映画「ならず者」

ならず者ならず者
高倉健                         丹波哲郎

今回は石井輝男監督1964年製作「ならず者」をピックアップする。
本作は「東京ギャング対香港ギャング(1963年)」同様、香港とマカオにロケーションを敢行した新東宝調フィルム・ノワールである。海外ロケシーンが8割を占める映像は、観光映画にはならず、裏町の様子をリアルに捉えているのが良い。ジョン・ウー監督が本作にインスパイアされて「狼 男たちの挽歌 最終章(1989年香港)」を制作したそうだ。

ならず者ならず者
加賀まりこ                       三原葉子

【ストリー】
殺し屋の南条(高倉健)は、毛(安部徹)という男に殺しの仕事を頼まれて香港に来た。しかし目的の男を射殺し、指定されたホテルに金を受けとりにいってみると、彼を待っていたのは女の死体だった。警察の追求をのがれて毛を探すうちに、南条は遊園地の賭け台で缶詰めを射止め、そこで缶詰めをぜひ買いたいという中国服の女明蘭(三原葉子)に呼びとめられた。不審に思った南条が宿へ帰って調べて見ると、それは数億の値打ちの麻薬だった。翌日、南条は缶詰めを宿の少女小紅(高見理紗)に預けると明蘭が待つアパートを訪ねた。南条はそこで、麻薬と交換に明蘭のボス蒋(丹波哲郎)から、毛の居所を知らせてもらう約束をした。しかし明蘭は、麻薬の横取りを企み、南条をたくみにだまし、麻薬が小紅のところにあることを聞き出して小紅を殺して麻薬を強奪した。明蘭の情報から、毛が横浜にいることを探り出した南条は、横浜に帰るが、毛は一足ちがいで香港へ帰った後だった。再び香港へ戻った南条は、小紅を訪ねるが、そこで小紅が殺されたことを知る。毛を探して賭博場に来た南条は、そこで、勝った賭け金と交換に、毛の情報を聞き出すが、そこで蒋に会い、決闘を申しこまれた。蒋は南条が薬を持ち逃げしたと思い、又南条も、小紅殺しの張本人は蒋だと思っていたので、二人は怒り狂って闘う、がなお言い争ううちにそれが、明蘭の裏切りであることが解り二人は和解した。そして南条は蒋から毛のアジトを聞き出し、指定のホテルで、毛を待ちうけて復讐を果した。しかし南条も毛の手下に腹を射ち抜かれ、かけつけたパトカーの中で一人息を引きとるのだった。

ならず者ならず者
南田洋子                        杉浦直樹
ならず者ならず者
江原真二郎                   高倉健、加賀まりこ

題名:ならず者
監督:石井輝男
企画:関政次郎、片桐譲
脚本:石井輝男
撮影:林七郎
照明:川崎保之丞
録音:廣上益弘
美術:藤田博
編集:鈴木寛
音楽:八木正生
現像:東映化学工業
進行主任:門間安彦
助監督:高桑信
スチール:丸川忠士
出演:高倉健、丹波哲郎、杉浦直樹、江原真二郎、加賀まりこ、三原葉子、南田洋子、赤木春恵、今井健二、鹿内タカシ、千石規子、安部徹、高見理紗、高城丈二
1964年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー98分35mmフィルム
ならず者 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

ならず者ならず者
高倉健                        南田洋子 

ならず者

映画「昭和残侠伝 死んで貰います」


「昭和残侠伝 死んで貰います」藤純子、高倉健

高倉健                                                                         藤純子

今回はマキノ雅弘監督1970年製作「昭和残侠伝 死んで貰います」をピックアップする。
本作は “昭和残侠伝”シリーズ” の第7弾で、シリーズ最高傑作と言われる作品だ。
物語の展開、構成、斬り込みシーンのラストに至るまでバランスがとても良い。
私は “緋牡丹のお竜” の藤純子さんに痺れたが、本作は藤純子さんの芸者姿は、着こなしや所作など魅力的である。


長門裕之、池部良                 池部良、加藤嘉

【ストリー】
東京下町。古い暖簾を誇る料亭「喜楽」に生まれた秀次郎(高倉健)は、父が後妻をめとり妹が生まれたとき、家を出て渡世に身を沈めた。血のにじむような苦労が続く駈け出し時代の数年。ある寒い夜、秀次郎はなけ無しの金をはたいて挑戦した勝負でイカサマとも知らず無一文になり、雨をしのいで銀杏の木の下にうずくまっていた。その時出会ったのが、芸者になったばかりの貧しい娘・幾江(藤純子)だった。それから三年、押しも押されもせぬ堂々たる渡世人になった秀次郎は、イカサマ師とのごたごたで刑を受ける身となった。時は流れ、秀次郎の服役中に関東大震災が起き、「喜楽」は一家離散の瀬戸ぎわにと追い込まれるが、これを支えていたのは板前の風間重吉(池部良)と小父の寺田(中村竹弥)だった。大震災を境いに新しい近代都市として生まれ変っていく東京。
「喜楽」もまた、苦しい内情とは裏腹に、木の香も匂う真新しい建物となった。
昭和2年、出所した秀次郎は偽名で板前として働くこととなり、その姿を寺田は涙の出る思いで見守っていた。一方、幾江は売れっ妓芸者となって秀次郎の帰りを待っていて、重吉と寺田の計いで二人は7年ぶりに再会する。そんな頃、寺田一家のシマを横取りしようとことあるごとに目を光らせていた新興博徒の駒井(諸角啓二郎)が、「喜楽」を乗っとろうとしていた。秀次郎の義弟・タケシ(松原光二)は相場に手を染め、むざむざと「喜楽」の権利書を取り上げられてしまう。それを買い戻す交渉に出かけた寺田が、帰り道で襲撃され殺される。駒井の執拗な挑発に耐えてきた秀次郎だが、かけがえのない恩人の死に、ついに怒りを爆発。重吉と共に駒井のもとに殴りこみ、駒井をたたっ斬るのだった。


高倉健                     池部良、藤純子、高倉健

題名:昭和残侠伝 死んで貰います
監督:マキノ雅弘
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:大和久守正
撮影:林七郎、清水政郎
照明:川崎保之丞
録音:広上益弘
美術:藤田博
装置:吉田和喜義
装飾:上原光雄
技斗:日尾孝司
記録:高津省子
編集:田中修
音楽:菊池俊輔 主題歌:「昭和残侠伝」高倉健
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
製作主任:東一盛
助監督:澤井信一郎
スチール:遠藤努
出演:高倉健、藤純子、池部良、山本麟一、中村竹弥、長門裕之、八代万智子、三島ゆり子、永原和子、松原光二、加藤嘉、荒木道子、下沢広之、諸角啓二郎、南風夕子、高野真二、石井富子、小林稔侍、永山一夫、日尾孝司、山田甲一、小倉康子、久保一、高須準之助、赤木春恵、花田達、久地明、相馬剛三、木川哲也、佐川二郎、亀山達也、高月忠、畑中猛重、土山登志幸、五野上力、青木卓司、津川雅彦、真田広之(子役)
1970年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー92分35mmフィルム
昭和残侠伝 死んで貰います -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


高倉健                  「昭和残侠伝 死んで貰います」

映画「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」



高倉健                        三田佳子

今回は佐伯清監督1966年製作「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」をピックアップする。
“昭和残侠伝”シリーズ第2弾の本作は、高倉健さんと池辺良さんの道行きシーンに同シリーズ最高の美学を見た気がする。昔々、文芸坐のオールナイトで歓声が沸き上がったのを思い出す。映画にはこのカタルシスが必要なのだと思う。


高倉健、池部良                    芦田伸介

【ストリー】
大谷石の特産地として名高い宇都宮の石切場は、榊組をはじめとする、幾つかの組の者が仕切るならわしだったが、新興勢力左右田組の組長寅松は榊組をつぶし、縄張りを拡張しようともくろんでいた。この寅松(河津清三郎)には弥市(山本麟一)、宗二(関山耕司)、徳三(今井健二)の三人の息子がいたが、いずれも暴れ者揃いで町中の鼻つまみものになっていた。そうしたなかで花田秀次郎(高倉健)の弟分清川周平(津川雅彦)の許婚者くみ(清水まゆみ)に、弥市(山本麟一)が横恋慕した。周平を思う秀次郎の弱味につけこんだ寅松は、周平、くみの縁結びを条件に榊組三代目秋山幸太郎(菅原謙二)を秀次郎に斬らせた。それから7年の歳月が流れ、秀次郎は刑務所を出た。今では石切場は、左右田組がはばをきかせ、幸太郎を失った榊組は、未亡人八重(三田佳子)の必死の努力もむなしく斜陽の一途を辿るばかりであった。秀次郎は出所するとすぐ、心ならずも斬ってしまった幸太郎の墓参に寄った。そこには八重と幸太郎の忘れ形見和夫(保積ペペ)の姿があった。何も知らない和夫は秀次郎に甘え、八重も心よく秀次郎を家に招いた。そのころ榊組には、この山の持主田代栄蔵(芦田伸介)の口ききで陸軍省から石千トンの注文が舞いこんでいた。榊組は今までの不況をこれで一気にもり返そうと張切つた。だが一方の左右田組は御用達の注文から外され面白いはずはなく、手段を選ばぬ非道ぶりで、榊組の仕事を妨害した。またそのころ、影に陽なたに八重を助けて罪のつぐないをしようとしていた秀次郎も、八重をだまし続けることが出来ず、幸太郎殺しを八重に告白した。ちょうどその時、幸太郎と八重を結ばせるため自から身を引いて満州に渡っていた榊組の元幹部畑中圭吾(池部良)が帰ってきた。事情を知った圭吾は秀次郎と対決した。しかし八重が必死に二人を止め、二人はその場を去った。が、目指すところは二人とも同じだった。寅松のいる左右田組に向う途中二人はばったり顔を合せた。志を一つにする二人は、互いの非をわび、ガッチリと手をにぎり合った。まず圭吾が、単身左右田組に殴り込み、宗二と相討ちで倒れた。そして次は秀次郎--凄絶な死闘の末秀次郎は寅松、弥市、徳三を斬った。よろめきながら一人山を降りる秀次郎の背中の唐獅子牡丹が鮮かであった。


津川雅彦、高倉健                  高倉健、保積ペペ

題名:昭和残侠伝 唐獅子牡丹
監督:佐伯清
企画:俊藤浩滋、吉田達
脚本:山本英明、松本功
撮影:林七郎
照明:川崎保之丞
録音:加瀬寿士
美術:藤田博
技斗:日尾孝司
編集:長沢嘉樹
音楽:菊池俊輔 主題歌:高倉健「昭和残侠伝」
製作主任:武田英治
助監督:野田幸男
フィルム:富士フィルム
現像:東映化学工業
スチール:遠藤努
出演:高倉健、三田佳子、保積ペペ、池部良、津川雅彦、菅原謙二、赤木春恵、松方弘樹、芦田伸介、田中春男、河津清三郎、山本麟一、関山耕司、今井健二
1966年日本・東映東京/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
昭和残侠伝 唐獅子牡丹 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


菅原謙二、高倉健                  高倉健、池部良