映画「わるいやつら」

わるいやつらわるいやつら
片岡孝夫                                                               松坂慶子

今回は野村芳太郎監督1980年製作「わるいやつら」をピックアップする。
本作は原作者の松本清張氏が野村芳太郎監督達と1978年11月に設立した霧プロダクションの第一回作品となる。サスペンスというより愛憎と強欲、女の怖さを豪華俳優陣が見事に演じるが、特に緒方拳さんの井上警部が戸谷信一を取調室で落とすシーンは迫力があった。

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梶芽衣子                                                             宮下順子

【ストリー】
総合病院の院長・戸谷信一(片岡孝夫)は名医と言われた父の死後漁色にあけくれ、病院の赤字を女たちからまきあげた金で埋めていた。戸谷は妻の慶子と別居中で、横武たつ子(藤真利子)、藤島チセ(梶芽衣子)の二人の金ずるの愛人がいる。また彼は槙村隆子(松坂慶子)という独身で美貌のデザイナーに夢中になっている。戸谷は友人の経理士、下見沢(藤田まこと)に妻との離婚の金銭問題やその他の悪事を任せていた。愛人たつ子は深川の材木商のおかみで、親ほど歳の違う夫は、長く病床にあり、彼女が店をきりもりしていた。彼女は戸谷に金を貢ぎながら、夫を毒殺しようとする。戸谷の協力で、たつ子の計画は成功するが、家族の疑いで彼女は店の金を自由に使えなくなってしまう。戸谷は結婚を迫る金のないたつ子を、かつての父の二号で、自分も関係した婦長の寺島トヨ(宮下順子)と共謀して殺害する。一方の愛人、藤島チセも東京と京都にある料亭を切りまわす女傑で、戸谷の最大の資金源だった。チセも夫を疎ましがっており、戸谷はたつ子のときと同じ方法で殺害する。二度とも、医師として信用のある戸谷の書いた死亡診断書は何の疑いももたれなかった。戸谷は秘密を知るトヨの存在が次第に邪魔になり、モーテルで絞殺、死体を林の中に投げ捨てた。戸谷はすべての情熱を隆子に注いだ。一方、トヨの死体発見の記事はいつまでも報道されなかった。ある日、井上警部(緒形拳)が戸谷を訪れた。たつ子とチセの夫の死因に不審な点があると言う。追いつめられる戸谷。そこへ、下見沢が戸谷の預金を下して行方をくらませたことが判明する。絶望した戸谷は殺人で逮捕される。そして、殺したはずのトヨとチセが逮まった。トヨは息絶えておらず、逃げだしてチセと組んだのだ。無期懲役の戸谷にくらべ、二人は殺人幇助ということで、刑期はずっと短かかった。数日後、隆子のファッション・ショーが開かれていた。それは下見沢のプロデュースによるものだった。そして、ナイフを隠しもった下見沢が隆子に襲いかかった。刑務所に送られる戸谷の足もとに風に舞う新聞がからみついた。そこには「血ぬられたファッション・ショー・デザイナー重傷、中年男の悲恋」の見出があった。

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宮下順子                        緒形拳

題名:わるいやつら
監督:野村芳太郎
企画:松本清張
製作:野村芳太郎、野村芳樹
原作:松本清張
脚本:井手雅人
撮影:川又昂
照明:小林松太郎
録音:山本忠彦
美術:森田郷平
編集:太田和夫
音楽:芥川也寸志
助監督:大嶺俊順
スチール:赤井博且
出演:片岡孝夫、松坂慶子、梶芽衣子、藤真利子、宮下順子、神崎愛、藤田まこと、緒形拳、渡瀬恒彦、米倉斉加年、山谷初男、滝田裕介、小沢栄太郎、佐分利信
1980年霧プロダクション+松竹/ビスタサイズ・カラー129分35mmフィルム
わるいやつら -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

わるいやつらわるいやつら
渡瀬恒彦                     松坂慶子、藤田まこと

映画「空想天国」

空想天国
酒井和歌子

今回は松森健監督1968年製作「空想天国」をピックアップする。
本作は、主演の谷啓さんが尊敬し、その芸名の由来ともなったダニー・ケイ主演の「虹を掴む男(1947年)」をモチーフに夢見る純情男を巡るドタバタを描いたファンタジーコメディだ。当時子供たちを中心に国民的な人気を博した“ケロヨン”を思わせるキャラクター“ガマラ”も主人公の相棒的存在として登場する。マドンナ役の酒井和歌子さんが麗しい。

空想天国空想天国
谷啓                            酒井和歌子
空想天国空想天国
宝田明                        谷啓、藤岡琢也
空想天国空想天国
谷啓、藤木悠                    ハナ肇、谷啓、桜井センリ

【ストリー】
山水建設設計部勤務の田丸圭太郎(谷啓)は、マミーと呼ぶ母・久子(京塚昌子)と母ひとり子ひとりの暮らしだ。溺愛する「ガマラ」人形を見ていると、いつの間にかガマラが巨大化して動き出し、その背中に乗って空を飛ぶ白日夢を見るほどの空想家だった。内弁慶で気が弱い圭太郎は同じ設計部の二枚目・前野(宝田明)にいつも先を越され、会社では全くいいところがない。地震で倒れた高校の校舎を調査に行って喧嘩をふっかけて失敗したり、新建材を使用した大衆住宅の設計図と犬小屋の設計図を間違えたりと、近藤部長(藤岡琢也)にしぼられ、とうとう守衛に格下げされてしまった。そんなある夜、設計部に3人の泥棒が入った。守衛長の山村(佐田豊)が撃たれ機密書類が盗まれたため、圭太郎が疑われた。圭太郎には身に覚えのないことだったが、留置場に入れられるハメに。一方、前野は部長秘書の美智子(北あけみ)に不審を抱き、あとをつけて美智子のマンションに行ったが、逆に屈強な男たちに捕まってしまった。美智子は前野が睨んだ通り、産業スパイの仲間だった。前野が閉じ込められたアジトには、山村の娘・宏子(酒井和歌子)も誘拐され監禁されていた。その頃、留置場に入れられた圭太郎は取り調べの途中で脱走、警官を振り切って逃げるが、スパイのボス(平田昭彦)の家に向かう美智子たちに捕まってしまった。圭太郎は前野と宏子が監禁されている海岸のアジトに連れて行かれた。圭太郎は見張りの目をごまかし、何とか前野らとアジトを抜け出したが、たちまちボスたちに発見され、海岸に追いつめられてしまう。圭太郎、最大のピンチ! しかし、空想で現れたガマラの力を借りて勇気百倍。圭太郎は前野と宏子を岩陰にあったボートで逃がすと、奪い取った拳銃を片手に、スパイたちと壮烈な撃ち合いを演じたのだった。やがて警官隊が到着、産業スパイ一味は一網打尽に。この功績で前野は社長令嬢(豊浦美子)と結婚、また圭太郎も一躍部長に抜擢され、社長秘書となった宏子と結ばれたのだった。

空想天国空想天国
京塚昌子                       藤田まこと

題名:空想天国
監督:松森健
製作:渡邊晋
脚本:田波靖男
撮影:西垣六郎
照明:西川鶴三
録音:矢野口文雄
整音:下永尚
美術:本多好文
編集:武田うめ
音楽:萩原哲晶
現像:東京現像所
製作担当:橋本利明
監督助手:田中寿一
スチール:岩井隆志
出演:谷啓 酒井和歌子、宝田明、ハナ肇、京塚昌子、藤岡琢也、藤田まこと、北あけみ、平田昭彦、藤木悠、桜井センリ、佐田豊
1968年日本・渡辺プロダクション+東宝/シネスコサイズ・カラー85分35mmフィルム
空想天国【DVD】
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

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“ガマラ”

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