に翻弄されて、二人はお互に相手を刺して死んでしまった。ちょうどその頃、豊前守の家にも妖怪が現われていた。狂ったように妖怪を斬ろうとする豊前守を見ていた安太郎は、寺社奉行の不正の証拠書類をつきつけたが、絶望した豊前守は自害して果てた。安太郎は幕府の目付役だったのだ。


妖怪百物語

題名:妖怪百物語
監督:安田公義
企画:八尋大和
脚本:吉田哲郎
撮影:竹村康和、田中省三
照明:伊藤貞一、美間博
録音:大角正夫
音効:倉嶋暢
美術:西岡善信、加藤茂
造型:八木正夫、エキスプロダクション
線画:ピー・プロダクション
技斗:楠本栄一
特技監督:黒田義之
特撮:森田富士郎
編集:菅沼完二
音楽:渡辺宙明
現像:東洋現像所
製作主任:西沢鋭治
助監督:太田昭和
スチール:小山田輝男
出演:藤巻潤、高田美和、坪内ミキ子、平泉征、ルーキー新一、林家正蔵、吉田義夫、浜村純、神田隆、五味龍太郎、花布辰男
1968年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー79分35mmフィルム
妖怪百物語 -DVD販売-
妖怪百物語[DMMレンタル]


妖怪百物語                  坪内ミキ子、藤巻潤、高田美和

映画「トラック野郎 故郷特急便」


「トラック野郎 故郷特急便」菅原文太

石川さゆり                      森下愛子

今回は鈴木則文監督1979年製作「トラック野郎 故郷特急便」をピックアップする。
シリーズ第10作の本作は、トラック野郎シリーズ最終作になる。全国のファン投票により決定した高知を舞台に物語は展開する。今回のマドンナは、石川さゆりさん、森下愛子さんのダブルマドンナという布陣だ。現在でもトップ歌手の石川さゆりさんの歌唱に魅了される。しかしながら本作は、シリーズ初の不振で予定より4日早めて24日間で打ち切りになり、「動乱」の繰り上げ公開となった。

トラック野郎シリーズ


「トラック野郎 故郷特急便」石川さゆり

「トラック野郎 故郷特急便」森下愛子

【トラック野郎シリーズが終結した理由】
過密な撮影スケジュールと低予算で製作された第1弾「トラック野郎 御意見無用」は1975年8月30日に公開された。これは同年7月に公開されたオールスターキャストの大作「新幹線大爆破」の配給収入の2倍以上の約8億円を売り上げた。単発で終わる予定だったが、当時の東映岡田社長が「正月映画はトラックで行け!」「トラ(寅さん)喰う野郎やで」と第2弾の題名を “爆走一番星” と即座にシリーズ化を決定した。ライバル映画会社の松竹「男はつらいよ」と常に同時期の公開だった事から、”トラトラ対決(トラック野郎と寅さんの対決)”と呼ばれていたそうだ。
物語の中核を担うのは、寅さんではありえない “下ネタ”  “殴り合いの喧嘩”  “派手なカーアクション” で、特に追跡する白バイやパトカーが横転、大破するなど、警察組織をコケにしたアイロニーが規制なしに連なる。また下ネタのシーンでは、屋外での排泄行為やトルコ風呂(ソープランド)、走行しながらの性行為など、過激な描写が多い。これらはテレビ放映ではカットされている。そしてついに、警察庁からクレームがあり、製作打ち切りとなるきっかけになったそうだ。
(ウィキペディア参照)


愛川欽也                       原田大二郎

春川ますみ                       大坂志郎

【ストリー】
銚子市場から次の荷を高知へ運ぶことになった桃次郎(菅原文太)とジョナサン(愛川欽也)は、カーフェリーで高知に何かった。同じ船に乗り合せた地方廻りの歌手、小野川結花(石川さゆり)が楽譜を海に落としてしまい、桃次郎は海に投び込んでかき集める。高知についたところで、ジョナサンは目がくらんで蛇行運転、診断を受けると、脳血栓の疑いとか。悲観したジョナサン、足摺岬で自殺を企るが、ドライブインの店員、風美子(森下愛子)に助けられる。美人の出現で桃次郎は大ハリキリ、彼女を家に送っていく。家では中気の母(小畠絹子)が寝ていた。隣の家に住む老人、垣内清馬(大坂志郎)は6年前に行方不明になった息子、竜次(原田大二郎)を待ち続け、その嫁に風美子を迎えようとしていた。数日後、土佐犬をわきに座らせたトラック野郎、竜次に出会った桃次郎は、そのことを告げに清馬のところへいくと、風美子の母が危篤で、彼女は「南国土佐」を聞かせたいという。風美子の願いに、桃次郎はキャバレーで唄っている結花を、ヤクザの岩瀬(安部徹)が止めに入るのを無視して連れ出し、臨終にはなんとか唄を聞かせることができた。一方、ジョナサンは病気も全快して川崎へ戻った。清馬の家では竜次が6年ぶりに帰ってきていた。そんなとき、闘犬大会が開かれることになった。竜次の竜馬号と岩瀬の犬が闘った。トラック仲間や風美子が応援にかけつけ、竜馬号は不利な形勢から逆転勝ち。幸せそうに肩を寄せ合う竜次と風美子、桃次郎もドサクサにまぎれて結花にプロポーズ。その時、桃次郎が乗せたことのある外国人のヒッチハイカーがやって来た。彼はアメリカのレコード会社のディレクターで、結花を大阪梅田コマに出演させると言う。しかし、結花は好きな人と一緒になれるなら、歌は諦める決心をしていた。「あなたのお嫁さんにして」という結花をのせて、一番星は自慢のトラックをスタート。


小畠絹子                        菅原文太

題名:トラック野郎 故郷特急便
監督:鈴木則文
企画:天尾完次、高村賢治
脚本:中島丈博、松島利昭
撮影:出先哲也
照明:萩原猶義
録音:林鉱一
音効:原尚
美術:桑名忠之
装置:清水次郎
装飾:酒井喬二
美粧:井上守
美容:宮島孝子
衣装:福崎精吾
技斗:尾型伸之介
記録:宮本依子
編集:戸田健夫
音楽:木下忠司 主題歌:菅原文太、愛川欽也「一番星ブルース」 挿入歌:石川さゆり「傷だらけの恋」
製作主任:佐藤和之
助監督:新井清
現像:東映化学
スチール:加藤光男
出演:菅原文太、愛川欽也、石川さゆり、森下愛子、春川ますみ、原田大二郎、大坂志郎、小畠絹子、日向明子、玉置宏、大月ウルフ、波乃ひろみ、由利徹、南利明、安部徹、藤巻潤、名和宏、山城新伍
1979年日本・東映/シネスコサイズ・カラー110分35mmフィルム
トラック野郎 故郷特急便 -DVD-

本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

菅原文太                    「トラック野郎 故郷特急便」

「トラック野郎 故郷特急便」

「トラック野郎 故郷特急便」石川さゆり

映画「大魔神」


高田美和                       藤巻潤

今回は安田公義監督1966年製作「大魔神」をピックアップする。
大映京都撮影所で製作された大魔神は、本作と「大魔神怒る」「大魔神逆襲」の三作がある。
「座頭市シリーズ」「眠狂四郎シリーズ」などで手腕を発揮した安田公義監督と大映京都のスタッフは、長年築いた時代劇セットのノウハウをつぎ込み、見応えのある建物のミニチュアを制作し、魔神の背丈に合わせて瓦の各個の大きさまで1/2.5の縮尺したした上で、フィルムの速度も2.5倍(60コマ/秒)に統一したそうだ。クランク・インは1966年2月3日、クランク・アップは4月10日、テスト撮影を入れれば3か月かけて撮影が行われたそうだ。特筆すべきは、撮影の森田富士郎氏が本編と特撮を担当されている事だ。これは他の特撮映画ではない事である。

※大映京都撮影所は、1927年に日活太秦撮影所として開業し、1942年に戦時統合で大映京都撮影所となった。1971年大映倒産後、1974年に徳間書店傘下になることで再建したが、1986年4月には完全に閉鎖され跡地は住宅地となった。


青山良彦

【ストリー】
時は戦国、丹波のある山里の城下に恐ろしい魔神の伝説があった。この魔神は武神によって山奥の岩壁に封じこまれていたが時々暴れ出ようと、地響きをたてて人心を脅かし、領民は魔神封じの祭をして、平和を祈った。その祭の夜、城内に家老大舘左馬之助一味の諜反が起り、城主花房忠清夫妻は討たれ、遺児忠文(青山良彦)と小笹(高田美和)の二人は近臣猿丸小源太(藤巻潤)とともに魔神封じの巫女信夫の手引きで、武神像の傍らの洞窟で成長をとげた。その間勢力を増した左馬之助(五味龍太郎)は重税をかけ、領民の恨みをかった。城増築の大工事の作業員にまぎれた花房の遺臣たちは、連絡のため山を降りた左馬之助の腹臣犬上軍十郎に捕えられた。危難を知った忠文は山を降りたが、またも軍十郎の罠に陥り、取り押えられた。忠文らの安否を気使う信夫は、左馬之助を訪ね、山の神の怒りの恐ろしさを伝え、彼の暴虐なふるまいを戒めた。しかし左馬之助はかえって、山の神像をこわし、花房残党と領民の結びつきを切ると放言し反対する信夫を斬殺、軍十郎に神像破壊の厳命を下した。山に残された小笹と百姓茂助の子竹坊は、忠文、小源太らが明朝処刑されるのを聞き、信夫が亡くなったのを知った。神像破壊にいらだつ軍十郎は、タガネを神像の額に打込んだ。傷口から鮮血が落ちたと見るや、稲妻、雷鳴、地割れが起り、軍十郎は物凄い地割れの中にのみこまれた。小笹らは兄たちの命を気づかい必死に武神像に祈り続け自分の命にかえてもと大滝へ身を投げようとした瞬間、大地は震動して、神像は巨大な魔神の姿となって現われた。城下で大あばれにあばれた魔神は、忠文と小源太の処刑台を紛砕し、左馬之助は魔神の額にささったタガネで城門の柱に釘付けされ息絶えた。さらに村里へ向って猛威をふるいはじめた魔神に、小笹は静まってくれるよう、清い涙を落した。すると魔神の怒りの相は消え、大音響とともに土砂となってその場に崩れた。魔神は小笹の涙で消えたのだ。

題名:大魔神
企画:奥田久司
製作:永田雅一
監督:安田公義
特撮監督:黒田義之
脚本:吉田哲郎
撮影:森田富士郎 (本編・特撮)
照明:美間博
録音:林土太郎
音効:倉嶋暢
美術:内藤昭
技斗:楠本栄一
編集:山田弘
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所 合成:田中貞造
製作主任:田辺満
助監督:西沢鋭治
スチール:藤岡輝夫、小山田輝男
出演:高田美和、青山良彦、藤巻潤、五味龍太郎、島田竜三、遠藤辰雄、伊達三郎、出口静宏
1966年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー83分35mmフィルム
大魔神 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

1 2 3